2024/12/09 JERA (東京電力フュエル&パワー50% / 中部電力 50%)
bpとの洋上風力事業合弁会社JERA Nex bp 設立に関する基本合意について ー世界最大級の洋上風力発電事業会社を立ち上げー
JERAは、本日、bpとの間で、JERAの再生可能エネルギー事業子会社であるJERA Nex Limited およびbpの洋上風力発電事業を統合し、両社の共同出資(出資比率50:50)による合弁会社「JERA Nex bp」の設立に基本合意しました。新たに設立する合弁会社(本社:ロンドン)は、洋上風力事業を開発・所有・運転する事業者として、世界最大級の規模となります。
JERA Nex bpの設立は、関係当局からの承認など必要な許認可取得等の手続きを経て、2025年9月末を目途に完了する予定です。
このたびの基本合意の概要は、以下のとおりです。
統合対象資産の一覧
JERA
bp
運転中案件
持分容量 (MW)
開発中案件
持分容量 (MW)
Gunfleet Sands (英国)
43
Mona (英国)
753
Arcadis Ost 1 (ドイツ)
180
Morgan (英国)
753
Belwind (ベルギー)
134
Oceanbeat West (ドイツ)
2,102
Nobelwind (ベルギー)
68
Oceanbeat East (ドイツ)
2,102
Northwester 2 (ベルギー)
153
石狩湾新港(日本)
112 ※
海域リース権獲得済の開発案件
持分容量 (MW)
Formosa 1 (台湾)
42
Morven (英国)
1,440
Formosa 2 (台湾)
184
Beacon (米国)
2,580
Flora (英国)
50
開発中案件
持分容量 (MW)
Oriel (アイルランド)
375 ※
Sørlige Nordsjø II (ノルウェー)
1,500 ※
男鹿市・潟上市・秋田市沖(日本)
315 ※
Blue Mackerel(オーストラリア)
752
Spinifex (オーストラリア)
600
※ 総発電設備出力
※※ bpの韓国における既存の洋上風力発電事業への出資は、新しい合弁会社には含まれません。
本基本合意により、両社の運転中および開発中の持分容量13GW規模の洋上風力発電案件が、バランスよく統合された資産ポートフォリオを保有するグローバルな企業体として、JERA
Nex bpが新たに誕生します。
また、JERA Nex bpの設立は、両社が検討している洋上風力案件の開発加速に加え、競争力のある資金調達の強化にも寄与します。さらに、これらをより確かなものとするために、両社は2030年末までに、開発資金として最大58億米ドルを、JERA
Nex bpに出資することにも合意いたしました。
このたびの事業統合は、両社がそれぞれの洋上風力発電事業および資産をJERA Nex bpに拠出します。両社から合わせて、現在運転中の洋上風力発電案件(持分容量1GW)、質の高い開発中の洋上風力発電案件(持分容量7.5GW)に加え、海域リース権獲得済みの案件(持分容量4.5GW)の事業資産を拠出することで、JERA
Nex bpを通じて競争力の高い案件開発の推進、およびこのたび統合された洋上風力発電案件のポートフォリオ最適化を目指します。
JERA Nex bpは、まずは日本、北西ヨーロッパおよびオーストラリアにおける開発先行案件の推進に注力してまいります。加えて、現在開発検討中の案件のさらなる長期的な成長の機会も見込んでいます。
洋上風力発電事業は転換点を迎えていますが、長期的には、再生可能エネルギー発電における主力電源になることは明白です。今般のJERA Nex bp設立により高い競争力をもった洋上風力開発のプラットフォームを形成し、中長期的な飛躍を遂げてまいります。
加えて、bpはLNGの連携を通じてもベストパートナーの一社であり、このたびの基本合意をふまえ、bpとの関係をさらに発展させてまいりたいと考えています。
資金調達の枠組み
JERAとbpは、2020年代後半における規律ある成長と事業推進に向けての資金調達の枠組みに合意しました。
本枠組みには、洋上風力発電事業資産からの収益の活用や、競争力のある資金調達、ポートフォリオからの収益が含まれます。両社からJERA Nex bpへの出資額は、プロジェクト・ファイナンス等による資金調達、資産の持分売却による収益次第で、今般合意した出資額を下回る場合があります。
新たに設立されるJERA Nex bpは、サプライチェーン等において両社がこれまで世界中で築いてきた関係やパートナーシップやグローバルなトレーディング能力などを最大限活用することで、様々なオフテイカーに電力を提供してまいります。
長年のパートナー同士による洋上風力発電での連携
bpと、JERAおよびその株主である東京電力ならびに中部電力は、長年にわたり液化天然ガス(LNG)事業においてパートナーシップを築いており、近年では太陽光発電や水素・低炭素事業における協業の機会も追求しています。
JERAは2019年に英国と台湾のプロジェクトへの投資を通じて、初めて洋上風力発電事業に参入しました。また、2023年にベルギーの大手洋上風力発電事業者であるParkwind社を買収した後、この事業を基盤として、JERAの2035年ビジョン実現に向けた成長戦略における開発目標を達成するために、再生可能エネルギーに特化した新会社であるJERA Nexを発足しました。JERAは、日本、ベルギー、ドイツ、台湾で洋上風力発電所を所有・運営するほか、日本、アイルランド、オーストラリアでのプロジェクトを含む開発ポートフォリオを有しています。
bpは2019年以降、洋上風力発電のポートフォリオを構築しており、現在は開発検討中案件を含めて、総持分容量9.7GW規模の開発案件(5.7GWの開発中案件および4GWの海域リース権獲得済みの案件)を有しています。なお、開発中案件は、英国・アイリッシュ海の「Morgan」および「Mona」洋上風力発電プロジェクト、ドイツ北海の「Oceanbeat East」および「Oceanbeat West」で、海域リース権獲得済みの案件は、スコットランド沖および米国東海岸に所在します。
JERA Nex bpのCEOはJERAにより、またCFOはbpにより、任命されます。
またJERA Nex bpの設立に伴い、JERAおよびJERA Nexの洋上風力発電事業の従業員、bpの洋上風力発電事業の従業員は、原則新会社に異動予定です。