2010年4月30日 三菱レイヨン

炭素繊維プレカーサー製造販売の合弁会社設立について

三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:鎌原正直、以下「当社」)とSGL Technologies GmbH(本社:Wiesbaden Germany、CEO:Robert J. Kochler、以下「SGL社」)は炭素繊維プレカーサー(以下「プレカーサー」)の製造・販売を目的とする合弁会社「MRC−SGLプレカーサー株式会社」を設立いたしましたので以下の通りお知らせ致します。


<合弁会社設立の経緯>
当社とSGL社は予てより業務提携関係にありましたが、自動車用途において炭素繊維複合材料を本格展開する目的でドイツの大手自動車メーカーBMWグループ(以下「BMW」)がSGL社とSGL Automotive Carbon Fibersを2010年1月に設立したのに伴い、同社への炭素繊維原料であるプレカーサーの長期安定供給を目的に、プレカーサー製造の合弁会社を設立いたしました。
SGL Automotive Carbon Fibersは供給されたプレカーサーから、BMWが2015年までに発売を予定している電気自動車 “Megacity Vehicle”の基幹部品用炭素繊維を製造します。

合弁会社への出資比率は当社が66.66%、SGL社が33.34%、本社は当社本社内、製造拠点は当社大竹事業所内とします。商業生産開始は2011年4月、生産能力は、当初3年間に7千トン/年規模まで高めることを予定しています。

なお、当社とSGL社は今回の合弁会社設立を機に業務提携関係を一層深め、今後拡大の期待できる産業用途分野での用途開発にも取り組んでいきます。
以上
<合弁会社の概要>
社名 : (和文) MRC−SGLプレカーサー株式会社
     (英文) MRC−SGL Precursor Co., Limited
社長 : 小野貴弘
所在地 : 本社:東京都港区
製造所:広島県大竹市
資本金 : 1,500万円
設立 : 2010年4月30日
出資比率 : 三菱レイヨン 66.66%、SGL Technologies GmbH 33.34%

<SGLグループの概要>
代表者 : Robert J. Koehler (CEO)
本社所在地 : Wiesbaden,Germany
事業内容 : 黒鉛材料、炭素繊維複合材料の製造販売
資本金 : 166百万ユーロ (2008年12月31日現在)
売上高 : 1,612百万ユーロ(2008年度)


2010/7/9 三菱レイヨン

炭素繊維新工場の建設再開と稼働時期に関するお知らせ

 三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:鎌原正直)は、リーマンショック以降の厳しい経済情勢ならびに需要が急減した炭素繊維の市場環境を踏まえ、昨年3月以来、新設中の炭素繊維生産設備の建設工事を一時中断していましたが、このたび2011年第2四半期の稼働に向け建設工事を再開しましたのでお知らせします。

1.建設工事再開の内容
 ・当初稼働予定 : 2009年 第4四半期
 ・変更後の稼働予定 :2011年 第2四半期
 ・建設場所 : 大竹事業所(広島県大竹市)
 ・生産能力 :2,700トン/年
 ・生産品 : 産業用途を主体とした高性能ラージトウ「P330シリーズ」
 ・投資額 : 約120億円

2.背景及び今後の見通し
 炭素繊維事業は、中長期的には風力発電翼、圧力容器、自動車をはじめとした各種産業用途での成長が見込まれることから、当社は本格的な需要拡大に応えるために新工場の建設をすすめてきました。しかし、リーマンショック以降の経済情勢の下で、各分野での成長が鈍化し、新たな用途の立ち上がりに遅延が発生していることから、建設工事を中断し、新工場の稼働を約1年延期することとしました。
 今年に入りスポーツ・レジャー用途の需要が急回復し、既存設備の稼働率が高まると共に、各種産業用途での大型案件が本格的に始動したことから、工事再開を決断しました。 尚、当該新工場で生産を予定している新タイプの炭素繊維製品「P330シリーズ」については、新工場の稼働開始までの間、米国子会社Grafil社にて生産し、お客さまへの安定供給の体制を整え、積極的に市場開拓を推しすすめていきます。

3.「P330シリーズ」の概要
 「P330シリーズ」は、当社の高強度炭素繊維TR50S/TRH50と同等の性能を保有し、かつフィラメント数を大型化(5〜6万フィラメント)させた製品です。従来の2.4万フィラメント(24K)以下のスモールトウと比較して、大型成形品に適した加工性を持ち、かつ高強度、高弾性の特性を実現したもので、これまでのPAN系炭素繊維の概念を変える新しい炭素繊維です。新工場は高性能ラージトウを本格生産する世界最初の工場であるばかりでなく、ラージトウの工場あたり生産能力としても世界最大規模(2,700トン/年)となります。


2011年1月17日 東レ 

韓国で炭素繊維の本格事業化を決定

−年産2,200トンの量産工場建設 2013年稼働開始−

 東レ株式会社およびToray Advanced Materials Korea Inc.(大韓民国ソウル特別市、東レ100%出資、以下「TAK」)は、このたび、韓国に炭素繊維の量産工場を建設することを決定しました。

 新工場は、世界ナンバーワンの品質競争力を持つ東レの最新鋭技術を導入し、約630億ウォン(約50億円)を投じて、TAKの亀尾第3工場(慶尚 北道亀尾市)に建設します。生産能力は年2,200トンで、2011年初に着工、2013年1月の稼働開始を計画しています。同社では、産業・スポーツ用 途で業界のデファクトスタンダードとなっている高強度普通弾性率糸を生産します。

 TAKでは、韓国における炭素繊維の需要拡大を睨み、2010年1月から専任の販売・マーケティング組織を設置して国内需要の開拓に取り組んでい ます。今回の量産工場建設を機に、スポーツ用途から一般産業用途にわたり幅広く、韓国国内のお客様と一体となって炭素繊維複合材料の市場開発を加速してい きます。

 韓国ではこれまで炭素繊維をほぼ全量輸入に依存してきましたが、今回のTAKにおける新工場の建設により国産化が実現し、安定した供給体制が確立 されます。これにより、韓国・中国を中心としたアジアで急速に拡大している炭素繊維需要に確実に対応してまいります。また、TAKでの炭素繊維国産化は、 韓国政府が推進する「グリーン技術産業」の育成政策を後押しし、韓国経済の発展に寄与するものと考えています。

 東レは今後、成長分野と成長国・地域における積極的な事業拡大の推進による企業成長を目指し、特に地球規模の課題としてますます重要となる、環境問題の解決に貢献する「グリーンイノベーション」事業の技術開発と事業拡大を推進していきます。

 東レは炭素繊維“トレカ”複合材料を「グリーンイノベーション」に貢献する当社先端材料と位置づけ、今後成長が見込まれる「環境・エネルギー」分野、 「高級スポーツ」分野および「自動車・航空機」分野を中心に製品開発を加速する一方、日・仏・米に韓国を加えた世界四極生産体制によるグローバルオペレー ションを推進することで成長市場の取り込みを図り、炭素繊維複合材料事業のさらなる拡大を目指します。

<ご参考>
Toray Advanced Materials Korea Inc. (東レ尖端素材株式会社)概要

1.事業内容 ポリエステル長繊維、不織布、ポリエステルフィルム、
IT・環境・エネルギー関連素材
2.設   立 1999年10月
3.資 本 金 4,150億ウォン(東レ100%出資)
4.従 業 員 1,031名
5.売 上 高 9,530億ウォン(2009年度実績)

