ケープラシート                                      

 

1988年、伊藤忠がウイギンス・ティーブ社のスタンパブルシート(ラドライト)の日本での製造販売のJV案を持ち込んだ。Glass FiberとPPを抄紙の要領で漉き、プレスしてフロー成型、膨張成型するもの。住化、伊藤忠、タキロンの3社JVを検討した。

しかしライセンス条件が厳しいこともあってギブアップした。

その後、1989年に伊藤忠が本件を川鉄に持ち込んだところ、是非やりたいということになった。

*当時、製鉄会社は自動車産業の鉄離れ対策として樹脂に関心をもっていた。川鉄は1991年にICIからCompounderのLNP社の米国本体(4工場)とオランダ子会社を買収、米国に川鉄100%の持株会社と米国、オランダに夫々その子会社の運営会社を設立した。当時の勢いからはPPの製造自体に乗り出すのではないかとの感もあった。

川崎製鉄は、2001/12 全額出資子会社でエンジニアリングプラスチックコンパウンド事業を手掛けるカワサキ−LNP(K−LNP、本社・米ペンシルバニア州)の全株式を米ゼネラル・エレクトリック(GE)に売却する。このほど両社首脳が正式合意した。NKKとの事業統合にからみ事業を整理するもの。

競争相手に新日鐵+三菱油化があり、住金+クラレも計画していた。
(なお、マット法では宇部日東、出光NSGが既に起業化していた。)

この結果、当社としてもPPレジンの供給等を勘案してJVに乗ることとし、川鉄、住化、伊藤忠、タキロンの4社JV構想ができた。当初は川鉄70%で、3社は10%ずつを考えたが、住化の役割が大きいことを勘案し、川鉄60%、住化20%、残り各10%とした。

1989/11 JV契約を協議し、ほぼ合意した。

ポイント
1. 川鉄から本件は時間がかかるとして、10年間離脱禁止を主張→了解
2. これに対し、住化から損失負担限度案を主張

大きな赤字が出た場合、川鉄はどこまでもやる可能性がある。当方としては10年間離脱できないため、どこまでもついていかざるを得なくなるのは困る。
→ 損失負担限度(使用総資金=資本金+借入額)を全社合計20億円とした。

*住化としては事業に懸念を持ちながら(FS結果)、川鉄がやるのに乗った形で、どこまでもついていく考えはなかった。この条項が結局、最後に効いた。

3. 更に川鉄が運営の責任をもっているとして多数決を主張したのに対し、住化から、損失の持株比率負担、10年間脱退禁止条項、人の派遣などの点から、一般のマイナ−株主とは異なるとして重要事項の2/3決議を要求した。→了解。

1990/1/9 社名決定
    川鉄の要請をいれ、「ケ−プラシ−ト梶v(K-Plasheet)とした。

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ケープラシート設立稟議

資本金 480百万円 川鉄 60%、住化 20%、伊藤忠 10%、タキロン 10%
技術   ウイギンス・ティーブ
能力   5,800t/y
運営   10年間離脱禁止。資本金+借入金 20億円max
 
需要   1989年のスタンパブルシート需要 6,000t
      2000年 日本 54千トン、全世界 450千トン
            自動車外販、建材・OAハウジング

販売予想
     1991    700
       92   2,100
       93   3,600
       94   5,000
       95   6,400  能力倍増へ

    当初 バンパー  その後 薄もの(天井、ドアトリム)

競合 新日鐵、三菱油化  (クラレ、住金も計画)
      マット法では宇部日東、出光NSG(能力増強) 

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90/1/23 設立発表
 
90/3/16 設立慰労会と英国出張チ−ム(技術導入)の激励会を兼ねた懇親会

90/7/6 決算役員会 

来年春完成を目指し建設準備中(川鉄千葉工場内)
同時に開発をスタ−トさせたが、自動車向けの開発が如何に大変か、川鉄もようやく分かってきた模様。
メインの自動車向けはモデルチェンジを待つことが必要で、当面の販売のため自動車以外の分野にも注力する。

