平成24年1月13日 国際石油開発帝石

オーストラリア イクシスLNGプロジェクト 最終投資決定について

 国際石油開発帝石株式会社(INPEX)は、このたび、オーストラリア IchthysイクシスLNGプロジェクトに関する最終投資決定を行いましたので、お知らせいたします。
 本プロジェクトは、当社子会社のINPEX Ichthys Pty Ltd社など豪州グループ会社を通じて、TOTAL E&P Ichthys社とともに推進するオーストラリア連邦西豪州沖合WA-37-R鉱区ほかに位置するイクシスガス・コンデンセート田の開発プロジェクトであり、本邦企業が主導する初の大型LNG(液化天然ガス)開発プロジェクトとして、当社は2016年12月末までの生産開始に向けて本格的な開発作業に着手します。
 本プロジェクトは、西豪州沖合に位置するイクシスガス・コンデンセート田より産出される天然ガスを、オーストラリア連邦北部準州のダーウィンに建設する陸上プラントにて液化し、年間840万トンのLNGおよび年間約160万トンの液化石油ガス(LPG)として生産・出荷するとともに、洋上貯油・出荷施設(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading)等から日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する大規模なプロジェクトです。本プロジェクトの総投資額は340億米ドル(当社負担分(権益比率72.805%*)は247億米ドル、円換算でおよそ1.9兆円。)を見込みます。

* 当社イクシスLNGプロジェクト保有権益(プロジェクト全体の76%)のうち、既に大阪ガス株式会社(1.2%)、東邦ガス株式会社(0.42%)、東京ガス株式会社(1.575%)への一部譲渡について当事者間で合意しており、これら全ての譲渡に対する豪州政府当局からの承認をもって当社のイクシスLNGプロジェクト権益比率は72.805%となります。

 北部準州のダーウィンに設置する陸上LNGプラント(2トレイン)の建設は、日本の大手エンジニアリング会社である日揮株式会社をリーダーとする、千代田化工建設株式会社および米国のKBR社から構成される企業連合との間でEPC契約(Engineering, Procurement and Construction、詳細設計・資材調達・建設)を締結します。また、沖合生産施設やガス輸送パイプライン等に関するEPC契約については、国内外の主要企業との間で締結します。
 ダーウィンに建設予定の陸上LNGプラントから生産・出荷されるLNGについては、既に、東京電力株式会社、東京ガス株式会社、関西電力株式会社、大阪ガス株式会社および九州電力株式会社の5社からなるコンソーシアム、中部電力株式会社、東邦ガス株式会社、CPC Corporation, Taiwan、自社引取分として当社およびTOTAL社との間でそれぞれ2017年から15年間の長期LNG売買契約を締結しており、本プロジェクトから生産されるLNGの7割相当が日本に仕向けられることが決定しています。
 本プロジェクトのLNG生産規模が日本のLNG総輸入量の1割強を占める大規模なものであることから、本プロジェクトの実現により、日本へのエネルギーの長期的な安定供給や、エネルギー調達におけるリスク分散に一層の貢献ができるものと考えています。
 当社は、本プロジェクトを実施するにあたり、周辺環境保全への配慮や地域社会の発展のための貢献をプロジェクト実施上の重要事項と認識しており、二酸化炭素排出削減のためのプログラム策定やダーウィンにおける職業訓練校の開設など具体的な地域貢献活動を実施しています。こうした活動を始めとして、本プロジェクトは、エネルギー資源大国の一つであるオーストラリアの社会・経済全体の発展に寄与するとともに、二国間の友好関係の更なる増進に資するものと期待されます。
 本プロジェクトは、マハカム沖鉱区プロジェクト(インドネシア)、バユ・ウンダンプロジェクト(チモール海共同石油開発地域)、タングーLNGプロジェクト(インドネシア)に次いで当社が手掛ける4件目のLNG開発・生産プロジェクトですが、このプロジェクトにおいては初めて操業主体(オペレーター)を務めます。本プロジェクトは、当社の中長期的な成長戦略における中核的プロジェクトの一つと位置づけられ、今回のイクシスLNGプロジェクトの最終投資決定は、当社の事業戦略を追求するうえで大変重要なマイルストーンであると認識しています。
 また、本プロジェクトの実現により、今後国内外で需要が高まるクリーン・エネルギーとしての天然ガス(LNGを含む)事業における当社の積極的な事業展開と当社事業戦略であるガスサプライチェーンの構築がより確かなものとなります。同時に、当社のプロジェクト資産のポートフォリオも一段と充実します。
 当社は、連邦政府、西豪州政府および北部準州政府をはじめとするオーストラリアの関係者やプロジェクト関係者の方々のご理解とご協力を得ながら、本プロジェクトを遂行してまいります。
 

<補足・関連情報>
(1) 生産開始(予定):2016年12月末
(2) 埋蔵量&生産量(予定): 埋蔵量は、年間800万トン超のLNGを約20年の長期にわたり生産できる規模。
    生産量は、LNG年間840万トン、LPG年間約160万トンおよびコンデンセート日量約10万バレル(ピーク時)。
(3) 本プロジェクト参加割合(権益比率):


(4) 総投資額:340億米ドル
     うち当社負担分(72.805%)は247億米ドル(円換算でおよそ1.9兆円)
(5) 資金調達方法:自己資金および借入金(プロジェクトファイナンスの組成に向けて準備中)
(6) LNGマーケティング:

買主 LNG年間販売量
東京電力 105万トン
東京ガス 105万トン
関西電力 80万トン
大阪ガス 80万トン
九州電力 30万トン
中部電力 49万トン
東邦ガス 28万トン
CPC社(台) 175万トン
TOTAL社(仏) 90万トン
当社 90万トン
合計 (832万トン)

販売契約期間:2017年から15年間

(7) 政府許認可関係:
主要許認可のうち、環境承認およびガスエクスポートパイプラインライセンスについて取得済、本最終投資決定をもって遅滞なく生産ライセンスを取得予定


 

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2012/1/14 日本経済新聞

2010年代後半までに予定される主なアジア向け新規LNGプロジェクト

  プロジェクト 能力
万トン/年
操業主体
豪州 Gorgon 1,500 Chevron
Wheatstone 860 Chevron
Queensland Curtis  850 英BG Group
Ichthys 840 INPEX
Australia Pacific 700 ConocoPhillips
Pluto 430 豪 Woodside
インドネシア Tangguh 380 BP
Abadi 250 INPEX
Donggi-Senoro 200 三菱商事
パプアニューギニア PNG 660 ExxonMobil

平成24年3月16日 国際石油開発帝石(Inpex) 

オーストラリア プレリュードFLNGプロジェクト シェル社からのプロジェクト権益の取得について

 国際石油開発帝石は、当社子会社のINPEX Oil & Gas Australia Proprietary Limitedを通じて、Royal Dutch Shell plc社の子会社であるShell Development (Australia) Proprietary Limited(SDA社)がオーストラリア連邦西豪州沖合WA-44-L鉱区にて開発中のPrelude FLNGプロジェクトに関し、このたび、SDA社から本プロジェクトの17.5%の権益を取得することについて合意しましたので、お知らせいたします。


 なお、今回の権益取得は、オーストラリア政府の承認を含む権益譲渡契約上の先行条件の充足が契約発効のための条件となります。
 Prelude FLNGプロジェクトは、西豪州Broome市の北北東約475kmの沖合に位置するPreludeガス田およびConcertoガス田より、年間360万トンのLNG年間約40万トン(ピーク時)のLPGおよび日量約3.6万バレル(ピーク時)のコンデンセートを浮体構造に天然ガス液化設備を搭載したFloating LNG(FLNG)方式により生産・液化・出荷するプロジェクトです。シェル社は、オペレーターとして、2011年5月に世界初のFLNG方式によるプレリュードガス田およびコンチェルトガス田の開発についての最終投資決定をし、現在開発作業中です。2007年初めのプレリュードガス田発見からおよそ10年での生産開始を目標としております。
 当社は、インドネシア共和国アラフラ海Masela鉱区Abadiガス田の開発において、LNG事業に関する世界的なリーディングカンパニーであるシェル社を戦略的パートナーとして選定し、現在、同社他とともにFLNG方式による開発準備作業をオペレーターとして実施しております(Abadi LNGプロジェクト)。当社のプレリュードFLNGプロジェクトへの参画により得られるFLNGに関するシェル社の経験・知見を活用することにより、当社アバディLNGプロジェクトを一層着実に遂行できることが期待されます。本プロジェクトへの参画は、アバディLNGプロジェクトをはじめとする当社とシェル社との広範な協力関係をより一層増進するものとなります。
 当社はオペレーターとして最終投資決定をしたイクシスLNGプロジェクトをはじめ、インドネシア・ボンタンLNGプラントに天然ガスを供給している東カリマンタンMahakam沖鉱区、東チモールとオーストラリアのチモール海共同石油開発地域におけるBayu-Undan LNGプロジェクト、インドネシアのTangguh LNGプロジェクト等へ参画し、またカナダシェールガスプロジェクトへ参画を決定しておりますが、本プロジェクトへの参画により国内外で需要が高まるクリーン・エネルギーとしての天然ガス(LNGを含む)事業における当社の事業展開が更に強化され、当社のプロジェクト資産のポートフォリオが一段と充実します。
当社は今後も、オーストラリアをはじめ、アジア・オセアニア地域での事業展開に積極的に取り組んで参ります。

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マハカム沖鉱区およびアタカユニット(原油、天然ガス:生産中)  

マハカム沖:Inpex 50%、*TOTAL 50%
アタカユニット:Inpex 50%、*Chevron 50%

マセラ鉱区(アバディ) (ガス・コンデンセート:準備中)

マセラ:Inpex 60%、Shell 30%、EMP Energi Indonesia 10%

Inpexは12月21日、生産規模を4割縮小する計画がインドネシア政府の承認を得たと発表した。
技術的に難しい洋上LNG基地方式を採用しているため。
当初の年450万トンの計画を、年250万トンでスタート、段階的に引き上げる。

Inpexは2011年7月、Shellを戦略的パートナーとし、権益30%を譲渡した。

ベラウ鉱区ータング (LNGプロジェクト:2009年7月よりLNG供給を開始) 

ベラウ:MI Berau 22.856%、BP 48.0%、日石ベラウ 17.144%、KGベラウ 12.0%
タングーユニット:MI Berau 16.3%、*BP 37.16%、CNOOC 13.9%、日石ベラウ 12.23%、
        KGベラウ・KGウィリアガール 10.0%、LNG Japan 7.35%、Talisman 3.06%
                              (MI BerauはInpex 44%、三菱商事 56%のJV)

Ichthys   2012/1/16 国際石油開発帝石、豪州イクシスLNGプロジェクト 最終投資決定