2012年3月9日 東レ 

炭素繊維のグローバル生産能力増強について
−世界4極で年産6,000トン増強 2014〜2015年稼働開始−

 東レは、このたび、日本・米国・フランス・韓国の世界4極で炭素繊維の生産能力を増強することを決定しました。4拠点に総額約450億円を投じて合計年産能力6,000トンの生産設備を導入し、2014年から2015年にかけて順次生産を開始する予定です。
 東レグループでは現在、年産17,900トンの炭素繊維生産能力を有しており、2013年1月までに年産21,100トンに拡大します。
 今回決定した大規模増設により、グループ全体の生産能力は2015年3月に年産27,100トンまで拡大し、世界各地のお客様に高品質・高品位の当社炭素繊維を安定的に供給する体制が拡充されます。

 日本では総投資額の約50%を投じ、2015年3月稼働を目指して、愛媛工場に年産能力1,000トンの、航空機・高級自動車用途向けを中心とする高機能細物炭素繊維生産設備を原糸(プリカーサ)からの一貫で建設します。愛媛工場では現在、本年9月稼働の予定で年産能力1,000トンの高機能細物炭素繊維生産設備の増設工事を進めていますが、市場では細物糸をはじめとする高機能炭素繊維の需給が逼迫しており、今回の増設は、こうした旺盛な需要に対応するものです。本設備建設については、経済産業省の「平成23年度国内立地推進事業費補助金」の交付事業者として採択決定をいただいています。
 東レグループでは、国内生産拠点をグローバルマザー工場と位置づけ、新技術・新製品開発とともに先端素材・高付加価値品の生産拠点として維持・強化していくことを基本方針としています。炭素繊維の需要はその約9割が日本国外にあり、昨今の円高定着により、日本からの輸出については厳しい事業環境が続いていますが、上記補助金をはじめとする政府の国内立地環境改善政策を活用し、こうした基本方針を引き続き堅持して参ります。

 海外3拠点では、ボーイング787の生産本格化により、既存生産系列での航空機用途生産比率が高まる中、産業・スポーツ用途市場への安定供給体制を拡充するため、同用途市場でデファクト・スタンダードとなっている汎用高強度普通弾性率糸の生産設備を増強します。
 フランスの子会社Toray Carbon Fibers Europe S.A.(CFE)では、世界第5位のオイルメジャーであるTOTAL(トタル)社から同社Lacq(ラック)工場の土地約16万m2を新たに購入し、日本、米国に続く3番目の拠点として、原糸(プリカーサ)生産設備を建設します。CFEは現在、日本から原糸(プリカーサ)を輸入していますが、本設備稼働後は自社生産品に切り替えるとともに、韓国子会社Toray Advanced Materials Korea Inc.(TAK)に原糸(プリカーサ)を供給する計画です。
 また、米国子会社Toray Carbon Fibers America Inc.(CFA)では、2014年9月稼働予定で、年産能力2,500トンの焼成設備を増設します。米国でのシェールガス実用化に伴って需要が拡大している天然ガス圧力容器向け等、環境・エネルギー関連産業用途の市場拡大に確実に対応するとともに、将来飛躍的な市場拡大が期待されるブラジル等の南米市場への供給体制を拡充する計画です。
 更に、韓国TAKにおいても、亀尾第3工場(慶尚北道亀尾市)に2014年3月稼働
予定で、CFAと同仕様の年産能力2,500トンの焼成設備を建設します。TAKでは現在、2013年1月稼働予定で、年産能力2,200トンの汎用高強度普通弾性率糸生産設備を建設中ですが、「グリーン技術産業」の育成を掲げる韓国や中国での産業・スポーツ用途市場の拡大に対応する体制を強化します。

 2011年のPAN系炭素繊維の世界需要は37,000トンに拡大したと推定され、今後も年率15%以上の高成長が見込まれています。
 東レグループは今後も、炭素繊維市場の本格拡大に向け、航空・宇宙、産業、スポーツの各用途において用途開発を加速するとともに生産体制を強化・拡充し、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2013”で掲げる「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」の中核事業として、炭素繊維複合材料事業の更なる拡大を目指して参ります。

  2005/12 2006/1 2007/1 2008/1 2008/12 2012/9 2013/1 2015/3
日本(愛媛工場)  4,700  4,700  6,900  6,900  7,300   8,300   9,300
フランス(SOFICAR)  2,600  2,600  2,600  3,400  5,400     5,400
原糸自製
アメリカ(CFA)  1,800  3,600  3,600  3,600  5,200     7,700
韓国               2,200 4,700
グループ計  9,100 .10,900 .13,100 .13,900  17,900   18,900   21,100 27,100

 


2012/11/14 三菱レイヨン 

株式会社チャレンヂの買収について

 三菱レイヨンは、このたび自動車用途における炭素繊維複合材料事業の強化拡大を図るため、株式会社チャレンヂ(本社:埼玉県狭山市、社長:中村 敬佳、以下「チャレンヂ」)の全株式を取得し、11月1日付けで当社の100%子会社と致しました。今後は、チャレンヂを当社の炭素繊維強化樹脂(CFRP)部品の開発・生産拠点とし、自動車用途及び産業用途向けCFRP部品の受注拡大を積極的に進めて参ります。
 
 チャレンヂは1970年の創業で、レースカー分野におけるCFRP部品の設計製造加工では草分け的存在です。1998年には日産スカイラインGT-Rの CFRP部品(ディフューザー)の量産を日本ではじめて手掛ける等、プリプレグを用いた従来工法での自動車部材採用実績を積み上げてきました。最近では、当社が開発したハイサイクル成形「PCM工法」によるCFRP部品の量産工程確立に共同で取り組んできました。このたび両社の協力体制を更に強固なものとし、設計開発から量産化の流れを加速する為に、同社の全株式を当社が取得することで合意致しました。
 
 チャレンヂは来年後半に世界で初となるPCM工法による自動車部品の生産を開始する予定であり、それに向けて近々大型プレス機及び加工時間短縮化の為の諸設備を導入致します。CFRPを車体構造材に使用する電気自動車BMW i3が来秋に販売開始されるなど、CFRP部品を本格的に採用する動きが世界的に加速しており、PCM工法はRTM工法と並ぶ熱硬化樹脂を用いた中規模量産成形工法として認知度が高まっています。
 
 これまで当社では、豊橋にある複合材料開発センターで各種開発をすすめてきましたが、今回CFRP成形事業で40年余の歴史を有し、多様な顧客要求に応じることの出来る技術対応力と独創的開発力を併せ持つチャレンヂを当社のパートナーに迎えることで、炭素繊維複合材料事業の川中・川下展開において大きな一歩を踏み出すこととなりました。
 
 
【PCM (Prepreg Compression Molding)工法について】
熱硬化系エポキシ樹脂(2〜5分硬化)を用いたプリプレグのプリフォームを金型で加熱・高圧プレス(プレス圧:1平方ab当たり30〜100`c)する成形法。
 
