LNGポートフォリオ最適化の実施に係る最終合意について

株式会社JERAは、このたび、EDF Tradingとの間で、両社のスポットや短期契約によるLNGの売買や輸送の最適化を両社のJVであるJERA Tradingが一元的に実施することに合意しましたのでお知らせします。

JERA:

2017/3/31 東電と中部電力、既存火力発電事業の統合に係る基本合意書の締結 

今回の合意により、規制当局による承認を前提として、JERAは、JERATを通じて、2019年前半を目途にLNG調達・販売におけるリスク評価・管理をグローバルに行う体制を整備し、LNGポートフォリオの最適化を開始いたします。

具体的には、JERAのLNG需要や市況などの最新情報についてITシステムを用いて分析することに加え、金融商品取引を実施できる専門人材を確保し、リスクの低減を追求していきます。
また、EDFTの持つ欧州のLNG基地・パイプラインガス市場へのアクセスの活用や、当社が参画する米国フリーポートLNGプロジェクトの原料ガス・電力の売買や最適化取引の実施能力を向上させることなどにより、バリューチェーン全体の高度化・効率化を行っていきます。
これらにより、欧米の天然ガス・LNG各市場とアジアのLNG市場を繋ぐ統合的な最適化を実現してまいります。

図:最適化の実施体制(2019年前半以降)

参考 2016/11/22 東京ガス、英のCentrica とLNGをスワップ  

なお、こうしたグローバル市場で新たな取り組みを進めていくことを踏まえ、最適化開始までに、JERATの社名を"JERA Global Markets"に変更することを予定しております。

JERATはEDFTの石炭部門を統合し、2017年4月から約200人体制でグローバルな取引を実施してまいりました。

グローバル石炭トレーディング事業の実施に係る最終合意について

株式会社JERAは、このたび、EDF Tradingとの間で、JERA Trading SingaporeがEDFTの石炭トレーディング事業を統合し、グローバル展開することを合意しましたのでお知らせします。

今回の合意により、2017年4月上旬を目途に、JERATSは、EDFTの石炭および石炭船トレーディング部門の人材や同部門が保有する石炭売買契約等の資産を承継します。また、EDFTの100%子会社であるEDFT AustraliaおよびAmstuw BVの株式全量を取得し、豪州ナラブライ炭鉱事業の参画権益7.5%およびオランダのリートランデン石炭ターミナルの操業権100%を保有します。EDFTは、JERATSの株式の33%を保有します。

今回の合意に伴い、シンガポール、英国、米国、オランダに加え日本にも新たに拠点を設置し、JERATはLNG・石炭・船舶市場で最適化を展開する世界最大規模のユーティリティー系企業になります。この最適化の展開に際しては、当社は、世界最大規模のLNGバイヤーとしてこれまで積み上げてきた経験を有する専門チームを、EDFTは欧州のメジャープレイヤーとしてトレーディング事業を実施してきた経験者を、それぞれJERATに派遣するなど、約300人体制で取り組んでまいります。

昨今、国内外において再生可能エネルギー導入拡大が進展しておりますが、再生可能エネルギーは、昼夜などの時間帯や天候によって発電量が大きく変動する不安定な電源であり、そのバックアップとしてガス火力発電の役割が重要となっております。このため、より弾力的なLNG調達が求められており、当社は、本取り組みに加えて、柔軟性のあるLNG供給ソースの開発(仕向地自由の拡大など)や新たなLNG需要の開拓(Gas to Power案件の開発)を通じて、透明で流動性の高いアジアLNG市場の創設に積極的に貢献してまいります。

今回の合意により、両社の関係はより一層強化されたと考えていますが、今後も、当社およびEDFTにメリットのある取り組みについて幅広く協議してまいります。


2021年11月25日   

JERA、LNG契約は更新せず−年末に終了へ

東京電力ホールディングスと中部電力の火力・燃料合弁会社、JERAは25日、今年が契約期間の最終年であるカタールとの年間550万トン規模の液化天然ガス(LNG)長期売買契約について、延長しない方向で検討していることを明らかにした。

小野田聡社長はオンライン記者会見で、世界的なLNG市場の発展や国内の電力・ガス市場自由化によるLNGの位置付け変化などにより、従来のような長期間の大型LNG契約を継続することが難しくなっていると語った。

LNG輸入者国際グループによると、2021年末に満了となる契約のほか、カタールとの間には2028年までの年間70万トンの契約も残る。小野田氏は同国と「友好な関係は継続していきたい」と話した。

 

カタールとの契約終了後もLNG供給が不足するとは考えていない−小野田社長

長期契約を全てやめるわけではなく、既存契約を更新するかは満了前に条件を見極めて決めていく

25年度までに500万キロワットの再生可能エネルギー開発をする目標のうち、200万キロワットを米国で開発する

JERAの米国再エネ子会社は400万キロワット以上の案件を検討中
22年初頭の着工を目指す大型陸上風力案件の開発も米国で進める