2010.09.22 三井物産
インド医薬品中間体・原薬製造受託企業に資本参加
三井物産株式会社は、医薬品中間体・ 原薬製造受託事業(以下「CMO事業」)(※1)を手掛けるインド共和国のアーチ・ファーマラボズ社の第三者割当増資の引受けについ て合意し、本日契約を締結しました。本年10月中を目処に、三井物産はアーチ社株式の約5%を約12億円で取得します。この契約により、三井物産は総合商 社として初めてインドでの医薬品のCMO事業に資本参加することになります。
アーチ社は、ムンバイに本社を置く有力な医薬品中間体・原薬製造受託メーカーで、インド国内に複数の製造拠点と開発拠
点を保有し、高い技術力と広範な製品ポートフォリオを基盤に、欧米の大手製薬企業をはじめ、中東・東南アジア等の製薬企業に高血圧、高脂血症、抗生物質、
抗がん剤等向けの中間体・原薬を供給しています。
三井物産は、欧米及び日本の製薬企業との40年以上にわたる取引関係を通じ、医薬原料・中間体・原薬の供給から、製薬企業に対する製造委託の提案や製造管
理・物流支援まで、製薬企業の医薬製造支援を幅広く行っています。アーチ社への資本参加は、世界の医薬品原料・原薬の製造拠点として成長著しいインドでの
医薬品中間体・原薬の製造受託体制の強化を目指すと共に、アジアの医薬品原料市場の高い潜在性に注目したものです。
世界の医薬品業界は、新薬開発費の増大や、いわゆる2010年問題(※2)と称される主力製品の一斉特許切れによる売
上減少などの課題を抱えています。欧米製薬企業では、既に開発及び製造コスト軽減のためにアジア、とりわけ価格競争力と高い技術力を備えたインドの製造受
託メーカーの積極的な活用が進んでおり、今後は日本の製薬企業でもインドの製造受託メーカーを活用する動きが拡大すると予想されています。
三井物産は本事業を通じて、CMO事業で"世界の工場"となりつつあるインドの競争力ある高品質な医薬品中間体・原薬を日本の製薬企業に提供し、国内製薬
業界の競争力強化に貢献してまいります。また今後、医薬品の需要の拡大が見込まれるアジア市場への安定的な医薬品中間体・原薬の供給にも寄与することを目
指します。
※1:医薬品中間体・原薬製造受託事業(CMO事業)
CMO、Contract Manufacturing Organization(製造受託)は、製薬企業が自社でなく外注にて製造を行う方式で、CMO事業は製薬企業が外注した製造の受託事業。製薬企業は、
コアである研究開発へ経営資源を集中させる、またコスト削減及びM&Aによる自社製造拠点の縮小などにより、戦略的にCMO方式を活用するように
なってきている。
※2:2010年問題
欧米及び日本製薬企業の大型商品(ブロックバスターと呼ばれ、年間の売上高が1,000億円を超える商品あるいはそれに準ずる大型商品)の特許切れが
2010年前後に集中しており、特許切れにより販売可能となる安価なジェネリック医薬品との競争により、特許切れ前の売上高を維持できなくなる問題。各製
薬企業は売上や利益の維持・拡大に向けて、新薬開発の迅速化と製造コスト削減が必須な状況となっている。
アーチ・ファーマラボズ社概要
社名 | Arch Pharmalabs Limited |
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設立 | 1999年 |
本社所在地 | インド共和国 ムンバイ |
代表者 | Ajit Kamath |
出資比率(三井物産出資後) | 創業者グループ34.27%、ファンド43.28%、三井物産5.25%、他17.2% |
売上高 | 約220億円(2010年3月期) |
資本金 | 約4億円 |
従業員数 | 2,164人(2010年5月31日現在) |
事業内容 | 医薬品中間体・原薬の製造販売事業、受託製造事業 |
Arch Pharma is also looking at an initial public offer (IPO) early next year as a route for some of its existing private equity investors to partly cash out.
Arch Pharmalabs is backed by marquee investors ICICI Ventures (venture arm of India's No.2 bank ICICI Bank), Swisstec Ventures (venture arm of the Swiss Federal Government) and IL&FS, who collectively own 58% of the Company. The SwissTec Venture Capital Fund is a generalist private equity fund that focuses solely on small and medium enterprises (SMEs) in India. The fund has been established in 1998 by the State’s Secretariat for Economic Affairs (連邦経済省経済事務局 SECO) as its only shareholder and an expected fund life of ten years.