90/10/8 役員会

住化ル−トも利用して販売することとした。住化はSPM技術中心。
またタキロン中心に自動車以外の用途の開発を進める。

90/11/30 地鎮祭、役員会(於 川鉄千葉製造所)

91/5/16 ケ−プラシ−ト社長ほか来訪(役員会代替で個別説明)

建設状況:6/3 より総合試運転
決算(90/4-91/3) :費用は建仮、開業費に計上しているため一般管理費ほかで29百万円の損失(累損 30 百万円、資本金 480百万円)
予算:上期は試運転期間のため引き続き費用を建仮、開業費に計上する。
下期から商業生産開始であるが開発段階のため6か月で 250t の販売を見ているだけ。   (年間能力 5800tのため10%操業相当)
この結果 235百万円の赤字となる。
翌年度も 2100tの販売で6億円弱の赤字を予想。
問題点:来年中に累損が資本金を超過する。
来年中に使用総資金(資本金+借入)が限度額の20億円を超過する。

91/7/29 ケ−プラシ−ト竣工式(香西専務ほか)

91/11/8 ケ−プラシ−ト初出荷

91/12/2 役員会

生産販売状況
6月に生産を開始したが、販売は10月にパイプジョイント用に若干出荷が始まったに止まり、年内5t,3月までに35tしか見込めない状況。
問題点
先行の新日鉄/油化が最近独自の改良品を出しており、ユ−ザ−品質評価ではそれに比してかなり劣る。今後かなりの努力が必要。
自動車向けにかなり紹介し、一部で共同研究も始めたが、ハ−ドルは高そう。新日鉄が  @450/kgの価格提示を行っており、当初予定の@550/kgはとても無理な状況。(非自動車用は@500-550 でいけそう)
決算処理
上記の状況から年内は原価計算は行わず繰延資産に計上、1−3月も減価償却は取り止める。これにより年度末累積損失を1億円にとどめる。

92/3/19 ケ−プラシ−ト社長以下来訪、予算説明

まだ品質改善を要することから自動車向けは望めず、コンクリ−トパネル、パレットが中心。うまくいって年間 1,150t。悪いケ−スでは 360t 程度となり4−5億円の損失が予想される。
92/3月期の販売は12t 。
資本金は480 百万円のため債務超過のおそれがあるほか、所要資金もJV契約で限度とした20億円を越えることから、販売の見通しをみながら今後の対応を考える必要がある。

現在の組織は組織倒れになっているため簡素化し機能的に動けるように変更する。  
この一貫として当社から出向している2名のうち並河取締役を6月末の改選期に引き上げることとしている。(製造面は一応目途が立ったため)
最も重要な開発機能については、当社からも枡井担当部長他が参加するプロジェクト・チ−ムが担当し、効果を上げつつある。 

92/7/6 ケ−プラシ−ト 株主総会、役員会

決算(91/4-92/3) 承認
  年度中はほとんど販売がなく、試験操業期間とみなし費用を開業費に計上。
問題点
  1年先発の新日鉄/三菱油化に品質面でかなり遅れており、プロジェクトチ−ムを編成して開発中。秋までにこの目途が立つかどうかがキイとなる。

92/8/26 住友金属/クラレ スタンパブルシ−ト共同事業化発表

クラレは自社技術でPETのスタンパブルシ−ト開発を行っているが、住金と提携し、PET及びPPでの共同事業を行うことを決定した。当面クラレ倉敷のパイロットプラント(500t/y)で対応。

 9月 日本鋼管がスタンパブルシ−トへの本格参入を発表。

以前より開発を進めていたが、今回日石化学と組んで本格参入するもので100t/mの設備を完成。鉄鋼メ−カ−が全社出ることになる。

92/10/16 川崎製鉄よりケ−プラシ−トの資金支出枠の増枠要請があった。
   現行20億円を27億円にするもので1年後に方針を再確認したいと。
   品質改良の目途が立ちつつあるため応じることとした。
   伊藤忠来訪、同社も同様の考え。

