三菱マテリアルと宇部興産の会社分割によるセメント事業等の統合に関する承継会社の設立について
三菱マテリアルと宇部興産は、昨年9月に契約締結を公表いたしました両社のセメント事業およびその関連事業等の統合に関しまして、この度、予定通り本統合のための株式会社を設立いたしました。昨年9月の公表時に未定としておりました事項も含め、以下の通り、その概要をお知らせいたします
承継会社の概要(2021年4月14日現在)
名称 C統合準備株式会社
2021/7/7
本統合の効力発生日(2022年4月1日予定)以降の同社の商号について、次の通りとすることを決定しました。
和名:UBE三菱セメント株式会社(呼称:ユービーイーミツビシセメント)
英名:Mitsubishi UBECement Corporation
略称:MUCC(和名、英名とも)(呼称:エムユーシーシー)
事業内容 セメント、生コンクリート、石灰石、資源リサイクル、電力、石炭、建材、その他関連事業に関する市場の調査並びにこれらの事業を行う上で必要とされる許認可の調査および取得等
資本金
50百万円
設立年月日
2021年4月14日
大株主および持株比率 三菱マテリアル50%、宇部興産50%
分割会社との関係
資本関係 三菱マテリアルおよび宇部興産が折半で出資する持分法適用会社
人的関係 三菱マテリアルおよび宇部興産から役員等の派遣を受けております。
本統合の範囲は、両社の国内・海外のセメント事業および生コンクリート事業、石灰石資源事業、エネルギー・環境関連事業、建材事業その他の関連事業。
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UBE三菱セメントは、本日16時開催の取締役会において、2023年3月末を目途に@青森工場の操業停止、A伊佐セメント工場の生産縮小(1号キルンの停止)について決議いたしましたので、下記のとおりお知らせします。
1 生産体制見直しの背景
当社は、急騰するエネルギー価格に対応するため、本年1月荷渡し分からセメント・固化材価格+2,200円の改定を実施し、本年10月荷渡し分から更に+3,000円の追加改定を打ち出しておりますが、本価格改定のみでは、増加するエネルギーコストの全てを吸収することは極めて困難な状況にあります。
また、セメント国内需要の減少及び輸出市場の採算悪化など、当社を取り巻く事業環境の見通しは極めて厳しく、今後、当社が安定した事業継続を図るためには、企業体質の抜本的な強化が必要と判断しております。
このような状況のもと、当社は、今後の操業体制について検討した結果、2023年3月末を目途に下記2.のとおり生産体制の見直しを実施することといたしました。
対象工場 | 青森工場 | 伊佐セメント工場 |
---|---|---|
内容 | 操業停止 |
生産縮小(1号キルンの生産停止) * 2号キルンについては、生産を継続 |
実施時期 | 2023年3月末目途 | 2023年3月末目途 |
所在地 | 青森県下北郡東通村大字尻屋字八峠1 | 山口県美祢市伊佐町伊佐4768 |
操業開始 | 1979(昭和54)年 | 1972(昭和47)年 (1号キルン) |
生産能力 | 1,600千t/年 | 1,400千t/年 (1号キルン) |
生産品目 | セメント製品(普通セメント、早強セメント、フライアッシュセメント) | セメント製品(普通セメント) |
本施策の効果として、2024 年3月期以降で年間 100 億円程度を見込んでおります。
本施策による損失(特別損失)について、現時点で、2023 年3月期及び翌期以降に
200 億円程度を見込んでおります。なお、これらは、概算見積もりに基づく金額であり、現在精査中のため、今後変更となる可能性があります。
UBEと三菱マテリアルにおいては、それぞれ7出資比率(50%)相当の金額を、持分法による投資損失(営業外損失)として計上する見込みです。
セメント事業からの撤退及びカーバイドチェーン再構築によるポートフォリオ変革について
デンカは、当社のセメント販売事業等について、2023
年
3
月末を目途に当社が新たに新設する
100%子会社への吸収分割により承継させた上で、太平洋セメントに当該子会社の全株式を譲渡することを同社と合意いたしました。
また、当社は、2025 年上期を目途にセメント生産を終了し、石灰石の自社採掘及びセメント製造事業からの完全撤退を本日行われた取締役会において決議しましたので、併せてお知らせいたします。
