2004/1/21 三菱化学
東工大との連携協定に基本合意
−地理的距離を最大限に活用した産学研究交流−
http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2003/20040122-1.html
東京工業大学(所在地:東京都目黒区、学長:相澤 益男 以下、東工大)と、三菱化学株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:冨澤 龍一 以下、三菱化学)は、このたび、新しい触媒プロセス技術開発と、無機材料設計・製造技術開発を目的とした、研究者の相互交流型の産学連携推進について基本合意し、1月22日に正式契約することになりました。
今回の連携においては、これまでの産学連携の主流であった大学側にあるシーズと企業側のニーズをマッチングさせるという考え方をさらに推し進め、企業で実施中の実用化を目的としているテーマの中で、東工大の知識・スキルを活用し研究開発を促進・加速することを意図しています。即ちニーズ志向の研究開発への大学の参画・寄与を実現することが期待されるものです。
東工大は、その設立から新しい産業創生を目指した実学志向が強く、産業界にとって頼もしいパートナーであると考えています。加えて、(株)三菱化学科学技術研究センター(本社:東京都港区、社長:今成 真)の横浜(所在地:横浜市青葉区)とは地理的にきわめて近く、研究者の交流、研究設備の相互利用という実務的な価値を最大限に活かせると考えています。
今回対象となるテーマは、新しい触媒プロセス開発(石油化学品)、電子デバイス材料等のキーとなる無機材料設計・製造技術開発(機能化学商品)に関わるものであり、従来型の探索研究のための連携ではなく、現在三菱化学グループ内で進行中の事業化に近い研究プロジェクトへの参画が特徴です。大学においても、企業内で通常行われている具体的な研究課題・目標の設定、スケジュール設定のある研究開発への参加となり、今後必要な企業と大学の研究の意識合わせに大きく役立つものと期待しています。また、共同研究開始1〜2年後において、マッチングファンドやナショナルプロジェクトの申請といったことも期待しています。
本相互交流型産学連携は、本年4月から当面2年間を予定しています。将来的には、他の事業領域での連携、発展も期待しています。
従来より三菱化学は、大型の産学連携を積極的に進めてきており、京都大学、東北大学、(独)産業技術総合研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)等との連携を通じ、特に大学側のシーズを企業側のニーズとマッチングさせる仕組みを実践してきました。今般、東工大との連携協定の契約により、三菱化学としてより包括的且つ強力な産学連携を推進していきます。
<参考資料>
2004/1/21 東京工業大学
東京工業大学の産学連携推進本部の本格始動及び三洋電機株式会社、三菱化学株式会社、株式会社富士通研究所、三菱電機株式会社との産学連携協定締結
東京工業大学(学長:相澤益男、住所:東京都目黒区大岡山2−12−1)は、産学連携推進本部(本部長:下河邉明副学長(研究担当))の本格始動を記念した東京工業大学産学連携推進本部発足記念講演会「大学の知財戦略-産業界からの期待にどう応えるか-」を明日1月22日に泉ガーデンギャラリー(住所:東京都港区六本木1−5−2)で開催いたします。
東京工業大学は本年4月の国立大学法人化にあたり、「世界最高の理工系総合大学の実現」を長期目標とする将来構想を掲げ、戦略的マネージメント体制の確立、研究システムの改革、教育システムの改革、産学連携体制の改革などを行ってきました。産学連携体制については、これまでフロンティア創造共同研究センター、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー、インキュベーションセンター、東工大TLOなどを整備し、平成13年には全学的な戦略的運営組織として研究戦略室を設置して、組織横断的なプロジェクトであるイノベーション研究推進体の組織化、昨年10月には産学連携推進本部の設立など体制整備を推進してまいりました。本年1月には産業界出身の本部長代理(香取和之)らを迎え本格稼動いたします。明日1月22日には産学連携推進本部の本格始動を記念した設立記念講演会を開催し、本学の産学連携の基本的考え方を説明いたします。
本講演会にあわせて、東京工業大学は、三洋電機株式会社(社長:桑野幸徳、住所:大阪府守口市京阪本通2−5−5)、三菱化学株式会社(社長:冨澤龍一、住所:東京都港区芝5−33−8)、株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、住所:神奈川県川崎市中原区上小田中4−1−1)、三菱電機株式会社(執行役社長:野間口 有、住所:東京都千代田区丸の内2−2−3)とそれぞれ個別に研究開発に関する連携協定を締結することで合意いたしました。
三洋電機株式会社とは、「次世代環境技術分野」を第一弾の取り組みとする「次世代技術分野」で、三菱化学株式会社とは、「新しい触媒プロセス技術、新規無機材料設計・製造技術の開発」で、株式会社富士通研究所とは「IT分野の先端研究」で、三菱電機株式会社とは「次世代先端デバイス技術の研究開発」に関して同社の先端技術総合研究所(所長:久間和生、住所:兵庫県尼崎市塚口本町8−1−1)と研究開発に関わる連携を行い、主に共同研究等の実施、研究者の交流、人材育成のための諸活動、その他、連携の推進にあたって必要な活動を行い、研究開発を効果的かつ効率的に進め、また、企業の技術力の向上を図るとともに、東京工業大学の研究成果の社会還元と研究教育の推進に資することを目的としております。
東京工業大学は、急速な変化を求められる産業社会に対する新たな産学連携研究体制の構築を現在進めており、今回の4企業との個別の連携は、大学の組織としての対応による新しいビジネスモデル提案に伴う新たな産学連携体制のスタートといえます。なお、今回連携に合意した4企業のほか現在十数社と交渉中で、これらの産学連携をきっかけに大学と産業界との協力関係を積極的に構築するとともに、産学協同研究を意欲的に行うことで新産業の創生、イノベーションの促進に貢献するとともに、更なる知財の創出を追求していきます。