【チャレンヂについて】
1.正式社名     株式会社 チャレンヂ
2.所在地      埼玉県狭山市大字根岸679−1                                                              
3.代表者      代表取締役社長 中村敬佳                                                                                 
4.設立        1970年創業
5.資本金      10百万円
6.従業員数    50名
7.会社概要    オートクレーブ成形法をメインとしたCFRP部品成形メーカー
 

2012/11/14 三菱レイヨン 

ドイツTK Industries社の買収について

 三菱レイヨンは、このたび欧州市場における炭素繊維複合材料事業の発展拡大を図るため、ドイツの炭素繊維ファブリック開発製造会社であるTK Industries GmbH(「TK社」)の全株式を取得し、10月31日付けで当社の100%子会社と致しました。今後、当社は高性能ラージトウを TK 社の多軸ファブリックに適用し、自動車用途をはじめ一般産業用途の成形加工に最適な中間基材の開発を加速します。
 
 TK社は2008年の創業で、特にラージトウを用いた炭素繊維多軸ファブリックの設計、開発に優れた技術、ノウハウを有しており、自動車用途、一般産業用途の顧客より高い評価を受けています。両社は、昨年7月に稼動を開始した当社大竹事業所炭素繊維工場(2,700トン/年)から供給される高性能ラージトウを採用した多軸ファブリックの開発を共同で進めて参りました。
 
 ドイツを中心とする欧州自動車市場では、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を車体構造材に使用した電気自動車BMW i3が来秋に販売開始されるなど、 CFRP部品を本格的に採用する動きが加速しており、中規模量産に適したRTM工法は、自動車用CFRP成形技術として主流になることが見込まれます。さらに、風車の高発電効率翼への交換需要の増大、北海での大型オフショア風車建設など、再生可能エネルギー分野での炭素繊維複合材料需要が益々増加する中、大物造形に適したRTM工法は一般産業用途でも重要性を増しています。
 
 これまで当社は、高性能ラージトウやハイサイクルプレス成形(PCM工法)用プリプレグ材料の開発・製品化をすすめてきましたが、今回RTM工法の基材となる多軸ファブリックの開発に強みを持つTK社がグループに加わったことにより、大手自動車メーカーをはじめとするユーザーへの提案力を強化し、欧州における炭素繊維複合材料事業の拡大を目指します。
 
 
【多軸ファブリック(Multi-axial Non Crimp fabric)について】
カーボンなどの強化繊維を多方向(通常2軸であれば±45°)に多層積層(2から4層)し、ステッチ糸で目止めしたもの
 
【TK Industriesについて】
1.正式社名  TK Industries GmbH
2.所在地    ドイツ バイエルン州 ナイラ(Naila)市                                                    
3.設立     2008年
4.会社概要  炭素繊維製多軸ファブリックメーカー


2012年12月05日 

米国Aldila社の買収について

 三菱レイヨンは、このたびゴルフシャフト事業及び炭素繊維中間基材事業(プリプレグ)のグローバルな強化拡大を図るため、米国Aldila,Inc.(「Aldila社」)の買収を目的とする「合併契約書」を締結しました。
 12月下旬に開催予定のAldila社株主総会決議、及び米国において必要となる関係当局の承認等の基本的な取引完了条件を満たすことを条件として、当社が米国に設立した子会社(SPC)とAldila社が、Aldila社を存続会社とする合併を行うことにより、同社は当社の100%グループ会社となる予定です。
 
 Aldila社は1972年に創業、炭素繊維製ゴルフシャフトのパイオニアとして世界最大のゴルフ市場である米国で最も認知されたメーカーであり、米国内最大手の一社です。またプリプレグからの一貫生産を通じ、設計能力、品質・性能、コストにおいて高い競争力を保持しています。
 一方当社も炭素繊維複合材料事業の一環として1976年にゴルフシャフトの開発に着手して以来、炭素繊維に遡る材料開発力、高度な製品加工・品質管理技術に裏付けられた高品質製品を市場に提供し続けています。現在では《Diamana》に代表されるブランドシャフトメーカーの地位を得ており、その品質は数多くのトッププレーヤーからの支持を受けています。
 
【本買収の意義】
 今回の買収により、世界有数のプレミアムブランドである《Aldila》と、当社ブランド《Diamana》、《FUBUKI》、《BASSARA》とのシナジー効果が大いに期待されます。両社とも材料からの一貫生産の強みを活かし、北米における炭素繊維製ゴルフシャフトの拡販を目指すことにより事業の一層の拡大強化、グローバル化を推進します。
 また、Aldila社のプリプレグ事業獲得により、既に活発な事業を展開しているグループ会社Newport社とともに、北米における炭素繊維中間基材事業の拡幅を図ります。
 
【Aldila社について】
社名:Aldila,Inc.(OTCQX市場に上場)
所在地:14145 Danielson Street, Suite B Poway, CA 92064
創立:1972年
代表者:Peter R . Mathewson(CEO)
事業内容:プリプレグ、炭素繊維製ゴルフシャフト、アーチェリー製品の製造販売
売上高:48百万米ドル(2011年12月期)
拠点:米国カリフォルニア州(本社及びプリプレグ製造)
   ベトナムホーチミン市(ゴルフシャフト及びアーチェリー製品製造)
   
※プリプレグについて
炭素繊維を用いた代表的な中間基材のひとつで、炭素繊維を横に並べてエポキシ樹脂を均一に含浸させたシート。航空機用途やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー製品で長年の使用実績を持つが、最近は自動車部材や風力発電翼部材への適用例が広がっている。


2012年12月17日 三菱レイヨン        最近の買収

韓国SK Chemicals社との事業提携について  

 三菱レイヨンは、アジア市場における炭素繊維プリプレグ事業の発展拡大を図るため、韓国のSK Chemicals社(本社:韓国京畿道城南市、副会長:金昌根、以下「SK社」)と戦略的事業提携を結びました。
 
 事業提携の主な内容は以下の通りです。この事業提携により、両社の保有する炭素繊維・複合材料事業の製造及び開発の両面でシナジー効果発現を図ります。
 
1. 長期供給契約を結び、当社はSK社へ炭素繊維を安定的に供給します。
2. 当社製の炭素繊維を用いたプリプレグ製品をSK社に生産委託します。
 生産場所はSK社の韓国・蔚山工場及び中国・青島工場です。
3. 両社は、産業用途向けプリプレグの共同開発・共同生産を進めます。
 第一段階としてSK社の蔚山工場にて風力発電翼用の厚目付プリプレグの量産化を実施します。
 
 炭素繊維の世界需要は、リーマンショックや欧州危機等の影響で増減はありましたが、現在では各市場での需要が回復し、2012年から2013年には、年 40,000トンに近い市場規模になりつつあると予測され、中長期的には、産業用途を中心に、15%前後の成長が見込まれています。
 特に、アジア市場においては、従来メインであったスポーツ用途の需要に加え、大型風力発電翼の需要など産業用途の需要増加が期待されています。
 この成長する炭素繊維・複合材料市場において、両社は今回合意した戦略的事業提携を通じ、安定的供給関係をベースとした生産委託、共同開発を進めるとともに、相互の事業拡大に貢献出来る生産基盤の一層の強化を進めます。
 