Infrastructure Leasing & Financial Services Limited (IL&FS) is one of India's leading infrastructure development and finance companies
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創業者グループ36.17%、ファンド45.68%、他18.15%
Founded in 1999,Arch Pharmalabs has gained recognition as a world-class provider of small molecule process chemistry, custom synthesis services and full life-cycle API and drug intermediates manufacture for the global pharmaceutical industry. Generating revenues of USD 200 million, our India-based offering is supported by 2,400 customer-centric Archers, eleven certified facilities (including cGMP-compliant, US FDA- and EDQM-approved sites) and two state-of-the-art Process Technology centres. |
Arch Pharmalabs, one of the leading chemical intermediate and active pharmaceuticals ingredient (API) manufacturers, is currently supplying its products to numerous leading multinational pharmaceutical companies based in the US, Europe and the Middle East, for drugs indicated for hypertension, hyperlipidemia, antibiotics and cancer amongst others. Arch Pharmalabs Limited has revenue of approximately Rs 1,186 crore as on March 2010.
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インド医薬品中間体・原薬製造受託企業の株式追加取得三井物産は、医薬品中間体・原薬製造受託事業(以下「CMO事業」)(※1)を手掛けるインド共和国のArch Pharmalabs Limitedの株式27.29%を37億インドルピー(約59億円)で2013年1月16日に追加取得しました。今回の追加取得により、三井物産のアーチ社株式保有比率は既保有持分(※2)と合わせ31.96%になります。
アーチ社は、インド国内に複数の製造拠点と開発拠点を保有する有力な医薬品中間体・原薬製造受託メーカーで、欧米の大手先発製薬企業向けCMO事業や新興国向け後発(ジェネリック)原薬の製造・販売を行っており、堅調な事業拡大を続けています。
三井物産は、2005年にアーチ社を活用した本邦製薬企業向けCMO事業を開始し、2010年にはアーチ社の第三者割当増資を引き受け、同社株式 5.25%を取得しました。今回の追加取得により、三井物産はアーチ社との連携を強化し、当社CMO事業基盤の強化を目指します。世界の医薬品業界では、新薬開発の難易度が上がり開発コストが増大する一方、各国の医療費削減を背景に安価なジェネリック医薬品が台頭するといった環境変化が起きています。欧米先発製薬企業では、開発及び製造コスト軽減を目的にアジア、とりわけ価格競争力と高い技術力を備えたインドの製造受託メーカーの積極的な活用が進んでいます。また、ジェネリック医薬品に対する需要が高まる中、ジェネリック製薬企業では、医薬品の製造・品質管理の世界標準であるFDAやEDQM(※3)の認証原薬工場を多数保有するインドの製造受託メーカーを活用する動きが目立っています。
三井物産はアーチ社を通じ、世界の医薬品製造で台頭著しいインドを拠点に、先発製薬企業向けCMO事業のグローバル展開や、新興国向けを中心に需要増が見込まれるジェネリック医薬品向け原薬製造受託事業の拡大を目指します。併せて、欧米及び新興国向けに広がるグローバル総合力企業としての販売ネットワーク・機能を活用し、医薬品の安定供給に貢献していきます。
※1:CMO事業
CMO(Contract Manufacturing Organization、製造受託)は、製薬企業が自社でなく外注により製造を行う方式で、CMO事業は製薬企業が外注した製造を受託する事業。製薬企業は、コアである研究開発への経営資源の集中、コスト削減、M&Aによる自社製造拠点の縮小などにより、戦略的にCMO方式を活用する傾向を強めている。※2:本追加取得前に実施されたアーチ社の増資に伴い、三井物産の既保有持分の比率は5.25%から4.67%に低下。
※3:FDA、EDQM
FDA(Food and Drug Association、米国食品医薬品局)は、食品や医薬品など消費者に関わる製品取扱いの許可や取締りを行う米国の政府機関。米国向けに医薬品を製造販売する場合、FDAによる工場査察を受け許可を取得する必要がある。
EDQM(European Directorate for the Quality of Medicines & HealthCare、欧州医薬品品質部門)は、欧州における安全な医薬品の品質設定及び安全な使用推進を目的に設立された組織。アーチ社概要
名称 Arch Pharmalabs Limited
