Chevron との S-3206 Distributorship Agreement 交渉 

1983/9/20 at SCAI
Chevron   Dr. R. D. Wessel Manager, Development Projects
        Mr. I. J. Ravel Manager, Product Management
        Mr. D. A. Newel Patent Counsel
SCAI     (Yokotsuka) Nakayama, Sasayama、Mihara 

1. 基本問題
 1)Chevronの立場

Chevronとしては住友の全世界でのS-3206のビジネスの中で米国のmarketingのみを担当することに不安を持っている。即ち、Chevronは開発・登録に人と金を注ぎ込み、その後で販売できることになる。又、販売に伴う Product liabilityは全て Chevronが負担することになる。しかるに製品のパテントは住友が取っており、製造も住友であるため、品質問題は住友に頼らざるを得ない.又、他の地域の方がprofitableということで供給を抑えられたり、高価格を押し付けられる可能性があり、その場合、開発に注ぎ込んだ人を金が無駄になるおそれがある。

Marketingに関してはChevronとして自信があり、minimum clauseやliability clauseはOKだが、そのためにも上記の事態に備え、歯止め、guaranteeが欲しいというもの。
Chevronの問題提起はこの考えに沿ってなされたもの。 

 2)価格&販売方針 

・ 他のpyrethroidのai換算価格(ほぼ等価)をbase priceとする。41.1$/lb

・ 分野別groupごとにpremium
   第1 (需要 200,000lbs)  15%,
   第2 (需要 200,000lbs)  10%
   第3 (需要 100,000lbs)   5%
   第4 (需要 250,000lbs)   0%

   第1 only   41.1$ x 1.15=47.265$/lb
   第1&第2  41.1$ x 1.1=45.21$/lb (一物一価)

・ Chevronのmargin  40%
  通常は50%だが、今回は住友が毒性データを取るとため10%を控除。
  Marketing expensesが22〜24%は必要で、developmentの費用、Product liability負担を考えるとこれがminimum

・ 以上により本年度価格を例にとると、住友売価は、
   第1 group only の場合 47.265$/lb x 0.6= ai 28.359$/lb
   第1&第2 group の場合 45.21 x 0.6= 27.126
   第4まで全部の場合   41.10 x 0.6= 24.66

・Chevronとしては上記方式を契約に折り込みたい。第1〜第4 groupのうちどこまでやるのかの決定は住友でやって欲しい。第1だけでもよいし、第4までやるならそれでもよい。Chevronとしてはその通り登録を取り販売するし、販売には自信がある。但し逆に供給と価格を保証して欲しい。又、新たに登録を取り販売を始めるには3年はかかることを考えて欲しい。
住友側で他の案があれば出して欲しい。但し "competitive price"という抽象的なものでは困る。

 3)その他の歯止め

@ 契約当事者 patentを持ち、製造を行い、他の地域で販売している住友化学を何らかの形で契約に加えたい。(SCAIだけとの契約に難色)
A 品質保証
B 供給保証  全体としての供給保証
   登録をとったformulaに対する供給保証
C Patent guarantee
D 住友側が契約不履行の場合、licenseによりChevronが生産できるという条項 

 4)まとめ

Chevronとしてはminimum clauseをのみ、product liabilityに対し住友をharmlessにする代わりに、price, supply, patent infringement、etc でChevronをharmlessにして欲しいというもの。

2. 問題点

1)本価格方式によれば distributorというより、むしろ販売受委託(含 登録取得)の形といえる。
即ち、住友側で方針を決め、その方針のもとでChevronが登録を取り、販売を行い、Chevronに一定の利益が保証される。住友としては一定の方針を決めると以後はそれにしばられ、方式に従って計算された価格で必ず供給しなければならないことになる。

2)具体的にはこの価格方式には次の問題がある。

・ Base price
今後 cypermethrin, Pay-offなどどんどん製品が出てくるが、対象により効力差があり、今のように a.i.でほぼ等価ということになるかどうか不明。
その場合、何をとるのかが問題になる。FMC54800はmiteにも効く可能性があるとのこと、これらをどう折り込むか。