1992/12/16 開発方針会議、役員会

状況:

一般グレ−ドは他社より高い評価を受けている。また鉄の技術を利用した構造設計技術は他社と差別化できる段階まできている。高強度材は実機でテスト中だが目途がつきつつある。

開発方針:

ケ−プラシ−トの特長を生かした分野を狙う。
当面非自動車分野で三甲との提携で物流関係を、自動車分野ではリブ構造を売り物にバンパ−ビ−ム、構造設計能力を利用してフロントエンドを狙う。
価格は安いが膨脹成形も対象とする。
今後事業展開について親会社4社との連絡を密にし、認識統一、方向づけ、情報の共有化、分担の明確化を行う。

93/1 新日鉄と三菱油化がケ−プラシ−トを訪問、スタンパブルシ−ト事業から撤退するとの説明があった。

両社はパイロットしかなく、これから設備を新設するのは無理との新日鉄側の判断。
これまで接触していた需要家に対してはケ−プラを紹介すると。

93/1/26 新日鉄・油化撤退の件打ち合わせ

・新日鉄の現行の販売は 200t/y 程度。
・両社は販売・開発中の需要家に迷惑をかけないことを前提にしており、必要な情報、技術はすべてケ−プラに提供するとしている。
・すでに非自動車用途で少量であるがケ−プラに注文がきている。

93/2/15 打ち合わせ

新日鉄、油化グル−プ撤退に伴う同グル−プとの業務引継ぎの交渉中。
少なくとも同グル−プが供給義務をもつ仕事に関しては、ケ−プラでの供給に必要な技術は無償で提供してもらうこととなった。
ケ−プラでの要員不足対策として、住化千葉の研究から一人出す方向で検討中。
 (フルではなく半分程度の時間を考えている)

93/6/11 打ち合わせ(於 川鉄)

ケ−プラシ−トは昨秋資金のコミット額を当初の20億円から27億円まで増額するとともに  1年間の開発状況を見て本年秋にどうするか決心することとした。
その後競争相手の新日鉄/三菱油化が撤退を決定し、需要家への供給を引き継ぐことを条件に技術情報の開示を受けたこともあって、技術面ではある程度進展を見たが、今のところ早急に販売の目途がつくという状況にはない。
このため現在注力しているバンパ−ビ−ム等が本当に事業として成り立つのか(自動車の生産が減るうえ、競合剤との差別化が難しい)、SPMの技術でリブ付きや表皮一体成型により他剤と差別化できる膨脹成型(価格が安い)に注力する方がよいのか、早急に詰めることとした。    
(当社は膨脹成型に注力。またバンパ−ビ−ムではMI 200という特殊品が必要だが、膨脹成型ではうまくいけばトランジ品の使用も可能と思われる)

93/7 住化のコンパネ事業進出が新聞記事になったが、ケ−プラシ−ト(タキロンがこれを使いコンパネを製造している)との競合も考えられるため事情説明を行った。

川鉄からは競合は当然のことで止むを得ない、情報は交換したい、将来可能性があればケ−プラシ−トを材料に使うことも検討して欲しいとのコメントがあった。

93/7/2 株主総会、役員会

決算案(92/4-93/3)承認。
販売数量はタキロン向け非自動車用に 136t あっただけで、10月から償却を開始したため 3億円の赤字となった。(資本金 480百万円)
本年度にはようやく自動車用(マツダのリヤパ−セル、いすずのジャッキホルダ−、富士重の天井材など)の出荷が始まり、新日鉄・三菱油化から引き継ぐ案件も加わるが、初期段階のため非自動車用と合わせ 560t 程度の販売しか見込めず大幅赤字となる。

