当社の石化事業の進め方
議論のための叩き台
1992/12/15
状況分析
1)過去の歴史
1980年代全般の構造不況で日本の石化は苦境に陥った。
*当社樹脂ゴム部門は1981年が最悪の情況で、売上損益は125
億円の赤字を計上し
た。但し、その時点では実際には菊本の塩ビ(高コストのVCM,小規模・多人
数のPVC)と大江の石化(小規模)が足を引っ張っていたのであり、千葉の石
化の赤字はそれ程大きなものではなかった。
日本の石化業界は産構法(1983/6)による設備廃棄と共販体制(塩ビ82/4,
ポリオレフ
ィン83/7) で乗り切った。
この構造不況は、各社がこぞって増設した時点で石油価格の高騰を機に需要が減退し
供給過剰の情況が一気に顕在化したことによる。産構法はこれに対処するためカルテ
ルによる設備廃棄、休止と新増設の禁止により供給を需要見合いに落とした。
共販体制は過当競争を制限し値下がりを下支えには役に立ったが、実際には過剰設備
の処理による需給バランス回復が最も貢献した。その直後にサウジ、カナダの石化完
成により輸入が増加し日本に悪影響を与えることが懸念されたが、幸にも欧米の好況
がこれを吸収し、ほとんど影響がなかった。
この結果石化の採算は急速に好転し、当社の場合1988年には売上損益で
376億円を上
げるに至った。
*設備処理
エチレン 6,347 千t→4,316
千t
LDPE 1,741 →1,194
HDPE 1,052 → 748
PP 1,332 → same
産構法体制は当時としてはやむを得ないもので、実際にその効果も出たが、結果論と
しては、法律で能力を一時的に平等に抑えて現状凍結を行ない苦境を切り抜けたもの
で、本来の restructuringではなく、国際競争力に劣る小規模多数メ−カ−の過当競
争体質を温存したものである。本来であれば弱肉強食による淘汰があるところを、強
者の犠牲による弱者保護で全員を残すという日本的やり方がとられた。
この弊害が産構法の指定解除(1988/3)後直ちに現われた。その後の好況を受け各社競
って休止設備の再稼働と新設を行い、再度供給過剰の状態を生じた。
*能力推移
廃棄前 廃棄後 1991/8
エチレン 6,347 千t→4,316
千t→ 6,131 千t
LDPE 1,741 →1,194
→ 1,930
HDPE 1,052 → 748
→ 1,143
PP 1,332 → same
→ 2,193
SM 1,799 →1,459
→ 2,278
その間損益面では大きな変動があった。1980年代前半の構造不況の原因であった石油
価格は 1986 年に急落した。しかしながら過当競争体制の影響で需要家との関係が弱
くなり売価をナフサスライドとする慣習が出来てしまい、それ以外のコスト要因を価
格に転嫁できなくなった。
他方その間労務費の急増、人手不足、3K問題から労務費関連の費用が急増した。自
社の労務費アップに加え、運賃、補修費、建設費が大幅にアップした。例えば千葉の
補修費は1988年と1991年とで70億円から108
億円にと54% 増加している。
金利も1984年の公定歩合2.5%という超低金利時代からバブルの進行に伴い90/8には
6%に引き上げられ、新設起業には大きな負担となった。
*当社の特殊事情としては、この間に償却方法が定額法から定率法に切り替わったこ
と、年金制度への切り替えに際し過去勤務分を定率で落とし、これをコストに加え
たことなど、経理制度変更に基づくコストアップも大きい。また過去に出来なかっ
た工場整備(タンク、サイロ、FA化、老朽更新など)をまとめてやらざるを得な
かったこと、equity financeによる恩恵を十分には受けられなかったことなどもあ
る。
これらによる運送費、固定費アップは1988年から1991年の間で、樹脂で
170億円、石
化全体では 278億円に達する。
当社の場合には後述のとおり能力不足により、これら固定費アップを販売増で回収で
きなかったことが大きい。
以上により順次損益が悪化してきた中で、今回の不況を迎えるることになった。
2)当社の問題点
ほとんどの各社が設備カルテルでの割当能力を休止にとどめ温存したのに対し当社は
全て廃棄したため、産構法終了後再稼働する設備をもたず他社に遅れをとることとな
った。
