株式移転による事業統合に関するお知らせ
大正製薬株式会社および田辺製薬株式会社は、対等の精神で株式移転により両社で共同持株会社を設立して、事業の一体的運営を図り、更に傘下会社の事業統合を推進することについて、基本的な合意に達し、平成13
年9 月17
日開催のそれぞれの取締役会決議を経て、「共同株式移転に関する覚書」を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
1 .株式移転による事業統合の理念と目的
大正製薬株式会社と田辺製薬株式会社は、医薬品業界における競争の激化およびゲノム創薬をはじめとする科学技術の進歩など、経営環境の急速な変化に迅速に対応し、将来も競争力のある企業集団として発展するために、事業統合を行うことが両社にとって当面の最善の選択肢であると判断いたしました。
統合新会社においては、「医薬品、その関連事業、情報およびサービスの提供を通じ、健康で豊かなくらしを願う世界の人々に貢献する」を基本理念として、医療用医薬品事業とセルフ・メディケーション事業のグローバル・カンパニーを目指します。
そのための施策として、平成14 年4
月を目処に持株会社設立後、同年10
月を目処として大正製薬株式会社の研究開発・営業基盤を含む医療用医薬品事業を田辺製薬株式会社に統合する一方で、田辺製薬株式会社の一般用医薬品事業を大正製薬株式会社に統合することで、事業別会社に再編を図ることを基本に、今後検討を進めてまいります。両社が持つ研究開発力と営業力を相互補完し、早期に事業統合することにより、医療用医薬品事業およびセルフ・メディケーション事業において、経営の安定化・効率化、収益性の向上および研究開発力の強化・充実を志向するとともに、持株会社によって各事業に適切な経営資源の配分を行うことにより、株主価値の最大化を積極的に推進してまいります。
2 .株式移転の条件等
(1) 株式移転の日程(予定)
平成13 年9 月17
日株式移転覚書承認取締役会(株式移転覚書の締結)
平成13 年11
月中旬株式移転契約承認取締役会(株式移転契約の締結)
平成14 年1 月中旬株式移転承認株主総会
平成14 年3 月31 日
株式移転をなすべき日(共同持株会社の上場日)
平成14 年4 月1
日株式移転の日(共同持株会社の設立登記日)
ただし、株式移転の手続上やむを得ない事由が生じた場合は、両社協議のうえ、
日程を変更する場合があります。
(2) 株式移転比率
会社名 大正製薬株式会社 田辺製薬株式会社 株式移転比率 1 0.55 (注)
1 .株式の割当比率
大正製薬株式会社の株式1 株に対して割り当てる持株会社の株式の数と田辺製薬株式会社の株式1 株に対して割り当てる持株会社の株式の数との比率が1 対0.55 となるように割当交付いたします。なお、平成13 年6 月29 日に公布された「商法等の一部を改正する等の法律」により、額面株式制度が廃止され、また単元株制度が導入されることになっておりますので、割当交付される株式の数については、詳細が確定次第ご報告申し上げます。
2 .株式移転比率の算定根拠
第三者機関である株式会社東京三菱銀行に株式移転比率の算定を依頼し、その算定結果を参考として、当事会社間で協議した結果、上記のとおり決定いたしました。なお、上記の株式移転比率は、算定の前提となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、当事会社間で協議のうえ、変更することがあります。
3 .第三者機関による算定根拠
株式会社東京三菱銀行は、市場株価方式、時価純資産額方式およびディスカウンテッド・キャッシュフロー分析方式(DCF 方式)に基づいて株式移転比率を算定いたしました。
(3) 株式移転交付金
株式移転交付金は支払わないものとします。
(4)
設立後における新会社の上場申請に関する事項
新たに設立する共同持株会社は、設立後速やかに東京証券取引所および大阪証券取引所
に新規上場申請を行うことを予定しています。
上場日は、各証券取引所の規則等に基づき決定されますが、株式移転をなすべき日である
平成14 年3 月31 日を予定しています。
株式移転に伴い、現在、両社が各証券取引所に上場している株券は、平成14
年3 月26 日
をもって上場廃止となる予定です。
(5)株式移転の当事会社の概要(平成13 年3 月31
日現在) 略
3 .新会社(共同持株会社)の概要
(1)商