 
【SK Chemicals社概要】
本  社: 国京畿道城南市盆唐区三坪洞686
代表者: 金 昌根 (副会長)
設  立: 1969年7月
資本金: 118,301 百万ウォン  (2011年12月決算期)
売上高: 1,546,108 百万ウォン (2011年12月決算期)
事業内容: ケミカル事業(co-polyester樹脂、高機能樹脂、炭素繊維プリプレグ、バイオディーゼル)、ライフサイエンス事業(医薬品、ワクチンなど)
 
【プリプレグについて】
炭素繊維を用いた代表的な中間基材のひとつで、炭素繊維を一方向またはクロス状に並べてエポキシ樹脂を均一に含浸させたシート。航空機用途やスポーツ・レジャー製品で長年の使用実績がありますが、最近は自動車部材や風力発電翼部材への適用が広がっています。風車翼用途の場合、1平方メートルあたり1kg以上の重量を持つ厚目付のプリプレグを数十層積層して使用します。当社が大竹事業所で生産する高性能ラージトウは、厚目付プリプレグ用途に最適な炭素繊維です。
 


2013年9月27日  東レ     

ラージトウ炭素繊維事業への参入について
― 米国メーカーを買収 ―

 東レはこのたび、米国のラージトウ※1炭素繊維メーカーZoltek Companies, Inc.(ゾルテック、本社:米国ミズーリ州セントルイス、社長:Zsolt Rumy)との間で、同社の全株式を1株あたり16.75US$、総額約584百万US$で取得することに合意しました。

 炭素繊維の世界需要は、軽量化による省エネルギーだけでなく、石油・石炭代替エネルギーの普及に貢献する素材として、今後も年率15%以上の成長が期待されています。航空機用途に代表される高機能・高品質を要求する用途ではレギュラートウ※2の適用が拡大する一方で、近年急速に需要が拡大している風力発電関連用途や今後の拡大が期待される自動車構造体用途では、コストと性能のバランスからラージトウの採用拡大が見込まれており、今後はレギュラートウとラージトウそれぞれの特徴を活かした需要が形成されていくものと予想されます。

 Zoltekは1988年にラージトウ炭素繊維事業に参入し、1996年にハンガリー、2007年にメキシコのアクリル繊維工場を買収して、ラージトウ炭素繊維の需要開拓を進めてきました。レギュラートウ炭素繊維メーカーとは一線を画すマーケティング戦略を推し進め、徹底的にコスト競争力を強化することで、近年では風力発電関連用途需要の伸張に伴って事業・業績を大きく拡大しています。

工場 
  St. Charles, Missouri
 Abilene, Texas
 St. Peters, MO
 

 Nyergesujfalu, Hungary
 Jalisco, Mexico

   Entec Composite Machines
      Salt Lake City, UT
 

 東レはこれまで、高機能・高品質レギュラートウ炭素繊維に経営資源を集中することで、ボーイング787向けをはじめとする航空機や天然ガス圧力容器などの先端分野で強みを発揮してきましたが、ラージトウ炭素繊維の品揃えがなく、風力発電関連用途や自動車構造体用途等のより汎用性の高い産業分野の成長を如何に取り込むかが課題となっていました。今回のZoltek買収により、レギュラートウ炭素繊維とは全く異なる分野での事業展開が可能となり、新たな成長の機会を得ることになります。

 東レは、炭素繊維複合材料事業を戦略的拡大事業と位置づけ、積極的な経営資源の投入による事業拡大を進めています。新たにラージトウ炭素繊維事業に参入することにより、幅広い分野で地球環境問題にソリューションをもたらす先端素材として、より一層の事業拡大を目指します。

※1 ラージトウ: フィラメント数が40K(40,000本)以上の炭素繊維で、衣料用アクリルトウ設備転用により製造され、比較的安価な製品として風力発電機翼、樹脂コンパウンド強化剤等に使用される。
※2 レギュラートウ: フィラメント数が24K(24,000本)までの炭素繊維で、専用設計されたプロセスにより製造され、航空機等、高性能・高品位分野で使用される。

<ご参考>
Zoltek Companies, Inc(Zoltek)の概要

(1) 事業内容 ラージトウ炭素繊維複合材料の製造販売
(2) 所 在 地 米国ミズーリ州セントルイス
(3) 設 立 1975年
(4) 代 表 者 Zsolt Rumy(社長 兼 CEO)

当社は、本件の財務アドバイザーとしてGCA Savvian Advisors, LLCを、法務アドバイザーとしてSkadden, Arps, Slate, Meagher & Flom LLPを起用しています。

主要企業の炭素繊維生産能力 2013/9/27 日本経済新聞

  企業 能力トン シェア%
  東レ+Zoltek 31,600 31.7
1 東レ 21,100 21.2
2 帝人(東邦テナックス) 13,900 13.9
3 Zoltek* 10,500 10.5
4 三菱レイヨン 10,100 10.1
5 SGL Group(独)* 9,000 9.0
6 台湾プラスチック 8,750 8.8
7 ヘクセル(米)* 7,200 7.2
  その他 19,200 19.3
  合計 99,750 100.0

三菱レイヨンまとめ、2012時点の推定 *は廉価品中心のメーカー

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日本経済新聞 2013/9/28

東レ、M&Aに1000億円 水処理膜首位へ韓国社買収 新興国需要取り込み
 米炭素繊維買収も発表

 東レは27日、同社が成長製品とする水処理膜と炭素繊維の海外2社を約1000億円を投じて買収すると発表した。韓国の水処理膜大手のウンジンケミカル(ソウル市)を傘下に収めることで、同製品で世界首位の米化学大手ダウ・ケミカルに販売シェアで迫る。炭素繊維世界3位の米ゾルテック(ミズーリ州)の買収も正式発表した。買収で積極攻勢に転じることで低価格品を拡充し、新興国など成長市場で事業拡大を狙う。
 東レの韓国現地法人がウンジンケミカルの株式56.2%を取得する優先交渉権を入札方式で取得。韓国の主要株主から株式を購入し、年内にも子会社化する見通し。取得金額は明らかにしていないものの、約400億円とみられる。ウンジンケミカルの2012年12月期の売上高は800億円。
 ウンジンケミカルは水をろ過する逆浸透膜(RO膜)や高機能繊維などを生産している。逆浸透膜は海水淡水化設備や家庭用浄水器などで幅広く使われる。東レの世界シェアは25%程度。日覚昭広社長は「(韓国社の買収で)3割弱に達する」と語った。30%強のダウに規模で対抗できるようになる。
 東レは海水淡水化や排水処理など大型設備向けの高性能品に強い。一方、ウンジンケミカルは家庭用浄水器向けが主力で顧客に重複が少ない。東レの藤川淳一副社長は買収時期について「若干時間がかかる。中国当局による独占禁止法に違反するかの審査などを待つからだ。ただ基本的に問題ないと考えと指摘した。
 東レの韓国子会社は現地に生産拠点があり、ウンジンケミカルの工場も近い。「(生産面でも)高いシナジー効果が見込める」(藤川副社長)

 東レは現在の中期経営計画で、衣料品生産にも乗り出すなど、祖業の繊維事業の改革などに取り組んできた。炭素繊維では国内外で生産能力を増強してきた。同社は総額2000億円のM&A枠を設定していたが、大型買収はほとんど実施していなかった。