他社が石化の戦力(設備、研究その他)をそのまま凍結せざるを得なかったのに対し
当社は除却損を計上する余力があったこと、研究を移すべき部門をもっていたために
石化の戦力を縮小したため立て直しに時間がかかることとなった。更に石化の投資に
対する慎重な意見もあった。
この結果この数年間で能力は増えたが依然販売力に対し能力は小さく、業界での地位
は低下した。
このため産構法終了後にきた好況時に樹脂及び原料エチレン・プロピレンの供給不足
を来たし、一部を高コストの他社品、輸入品でつないだが、当社の需要家にコンペテ
ィタ−が参入するのを認めざるを得ない状態となった。また需要家の間で住化の供給
力に対し懸念する声が出るに至った。固定費アップを値上げで回収できない段階で数
量増で対応できないため利益は大幅に減少した。
他方三菱油化は休止設備の再稼働と率先した新増設で業界の地位を引き上げた。同社
は明かに石化不況の中で他社を駆逐して生き残る作戦をとっている。
3)今回の不況
現在の不況はある程度は以前から予想されていたもので、これを前提に対策を立てて
いた。
即ち、1992-93 年頃には世界的に景気停滞による需要減と、欧米日での大増設と韓国
・ASEANでの新設プラントの稼働による供給過剰で石化は不況を迎えることが予
想され、特に日本では産構法期限切れ後の元通りの過当競争による供給過剰と隣国韓
国での大増設による影響を受け特に厳しいものになると予想された。
この予想は二つの点で違った結果になっている。一つは東アジアの過剰能力のかなり
の部分を中国が吸収したこと、もう一つは日本の不況がバブル崩壊との複合不況とな
り予想よりはるかに深刻、長期となったことである。
*アジアにおいては供給面では予想通りとなった。
・韓国 1990 1992/末 1991内需
エチレン 1,255千t→ 3,255千t
LDPE 523 → 875 445
HDPE 763 → 1,103 471
PP 805 → 1,352 536
・マレ−シア
PP Titan Himont 100 千t 1992/3
start 関税 2% →30%
PE Titan PE 210 1993/6 予定
・インドネシア
PP Tripolita 200 1992/7
start 関税 5% →25%
PE BPほかJV 200
1993/ 初 予定
*これに対し中国が1991/ 後半から輸入を大幅に増加させ、これが需給緩和に役に立
った。但し価格は供給圧力から急速に値下がりし、各社の採算悪化を導いたが、特
に韓国の各社への影響が大きい。
中国の輸入
1988 1989
1990 1991 1992/1-9 1992 予想
PE 1,017 534
359 653 1,067
PP 562 260
218 562 453
合計 1,579 794
562 1,215 1,520 2,000
*この結果、懸念された韓国から日本への大量輸入はなく、逆に日本からの輸出が増
加し操業度を支えた。
日本の特恵関税消化
合成樹脂で4/1 から約100 億円、うち1国は1/4
がmax
1991年 韓国は 4/1に枠を超過、全体は6/4
に超過
1992年 韓国は 9/11,全体は
11 月末でまだ30% 近く枠を余している。
今回の不況は単なる需給アンバランスによるものではなく、バブル崩壊に伴う複合不
況である。
即ち、土地と株価の暴落により、個人面では逆資産効果により住宅、自動車、家電な
ど耐久消費財の購買が低落し、企業では
equity finance が出来なくなった上に、逆
に株に転換できない社債を借り入れにより返済する必要が生じ、投資が削減され、こ
れにより需要が減少した。
石化関係では1990年春から住宅、自動車の需要が減少、秋には家電に飛び火し年末商
戦全滅で本年に入って更に悪化、本年からは一般消費財に及び、フィルムなど包装関
係も需要低迷が見られ、現在でも回復がみられるどころか更に悪化しつつある情況に
ある。
政府による 10 兆円の対策もまだ効果は現われておらず、逆に年末のボ−ナスカット
による消費減少、企業収益悪化に伴う経費、投資カットの影響で需要は更に落ち込む
おそれがあり、回復には時間がかかるを思われる。また耐久消費財の普及状況から消
費飽和論もある。
合成樹脂では過去 8-10% のペ−スで伸びてきた内需が1991年には伸びがゼロとなり
