2022年8月5日 UBE
エーピーアイコーポレーションの全株式の取得について
UBEは、三菱ケミカルグループの生命科学インスティテュートが保有するエーピーアイコーポレーションの全株式を取得することに合意し、株式譲渡契約を締結しました。
APIC 社は、三菱化学の医薬原薬事業及びファインケミカル事業の一部と吉富ファインケミカルの経営統合により、2002 年 10 月に発足しました。APIC 社は、長年培ってきた有機合成技術とバイオ技術を組み合わせた融合プロセスを駆使し、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品受託製造)として、合成ルート探索から、工業化研究、パイロット製造、商用生産まで幅広い事業を営み、また独自技術によりプロセス開発した原薬・中間体の提案型ビジネスも展開し、製造・販売も行っています。
UBE は、2022 年 4 月に新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し、新たなスタートを切りました。
2022 年 5 月に発表した中期経営計画 「UBE Vision 2030 Transformation〜1st Stage〜」では、スペシャリティ化学に経営資源を重点的に投入する方針を掲げており、医薬事業はスペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益拡大を追求する UBE グループが持続的成長していく中で一翼を担う重要事業に位置づけられています。
UBE
の医薬事業は、創薬研究によるライセンス型事業と
CDMO
事業を展開しております。本件は、今後も拡大が見込まれる
CDMO
市場の要請に応えるべく、両社が独自に有する高水準な製造・品質管理技術の相互活用、新規技術の共同開発、サプライチェーンネットワークの拡充及び両社拠点の活用等を通じて、高品質かつ安定的な供給体制を確立することで、市場における
UBE
のプレゼンス強化を図るものです。
UBE
は現在の低分子医薬品を中心とした創薬研究・CDMO
の領域に加えて、核酸医薬、さらには治療用医薬品を超えた広くライフサイエンス、ヘルスケア、メディカルサイエンス等への事業領域拡大など医薬事業の中長期成長戦略を描き、人々のより健康な生活に貢献してまいります。
事業内容
医薬原薬・医薬中間体・治験薬製造受託品
・R&D
受託品・化成品等の製造販
売
主要拠点
東京オフィス、吉富事業所(福岡県築上郡吉富町 )、黒崎工場 (福岡県北九州市八幡西 区 )、MAPIC
EuropeNV(ベルギー王
国
ブリュッセル)
2021
年
10
月
20
日
田辺三菱製薬およびエーピーアイ
コーポレーションは、田辺三菱製薬が販売するウルソ製剤の原薬製造事業を
ICE Group Companies(本社:エミリア市、イタリア)に、2022
年
5
月
2
日に譲渡することに合意しました。
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2002/06/10 三菱化学、三菱ウェルファーマ
会社分割による医薬原体・ファインケミカル事業の統合に関するお知らせ
http://www.api-corp.co.jp/pdf/pr0610.pdf
三菱化学、三菱ウェルファーマ及び三菱ウェルファーマの全額出資子会社である吉富ファインケミカルは、三菱化学の機能化学品カンパニーが所管する医薬原体事業及びファインケミカル事業の一部を会社分割の手法により吉富ファインケミカルに承継させることに合意吉富ファインケミカルは、株式会社エーピーアイコーポレーションに商号変更
株式会社エーピーアイ コーポレーション(商号変更後)
(1)事業内容:化成品及び医薬品原体の製造販売
(2)本店所在地:大阪市中央区平野町二丁目4番9号
(3)取締役社長:成田 嘉宏(予定)
(4)資本金:4,000百万円
(5)総資産:約287億円
(6)決算期:3月31日-----------------
2003/5/28 三菱ウェルファーマ
原薬事業の移管に関するお知らせ
三菱ウェルファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、社長:小堀暉男)は、自社が行っている原薬事業を、当社連結子会社である株式会社エーピーアイコーポレーション(本社:大阪市中央区、社長:成田嘉宏、以下、エーピーアイ コーポレーション)に、平成15年10月1日(予定)をもって移管することを決定し、この度、同社との間で基本合意書を締結しましたのでお知らせいたします。