号 大正田辺ファルマグループ株式会社(予定)
(2)事業内容
子会社の経営管理およびこれに付帯する業務
(3)本店所在地 東京都豊島区(予定)
(4)取締役および監査役持株会社の代表取締役は、代表取締役会長として現田辺製薬株式会社
代表取締役社長
田中登志於、代表取締役社長として現大正製薬株式会社
代表取締役社長上原明が就任する予定です。なお、取締役数は原則として、それぞれ大正製薬株式会社、田辺製薬株式会社が推薦する者同数が就任いたします。
これに加えて取締役名誉会長として現大正製薬株式会社
代表取締役会長 上原昭二が就任予定です。監査役については、今後両社で協議して決定いたします。
(5)資 本 金
今後両社で協議して決定いたします。
(6)発行予定株式数
今後両社で協議して決定いたします。
(7)決 算 期年1 回3 月31 日
(8)設立後の見通し
業績見通しについては詳細が決定次第、お知らせ致します。
株式移転による事業統合見送りのお知らせ
大正製薬株式会社および田辺製薬株式会社は、医療用医薬品事業とセルフメディケーション事業のグローバル・カンパニーを目指すべく、経営統合に向けた協議を重ねてまいりましたが、このほど、本統合を見送ることで両社合意いたしましたので、お知らせいたします。
両社は、医薬品業界における経営環境の急速な変化に迅速に対応し、将来も競争力のある企業集団として発展するために、事業統合を行なうことが両社にとって当面の最善の選択肢であると判断し、平成13
年9 月17 日付にて「共同株式移転に関する覚書」を締結いたしました。
本統合の趣旨は、共同持株会社を設立した後に、両社の医療用医薬品事業、セルフメディケーション事業をそれぞれ事業統合することで、経営の安定化・効率化、収益性の向上、研究開発力の強化・充実および持株会社による各事業への適切な経営資源配分により、株主価値の最大化を追求していくことにありました。
しかしながら、その後、統合準備委員会等における実務レベルでの協議を両社で精力的に行なってきた結果、経営統合による相互補完的なメリットと規模の利益は存在するものの、事業再編の方針の相違や、人事・組織体制などの基本的なインフラの相違から、それぞれの会社が持つ特質と優位性を最大限に発揮して株主価値の向上を図ることが難しいとの結論に至り、本統合を見送ることを決定したものであります。
弊社は引き続き医薬品業界を取り巻く厳しい経営環境を認識し、セルフメディケーション事業の収益力の強化、及び医療用医薬品事業を強化していく為の諸施策を立案・実施していく所存でありますので、引き続きご支援の程、お願い申し上げます。
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大正・田辺製薬統合破談 意思疎通を欠き理念かみ合わず
大正製薬上原社長 資本の論理当然/田辺製薬田中社長 対等と理解
経営統合をわずか2カ月半で白紙撤回した大正製薬の上原明、田辺製薬の田中登志於の両社長が7日までにそれぞれインタビューに応じ、医療機関向け医薬品分野を巡る主導権争いが、破談の原因であることを強くにじませた。両氏の主張からは統合理念そのものの欠如も浮かび上がり、性急すぎた企業再編の溝の深さを改めて印象づけた。
ー 破談の原因は何だったのか。
田中氏 「大衆薬(一般用医薬品)は大正に全面的にお任せするが、医療用薬の研究開発、販売は田辺主導でという話だった」
上原氏 「まな板の上の鯉のように(田辺に)任せるわけにいかない。すべて任せて大正が多額の研究開発費を出していたら株主責任は果たせない」
医療用薬を短期間で成長させたい大正製薬と、赤字部門の大衆薬を大正に渡し医療用薬は主導権を保持したい田辺製薬。9月中旬の統合覚書の前にトップ同士が会ったのは3回だけ。実務者レベルも覚書後に週1回のぺースで協議したが、統合理念をすり合わせていないのだから溝は深まるばかりだった。
ー 大正の方が売上高、資金力で勝る。立場の上下はあったのか。
田中氏 「あくまで対等の立場だ。田辺は大正にのみ込まれないと一貫して主張したし、相手も理解していると思っていた」
上原氏 「持ち株会社への株式移転比率は大正が田辺の約2倍で、資本の論理が働くのは当然。意思決定は事業会社が個別にでなく、共同持ち株会社で決める形を思い描いていた」
持ち株会社の役員数は同数とするなど「対等の精神」を打ち出した。田辺は交渉の過程で「精神」の文字も外すよう要請したが、大正は資本の論理で両事業会社の経営に関与できると踏んでいた。田辺から破談を言い出し、大正もすんなり受け入れた事務連絡だけの終幕。「何もやらない方が責任は重い」(上原氏)、「想定したメリットがないから当然」(田中氏)と経営責任は否定した。