本年も引き続きゼロ又は若干のマイナスになると思われる。
これに対し供給は上記のとおり大幅に増えたため供給過剰となり、売価はナフサスラ
イド・レベルをはるかに下回る状態となり、固定費増大で苦しくなっている損益を更
に圧迫し、各社実質赤字という状況になっている。
*1992/9中間決算で経常利益は各社大幅に減少、赤字会社も。
三菱油化 -69% (営業利益はたった20億円)、三井石化 -54%、三菱化成 -42%
宇部 -43 億円、東ソ− -54
億円
これに対応するため早くから値上げ、そのための減産が主張されたが、固定費圧力か
ら逆に増産となり一層の値下がりを生じた。本年後半に入りようやく減産体制に入り
PEフィルム分野では値上げの機運も出てきたが、固定費圧力の中での減産はいつま
でも続くとは思えず需給バランスが回復するまでは採算回復は難しい。
従来であればこのような時点ではMITI主導で設備カルテルを結び、供給を落とす
ことでバランスを回復させたが、産構法終了後の現在、これは認められない。逆に公
取からは共販体制の解消を要求されている。
今後はいよいよ本来の restructuringを行うしかない。
4)長期戦略の考え方
・来るべき不況を想定しそれに生き残った上で、その後の
jump-upを図ることを基本
的な考えとした。
・不況とその中での淘汰競争の中で生き残れるのは、技術とよい需要家をもつ会社で
あり、当社はその両方をもつ数少ない会社である。
需要の高度化に伴い、需要家の要求が単なる「モノ」ではなく「機能ニ−ズの充
足」に変わりつつあり、技術力のあるところが供給ソ−スとして選別される方向
に進みつつある。
*最近トヨタは技術を中心とした総合力の評価でメインサプライヤ−を選び直
した。その結果これまでのサプライヤ−の三井東圧が落とされ、宇部、東燃
はサブに落とされた。(当社、油化、三石がメインサプライヤ−)
またレジンの段階でなく需要家の段階でも生き残りの競争が始まっており、各分
野で有力な需要家をもつ当社は有利な立場にある。
*たとえばユニオンポリマ−におけるLDPEの各社の需要家別販売数量は以
下のとおりで、宇部、東ソ−はトップ10社を合計しても当社の大倉1社向
けに至らず、また全体の1位から6位までを当社の需要家(全て資本関係あ
り)が独占している。
ユニオンポリマ− LDPE需要家別販売数量(1991/1-12)
住化 (出資)
宇部 東ソ−
@大倉工業 38,058 7.2% G高一商事
5,857 F積水化学 6,484
Aサ−モ 9,322 41.8 山崎化成
3,378 Iシノムラ 4,975
B伊藤忠サンフ゜ラス 8,555 25.0 九州ホ゜リエチレン
3,334 日本マタイ 4,272
C太洋フ゜ラスチック 7,418 20.0 積水化学
3,005 東洋ホ゜リマ- 3,519
Dカイト 6,787 57.0 東邦フ゜ラスチック
2,488 参共化成 2,637
E三共ホ゜リエチレン 6,732 20.0 額田紙工
2,356 タマポリ 2,128
Hアイセロ 5,597 10.0 関西高分子
2,298 和弘フ゜ラスチック 1,986
三善加工 3,519 36.7 北一化学
2,285 双葉合成 1,924
中部化成 3,174 伏見樹脂
2,276 積水化成品 1,867
滝川化学 2,853 5.0 大井田工業
2,109 大倉工業 1,857
(top 10) (92,015) (top
10 )(29,386) (top 10) (31,649)
・セレクト論
限られた資源の中でセレクトが必要なことは当然であるが、セレクトは今後の市場
の動きの中で考える必要がある。
上述のとおり今や需要家は単なる「ポリエチ」「ポリプロ」という「モノ」を必
要としているのではなく、フィルム事業や自動車・家電などの事業での「機能の
充足」を必要としている。必要とされる機能は多面的で、変動し、常に高度化し
つつあり、これを充足させるには単一のポリマ−ではなく、多数のポリマ−、コ
ポリマ−、それらのコンパウンド、アロイをもつ必要がある。更には単に需要家
の要求に応じ候補製品を出すのではなく、機能を確認してから供給する、ひいて
はこちらから新機能付与製品を提案することが必要となる。(PTCはこれを狙
ったもの)