平成13年10月1日に発足した当社は、昨年5月に3ヵ年の「中期経営計画」を策定し、医療用医薬品事業への経営資源の集中化を柱とする、事業構造改革並びに経営構造改革を積極的に推進しております。一方、エーピーアイコーポレーションは、平成14年10月1日、吉富ファインケミカル株式会社と三菱化学株式会社の機能化学品カンパニーが所管する医薬原体事業とファインケミカル事業の一部を統合し設立しましたが、今後予定されている薬事法改正後の医薬原体事業の受託に関わるビジネス・チャンスを積極的に取り込み、原薬事業をコア・ビジネスとしてグローバルな事業展開を目指しており、両社各々の事業の方向性が一致した結果、今般の原薬事業移管の合意に至りました。
なお、今般の移管対象となる事業は、「いわき工場(福島県いわき市)」で生産している肝・胆・消化機能改善剤「ウルソR製剤」と、「鹿島工場(茨城県鹿島郡)」で生産している脳保護剤「ラジカットR注」等7品目の原薬製造事業等です。これらのうち、「いわき工場」については、平成15年10月1日をもって、運営主体もエーピーアイコーポレーションへ移管するため、同工場に勤務する従業員は、本人の同意を得たのち同社へ転籍となり当社「いわき工場」は廃止となります。また、「鹿島工場」の生産品目については、平成17年3月末を目標に段階的にエーピーアイコーポレーションの工場に生産を移管します。
当社及びエーピーアイコーポレーションは、今後より一層連携を強化し、当社グループの発展と各々の事業基盤強化を目指してまいります。
(ご 参 考)
<いわき工場> 1) 所在地 : 福島県いわき市常磐三沢町傾城作1−2 2) 操業年月 : 昭和55年4月 3) 工場長 : 中川 由雄 4) 従業員 : 約50名 5) 移管品目 : 下記品目の原薬製造 肝・胆・消化機能改善剤「ウルソサンR錠50mg、ウルソR100、顆粒」 <鹿島工場> 1) 所在地 : 茨城県鹿島郡波崎町砂山14 2) 操業年月 : 昭和53年5月 3) 工場長 : 小菅 正夫 4) 従業員 : 約160名 5) 移管品目 : 下記品目の原薬製造 脳保護剤「ラジカットR注」、
5−HT2ブロッカー「アンプラーグR錠、細粒」、
選択的抗トロンビン剤「ノバスタンR注」、
抗リウマチ剤「モーバーR錠」、
持続性α1遮断薬「バソメットR錠」、
気管支喘息基礎治療剤「ロメットR錠、細粒小児用」、
アレルギー性疾患治療剤「アレギサールR錠、ドライシロップ」
UBEとHiLung株式会社は、この度、共同開発を行っているリゾホスファチジン酸受容体1(LPA1)選択的アンタゴニスト(開発コード:HL001)について、米国FDA(医薬食品庁)より希少疾病用医薬品指定(Orphan Drug Designation)を取得しましたので、お知らせいたします。
本化合物は、本邦でも指定難病に含まれる特発性肺線維症(IPF)への適応をめざし、AMED((研発)日本医療研究開発機構)のご支援(創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業)をいただき開発を進めている新規医薬品候補です。
IPFは一般に慢性進行性で肺の線維化と肺活量の低下を来し、平均的には診断後5年程度で半数の患者さまが死に至るとされ、肺機能を回復させる治療法が肺移植しかないアンメットニーズの高い疾患です。米国でも本邦同様に希少難治性疾患の位置づけとなるこのIPFへの開発に際し、今般ODDを本化合物に関して取得いたしました。
ODD取得に際して必要となる有効性の蓋然性の根拠には、HiLungが独自に開発したヒト外挿性の高い肺オルガノイド線維化伸縮アッセイでの評価結果も含んでおり、臨床データ(ヒトでの治験データ)がない時点での指定に至りました。
これにより、米国新薬承認申請時の申請費用の免除、臨床開発に係る連邦税の減免など、FDAからの各種薬事・研究費支援などの開発優遇・促進策が米国にて活用可能となるとともに、承認後には米国における7年間の排他的先発販売権が与えられ、希少疾患における医薬品開発を加速する上で重要となる、多国間での多施設臨床試験に向けて、大きな一歩となります。
UBEとHiLungは2021年3月に共同研究契約、2022年3月に共同開発契約を締結し、UBEが有する有機合成力に支えられた創薬・合成技術と、HiLungが有するヒトiPS細胞由来呼吸器細胞モデルを含む呼吸器領域における知見とを活かし、本化合物の開発を続けてまいりました。慢性疾患であるがゆえの日常的な使用が容易となるよう、患者さまの目線に立った開発を続けており、今般の米国ODDもそうした患者ニーズに応え得る候補品たる位置づけの証左として、臨床試験そして上市に向けた取り組みを加速してまいります。
