2025年6月16日 ノリタケ株式会社
自動車向けパワー半導体用の銀ペースト接合材
〜LG化学と共同で開発に成功、長期常温保管を達成〜
ノリタケは、LG Chem Ltd.
と共同で、自動車向けパワー半導体用の接合材を開発しました。開発品は、半導体チップと銅板を接合する銀ペーストで、ノリタケの粒子分散技術とLG化学の粒子設計技術により、常温で6カ月の長期保管を達成しました。
■市場環境

自動車のEV化や電装化が進む中、高電圧・大電流に対応できるパワー半導体モジュールの採用が増加傾向にあります。半導体モジュールでは、従来、半導体チップと銅板をはんだペーストで接合させていますが、パワー半導体は動作時に高温 (最高温度
約300℃) になり、はんだペースト (耐熱温度
約215℃) では劣化しやすいため耐熱性に課題があります。そのため、銀ペーストなどの耐熱温度が高い接合材が求められています。
■銀ペースト接合材の課題
銀ペーストは耐熱性が高い一方で、接合する際の加熱温度 (=接合温度) が高くなる傾向にあり、接合する部品の劣化を防ぐために接合温度を下げる必要があります。近年、銀のナノ粒子を材料として使用することで接合温度の低温化が試みられていますが、ナノ粒子を使用する場合、安定した品質を保つには冷凍保管 (-10℃以下) が必要となっています。また、一般的な使用期限は約3カ月で、使用期限を延ばすことも課題です。
■開発品の特長
ノリタケの粒子分散技術とLG化学の粒子設計技術により、最適な組成を設計してペースト化することで、長期常温保管を達成しました。接合材としての性能を損なうことなく、保管に関する課題を解決しました。
@ 常温保管※1が可能
運送や保管のコスト削減に貢献。
A
使用期限が2倍に
使用期限が約6カ月まで延長。廃棄処分のリスク低減。
※1 25℃以下での保管。