開発方針
当初は自動車のバンパ−ビ−ムを柱とすることとしていたが、最近の需要の動向から系統の材料での採用は難しい情勢となってきている。
このためこれを含めたフロ−成型は引き続き開発するものの、SPMを利用した薄物膨脹成型やウレタン代替のナイロンラミ用途、タキロンのシステムコンパネなどに注力し、長期的には自動車のフロントエンド(自動車のモデュ−ル組立化の際に切替え。Volkswagenがゴルフで採用し評判となっている)を狙う。
タキロンのコンパネは当社のものとは異なりハニカム状のものを組合わせて使うもので、リ−ス運営を考えている。

93/10/20 川鉄来訪

川鉄としては膨脹成型を中心にやっていける目途が立ったとして事業継続を決断し、既存資金枠(27億円)の範囲での追加借入(4億円)についての親会社の保証と、来春の資金枠オ−バ−時点での枠増加(27→32億円)と4億円程度の減増資の提案をしてきている。
当方からは自動車の天井シ−ト、ドア材に採用される希望が出てきたものの実機品での需要家テストが済まないと(年末には判明)判断できないこと、仮に増枠に応じた場合でも将来更にそれを上回った場合にはどうするか(川鉄が見る等)の歯止めが必要なことを伝えた。
川鉄も当社の主張を理解し、とりあえず借入保証の件だけを検討することとした。  
  
なお伊藤忠は昨年の増枠時点でこれ以上の負担には応じないと返事をしており、この方針は変わっていない。

93/12/8 ケ−プラシ−ト小助川社長来訪

損益状況
上期は販売 86tと予算(350t)から大幅未達となり 266百万円の赤字となった。
下期予算は販売 200t で272 百万円の赤字を想定。年末の累損は 868百万円となり、資本金 480百万円から大幅に債務超過となる。

開発販売状況
自動車向け出荷が始まり、10月 27t,11 月 29tと予算を上回わっている。予算達成は可能か。但し償却前黒字確保のためには月 200t の出荷が必要でこれから。 
天井材は一部は出荷できているが大量販売には高膨脹、超高膨脹が必要で、近くテストに入る。

銀行借入
運転資金で当面4億円の借入が必要で交渉中。川鉄が保証予約を行い、当社ほかは川鉄に対し出資比率分の責任を負担する旨のレタ−をいれる。

来春の課題
川鉄では更に2年間は頑張りたいとし、借入対策として減資増資を考えている。それまでに技術的課題を解決し拡販ができるかどうかの見極めをつける必要がある。伊藤忠、タキロンは追加出資には反対しており、事業継続の場合もリストラを考える必要がある。

93/12/14 ケ−プラシ−ト 経営委員会

川鉄としてはこれからの半年が正念場と考え全力投球を始めた。

・プロセス開発について川鉄予算で 13.6 百万円を投入。抄紙部分についてMMA板を使った透明モデル機(幅1/3)を製作しGFの流れなどを分析してプロセスの改良を行う。(既に効果が出つつある)
・薄物膨脹成型の製造技術開発に同じく川鉄予算で 17 百万円を投入。
・事業部および研究から人員を出し各プロジェクトチ−ムを編成
 営業の部長も来年から週の半分を割き、非自動車分野の開発に当たる。
 この結果生産面では歩留りや合格率が改善しつつある。

94/2/15 ケ−プラシ−ト経営会議

1月度生産販売状況:
幅替ができるように改造した結果歩留まりが向上した。(目標にはまだ未達)
販売は36t に達し下期累計は122tとなった。
トラックのコンテナ−向けに24t,富士重の天井材 10t, タキロンのコンパネ 12t など。

開発:
薄物膨脹成型で 5-6倍の膨脹についてはほぼ目途が立った。3月目途に7-9 倍の膨脹を狙う。天井材用として需要家各社が興味を示しており価格対応によってはかなりの拡販が考えられる。
ドアトリム用については借用しているテスト金型でテストのうえ需要家に持ち込む。
非自動車用分野ではシステムコンパネを中心に川鉄/タキロンで努力中。