ー いったん経営統合を決めたのは、1社では生き残りが難しいことを表明したのと同じ。今後どうするのか。
田中氏 「年間売り上げが約100億円の大衆薬は単独の生き残りが難しい。医療用薬は外資系との技術提携を今まで以上に強化する」
上原氏 「医療用新薬を出し続けるためには開発のスピードアップが重要。ただ、外資や大正より規模が大きい国内企業はパートナーの選択肢にない」
国内の医療用薬市場は医療費の抑制政策で地盤沈下が予想されるうえ、欧米の巨大製薬会社は世界2位の日本市場への攻勢を強めている。両社はともに新たな統合などの用意があることを示したが、「意思疎通すら十分にできない実態を見せつけられて、今後、一緒になろうという企業が出てくるかどうか」(大手製薬首脳)との批判も強い。破談劇のつけは大きい。
2002/8/5 田辺製薬
米国でのジョイントベンチャー設立について
田辺製薬株式会社(社長:葉山夏樹)は、エーエーアイファルマ社(米国、社長:フィリップ・S
・タビナー博士)と、米国に両社50
%出資による医薬品の開発・販売を行うジョイントベンチャー(JV:共同新会社)を設立することに、合意しました。
田辺製薬は、世界の人々に貢献する医薬品を日本から世界に発信する体制づくりを進めています。今回のJV
設立は、田辺製薬の米国における開発・販売体制構築の足掛かりとすることを狙いとしたものです。
JV
に対して、田辺製薬は自社で創製した化合物など数品目を、また、エーエーアイファルマ社は、医薬品の研究・開発企業として培ってきたノウハウを、それぞれ提供し、両社の協力によって米国市場における早期上市を目指します。
なお、田辺製薬は米国における当社グループ事業の統括会社であるタナベホールディングアメリカ社を通してJV
に出資しますが、出資等の詳細については、今後両社で検討していきます。また、将来的にタナベホールディングアメリカ社はJV
を買取る権利も留保しています。
【新会社の概要】
・ 会社名 : タナベ エーエーアイ エルエルシー(TANABE AAI LLC ) ・ 所在地 : 米国ノースカロライナ州ウィルミントン市
(North Carolina,Wilmington)・ 運営 : 両社から3 名ずつ任命されたメンバーで構成する取締役会(Board of
Managers )で運営する。・ 設立時出資金予定額: 両社15 万ドル、計30 万ドル(予定)
<参考資料>
1 .基本スキーム
@田辺製薬の100 %子会社のタナベホールディングアメリカ社およびエーエーアイファルマ社が、JV の設立および運営費用の1/2 をそれぞれ出資。
A田辺で創製した化合物数品目を提供。
Bエーエーアイファルマ社は、医薬品の研究・開発企業として培ってきたノウハウを提供し、フェーズUまでの開発費を負担。
なお、フェーズV以降の開発費はJV が負担。
開発計画の変更や臨床試験進め方等については、JV ならびに品目毎のプロジェクトチームで協議する。
CJV の損益は両社で折半。
2 .エーエーアイファルマ社概要
和文 英文 会社名 エーエーアイファルマ社 aaiPharma Inc. 本社所在地 米国ノースカロライナ州
ウィルミントン市2320 Scientific Park Drive
Wilmington,North Carolina
28405,U.S.A.設立年 1979 年 1979 売上高 141.1 百万ドル(2001 年度) $141.1 million (2001 ) 従業員数 約1,400 名 About 1,400 代表者名 フィリップ・S ・タビナー氏
(社長)Philip S.Tabbiner
(Chief Executive Officer and
President)事業内容 研究受託、医薬品研究開発販売 Contract Research 、
Pharmaceutical R&D and Sales
3 .これまでの両社の関係について
2001 年6 月 田辺製薬の有するDDS 技術を介した協業について契約締結
2002 年1 月 高血圧症治療剤「タナトリル」の米国およびカナダでの独占的販売権を
エーエーアイファルマ社に付与
化学工業日報 2002/9/24
田辺製薬、インドネシアの製剤設備を増強