単品しかない場合これらの役割は果たせず、特定の分野に限定されることになる。
*米国ではこの動きは日本より遅れており、むしろ専門化の方向にあるが、
その中でダウは自動車、家電向け取り引き(PS、ABS、PC)でPPを
もつことが必須であると認識し、当社にアプロ−チしている。
当社としてはこれまでの中心事業であるフィルム分野と、自動車、家電を中心と
するインジェクション分野を今後も対象とすべきである。
両分野において、PE、PPを大きな柱としつつ、その周辺のレジン及びそれ
らのコンパウンド、アロイを揃え、需要家のニ−ズに最も適した製品を供給す
る。
PE、PPは主力製品として海外も含め世界的水準にまでもっていき、他のレ
ジンについても生き残りに必要な最低限の能力をもたせる。
当社の現行レジンのうち塩ビがこの考え方の枠外となる。但しこれについては
これだけの商権を捨てるには惜しく、売却するには弱体すぎる(商権は消えて
しまい価値がなくなる)。
たまたま第一塩ビグル−プは全て単独では存続が難しく、逆に東西各2工場体
制から一体化すれば非常に強い立場になることから、千葉に建設する第一塩ビ
製造を中心に一体化による強化の方向を考えた。
*現在日本ゼオンを中心に一体化の検討を始めている。
・上記の考えに沿い、当面の供給不足を補う目的で以下の考えで起業を進めてきた。
千葉には立地上の制約があることから千葉での起業は以下に止めている。その後に
ついては今後の推移を見て、例えば他社コンビナ−トでの展開も含め弾力的に考え
ることとした。
PP 千葉ポリプロ 1990 start 当初60千t,現在80千t(当社40千t)
宇部ポリプロ 1993 start 80千t(当社25千t)
これは産構法がらみでやむを得ず、宇部、徳曹とのJVとしたが、最終的
には千葉(6CR)は当社が独自に運営することを念頭に置いた。
6CRはインジェクション専用とし、次に単独でフィルム専用の7CR
(80千t)を建設する。
PE 千葉ポリエチレン 1992
start 80千t(当社 60 千t)
東ソ−との輪番。時期は同社四日市で当社技術で100
千t程度とし、当社
が1/2 参加、関西の供給基地とすることを考えた。(千葉は増設用地なし、
同社のエチレンに入り込む。千葉からは東ソ−は離脱、当社単独運営)
PS まず2期(倍増:技術料
3.2億円 vs 1期 9.8億円)を早急に実施。最終
200 千tまではやりたい。
*NPSは1993/6で引取り停止、解散の方向で協議する。
PVC サス(第一塩ビ製造)1992
start 80千t(当社実質 40 千t)
完成後1CV(15 千t)
をS&Bする。将来は第一塩ビ4社の塩ビ事業
(ペ−ストを含む)を一体化し、トップメ−カ−とする方向で考える。
PTC 1993/ 末 完成予定
エチレン 京葉エチレン 1993
start 600 千t(当社 150千t)
SM 千葉スチレン 1994 start 250 千t(当社 100千t)
・海外戦略
当社の技術を生かしうる分野で進出するという観点で、3分野を考えた。
日本を研究センタ−とし現地では現地事情でファインチュ−ニングする形をとり
増大する研究費負担を薄めることも期待。
1)欧米でのPP事業
当社のガス法技術とフィルム等製品技術、コンパウンド技術での進出。
まず米国でのPPレジンと欧米でのコンパウンド、将来は欧州でのレジン。
フィリップスJV 既存220
千t(当社触媒に転換)+ガス法120 千t
米国コロニアル社でのコンパウンド、将来はレジンJVに移す。
欧州ラバホ社へのコンパウンド委託
2)シンガポ−ル2期計画
今後急拡大が想定される市場での日本のコピ−化。
LDPE 70千t
LLDPE 120千t
PP 120千t ほか
3)特定技術での進出
韓国 油公エラストマ− EPDM 20千t 1992
start 当社30% 出資
ラッキ−MMA m-MMA 40千t 1993 start 当社25% 出資
対策案
以前から予想したように不況となり、当初の予想以上にそれが長期化する見通しとなった。固定費高の中での減産は続くとは思えず、需要が回復するまでは値上げも無理で、各社の損益は一段と悪化すると思われる。
このなかで従来のやり方であった不況カルテルによる設備調整は今回は認められず、共販体制も公取の圧力で近い将来解散せざるを得ないと思われる。
