業績改善提案
1993/2 業績改善対策検討事務局から 「不採算事業の業績改善」指示
1993/10/1 同じく 「業績対策改善5項目の検討課題及び今後の取り組みについて」
1. 1. 不採算事業の損益改善
2. 2. 研究部門の効率向上
3. 3. 間接部門の業務の効率化
4. 4. 物流改善の検討
5. 5. 経費節減
これに対し以下の提案を事務局に行った。
これとは別に(提案末尾記載のとおり)システムに関する検討チームに参加した。
パソコン1人1台などはこの議論の結果導入された。
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業績改善提案 11993/11/ 1
1.固定費の抜本的削減策の実施
1)全般的に当社の固定費は他社と比較して高いと思われる。
これまでは費用をかけてでも増産、拡販することが主目的で、また拡販すれば固定費も回収できるため、費用の分析に目が向いていなかった。
当面は販売の伸びが期待しにくいため、固定費の最低他社並みに削減することが必要。
このためには考え方の変更が必要。また関係会社も含めた方策が必要。
要するに「生きるか死ぬかの段階」と考え、「タブ−なし」で検討することが必要である。
また後記のとおり考え方や方針を変える必要があるため部門単独ではやれないものが多い。場合によっては本社管理部門が入る必要性もあろう。
最近塩ビのプロジェクトで他社とコストを開示しあい、議論している。
当社の場合、いろいろな点で問題がある。建設費、VCM原単位、副原料価格、用役価格と原単位、同一距離での運送費単価、補修費。労務費は工場、本社ともに高いが年金分の差と思われる。販売間接費、一般管理費、研究費は対比するのも恥ずかしい位高く、当社分は補正した分を出したが、共通部費の負担が大きい。
これには当然いろいろな理由があるし、計算方法の違いだけの問題もある。 現在分析を進めている。
これらを問題提起した場合には当該部門から「よく調べないで言うのは困る」などの反論も聞かれる。問題がある可能性があれば積極的に調べ改善する真摯な態度が必要。
また千葉の立地上、高いものもある(例えば定修費のなかの労務費など)。しかし、その分を高く売れない以上はそのハンディを消すための努力が必要。
呉羽化学の場合VCMの輸送費がかかるというハンディを徹底的な合理化で消し、むしろ他社より安い原価を達成している。
大会社意識が合理化を妨げている面もあるのではないか。
組織の肥大化に伴いセクショナリズムが増えてきている。
合理化のためには多部門にまたがる問題を解決する必要があるが、他の部門のことは言わない、他の部門から言われると批判されたと考えるような風潮も見られる。
2)まず費用の徹底的な分析を行う。
これまで年2回の予算作成で詳細な作業を行っているが、最終的には製造原価単価、本社費配賦額として示され、個々の項目がどのような理由でどれだけかかっているのかは余り議論されていない。
損益を計算するのが中心で、本来行うべき「原価管理」が十分には行われていない。
事業部は損益責任をもちながら損益を構成するコストについては余り知らないというのが現状である。
また現在の費用(特に本社費)には販売のためのコスト(一般管理費においては事業遂行のために必要なサ−ビス)と事業部にとっては税金的な全社経費の負担が一緒になって入っている。
この二つを区分して管理することが必要。
コスト意識をもつためにはコストの中身を議論し、必要性の有無、削減策などを検討することが必要。
一つの案として米国企業に一般的な手法の導入が考えられる。
予算は年1回とし、十分な時間をかける。(ダウでは8月頃から作業開始)
費用、経費について損益の計算に入る前に上記の議論をする機会を設ける。
なお後記のとおり予算においては固定費は部門計算にとどめ製品別計算をとりやめることを提案したい。
財務のための在庫評価、販売方針決定のための製品別コストは別に計算する。
3)固定費削減のためにはこれまでの前提、考え方、方針から見直す必要がある。
例えば
建設費、補修費:
工務に関する基準の見直し
購入先の選択基準の見直し
手形払いの原則の変更(安くなるなら現金払いも)
操業を止めないという原則の下での補修方針を現状に合わせ見直す。
張り付けメンテ(部門に常時特定の個人を張り付けている)の可否
補修費は能力の大きさに関係なく系列数に比例して発生するということを認識する。
[原料については既にチ−ムをつくり削減策を検討し順次実施している。]
物流費用:
物流子会社の存在を無視して最適物流を考える。
その結果によっては物流子会社の再編成を実施する。
製造コスト全般:
製造プロセスの見直しによるコストダウン。
現在の千葉塩ビのVCM(Stauffer
process) では仮に 200千tを新設すれば建設費は 200億円以上と想定されるが、旭硝子の計画(三井東圧法)では
100億円と言われており、補修費、環境対策費なども大きく変わる。