なお、本件取引に関しては、独占禁止法その他の法令に基づき、関係当局からの必要な許認可等の取得が完了することが条件となります。
事業再編の詳細につきましては、本日発表の適時開示資料「当社のセメント販売事業の会社分割(簡易吸収分割)による当社完全子会社への承継、当該当社完全子会社株式の譲渡(子会社の異動)及び当社のセメント事業からの撤退に関するお知らせ」も併せてご参照ください。
1.ポートフォリオ改革の意義
@
当社におけるセメント事業の位置付け
・当社は
1954
年よりセメント事業に参入し、新潟県糸魚川市の青海工場にて、隣接する黒姫山の豊富な石灰石資源のうち、カーバイド向けに使用できない純度やサイズの石を有効活用し、セメントの製造・販売を行ってきました。
・また、カーバイドやクロロプレンゴム等の工場内他製品の製造時に発生する副産物や社外の廃棄物を受け入れ、セメントの原燃料として有効活用することで独自のカーバイドチェーン(*)を構築し、製品の競争力向上や工場のゼロエミッション化を追求するとともに、地域社会の資源リサイクルにも貢献してまいりました。
A
ポートフォリオ改革検討の経緯
・近年、当社のセメント事業は主要販売先の北信越地区をはじめ国内セメント需要が低調に推移しているとともに、老朽化した設備の更新やカーボンニュートラルに向けた大型投資が不可避という厳しい局面に立たされています。
・そのため、経営計画「Denka Value-Up」において事業再構築が必要なコモディティー事業と位置付け、構造改革を検討してまいりましたが、この度、当社単独運営による今後の事業の維持・成長は困難との結論に至り、業界最大手である太平洋セメントに当社のセメント販売事業を承継することが、当社セメント需要家の皆様にも最もメリットが大きいと判断いたしました。
B
太平洋セメントを提携パートナーに選定した理由
・太平洋セメントは、同社
100%子会社の明星セメントを当社青海工場と同じ糸魚川市内に有しており、当社カーバイドチェーンで行ってきた、石灰石の供給と副産物の有効活用の役割を担うことができる唯一の提携パートナーであると判断しました。
・当社は、従前から太平洋セメント及び明星セメントと黒姫山の石灰石鉱山の共同開発計画に取り組んでおり、その検討過程において双方の信頼関係が醸成されておりました。
C当社の今後の方向性
・当社は、経営計画「Denka
Value-Up」におけるポートフォリオ変革の一環として、重点分野の「環境・エネルギー」「ヘルスケア」「高付加価値インフラ」へ経営資源を積極投入してきました。更に今後は、2023
年度〜2030
年度の次期経営計画を見据え、M&A
や設備能力増強投資、ならびに社会課題の解決を目的とした新規事業の早期創出等による成長戦略を推進し、企業の持続的な成長を目指してまいります。
2.ポートフォリオ改革の概要
@
事業の承継とセメント生産からの撤退
・当社は
2023
年
3
月
31
日を目途に、吸収分割の方式によりセメント及びセメント関連製品の販売事業を新たに設立する子会社(以下「新会社」)に、取引先様との売買契約や需要家様に貸与中のセメントサイロ等も含めて承継した上で、新会社の全株式を太平洋セメントに譲渡いたします。
・本件取引を以て、「デンカセメント」のブランド名を冠したセメント及びセメント関連製品の販売は終了し、2023
年
4
月
1
日以降は当社青海工場で生産されたセメントは新会社が「太平洋セメント」のブランド名で販売いたします。
・2025
年上期を目途に当社はセメント生産および石灰石の自社採掘を停止し、太平洋セメントは明星セメントをはじめ全国で生産したセメントを当社需要家様向けに販売いたします。
A
当社カーバイドチェーンにおける太平洋セメントとの提携
・石灰石の自社採掘停止後はカーバイド生産用の石灰石を太平洋セメントから購入いたします。
・当社カーバイドチェーンで発生する副産物は明星セメントが受け入れ、セメントの原燃料として有効活用いたします。
B
石灰石鉱山の共同開発計画
・当社は石灰石の自社採掘を含むセメント事業撤退後もカーバイド生産に必要な石灰石の使用を継続いたします。そのため、現在、明星セメントと共同で検討している新潟県糸魚川市における石灰石鉱山開発計画に変更はありません。
C 従業員対応
・当決定による人員整理は行わず、石灰石の採掘を含むセメント事業に所属している社員は重点分野等へ配置転換いたします。