・ premiumの妥当性  当方に反論根拠なし

・ Chevronのmargin(40%)の妥当性

3)当方にとっては今後競争激化でどんどん価格が下落するという見通しの中で、この方式を固定するのは非常にriskがある。 

4)Chevronにとっても本当は5年、10年先に市場がどうなるか分からないのに現状をベースに方式を固定するのは問題。(同社はこれを認めつつも、他に方法がないので仕方ないというところ)

5)Chevronはどこまでやるのか早く決めて欲しいとしている。Minimumはそれぞれの1/2でOK。

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1983/12/21 at Chevron (Richmond, CA)
Chevron   Dr. R. D. Wessel Manager, Development Projects
        Mr. I. J. Ravel Manager, Product Management
        Mr. D. A. Newel Patent Counsel
SCAI     Nakayama, Sasayama  

価格問題
    Chevron 最終提案
      価格は毎年協議。
      合意を見ない場合は下記方式(最初の5年間)
        Base price x 1.15 x 0.65
      Chevron marginは35%
      但しbase price 41$/lb(ai)の場合
       base priceが上下すれば同率だけmarginを上下。上限は40%
       (base price 10% down → margin 31.5%)           

あと、Distributorship Agreementの内容の交渉


(経営会議資料)

                                                  1987年8月31日
                                                    経営企画室
                                                    農業化学品管理室

      農薬米国進出のためシェブロン・ケミカル社と合弁会社を設立する件(中間報告)


I. 事態
 1. 本年2月27日経営会議でのご説明に従い、当社農薬事業の米国における本格的事業展開の一環として、当社中規模製品3剤(ダニトール、S−3308L、S−3307D)の開発権供与先であり、事業実体が比較的良く把握されているシェブロン・ケミカル社(以下C社)に提携可能性を打診したところ、本年5月Davis社長/岡野専務会談において同社としても当社との提携に基本的に興味がある旨の表明があった。

 2. 本会談結果を踏まえ、提携の形態(合弁会社)、両社の権利・義務、等につき折衝を重ねてきたが、これまでの事務レベル段階での合意内容および今後解決を要する問題点は以下の通りである。

II 当社にとっての合弁会社設立の意義

 1. 世界最大の農薬市場への直接参入がもたらす当社既存事業への効果
  (1)拡販(販売普及活動において当社の意向を直接反映)
  (2)開発促進(中規模剤の効率的開発)
  (3)研究方針適正化(市場needs、他社開発動向等の具体的かつ適時把握。製剤研究力の向上)

 2. 製剤品販売事業の収益(投資収益)

 3. 事業運営ノウハウの修得
  (1) 登録取得ノウハウ→将来の独自参入に際し有用
  (2) 営業ノウハウ、特に販売員の管理、PR方法)→将来の独自参入に際し有用
  (3) 米国内での事業運営ノウハウ(従業員管理,finance等)→他事業にも適用可能

 4. アジア・オセアニアにおけるC社品の独占的開発、販売権の取得。

III.合弁会社に対する権利供与
   合弁会社に対し家庭用防疫薬を除く農薬について以下の通り権利を供与。

1. 米国

両親会社の既存剤および新剤の独占的開発、販売権供与。
但し
(1) 第三者に非独占権を与えている剤については非独占権を供与。
(2) 合弁会社が開発を希望しない剤については親会社は自身ないし第三者に開発・販売させること可。

2.その地米大陸

(1) 1987年11月1日までにC社は当社に対し同地域における開発計画を提出。
(2) 同開発計画に合意する場合当社は同地域においてC社に当社の既存剤・新剤の独占的開発・販売権を供与。
(3) 1991年初めの時点で上記Chevronの開発状況を検討のうえ合弁会社事業に繰り入れるのが妥当と判断されるときは1992年初〜1993年末の間にC社品も含めて地域ごとにあるいは一括して合弁会社に編入。


IV 合弁会社と親会社の業務分担

1. 販売(製剤品)・普及;合弁会社

親会社から合弁会社への製剤品の仕切価格は合弁会社販売価格の60%を原則。同仕切価格が親会社の製造原価を下回るときは製造原価仕切。

2. 開発(効力・残留試験、登録取得等);合弁会社 親会社から受託
3. 製剤・原体製造; 親会社 合弁会社とは製剤で取引。当社はC社への製剤委託可。
4. 研究 一次スクリーニング     ;親会社
       高次スクリーニング(圃場);合弁会社 親会社から受託。
       安全性             ;親会社
       製剤・原体製造プロセス  ;親会社