「世界一」製品で成長牽引

 東レが積極的な海外買収に転じたのは新たな収益事業を育てるためだ。同社は繊維や樹脂など従来型製品は好調だ。今後の成長をけん引する炭素繊維と水処理膜という2大成長分野では大型買収によって「世界一」の製品群を確保し、激しい競争に対応する。 東レは2013年3月期の連結営業利益が834億円。「繊維」と「プラスチック・ケミカル(樹脂など)」という2事業で大半を稼いでいる。炭素繊維複合材料事業と、水処理膜を含む環境・エンジニアリング事業の寄与度は合計でも1割程度にすぎない。特に炭素繊維は数年前まで赤字状態だった。
 東レは繊維事業が好調。アパレルや百貨店などに納品する縫製品事業にも力を入れている。海外展開は加工拠点の整備が中心で、設備投資は少額で済む。繊維で確保した資金を炭素繊維などに集中的に投入している。炭素繊維関運では約450億円を投じ、日本と米国、フランス、韓国で生産設備の新増設に乗り出している。水処理膜は東南アジアなど新興国市場の開拓を急ぐ。だが、いずれも中国などの企業の参入も相次ぎ価格競争が激しい。低価格品に強い2社を買収することで、新興国市場の開拓をより優位に進められる。
 東レは炭素繊維と水処理膜に加え、第三の新規成長分野として医療分野にも注力していく方針。今後も接客的な買収に動く可能性がある。
 


2014/1/27  東レ

米国における炭素繊維“トレカ®”プリプレグの生産設備増強について

 東レは、この度、米国の子会社Toray Composites (America), Inc.(略称:TCA) において、炭素繊維“トレカ®”を使用したプリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)の生産設備増強を決定しました。航空機や自動車用途向け高付加価値プリプレグの生産に対応した高性能設備を導入し、2016年1月の生産開始を予定しています。

 TCAでは、主に米国の航空宇宙用途や自動車用途向けに“トレカ®”プリプレグを生産していますが、昨年11月にボーイング787型機の組立機数が月産10機に到達したことを受けて、既存の生産設備はフル稼働を続けています。
 今回のTCAでの生産設備増設は、ボーイング社が昨年10月に787型機の組立機数を現在の月産10機から2016年に月産12機に引き上げることを決定したことに対応するもので、同社の設備認定を取得することで787型機向け“トレカ®”プリプレグの安定供給を実現する計画です。

 東レグループでは現在、日本の石川工場において、2015年2月稼働予定で、IT機器の筐体や自動車の外板(ボンネットやルーフ等)など、高い品質安定性を求められる産業用途向け高付加価値“トレカ®”プリプレグ生産設備の増強工事を進めています。また、昨年12月には、石川工場から787型機用にプリプレグを初出荷するなど、愛媛工場を含めた世界3拠点で “トレカ®”プリプレグの供給体制拡充と高付加価値化を積極的に推進しています。
 今回のTCAでの増設により、787型機の増産に確実に対応するとともに、更なる需要拡大が見込まれる高付加価値品市場への“トレカ®”プリプレグの安定供給体制が一層強化されることになります。

 東レは、現在取り組んでいる中期経営課題“プロジェクト AP-G 2013”において、「ケミストリーの力」を駆使して、地球環境問題や資源・エネルギー問題といった地球規模の課題解決に貢献することを目指す「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を推進しています。炭素繊維複合材料は、自動車や航空機などの軽量化による省エネルギーの推進に加え、風力発電機翼やシェールガス等の貯蔵および輸送用圧力容器に使用されることで新エネルギーの普及に貢献する先端材料であり、現在検討を進めている次期中期経営課題においても、当社の収益拡大を牽引する事業として炭素繊維複合材料事業の積極的な拡大を計画しています。

<ご参考>
Toray Composites (America), Inc.の概要

(1)事業内容 炭素繊維“トレカ®”プリプレグの製造販売
(2)所在地 米国ワシントン州タコマ市
(3)設立 1992年5月
(4)資本金   114百万ドル(TORUS100%出資)
(5)代表者   仲摩 良一

2014年06月30日

米国における炭素繊維生産設備の増強について
 

三菱レイヨンは、米国の100%子会社であるMitsubishi Rayon Carbon Fiber and Composites, Inc. (本社:カリフォルニア州アーバイン市、社長:佐々木 晋、以下「MRCFAC社」)において炭素繊維生産設備を増強することを決定しました。年間生産能力2,000トンの生産設備を既存のサクラメント工場内に増設し、2016年中頃に稼働開始する予定です。新設備稼働後の同工場年間生産能力は倍増の4,000トンになります。
 
 世界の炭素繊維需要は、風力発電をはじめとする再生可能エネルギー用途、燃費向上や電気自動車の航続距離延長のための車体軽量化用途等の産業用途を中心に拡大しており、年率20%以上の伸びを示しています。近年、米国のシェールガス開発による天然ガス価格の低下や、各国の自動車排出ガス規制強化の動きから大型トラックを中心に圧縮天然ガス(CNG)への燃料転換が進んでおり、車両に装備する燃料タンク圧力容器用途の需要が急速に伸長しています。また、シェールガス開発を一因とする世界的な天然ガス製造・消費の拡大を背景に、大規模輸送用の大型圧力容器の需要も増加しています。加えて、「究極のエコカー」として商業生産化の緒に就いた燃料電池車(FCV)の高圧水素ガス燃料タンクや水素ステーションの貯蔵タンクにも炭素繊維が使用される見込みであり、クリーンエネルギーの製造・使用に直結する材料として、2020年に向けて更なる需要成長が期待されています。
 
 当社は、MRCFAC社を高性能レギュラートウ炭素繊維の供給拠点として位置付けて、北米を中心とする需要増大に対応する体制を強化し、炭素繊維・複合材料事業のバリューチェーンをグローバルに展開していきます。
 
 
<ご参考>
 MRCFAC社の概要
名称 : Mitsubishi Rayon Carbon Fiber and Composites, Inc.
事業内容 : 炭素繊維、炭素繊維・複合材料およびその関連製品の製造、販売
所在地 : 米国カリフォルニア州アーバイン市.
設立 : 2013年4月 ※いずれも三菱レイヨン100%子会社であった旧Grafil社(カリフォルニア州サクラメント市)と旧Newport社(カリフォルニア州アーバイン市)を統合し現社名に変更
資本構成 : 三菱レイヨン100%
代表者 : 佐々木 晋

 


2014年07月31日 三菱レイヨン     

ドイツWethje社の株式取得について

三菱レイヨンは、このたび欧州の自動車用途における炭素繊維・複合材料事業の強化拡大を図るため、ドイツの自動車用炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品メーカーであるWethje Holding GmbHの株式の51%の取得を目的とする「株式売買契約書」を、Wethje社の親会社であるオーストリア国 CROSS Industries AGと締結しました。関係当局の許認可を前提として、所定の手続きを経て、本年9月を目途に当社の連結子会社とする予定です。
また、CROSS社グループは、オーストリアを拠点とする自動車・二輪車用部品のリーディングカンパニーですが、当社は、Wethje社を長期的に共同保有することにより、同グループと強固なパートナーシップを構築していくことを確認しています。
 