運営問題:
川鉄より9割減資増資を考えたいとの申し入れがあった。

94/3/16 ケ−プラシ−ト経営会議

10月以降販売が軌道に乗り、93/10-94/3の半年の販売実績予想は206t(上期86t)。   内訳は自動車用が114t, その他用は 92t。
自動車用では盟和産業のレガシ−天井材 41t, トヨタ車体 15t, 寝屋川産業のトラックのコンテナ−パネル 22tなど。非自動車用ではタキロンU字溝 35t, 同コンパネ 20tなど。
1994年は上期350t, 下期 650t,合計 1,000t、1995年には2,300tを目標としている。
開発面では5倍膨脹(800g/m2) には成功した。超高膨脹(600g/m2)、ドア材(SPM利用)開発に着手。これが完成すると大量販売が可能となる。別途非自動車用で当社も市場開拓に協力すべく検討中。

損益/資金対策で川鉄より以下の申し入れがあった。
・1993年度の赤字は 553百万円、累損は 883百万円となる予想で、さきに設定した[資本金+借入]の限度額 27億円は5月頃にオ−バ−する。1994年は販売数量を1000t と計画しているが償却前ではなお 2億円の赤字で追加借入れが必要。
・各銀行とも債務超過(資本金 480百万円)の状況下で親会社の姿勢が明確でないとしており、このままでの追加融資に難色を示している。
・このため上記限度額を更に 4-5億円拡大し、減資増資(商法で認められる最高額 470 百万円)を行いたい。4月初め決議、5月末払い込みとしたい。

当方より1994年度の1000t は実現可能と見るが、更に3-5 千tに拡大しうるかどうかは超高膨脹やドア材開発の可否にかかっており現時点での判断は難しいと指摘。伊藤忠、タキロンは現行限度内では増資に応じられるが、限度の拡大には応じられないとしている。
川鉄としては伊藤忠はともかく住化が応じないのでは社内の了解が得られないとしており、改めて協議することとした。

94/3/23 川鉄来訪

改めてケ−プラシ−トの減資増資案で議論した。当方からこの材が需要家に受入れられるものかどうかの確認を行い、明確な戦略で動くこと(cost/efficacy をベ−スに魅力的な価格を打ち出して積極的に既存品からの切り替えを図る)が必要ではないかと提案した。
伊藤忠、タキロンについては減資増資には応じるがこれ以上の保証義務は無理としている。川鉄としてなお説得は行うが場合によっては出資比率(=責任比率)の見直しもありうる。

94/4/19 ケ−プラシ−ト経営会議

3月の販売数量は 51 t となり下期合計で207 t と予算(200 t) を達成し、上期の86 tを大きく上回った。下期の内, 自動車用が114 t と、ようやく動き始めた。
天井材を中心に需要家のこの材への関心は高まっており、非自動車分野でも新しい需要(FRP代替など)が出てきている。
欧州ではインパネのコアやフロントエンドで大量に使用されているが日本の自動車メ−カ−も関心をもちテストも始まった。
将来的には需要が大きく増えることも期待できる。(川鉄では将来1系列増設することを前提にしており、川鉄の社長が数年後の供給ネックを心配していると)
ケ−プラでは1994年の販売数量を 1,000t, 1995 年を2,300tと計画している。当社では1994年の 1,000t はほぼいけるがモデルチェンジ時の切り替えが中心であることから 1995 年のここまでの伸びは難しいと見ている。(川鉄によると鉄の場合には需要家が具体的に検討に入る場合には採用はほぼ間違いないとのことでこの分野でもその観点で見ている模様。但し想定してなかった採用も出ており、全く無理とは言えない。)