V.合弁会社の組織/運営

1. 本社所在地;未定(候補地サンフランシスコ近郊)
2. 資本金;未定
3. 出資比率;当社50% C社50%
4. 取締役会

(1) 両親会社同数の取締役で構成し合弁会社の政策を決定。
(2) 合弁会社の解散等重要事項は全員一致の決議必要。
(3) 取締役会で合意に達しないときは問題を解決するため、両親会社の代表で構成する経営委員会を設置。

5. 会長(非常勤)

(1) 当初は当社側取締役より選出。
(2) 主要権限/義務
  @ 株主総会および取締役会の開催。
  A 取締役会の要承認事項について取締役会へ付議。

6. 社長(常勤)

(1) 当初はC社側取締役より選出。
(2) 主要権限/義務
  @ 取締役会で決定された合弁会社の政策および日常業務の遂行。
  A 会長に対する日常業務の報告。
  B 重要事項について会長と協議。

7. 副社長(常勤)

(1) 設立1〜2年後に当社側より選出。(当社オプション)
(2) 主要職務
    販売、技術または一般管理部門の責任者を兼任。

8. 従業員
    当初は両親会社より出向。(当社からも数名を予定)

9. 業務委託
    当初はC社に対し総務・財務等の業務を委託。

VI 合弁会社事業概要


 1.主要取扱製品 

                          主要用途
(1)当社剤 
 
  Spotless(S-3308L)   殺菌剤   ピーナッツ
  PRUNIT/SMAGIC(S-3307D)  植調剤   樹木、花卉
  DANITOL(S-3206)      殺虫剤   果樹
  S-1855           除草剤   大豆(土壌処理)
  S-1297           〃     〃(茎葉処理)
  S-3111           〃    とうもろこし
  S-1335           〃    麦
(2)C社既存剤
  Orthene(自社品)     殺虫剤   大豆、綿、野菜
  Monitor(Bayer品)   〃     ナタネ、綿、ジャガイモ 
  Bolero(クミァイ化学品) 除草剤   米
  Diquat(ICI品)      〃     水生雑草、非農耕用
(3)C社新剤
  Select (自社品)     除草剤   大豆・綿
  Benchmark(自社品)     〃    綿、ピーナッツ

 2.人員     1988年  1997年
    管理都門    10    19
    販売部門   148   375
    開発普及部門  23    57
      計    181   451


 3. 設備(C社より譲受けるもの)
   (1)圃場3ヶ所  Fresno(カリフォルニア州) Greenville(ミシシッピー州)
               Dallas(アイオワ州)
   (2)販売活動に付随する倉庫等
   尚、本社及び販売事務所は賃借を予定。

VII.C社との間に残されている主要交渉事項
 1. 当社が支払うべきC社の営業権対価
 2. その他米大陸地域の合弁会社への編入手法(権利関係、対価)

VIII.投資採算
 1.米国合弁会社 売上高/損益
 2. 所要資金                
     C社に対する営業権対価                   8〜15億円 **
     C社の固定資産取得の対価(当社負担分)           5 〃
        〈小計〉                          13〜20 〃一@
     合弁会社運転資金(ピーク時における当社負担分)      44 〃  *
        (再計)                           57〜64 〃一A

 3. 投資収益
    合弁会社の10年間平均税前利益(当社分)          16億円 *
    営業権対価の10年間平均償却費、金利            △ 1 〃  *
                                          15 〃一B
            * 現在価値換算後(換算率8%/年)
           ** 当社主張額。先方は65億円を主張。

                     (値上げ3%/年の場合)(値上げが通らない場合)
     投資効率 (B/@)      115〜75%        8〜5%
     使用総資本利益率(B/A)  26〜23%           1%

IX.今後の交渉スケジュール(案)

本年9月9、10及び14日に、合弁会社の基本的枠組、営業権対価につき、最終的交渉を実施する予定。