今回の米国ODD取得により、両社はより一層強い協力体制を築き、それぞれの強みを活かして本化合物の開発・グローバル導出を加速し、一日でも早く患者さまにお届けできるよう努めてまいります。
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2022年3月28日 宇部興産
LPA1選択的アンタゴニストHL001に関する共同開発契約締結について
宇部興産とHiLung株式会社は、この度、宇部興産の保有するリゾホスファチジン酸受容体1(LPA1)選択的アンタゴニスト(開発コード:HL001)に関する共同開発契約を締結しましたので、お知らせいたします。
本化合物は、特発性肺線維症(IPF)の病態形成メカニズムとの強い関連があると考えられているLPA1の選択的アンタゴニストです。
特発性肺線維症とは,原因がわからない肺の高度な線維化をきたすのが特徴の病気。 肺胞の壁(間質)に線維化が起こると肺が固くなり,十分に膨らみにくくなるために,呼吸が上手くできなくなる。 これが間質性肺炎で,感染症による通常の細菌性肺炎とは治療法が大きくことなるために区別されている。
リゾホスファチジン酸(LPA)は生体内において、細胞間の情報伝達分子として機能する脂質分子の一つ
LPAを受容するLPA受容体は6種類知られており、LPA受容体のすべてがGタンパク質共役型受容体(GPCR)と呼ばれるタイプの膜タンパク質。そのなかでもLPA1は肺組織の線維化との関連性が知られており、がんをはじめとするさまざまな疾患の治療薬ターゲットとして注目されている。しかし、今まで報告されたLPA1の構造は拮抗薬と結合した不活性型のみであり、作動薬による詳細な活性化機構は不明だった。
受容体拮抗薬(アンタゴニスト)は、遮断薬や阻害剤とも呼ばれ、生体内の受容体分子に作用して神経伝達物質やホルモンなどの働きを阻害する。
IPFは指定難病である特発性間質性肺炎(IIPs)の一病型として知られ、一般に慢性進行性で肺の線維化と肺活量の低下を来し、平均的には診断後5年程度で半数の患者さまが死に至るとされ、肺機能を回復させる治療法が肺移植しかないアンメットニーズの高い疾患です。IPFの明確な原因は不明ですが、近年の基礎研究から肺胞における修復再生機構の異常が誘因となって線維化が惹起されるメカニズムが有力視されており、こうした異常をもたらす因子として注目されているLPA1の経路を阻害することで、本化合物は薬効を発揮することが期待されます。
両社は2021年3月に共同研究契約を締結し、HiLungが有するヒトiPS細胞由来呼吸器細胞を用いた革新的な肺線維化モデルを用いて本化合物の有効性やメカニズムの評価等を行ってきました。非臨床の探索的な評価試験から、本化合物は、このアンメットニーズが高いIPFの治療に大きく寄与できると考え、この度共同開発契約を締結しました。なお、本化合物は2023年度中の臨床試験開始を目指しております。
今回の契約締結により、両社はより一層強い協力体制を築き、それぞれの強みを活かして本化合物の開発を加速し、一日でも早く患者さまにお届けできるよう努めてまいります。
HiLung株式会社について
HiLung株式会社は、ヒトiPS細胞を用いた肺細胞の分化誘導をコア技術として、呼吸器疾患に対する進歩的な治療の開発を加速させるために創設されました。
ヒトiPS細胞技術に基づき作成されたヒト生体再現性が極めて高いヒト正常呼吸器モデル、およびヒト呼吸器疾患や呼吸器感染症モデル、さらにはAIやデバイスによる解析技術を組み合わせることで、動物実験では代替できないヒトでの安全性や有効性が期待できる治療薬候補を予測・選別する大規模プラットフォームを提供して参ります。このような基盤技術を通して、新たな医薬品や治療法の開発を加速させることで、呼吸器疾患が治り「誰もが気持ちよく呼吸できる未来」の実現に向けて事業を展開しております。
当社は、ヒトiPS細胞技術を用いることで、世界で初めて生体とほぼ同等のヒト呼吸器上皮細胞の大量かつ安定的な培養に成功しました。この技術で作成された「ヒト肺疾患モデル」、さらにはAIやデバイスによる高度解析技術を組み合わせることで、患者さんに使用したときに高い有効性が期待できる治療薬候補を予測・選別し、実験室内で効率的に見つけ出すことを可能にするプラットフォームを提供していきたいと考えています。このような基盤技術を通して、新たな医薬品や治療法の開発を加速させることで、呼吸器疾患が治り「誰もが深呼吸できる未来」の実現に向けて事業を展開いたします。
CEOは、京都大学にてiPS細胞を用いた肺再生研究に従事。その研究成果を呼吸器疾患医療に応用するべく、2020年7月にHiLung株式会社を設立。