日本経済新聞 2007/5/13

医療保険 後発薬普及へ見直し 政府検討 先発薬は患者負担増


 政府は先発医薬品(新薬)と効果が同じで価格が安い後発医薬品の普及を促すため、医薬品に対する公的医療保険の適用範囲を見直す検討に入った。保険給付でカバーする金額を後発薬を基準に設定し、あえて割高な先発医薬品を選んだ場合は患者の自己負担が増える仕組みとする。薬の選択でのコスト意識を高めて医療費を抑える狙いで、これにより薬剤費を1兆円近く削減できると見込んでいる。
 
医療費を削減

▼先発薬と後発薬
 新たに開発された先発医薬品の特許が切れ、独占的な販売期間が終わった後に販売されるのが後発医薬品。ジェネリック医薬品とも呼ぶ。効果や用法などは同じ。後発薬は研究開発費が不要なため先発薬より安い。
 欧米では後発薬は一定のシェアを占めるが、日本ではまだ普及率が低い。医薬品全体に占める後発品の数量べースでのシェアは、米国では56%、イギリスが49%、ドイツが41%なのに対し、
日本は16%にとどまっている。