「人民網日本語版」 2006年11月9日
上海嘉定区の日系企業立ち退き問題、責任者が説明 Jiading District
上海市嘉定区の新都市建設の話題がこのところ、日本メディアに注目され、日系企業の立ち退き問題が取りざたされている。これについて、同区政府新聞弁公室の責任者が次のように説明した。
今年初めに開催された上海市第12期人民代表大会第4回会議で可決した「上海市の第11次五カ年計画」(2006〜10年)では、嘉定区の新都市を同計画期間中に建設する3つの重点都市の一つと位置付けている。これを土台にして、同区は「嘉定新都市エリアの全体計画」を策定。今年9月に上海市人民政府が同計画を承認(上海市政府2006年96号)したことを受けて、新都市の各種立ち退き作業がスタートした。
新都市計画の範囲には、嘉定工業区の用地の一部が含まれており、これには53社の日系企業も含まれる。これら日系企業のうち、計画との整合性に問題がない会社は建設などを続行し、問題がある10社は、立ち退きを要請されている。10月17日には、上海市嘉定区新都市建設管理委員会弁公室が同工業区に対し、新都市の範囲内にある移転すべき企業のリストを提示した。これは対象企業により早く通知して、十分な準備期間をとらせるための措置で、日本のメディアが報じた10社はこの対象企業のことである。
立ち退きの対象企業数が多いため、嘉定区政府は今月1日、副区長と関連部門の代表を日本駐上海領事館に派遣し、状況説明を行った。翌2日には対象となった日系10社を含む外資系企業約40社を集めて座談会を開き、新都市計画と移転の状況について説明した。
新都市の企業立ち退き作業において、一部日系企業は同区政府との間で合意に達し、作業は順調に進められている。同区政府関連部門は、新都市の計画・建設の必要性に基づき、関連企業を段階的かつ法律に基づいて移転させると同時に、企業移転に向けた橋渡し的作業や対企業サービスを強化している。対象企業については、同工業区内に用意した代替地に移転してもらい、新社屋・工場が完成した後に既存の工場を閉鎖して立ち退きを完了させるよう措置をとる。これは通常の生産活動への影響を極力少なくするための措置だという。
2006-11-02 サンケイ
日本企業に立ち退き通告 上海工業区、ハウスなど10社
上海郊外の有利な立地を売り物に外資企業を中心に誘致した上海嘉定工業区で、入居したばかりの上海ハウス食品など日本企業10社が都市計画を理由に立ち退きを非公式に通告されていることがわかった。今回は第1期分で今後さらに多くの日本企業が立ち退かされる可能性があり、外務省は在上海日本総領事館を通じ同市嘉定区政府に説明を求めた。上海進出を考えている企業の間でチャイナ・リスク論議が再燃する恐れもある。
立ち退き通告文書は「上海市嘉定新城(街)建設管理委員会弁公室」の第10号文書(10月17日付)で、「都市計画の実現のため第1期分の立ち退き企業は次の通り」として24社が記され、その中にハウス食品▽野尻光学▽神鋼圧縮機製造−など日本企業10社が含まれていた。
朝日新聞
区側は、対象地域に入った日系企業10社を含む計24社の外資系企業に対し、「移転に協力していただきたい」と要請した。ただ、移転期限などは伝えなかったという。
移転を迫られた企業に対して、区側は代替地を用意するとしているが、移転費用など具体的な話は出なかったという。
上海の日系企業、再開発に困惑 立ち退き要請続々
市中心部から西に約30キロ離れた嘉定区の工業団地。この一角で兵庫県明石市に本社を置く機械メーカー、日工の現地法人「日工(上海)工程機械」が、約14億円を投じて操業を始めたのは04年11月だった。ところが、今年9月から工場前の通りでは市中心部と結ばれる鉄道の高架橋の建設工事が始まった。市が進める工業団地を商業地などへと再開発する「嘉定新城(ニュータウン)」計画の一環とされ、同社の工場が立つ場所には将来、駅前マンションや商店街ができる予定だ。
一方、市中心部に近い閔行区の中小工場と住宅が混在する地域では、高速鉄道やリニアモーターカーなどが停車する総合ターミナル駅の建設計画が浮上。立ち退きは10万人規模にのぼるとされ、住宅の取り壊しや地元企業の移転が進んでいる。
http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_33.html
上海市嘉定工業区で移転を迫られている日系現地法人10社中の6社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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