その詰果必然的生き残りのための争いの時代に入り業界協調時代は終焉を迎える。その中で強者は更に強くなり、弱者は撤退または吸収され、初めて真のrestructuringがなされる。
当社としては業界協調路線を変更し、生き残りのための積極策をとると共に、当社の強みを更に強化すべきではないか。
1) 基本姿勢
業界リーダーとしての立場より当社の利害を優先させる発想、相手は生きるか死ぬかの争いでのコンペティターであるという認識に転換する。
2) 価格政策
当社はこれまで先発の立場、業界のリーダーとしての立場を重視した価格政策をとってきた。
少数の例外を除き、率先した値下げはやらず、後発が値下げで入ってくるのもある程度は黙認する立場をとっている。また現在のような値上げ努力時には、他社の値下げには追随しない。
これは見識ではあるが、この結果順次シェアをとられていることは間違いない。
更に当社にとって大きな財産である需要家との関係が弱くなるおそれ、需要家自体を弱体化させるおそれがある。
住化品は高いとの声が色々なところで聞かれる。営業の一部には「需要家に行けば値下げを言われるので訪問を避けている」という声もある。(他社はこういう時こそ日参し有利な条件で売り込みをおこなっている。)また関係会社からは期末には市況に合わせるというだけで実際の市況を教えてもらえないのでどこまで製品価格を下げてもよいのか分からず競争相手に負けるとの不満も出ている。
当社と対象的なのは日蝕の政策である。アクリル酸やMMAモノマーなどの有機薬品で樹脂とは若干異なるが、冗談にせよ以下の説明を堂々としている。
「工場には優秀な者を、営業には馬鹿を入れる。営業は(馬鹿だから)売るには価格を下げるしかないと考えドンドン価格を下げる。工場は(優秀だから)大変だと思い懸命にコストを下げる。営業はコストが下がったからとして更に価格を下げる。これを繰り返しているうちにトップシェアになる。」
実際にMMAで進出した際、値下げで一挙にシェアを増やしたが、他社からのクレイムを受け営業部長を6か月毎に数回入れ替えた例あり。全く会社ぐるみの確信犯である。(この際にはJVの相手である当社が各社から非難を浴びた。)
今後は当社の利害を最優先させる方針をとるべきでないか。
最低、他社価格に追随
ひどい相手には報復処置
新分野への進出(価格も武器に)
住化はやるとの印象を与える。
重要需要家の死守
需要家、関係会社の成長の積極的援助(価格面も)
このような時期には当社の健全経理方針と全てのコストを売り上げで回収すべきという考えからの損益計算方法が悪影響を与えている点もある。
1991年度で三菱油化(全社)と当社石化(基礎合計から無機を除外)では経理処理方法の差により以下のコスト差異がある。(当社がコスト高)
年金過去勤務分の扱い 27億円
減価償却方法 37億円
棚卸資産評価方法? 合計 70−80億円
また他社がどうしているか不明だが、研究費の一部戻入である技術収入やJV運営に伴う収益が営業外収入とされコストのマイナスにはならず、逆に出向者の労務費差額(急速に増大)や将来のための投資である共通研究費が本社費に入っている。
この結果、当社の総原価はかなり高く、赤字幅や単位当たりコストが値下げによる拡販の意欲に障害になっていると考えられる。他社にはまだ余裕があるので値下げをするのだという声も聞かれる。健全経理の結果が拡販の妨げとなり弱体化につながることになれば本末転倒である。
これに対しては全社の問題として財務と管理を分けるという考えがあるが、個別問題としては経理計算とは別に価格政策用のコスト計算(どこまでなら値下げが許されるかなど)も必要かと思われる。
3) 需要家対策
当社の大きな利点は優れた需要量を多数もっていろことで、過去からの大さな遺産である。これが他社の積極的な攻勢で浸蝕されつつあるように思われる。当社側にも「甘え」があり必死で参入しようとする相手にくらべ対応に劣る場合もあると思われる。今後は需要家との関係を維持するだけでなく一層強化する必要がある。
このためには単に売買にからむ対応のみでなく需要家の繁栄を通じ当社も繁栄するという考えに立ち、相手の企業活動のあらゆる面で協力することが必要である。
関係会社についても子会社という認識から需要家という認識に変える必要も在る。
4)技術の強化