懸案事項は以下のとおり。
・ヒロタニ向け(マツダのリアパッケ−ジ)のスペックが厳しく、反りでオフスペックが多発。川鉄の研究所で対策を検討中。
・Xシ−ト(ラミ方式)に比べ外観が悪いのが問題となっている。成型時に硝子繊維が表面に出てくるのが原因。樹脂の流動性を高めるなどの対策を検討する。
・ドア用では800g/m2 までの高膨脹は出来ており需要家の関心が高まっているが、更にコスト競争力を高めるため 600g/m2の超高膨脹を検討中。若干時間がかかりそう。
 トヨタでは自社開発のPE/GFシ−ト(FSU)からの切り替えを検討しており、ホンダも東京シ−トに対し切り替え検討を指示している。超高膨脹を早く完成させるのが必須。
・ドア材については大幅軽量化とSPM利用によるコストダウンで優位性があるが 新しいアイディアのためこちらでサンプルを完成させて持ち込むことが必要。
 ケ−プラでは超高膨脹に全力投球しており手がないのが問題。住化主体で細川製作所を使って開発することを考える。
・自動車用の場合はモデルチェンジ時の切り替えが中心となるため時間がかかる。このため非自動車用の開発が必要で、JRの軌道防振ゴム箱やFRP代替のユニットバス防水パンなどの新規需要が出ている。これについても人手不足が問題。当社はこれまで関与していなかったが協力を検討中。

94/5/19 ケ−プラシ−ト経営会議
   天井材での開発は順調で新たに日産車体が採用を決定した。
   ドア材については開発が遅れているが当社も入り開発体制をつくる。

94/5/30 ケ−プラシ−ト状況 社長説明

香西社長からケ−プラの状況について質問があったため現状、問題点の報告を行うとともに、今回の資金支出枠増枠及び増資案について説明し、了承を得た。
住化側でも開発に一層協力し是非成功させて欲しいと。

5/31川鉄、伊藤忠と協議。

仮に今後更に資金が必要な場合は川鉄が責任をもつこと、仮に将来解散となった場合にも当社負担は今回の限度額による枠を超えることがないことを確認し、契約改定の覚書で合意した。
住化経理が減資に反対し、増資のみとする。タキロンが増資拒否の為、増資額 423百万円を3社が出資比率で負担。

   資本金内訳
         
    現行      増資       増資後
    住化    190 (20%)  94 (20/90%)  190 (21.1%)
    川鉄    570 (60%)  282 (60/90%)   570 (63.1%)
    伊藤忠    48 (10%)  47 (10/90%)   95 (10.5%)
    タキロン   48 (10%)   0       48 ( 5.3%)
    合計    480     423        903

 

94/6/22 ケ−プラシ−ト経営会議

販売は4月 35t, 5月 42t, 6月 64tとほぼ予定通り。
自動車関係の開発も順調でトヨタ関係で大口が決まる可能性も出てきた。
非自動車用は難航。
超高膨脹品開発、外観改良についても進展。ドア材開発については当社から延べ1名(技開、高槻から各1名でそれぞれ1/2 程度従事)を出し積極的に取り組む。

94/9/16 ケ−プラシ−ト経営会議(月例報告会)

8月度は抄紙で89t,プレスで94t の過去最高を達成。
販売は需要家の夏休みなどで 48tに止まったが(7月は 76t)9月はまた70t 強となる予定。
開発中の超高膨脹品への需要家の関心は高く、トヨタが次期マ−クU天井材用の候補として林テレンプに検討指示をしたほか、ホンダも新規天井材として共同研究の申し入れをしてきている。ドアトリム用についてはプロジェクトチ−ムを編成し(当社から2名、延べ1名)4つの金型(当社と細川製作所のものを含む)を使い開発を続けている。(ほぼ計画通り進捗)
日本での膨脹品の好評を受け、韓国への売り込みを開始する。
また将来の欧米への展開(日系自動車メ−カ−ほか)に備え、特許問題に本格的に取り組むこととし、専門家で打ち合わせる。