(アーチ・ファーマラボズ)所在地 インド・ムンバイ市 設立年 1999年 代表者 Ajit Kamath、Managing Director
(アジット カマス代表取締役社長)従業員数 2,826人(2012年3月末現在) 売上高 152億インドルピー(約243億円、2012年3月期) 資本金額 2.8億インドルピー(約4.5億円) 出資構成(本取得後) 創業者グループ42.09%、三井物産31.96%、その他25.95% 事業内容 医薬品中間体・原薬の製造販売事業、受託製造事業
医薬・化学品事業の三井物産株式会社への売却に関するお知らせ
メルシャン株式会社(本社:東京都中央区、社長:鈴木 徹)は、医薬・化学品事業を、会社分割(吸収分割)の方法により、受け皿会社として平成23年4
月11日付で設立した特別目的会社であるエムビーエス株式会社(本社:東京都中央区、
以下「MBS」という。)に承継し、MBSの全株式を三井物産株式会社(以下「三井物産」という。)に譲渡する株式譲渡契約を平成23年4月25日に締結いたしましたので、お知らせいたします。なお、会社分割の効力発生日及び株式譲渡日は、平成23年7月1日を予定しています。
当社は、経営資源をワイン・酒類事業に集中し、さらなる企業価値向上に向けて医薬・化学品事業を三井物産に譲渡することといたしました。
今後、医薬・化学品事業を承継するMBSは、同事業の強みである発酵技術や微生物変換技術を活かしつつ、三井物産における医薬品製造受託事業の中核会社として、グローバルネットワークに強みを持つ三井物産及びその関係会社と広範に協働することで、より多彩な事業展開を行うことが可能となり、当該事業の更なる発展を目指せるものと考えております。
【本件会社分割及び株式譲渡に関する概要】 |
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(1) 対象事業 |
当社医薬・化学品事業 |
(2) 譲渡会社 |
MBS |
(3) 譲受会社 |
三井物産 |
(4) 譲渡契約内容 |
当社医薬・化学品事業の受け皿会社である |
(5) 日程 |
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平成23年4月11日 |
MBS設立 |
平成23年4月25日 |
会社分割契約書締結(メルシャン、MBS) |
平成23年4月25日 |
株式譲渡契約書締結(三井物産、メルシャン) |
平成23年7月1日(予定) |
会社分割の効力発生日、株式譲渡日 |
2011年 7月1日メルシャン(株)医薬・化学品事業を会社分割により継承し、日本マイクロバイオファーマ(株)誕生
東レが三井物産子会社の日本マイクロバイオファーマ社に出資参画
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭、以下「東レ」)と三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下「三井物産」)は、三井物産の完全子会社である日本マイクロバイオファーマ株式会社(本社:東京都中央区、社長:鈴木正暢、以下「MBJ」)の株式20%を東レが取得することに合意し、本日株式譲渡契約書を締結しました。
MBJは長年培ってきた発酵技術にバイオテクノロジーを付加した独自の製造技術により、医薬品(原薬、中間体)の製造・受託製造・販売をしている他、同技術を活用したファイン・スペシャリティ領域の化学品の製造・販売を行っています。また、中国では、MBJが 34%出資する関連会社の深圳万楽薬業有限公司を通じて、制癌剤を中心とする製品の製造・販売を展開しています。
東レは、ライフサイエンス事業を次代の成長エンジンとして「重点育成・拡大事業」と位置付け、医薬・医療分野ではB型肝炎・C型肝炎治療や慢性動脈閉塞症治療に用いられる医薬品、人工透析治療に使用される人工腎臓等の医療機器及びバイオツール等の事業を展開しております。さらに、2011年4月からスタートさせた中期経営課題「プロジェクト AP-G 2013」において、先端材料の拡大に取り組んでおり、その中で独自の先端技術を活かした研究開発のInnovationを推進することで、医薬・医療事業のさらなる拡大を目指しております。
三井物産は、メディカル・ヘルスケア事業を注力領域の一つと位置付け、メディカル分野では製薬から流通・販売支援に至るバリューチェーン全体を視野に、医薬品の治験支援・製造支援・販売支援事業に参画、ヘルスケア分野では医療機関運営・経営支援、ヘルスケア関連情報サービスなどの幅広い事業を展開しています。中でも、医薬品製造支援(CMO:Contract Manufacturing Organization)では40年以上にわたる事業経験を有し、医薬原料の供給等を通じ国内外の製薬企業との緊密な関係を築いてきました。
今回の出資参画を通じて、東レはMBJとの技術交流を深め、医薬品の新規開発や製造基盤の強化を図ると共に、MBJの製品域の拡大を後押しします。三井物産は、メディカル・ヘルスケア事業および化学品事業領域における経験とグローバルネットワークを生かし、 MBJ製品のグローバルシェアの拡大を目指します。東レならびに三井物産は、両社の経験・ノウハウを生かしてMBJの強みをさらに引き出し、MBJでの協業を通じて、メディカル・ヘルスケア事業および化学品事業領域においてさらなる関係強化を推進してまいります。
MBJ社概要
本社所在地 | 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目3番6号 |
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社長名 | 代表取締役社長 鈴木正暢 |
設立年月日 | 2011年7月1日 |
従業員数 | 233名(2011年7月1日現在) |
資本金額 | 1,000万円(2011年7月1日現在) |
出資構成 (異動後) |
三井物産株式会社:80%、東レ株式会社:20% |
事業内容 | 微生物を利用した医薬品原薬、機能性化学品の製造、製造受託並びに創薬支援事業 |