田辺製薬のインドネシア法人・タナベ・アバディは、バンドン工場を軸とした生産体制の拡充を図る。タナベ・アバディは、ヘルベッサー、タナトリルなどの製剤設備を増強し、2004年をめどに東南アジア全域への製剤供給拠点とする。また田辺製薬が生産しているその他の原薬の一部をバンドン工場で生産開始する。これにともない、現在行っているヘルベッサー原薬の生産を中止し、田辺製薬からの輸入に切り替える。
ジェネリック子会社の事業を休止
大正製薬(社長 上原 明)は、子会社「メドウェル大正株式会社」の活動を本年6月末で一旦休止させることにいたしました。
当社は、医療費高騰に伴う医療諸制度の改革が議論されている中で、安価で良質な後発医薬品(ジェネリック医薬品)を市場に提供することも製薬会社の使命の一つと考え、平成11年の1月に全額出資の子会社「メドウェル大正株式会社」を設立、同年4月より業務を開始しました。
しかし医療関連諸制度の改革は、経済状況の低迷もあって当初の予想以上に先送りされているのが実状です。当社が目指したジェネリック医薬品の意義が大きく発揮されるまでには、まだ多くの時間と様々な制度改革の実施が必要であると考えます。
こうした状況を考慮して、ジェネリック子会社の事業を一旦休止させることにいたしました。出向しておりました社員三十名は、全員大正製薬本体に復帰いたします。
今後当社では、約二年に渡って培ってきたジェネリック事業のノウハウを社の貴重な財産ととらえ、さらに研究を進め、来るべき時期に備える所存です。「メドウェル大正」とほぼ同時期に設立した、ジェネリック医薬品の製剤研究を行う「G研究室」(大宮総合研究所内)の業務は、今後とも継続いたします。
◇メドウェル大正株式会社概要
設 立 平成11年1月6日 業務開始 平成11年4月1日 業務停止 平成13年6月30日 本 社 埼玉県大宮市吉野町1−403(大正製薬工場内) 支 店 東京支店(メドウェル大正本社内)、福岡支店 業務目的 ・ 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療用具、治療衛生材料、動物用医薬品、
農薬、工業薬品、毒物、劇物、食品添加物、酒精飲料の研究、開発、製造、
販売および輸出入
・ 医薬品原料の製造、販売及び輸出入
・ 医薬品に関する情報提供サービス業務
・ 医療及び医療経営に関する情報提供サービス
・ 前各号に付帯関連する一切の業務資本金 2億円(大正製薬(株)100%出資) 代表者 社長 大平 明 従業員数 30名
「メドウェル大正株式会社」を設立
大正製薬(社長 上原 明)は、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の販売を目的とした全額出資の子会社「メドウェル大正株式会社」を設立しました。
1月6日付で会社登記は完了し、4月1日より業務を開始いたします。
医薬品業界をとりまく環境は年々厳しさを増し、行政による様々な施策が打ち出されておりますが、一方で家庭における医療費負担の増加も切実な問題となりつつあります。
大正製薬では「生活者の健康の維持・増進に貢献する」を社是として、これまでも一般用医薬品と医療用医薬品のそれぞれの分野で優れた薬剤を提供することを心掛けてまいりました。
医療用医薬品の分野においては、画期的な新薬を開発することが重要な使命ですが、医療制度の改革が求められている今、安価で良質な薬剤(ジェネリック医薬品)の提供も製薬企業の重要な使命の1つと考え、ジェネリック医薬品を専門に取り扱う「メドウェル大正株式会社」を設立することにいたしました。
「メドウェル大正株式会社」は、ジェネリック医薬品の開発と販売を専門とする会社として、設立当初は本社(東京支店含む)と福岡支店で業務をスタートさせ、順次全国展開を計っていく予定です。
当初は、良質な製品を外部企業より導入し「メドウェル大正株式会社」の責任において各医療機関へ提供させていただきますが、今後はジェネリック薬の研究開発専門の研究室を大正製薬総合研究所内に設け、特徴ある製品の開発に注力していきたいと考えております。
「株式会社
大正ビジネス総研」を設立
大正製薬(社長 上原 明)は、全額出資の子会社「株式会社大正ビジネス総研」を7月2日付で設立し、7月16日より業務を開始します。社長は、上原 明大正製薬代表取締役社長が兼務します。
大正製薬は、医薬品の研究開発、製造、販売などの部門とは異なる支援部門の一部を分離し、体制を切り替えた上で、その業務を大正ビジネス総研に移管します。移管業務部門の社員は、原則として全員が新会社に出向となります(総数約180名)。処遇は従来通りといたします。