94/10/18 ケ−プラシ−ト経営会議

9月の販売も 68.5tとなり、上期合計では335tで計画をほぼ達成した。うち自動車は268tで予算を超過したが非自動車用は大幅ダウンで問題。
57t 自動車用では各自動車メ−カ−、部品メ−カ−でケ−プラ採用の動きがある。新しく吸音材としての検討も始まった。外観改良、超高膨脹成型材料の開発は進展、特別チ−ムを編成したドアトリム計画も問題点の解明が進み来月には水菱プラスチックを初めとして各社にプレゼンテ−ションを行うまでになった。但しモデルチェンジでの採用が多いため、自動車用としては本年は度か。
600t強、来年は1,000t程非自動車用は難航。システム型枠、パイプジョイント、U字溝のほか、FRP代替材やベランダの防水床など新規分野も開発しているが当面はあまり期待できない。
これまでのタキロンのル−トだけでなく当社としても取り組む。
これを補うためもあって韓国への輸出(特に膨脹成型分野)を検討中。



その後の損益悪化、資金不足に当たり、約束に従って住化、伊藤忠は負担せず、川鉄が対応した。


1997/7/28 ケープラシート3000t 達成パーティが蘇我の川鉄・宮崎倶楽部で行われ、住化からも香西社長以下、多数が出席した。

副田社長の説明では川鉄で担当した鈴木氏の送別会(川鉄の監査役就任)と合わせて実施しようとし、もしかして香西社長が出てくれないだろうかと中江くんに依頼したところ出席OKとなり、そのため川鉄社長も出ることになり、その後フルメンバー出席となったとのこと。
香西社長が挨拶。竣工式出席の話、川鉄の寮で川鉄販売の日本酒「夢一筋」をご馳走になった話、昔の神戸/川鉄の話などをし、最後にPPを大量に使って欲しいと述べた。パーティではその「夢一筋」も出された。

筆者の挨拶原稿
ケープラシートの設立時から1995/6月まで住友化学においてケープラシートさんを担当させていただきました。現在は住化、日本ゼオン、トクヤマが設立した塩ビの会社に勤務しております。
只今紹介のありましたように、ケープラシートは1990年に設立、91/7に竣工式を行いました。設立当初から、自動車分野が主たる分野であり、新材料であることから簡単ではないとは考えており、10年間は頑張る必要があると考え、その間は離脱しないというのが基本契約にも入っています。
しかしながら当時の想定では2000年には日本の需要が自動車や建材などで54千トン、全世界では450千トンになると考えており、既にドライ法で宇部日東や出光が販売を伸ばしていましたし、我々と同じ抄紙法でも新日鐵、三菱油化が共同開発を進めており、更に住友金属がクラレと組んで進出を図るなど、先行きは非常に明るいと考えていました。柱としては大量消費が期待できるバンパービームを考え、生産開始の翌年には2100t、95年には6400tの販売で、設備を倍増することとしていました。
当時は自動車分野で住化の既存需要家向けを直販売とするか、住化経由とするかどうかとか、既存の建屋で増設できるかどうかなどの議論をしたことを思い出します。
しかしそのうち新日鉄、三菱油化が撤退したり、メインのバンパービームが日本での採用が難しいことが分かって薄もの分野に方向転換を余儀なくされるなど、苦難の道が始まりました。
私はケープラシートさんの一番苦しい時代に逃げ出した形になり、申し訳なく思っていますが、ここまでこぎ着けられたケープラシート及び川崎製鉄の皆さんのご努力には全く感服しております。今後のご繁栄を祈念いたします。


化学工業日報(2001年8月30日)にケープラシートの記事が出ている。

   川鉄−ケープラシート、自動車用高剛性プラシートを開発

川崎製鉄と同社グループでスタンパブルシートを手掛けるケープラシート(本社・千葉市、泉山禎男社長)は、軽量で高剛性を有したプラスチックシート(KPシートUL)を共同開発した。自動車部品の軽量化とモジュール化に対応したもので、これを内装材に用いることで、従来品(KPシート)に比べ20−30%の軽量化が可能。