 ドイツを中心とする欧州の自動車市場では、環境規制が強化される中で、CFRPを車体構造材に全面的に使用した電気自動車「BMW i3」が昨秋に販売開始されるなど、高い強度と軽さを併せ持つCFRP部品を本格的に採用する動きが加速しています。1979年創業のWethje社は、高級車への豊富な採用実績を通して、高い技術力を持つ自動車用のCFRP製部品メーカーとして欧州市場で広く認知されています。また、小規模生産向けのオートクレーブ工法だけでなく、中規模量産向けのRTM工法の両方に対応できる数少ないメーカーのひとつです。
 
 当社は、これまでも、ハイサイクルプレス成形(PCM工法)用プリプレグ材料など中間基材の開発・製品化や、株式会社チャレンヂの買収及び中国のAction Composites International社への出資を通じたCFRP製自動車部品の量産拠点の整備、RTM工法の中間基材となる多軸ファブリックの開発に強みを持つ独 TK Industries社のグループ会社化など、自動車向けの炭素繊維・複合材料事業の強化に努めてきました。
 
 新たに当社グループに加わるWethje社を当社の欧州におけるCFRP製自動車部品の開発・製造・販売拠点とし、その製品を通じて当社の炭素繊維・複合材料の欧州での実績をさらに高め、欧州における自動車向けの炭素繊維・複合材事業のサプライチェーンを一層強化していきます。
 
 
【Wethje社について】
名称:Wethje Holding GmbH
所在地:ドイツ国バイエルン州ヘンゲルスブルグ市
創立:1979年
代表者:アルフレッド・F・ヘーテンフーバー
事業内容:炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製自動車部品の開発と製造販売
 
【CROSS社について】
社名:CROSS Industries AG
所在地:オーストリア国ヴェルス市
代表者:ステファン・ピエラー
事業内容:二輪車及び自動車・二輪車用部品の製造販売


※ PCM(Prepreg Compression Molding)工法
三菱レイヨンが開発したCFRP部材の量産成形技術。積層したプリプレグをプレス機で圧縮成形する。約5分のサイクルタイムで、自動車向け部材の量産を可能とする。また、成形品は表面の平滑性が高いためクラスA塗装が可能で、外板部材としても利用できる。
 
※ RTM(Resin Transfer Molding)工法
欧州で一般的なCFRP部材の量産成形技術。主にラージトウ炭素繊維を用いた多軸ファブリックを配置した型に液状樹脂を注入、熱硬化させる工法。風車翼など大型成形品にも用いられる。

※ オートクレーブ工法
オートクレーブ(圧力窯)内の高圧環境下で、積層したプリプレグを配置した型を加熱・加圧し3~4時間かけて硬化させる工法。


2015/1/7  三菱樹脂/三菱レイヨン

炭素繊維事業の強化について

三菱樹脂と三菱レイヨンは、炭素繊維・複合材料事業の強化を目的とし、三菱樹脂のピッチ系炭素繊維事業と三菱レイヨンのPAN 系炭素繊維事業を統合することを合意いたしました。三菱レイヨンが、三菱樹脂のピッチ系炭素繊維事業を会社分割の方法で継承し、2015 年4 月1 日付でPAN 系炭素繊維事業と統合した新組織を発足させる予定です。

三菱ケミカルホールディングスを共通の持株会社とする事業会社である三菱樹脂と三菱レイヨンは、単一のグループとして、石炭ピッチ系炭素繊維とPAN 系炭素繊維の両方の技術を持つ世界で唯一の炭素繊維メーカーです。これまで共同マーケティングや技術交流などを通じてグループシナジーを追求し、PAN 系とピッチ系の炭素繊維をそれぞれ適材適所に配置した新設計のゴルフシャフト≪Diamana≫ B、W、R 各シリーズを三菱レイヨンが開発するなど、具体的な成果を実現してきました。

今後、三菱ケミカルホールディングスグループとして、世界首位のピッチ系炭素繊維事業に由来する知見をPAN 系炭素繊維の領域に応用し、戦略重点分野である自動車、圧力容器、風力発電翼など産業用途における顧客へのソリューション提案力を強化していきます。また、すでにグローバルに展開中のPAN 系炭素繊維・複合材料事業の製造・販売・開発に係る事業インフラを活用し、ピッチ系炭素繊維事業の価値を最大化していきます。
 


2015年02月05日 三菱レイヨン

エアバス社『A320neo』エンジン部品への炭素繊維採用について
 

三菱レイヨンのPAN系中弾性グレード炭素繊維が、エアバス社の新型機A320neo用新型エンジンPW1100G-JMのファン構造部材に採用されることが決定しました。民間航空機用エンジンの構造案内翼に炭素繊維が使われるのは世界で初めてです。
 
PW1100G-JMは、米国・Pratt & Whitney、ドイツ・MTU Aero Engines AG、一般財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)の3者で共同開発する低燃費、低公害、低騒音を実現した民間航空機エンジンです。JAECの主要メンバーである株式会社IHIが当社の中弾性グレード炭素繊維を採用し、エンジン前部から空気を取り込むファン内部に配置された構造案内翼を世界で初めて複合材料化しました。従来使われたチタンやアルミを軽くて強度のある炭素繊維強化樹脂(CFRP)複合材料に置き換えることで、鳥衝突にも耐える強度を保ちながらエンジンを大口径化し、エンジンの軽量化と燃費改善に大きく貢献しています。当社は、豊橋事業所内に現在保有する生産設備・体制を活用し、急激な立ち上がりが計画されているPW1100G-JM向け炭素繊維の製造に対応していきます。
 
今後、航空機エンジンの大型化に伴って軽量化素材が求められるなか、CFRP複合材料の適用が進むことが期待されます。当社は、このたびのPW1100G-JMへの採用を契機に、航空機エンジン部品への炭素繊維の適用拡大により一層注力していきます。



2015年4月24日 東レ 

“トレカ®”炭素繊維織物のボーイング787向け供給について

東レは、この度、グループ企業の創和テキスタイルにおいて、ボーイング社向け炭素繊維織物の生産設備認定テストを完了しました。 

創和テキスタイルは、第1四半期(4〜6月)中に、ボーイング787“ドリームライナー”機向けに“トレカ®”炭素繊維織物の供給を開始する計画です。

東レは、ボーイング787型機向け“トレカ®”炭素繊維材料の需要が増大するのに対応して、日米両国におけるサプライチェーンの増強を進めてきました。
2014年1月に米国子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、「TCA」)における“トレカ®”プリプレグの増強を決定したのに続き、同年9月には、石川工場(石川県能美市)へスリットテープの生産設備を導入する計画を公表しています。 

今回供給予定の“トレカ®”炭素繊維織物は、米国TCAにてプリプレグ加工され787型機の構造材料として使用されるものです。従来、TCA社がプリプレグ加工する炭素繊維織物は全て米国内で外注にて製織していましたが、創和テキスタイルが、東レ愛媛工場(愛媛県伊予郡)で製造された炭素繊維を製織しTCAへ供給することで、東レグループ内で一貫製造することが可能になりました。

愛媛(炭素繊維)→創和テキスタイル(製織)→TCA(プリプラグ)→TCA(スリットテープ)→Boing
            (従来TCAが外注)
愛媛(炭素繊維)→創和テキスタイル(製織)→石川工場(プリプラグ)→石川工場(スリットテープ)→Boing
                                          (従来TCAから輸入)