〔事業内容〕
(1) 情報処理事業
大正製薬より情報システムの開発・運営およびPOSシステム(サポートVAN)の管理・運営業務を受託します。当面は大正製薬の情報システム部およびサポート推進部所属の社員が出向します。
(2) リテールサポートシステム開発事業
大正製薬よりお得意先様向け商圏分析などの業務支援ソフト開発を受託します。当面は大正製薬のRSS開発部所属の社員が出向します。
(3) ビデオ制作事業
大正製薬よりビデオ制作などの業務を受託します。当面は大正製薬のRSS開発部所属の社員が出向します。
(4) 印刷事業
大正製薬より印刷、写真制作などの業務を受託します。当面は大正製薬の総務部所属の社員の一部が出向します。
(5) コンサルティング事業
大正製薬より海外事業開発、工場建設などに関するコンサルティング業務を受託します。ニーズにあった高い専門性を有する社員(当面は60歳以上の高齢者)を大正ビジネス総研に移管・雇用し、その専門性と知識を生かし、今後の事業展開に活用します。
〔目 的〕
大正ビジネス総研設立の最大の目的は、それぞれの事業部が固有の領域での専門性を高め、効率性を追求することで、大正製薬グループ全体に貢献し、事業基盤の強化を目指すことにあります。
当面は大正製薬からの業務受託が事業の殆どを占めますが、いずれは、株式会社大正ビジネス総研の持つ専門性を活かしながら、新たな事業展開を図る所存です。
大正製薬では、平成10年7月にも物流部門を分離し「株式会社大正製薬物流サービス」を設立しています。1年が経過し、ねらい通りの運営が行われ効率も上がっております。
〔概 要〕
社 名 : 株式会社大正ビジネス総研 設 立 : 平成11年7月2日 業務開始 : 平成11年7月16日 本 社 : 東京都豊島区高田3-24-1(大正製薬本社内) 支 店 : 2支店(大阪、大宮) 資本金 : 5,000万円(大正製薬(株)100%出資) 代表者 : 社 長 上原 明(大正製薬(株)代表取締役社長) 役 員 : 取締役 和気秀行(同取締役)
同 天木 朗(同執行役員)従業員数 : 約180名 年商目標 : 初年度(約6ヶ月)8億円、次年度年商18億円を予定 業務目的 : 1. 情報システム及びサポートVAN事業に関わる開発、保守、運用業務
2. 医薬品製造業、卸業、小売業、病院の経営コンサルタント業務
3. イベントの企画、制作、及び運営
4. 販売促進に関する情報・資料の収集、企画制作及び販売
5. 映像、音響、文字等を使用した情報・資料等の提供サービス
6. 印刷業務の代行業務
7. 様々な企業業務の代行及び受託
ドリンク剤で、中国へ進出 中国企業と合弁契約を締結
当社は、主力製品の[リポビタン]を中心としたドリンク剤の中国市場への事業化を図るため、このほど中国・上海冠生園(集団)有限公司(GUAN
SHENG YUAN (Group) Co., Ltd.)との間で、合弁会社設立に関する契約を結びました。合弁会社の社名は“上海冠生園大正有限公司”で、当社が開発したドリンク剤や食品の製造・販売を目的として設立するものです。新会社は平成9年9月末に設立、発売は平成10年4月を予定しています。
なお、アジア地域でのリポビタンは、現在、タイ、台湾、香港、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ミャンマーなど8か国の地域で着実に市場を拡大していますが、中国においても高い経済成長や人々の健康意識の高まりなどによって、市場は急速に拡大するものと予想されています。
合弁パートナーの冠生園(集団)有限公司は、1918年に創業した中国有数の食品会社で、キャンディー、蜂蜜、ビール、清涼飲料など多種類の食品を製造・販売しています。
●主な契約内容
1. 会社名 上海冠生園大正有限公司
Taisho GUAN SHENG YUAN (Shanghai) Co., Ltd.2. 事業内容 大正製薬が開発したドリンク剤および各種食品の製造・販売 3. 資本金および出資比率 1,000万USドル(大正製薬:60%・冠生園:40%) 4. 本社・工場所在地 上海市嘉定区黄渡鎮工業開発区 5. 販売エリア 上海を中心とする華東地域 6. 上市時期および生産目標 平成10年4月より1,000万本(初年度)
2000/10/6 田辺製薬