場合によってはS&Bを行う。また部分的にプロセスを変更することも考えるべきである。長期的に考えるとS&B投資もペイする場合が多い。
また上記の補修費などを考えると能力の小さな設備は思い切って停止し最新の設備をつくることが望ましい。当社の場合は常時能力不足であったため古い効率の悪い設備も稼働させざるを得ないのが実情。(例えばPP)
本社ビル費用:
賃借料(+15億円)、内装工事(23億円、償却費
4-5億円?)、敷金 (+35 億円)、金利を入れると費用増は大きいが、長期的観点に立てばやむを得ない。
但しその代わりに大阪本社を廃止するとか、大阪のフロアの縮小又は移転などに早急に取り組むべきである。幕張ももっと利用する。
コンピュ−タ−費用:
パソコンが急速に進展しておりノ−ト型で通信機能つきなども出てきている。これがなかった時代につくったコンピュ−タ−システムは見直し、販売オンライン、基礎デ−タ作成などを除き個別に処理するなどを考える。
個人に1台、机の上において処理するようにすべきである。
また採用難に備え設立した住友化学システムサ−ビスも現状では固定費負担により当社にとって負担となっていると思われる。外部で稼いで生きていける体制にするとともに、当社の仕事も競争原理を入れて安ければ他の業者を使用する位の厳しさをもつ。
技術システムについては大型コンピュ−タ−の必要性の再チェック(他社とのタイムシェアリングなども可能の筈)が必要。
損益管理制度の見直し:
財務損益、管理損益を区分し、管理損益では部門計算にとどめる。販売方針決定のためには予算期間とは関係なく別途必要性に応じた計算を行う。
これにより損益が分かり易くなり、手間が大幅に減少する。
財務用には必要な計算を別途行う。
管理損益の計算を部門管理室で行うこともありうる。
上記の場合は予算は年1回とし、前記のとおり十分な検討を行う。
本社の体制:
管理室に実務を移しながら本社機構が減っていない。本社管理機構と管理室、事業部の仕事を整理する。
管理部門を20%
cut するというのでは抜本的な革新はできない。たとえば今の30-40%の人数でやるには仕事をどう変えるかというようなやり方が必要ではないか。
2.人員問題
販売の伸びが期待しにくい現段階では全社的に余剰人員を抱えていることは明白であり、合理化を進めればこの問題が表にでることになる。
関係会社には既に必要以上の出向者が出ており、これ以上の吸収能力はないと思われ、今でさえ出向者の労務費差額負担は
40 億円程度(数年前の実績)にもなり本社費高の一つの理由となっている。
抜本策を考える時期にきていると思われる。
参考事項
・{退職給与引当金+年金資産}合計
当社 844
億円(@8.6百万円)、油化 154億円(@2.7), 化成 728億円(@5.1)
・当社の社員は大きな組織のなかで限られた仕事しかしておらず、関係会社を初めとしてもっと小さな組織で働くのに向いていない。
対策案
若い時から復帰を前提に関係会社に積極的に出すこと。
経理(会計、税務、資金)教育の徹底(経理が分かる人のニ−ズは多い)
3.経理処理の変更
当社は他社に比較して健全サイド、節税志向による経理処理を実施している。
利益のある段階では当然のことであるが、現時点では方針の変更も考えてはどうか。
赤字の増加に加え、コストが余りにも高くなり損益改善モラ−ルにも影響を与える。また拡販(値下げを伴う)にも若干は悪影響を与えている。(他社はコストを見ながら積極的に値下げによる拡販を行った。)
例
・退職年金過去勤務分の扱い
上記のとおり当社の積み立て額は同業他社より厚い。
過去勤務分の扱いでは油化の30.5年償却は論外としても、化成の10年定額が妥当と思われるが、当社は
7年定率で、しかも想定利回り未達や目減りにより計算値より多い金額を積んでいる。
これは損益に影響するだけでなく、採算にのる投資さえ押さえている時期に資金の流出を伴っている。
問題はあるとしても今後の積み立て方法を変更してはどうか。(昨年末での残高は
122億円ある。)
・償却方法の変更
低成長の時期には定率法は負担が大きい。
多額の投資の場合には定率法を前提とすると採算にのる起業は少ないと思われ本来やるべき投資までやれなかったり、起業を通すために規模を小さくするという弊害が出ることが懸念される。
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現在の対応
・基礎化学品管理室で本社費の詳細分析を実施中。
これをもとに今後コストダウンの提言を行いたい。
引き続いて工場管理費なども取り上げる。
・損益管理制度、コンピュ−タ−システムの改善については、経営企画室、査業部、経理部、システム部と基礎化学品管理室のチ−ムで検討中。
・塩ビのプロジェクトの関連で第一塩ビグル−プ4社の補修関係担当者が呉羽化学の錦工場で補修費引き下げに関する検討会をもつべく準備中。
この結果については塩ビ以外の他の分野にも適用したい。
同時に呉羽化学との間で製造関係、輸送関係などの詳細デ−タを開示しあって、問題点の摘出、改善を実施する予定。