創和テキスタイルは、今後徐々に製織数量を引き上げて、787型機向けに供給を拡大していく計画です。  

創和テキスタイルは、東レのグループ企業で、北陸繊維産地を拠点に繊維製品の企画開発から製造・販売まで一貫して手掛ける一村産業株式会社(本店:石川県金沢市)の子会社です。合繊織物事業では、その生産力、商品開発力によりユニフォーム用途で国内最大のシェアを有していますが、近年カーシート等の産業用途も拡大しています。また、その優れた製織技術と品質管理力を生かして炭素繊維織物事業にも進出しています。  

東レは現在、中期経営課題“プロジェクトAP-G 2016”に取り組んでおり、その基本戦略のひとつとして、成長分野における事業拡大「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を掲げ、環境問題や資源、エネルギー問題の解決に貢献する事業の拡大にグループ一丸となって取り組んでいます。 

東レは、航空機や自動車をはじめとする輸送機器の軽量化素材として期待される炭素繊維複合材料事業に積極的に経営資源を投入し、更なる事業拡大を図って参ります。

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東レは2014年11月17日、The Boeing Companyとの間で、新型機「777X」向けに炭素繊維“トレカ®”プリプレグを供給することに基本合意したと発表した。

東レでは、“トレカ®”プリプレグを、日本の愛媛工場と石川工場、ワシントン州タコマ市のToray Composites (America), Inc.で生産している。

Toray Composites (America), Inc.では現在、「787」月産12機への増産に対応するため、2016年1月稼働開始予定で“トレカ®”プリプレグ生産系列の増設工事を進めている。

また、今回の受注拡大を受け、2014年2月に米国サウスカロライナ州スパータンバーク郡に取得した事業用地での原糸(プリカーサ)から炭素繊維“トレカ®”および“トレカ®”プリプレグまでの一貫生産設備の新設計画を近く具体化する。

石川工場では、2009年7月に稼働したプリプレグの第1系列生産設備で、ボーイング787型機向け及びスポーツ、産業用途向けに “トレカ®”プリプレグを生産しているが、第2系列生産設備が11月10日より稼働開始した。

今回の第2系列は、IT機器の筐体や自動車の外板(ボンネットやルーフ等)など、品質の均一さや外観の良さが求められる産業用途高付加価値プリプレグの需要増に対応するための能力増強であり、あわせて増産効果によるコスト競争力強化も狙いとしている。
787型機向けのプリプレグ生産にも対応できる仕様となっており、今後の需要動向にあわせた柔軟な用途対応を可能にしている。

2014/11/20 東レ、ボーイング777X向けに炭素繊維“トレカ®”プリプレグ供給  

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2014年9月26日 東レ

ボーイング向け炭素繊維“トレカ®”プリプレグにおけるスリットテープ生産設備導入について

 東レは、この度、石川工場(石川県能美市)において、炭素繊維“トレカ®”を使用したプリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)をスリットテープに加工する生産設備を導入することを決定しました。スリットテープは、“トレカ®”プリプレグを細幅にスリットしたもので、ボーイング社による設備認定を取得した後、2016年7月にボーイング787型機向けに供給を開始します。  

石川工場では、2009年7月に“トレカ®”プリプレグ第1系列を稼働した後、スポーツやIT機器、自動車などの高付加価値産業用途に加えて、ボーイング787向けに“トレカ®”プリプレグを供給しています。また石川工場は、2013年7月には第2系列増設を決定しています。  

今回導入する設備で生産するスリットテープは、米国の子会社Toray Composites (America), Inc.が供給しているもので、日本国内における787型機向け需要も米国からの輸入で対応しています。石川工場にスリットテープ生産設備を導入することで、当社では初めてのスリットテープ国産化となり、日米二拠点供給によりボーイング787型機向け材料供給がさらに盤石なものとなります。  

ボーイング787型機は、現在月産10機で生産されていますが、2016年に月産12機に、2019年末までには14機へ生産機数が引き上げられる計画です。東レは、増大する787型機向け“トレカ®”プリプレグ需要に対応して、今年2月にTCAにおける“トレカ®”プリプレグ設備能力の増強を決定しており、今回のスリットテープ生産設備導入と併せて787型機向け需要増に対応していきます。

スリットテープとは
炭素繊維を一方向に配列した広幅プリプレグを、繊維方向と平行に、幅数mmから数cmにスリット加工したテープ状プリプレグのこと。
スリットテープが自動機を用いてツール上に連続的に積層され、部材形状に加工されることから、この加工法はAFP(Advanced Fiber Placement)と呼ばれる。細幅のスリットテープが曲面に沿いやすいことから、AFPは複雑形状を有する複合材料部材の高精度・高速生産に適した成形加工法として近年有望視され、適用事例が増えている。


2015年11月9日 東レ 
 
ボーイング社との炭素繊維トレカ®プリプレグ包括的長期供給契約の正式締結 および 米国での炭素繊維トレカ®プリプレグ一貫生産設備の新設について

東レは、このたび、米国のThe Boeing Company との間で、既存の「787」プログラムに加え、新型機「777X」プログラム向けに炭素繊維トレカ®プリプレグを供給する包括的長期供給契約を正式に締結しました。

2014/11/20 東レ、ボーイング777X向けに炭素繊維“トレカ®”プリプレグ供給(基本合意)

本契約は、2005年11月に締結した包括供給契約を本年からさらに10年以上延長するもので、今後の「787」、「777X」両プログラム向けの契約期間における東レグループの供給総額は、1.3兆円(110億ドル)を超える見込みです。  

これに合わせて東レは、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ郡の新規事業用地において、約500億円を投じ、原糸(プリカーサ)から焼成まで一貫の高性能炭素繊維トレカ®生産設備(年産能力 2,000トン)、および炭素繊維トレカ®を使用したプリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)の生産設備の新設を決定しました。
東レは新規事業用地において、2020年までに1,000億円規模を投じて米国での炭素繊維複合材料事業の拡大を図ることを計画しており、今回の投資はその第一弾です。原糸(プリカーサ)から炭素繊維トレカ®およびトレカ®プリプレグまでの一貫生産設備の建設は、米国では初めてとなります。 

2017年5月以降、原糸(プリカーサ)から順次生産を開始し、ボーイング社向けトレカ®プリプレグの供給開始は認定取得完了後の2019年を予定しています。

 「787」では、当初から主翼、胴体などの一次構造部材にトレカ®プリプレグが採用されていますが、生産機数を現行の月産10機から、2016年に月産12機、更に2019年末までには月産14機まで引き上げることが計画されていることに加え、今後は「787」ファミリーの派生型(モデルミックス)の導入により、炭素繊維複合材料の大幅な需要増が見込まれています。 また、「777X」は、ボーイング社が現行「777」の後継機として2020年に初号機を納入する計画で開発を進める大型双発旅客機で、このたびの契約締結により、その主翼材料としてトレカ®プリプレグの採用が正式に決定しました。  