米国医薬品ベンチャー企業「メディシノバ社」への出資について
田辺製薬株式会社(社長:田中登志於)は、このほど、米国の医薬品ベンチャー企業「メディシノバ社(MediciNova,Inc.)」(社長:清泉貴志)に5
百万ドルの出資を行いました。
さらに、2001 年10 月に、5
百万ドルの追加増資を引き受ける予定です。
「メディシノバ社」は、田辺製薬の米国研究拠点であるタナベ・リサーチ・ラボラトリーズU.S.A.社(以下、
TRL )の清泉貴志社長と南カリフォルニア大学医学部の岩城裕一教授が創業者となり、本年9
月に設立した医薬品ベンチャー企業です。
同社は大学等の各種研究機関の創薬に関するシードとテクノロジー(以下、プロジェクト)を医学専門家の立場で評価し、有望プロジェクトについては当該研究者と共同でプロジェクト別子会社を設立。田辺製薬とTRL
が研究開発面の支援を行い、各プロジェクトの育成と企業化を目指します。
田辺製薬は、これまでの自社での研究開発活動に加えて、「メディシノバ社」を核に広く海外の研究開発資源を有効活用し、画期的新薬創出を目指します。
「メディシノバ社」の概要は下記の通りです。
「メディシノバ社」概要
1.社 名 MediciNova,Inc. 2.所在地 4540 Towne Centre Court,San Diego,California 92121,USA 3.設 立 2000 年 9 月26 日 4.資本金 5,500 ドル(2000 年10 月2 日現在) 5.出資者 Chairman of the Board 岩城 裕一
President and C.E.O.清泉 貴志
田辺製薬株式会社6.事業内容 創薬に関するシードとテクノロジーの探索と企業化
<参考資料>
1
.「メディシノバ社」を中心とした基本スキーム
2 .「メディシノバ社」創業者プロフィール
Chairman of the Board : 岩城 裕一 (いわき ゆういち),M.D.,Ph.D.
1975年 札幌医科大学 M.D. 1989 −91年 ピッツバーグ大学医学部 外科学・病理学教授 1992年− 南カリフォルニア大学医学部 泌尿器科学・病理学教授
移植免疫学・免疫遺伝学研究所 Director
日本大学医学部客員教授
ピッツバーグ大学医学部客員教授
*これまで約15 年間にわたリ、製薬企業やベンチャーキャピタルの研究開発顧問を務めて
きたほか、複数のバイオ関連企業(Avigen Inc.等)の取締役でもある。
President and C.E.O.:清泉 貴志(きよいずみ たかし),M.D.,Ph.D.
1981年 慶應義塾大学医学部 M.D. 1983 −84年 ハーバード大学医学部移植外科リサーチフェロー 1987 −89年 慶應義塾大学医学部形成外科学教室医局長及び専任講師 1991年 マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士 2000年3月 タナベ・リサーチ・ラボラトリーズ社 President and C.E.O.就任 日本大学経営大学院客員教授
* これまで約10 年間にわたり、米国バイオベンチャー(ImmuLogic Pharmaceutical
Corporation,Interneuron Pharmaceuticals,Inc.)での経営に参画した経験を持つ。
日本経済新聞 2004/3/29
田辺製薬、大衆薬を縮小 営業員3割減 ドリンク剤などに絞る
田辺製薬は2004年度から一般医薬品(大衆薬)事業を縮小する。大衆薬担当の営業員を3割削減し、営業戦略をドリンク剤など4品目に集中する。赤字が続く大衆薬事業の黒字化を急ぐとともに、人員シフトで主力の医療用医薬品事業を強化する。
4月1日付で大衆薬を担当するヘルスケア事業部の人員を現在の77人から51人に削減する。営業員が中心で、主に医療用医薬品の医薬情報担当者(MR)などに配置転換する。同事業部の人員は01年度には100人を超えていた。
大衆薬の主力4品目としてドリンク剤の「アスパラドリンク」、生薬「ナンパオ」、目薬「スマートアイ」、軟膏の「フルコート」を選定。宣伝・広告や薬局向け営業をこれらに集中する。健康食品など不採算商品の販売は順次、縮小する。
大衆薬事業の売上高は04年3月期見込みで61億円。05年3月期には約10%滅少する見通しだが、人件費負担の軽減などにより黒字化を目指す。田辺は大正製薬との経営統合計画が破談後、単独で大衆薬事業の見直しを進めていた。