東レは現在、「787」月産12機への増産に対応するため、米国子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、社長:Dennis Frett)において、2016年1月稼働予定でトレカ®プリプレグ生産系列の増設を進めています。今回の新規事業用地での一貫生産設備の新設は、「787」月産14機への増産、および今後の「777X」プログラムの立ち上がりによる需要拡大に対応するものであり、ボーイング社に向けた安定供給体制をより強固にするものです。 東レは、「787」「777X」両プログラム向け出荷量の増加に伴い、引き続き新規事業用地における生産設備の増強を実施していく予定です。  東レは、2014年4月からスタートした新中期経営課題"プロジェクト AP-G 2016"の中で、炭素繊維複合材料事業における航空宇宙分野での飛躍的な事業拡大を目指しています。東レは、ボーイング社の増産計画に沿って引き続きトレカ®プリプレグの安定供給体制の拡充を図るとともに、米国での炭素繊維複合材料事業の高度化と収益拡大を進めてまいります。


2016年9月13日 帝人

米国 Continental Structural Plastics社の買収について

帝人は、このたび、北米最大の自動車向け複合材料成形メーカーである Continental Structural Plastics Holdings Corporation の全株式を取得し、完全子会社とすることとしました。
これにより、当社は北米における自動車向け複合材料製品事業の基盤となる強力な販売チャネルを獲得し、同事業のTier 1 サプライヤーとしてグローバル展開を加速していくことになります。   Tier 1 サプライヤー:メーカーに直接納入する一次サプライヤー

なお、このたびの買収金額は、総額825百万米ドルとなります。

1.背景

(1)当社は長期ビジョンとして「ソリューション提供型事業体への進化」を掲げており、高機能素材の領域においては複合材料を中心に事業拡大を図るべく、自動車の量産部品への適用を見据えた事業展開を推進しています。

(2)世界的に環境規制の強化が進む中、自動車業界においてはCO2排出量の抑制や燃費効率の飛躍的な向上が求められ、従来は到達し得なかった水準の車体軽量化が不可避となっていることから、複合材料の適応部位拡大が喫緊の課題となっています。

(3)こうした中、当社では将来のさらなる車体軽量化を睨み、自動車向け複合材料製品事業の展開を加速するためのプラットフォームを構築して、自動車メーカーに対してより広範なソリューション提供を可能にする体制を早期に確立することを目指しています。

2.当社の取り組みの経緯

(1)2008年には複合材料開発センターを開設し、他に先駆けて複合材料製品の事業化に向けた技術開発と用途開拓を強力に推進。2011年には世界初となるCFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastic:熱可塑性炭素繊維複合材料)の1分成形量産技術を確立。
  * 帝人は、
世界で初めて炭素繊維複合材料(CFRP)を1分以内で成形する量産技術を確立した。これは熱可塑性樹脂を使用することで実現したもの。

2012年には米国に複合材料用途開発センター、松山事業所にCFRTP 一貫生産のパイロットプラントを新設し、「Sereebo」のブランド名で量産型CFRTP製品の開発、国内外の複数企業との共同開発を推進してきました。

(2)また、帝人グループで炭素繊維・複合材料事業を展開する東邦テナックスにおいて、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:熱硬化性炭素繊維複合材料)の端材を極小化するプリフォーム*製造技術「PvP」(Part via Preform)を核に一貫生産体制を構築し、顧客ニーズに合致した複合材料の生産体制を構築してきました。

(3)さらに、昨年は複合材料製品の物性評価における国際的な試験所認定規格である「ISO/IEC 17025」、本年は欧米の自動車メーカーがTier1メーカーに対して認証取得を必須としている品質マネジメントシステム規格「ISO/TS 16949」を取得し、グローバル水準の自動車部品メーカーに向けて体制構築を進めてきました。

                   * プリフォーム : 事前に炭素繊維シートを金型に合うように切り取り、賦形すること。

3.CSP社について

(1)CSP社は、1969年の設立以降、自動車の軽量化のための樹脂製部品を北米の自動車メーカーに提供してきており、中でもGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化複合材料)などの熱硬化性複合材料を使用した自動車向け部品においては、北米最大のTier1メーカーとして、米国の主要な自動車メーカーと強固な関係を構築しています。

(2)また、自動車業界で「クラスA」と称される美麗な外観を有する外板部品においては、業界のグローバルリーダーとして、米国のみならず、欧州・日本の自動車メーカーに向けても数々の採用実績を誇っています。

(3)CSP社の概要は次のとおりです

社名 Continental Structural Plastics Holdings Corporation
設立 1969年
拠点 本社・開発拠点:米国ミシガン州 オーバーンヒルズ
生産拠点:米国10拠点、メキシコ2拠点、フランス、中国
売上高 634百万米ドル(2015年12月期)
従業員数 約3,200名
事業内容 自動車向け複合材料/部品の設計・成形・加工
主な保有技術 シート・モールディング・コンパウンド(SMC)
樹脂に硬化剤や増粘剤などを混合したペーストをガラス繊維などに含浸させたシートを金型で加圧加熱して成形する製法
【特長】優れた生産性、表面性、寸法精度、品質安定性
主な製品 GFRPを用いた軽量・美麗な外観部品

4.今次買収について

(1)今次買収の概要は次のとおりです。

買収金額 825百万米ドル
実施時期 2016年12月(予定)
出資元 Teijin Holdings USA Inc.(米国持株会社)
資金調達 手元資金および新規調達で充当(予定)

(2)当社は、このたびの買収により、北米自動車市場における強力な販売チャネルを獲得すると同時に、CSP社が自動車メーカーから求められてきたさらなる軽量化や高強度化などの要求に対し、当社が有する炭素繊維複合材料の技術を活用することでより幅広いソリューション提案力を有することとなり、自動車向け複合材料製品事業において強固なプラットフォームを構築することができます。

(3)世界的な環境規制強化に伴う環境負荷低減やコストダウンといった自動車メーカーのニーズに対し、CSP社が有するGFRPや、当社が有するCFRTPなどの高機能複合材料により、「車体部品の軽量化」「部品点数の削減」「リサイクル性の向上」、さらに「従来部品を超える付加価値」を提供することができます。

(4)こうしたシナジー効果により、川上から川下に至る一貫でのソリューション提案が可能となり、当社が2014年に発表した修正中期計画において発展戦略として掲げた「高機能材料による新たな価値創造」の具現化へとつながっていきます。

5.今後の展開

(1)当社はTier1サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の強化や、グローバル安定供給体制の確立とともに、2020年以降の環境規制強化に対応した車体軽量化に向けて提案力を強化するため、炭素繊維、ガラス繊維に限らない材料の拡充や、他の材料メーカーとの協業などを図り、自動車メーカーに対するソリューションプロバイダーとなることを目指していきます。

(2)さらに、CSP社の有するフランスの開発センターや、帝人グループの関連拠点を活用し、欧州・日本・アジアの自動車メーカーに向けた提案力を拡大することによりグローバル展開を推進していきます。

(3)こうした展開により、今後一層厳しくなる環境規制に向けたソリューションを提供する事業として、自動車向け複合材料製品事業を、2030年近傍に売上2,000百万米ドル規模に拡大していくことを目指します。

 

【 帝人株式会社 代表取締役社長執行役員 鈴木 純 のコメント 】

社長就任以降、10年、20年と社会から必要とされる企業であり続けるため、素材・ヘルスケア・ITの3つの領域での強みを活かし、それらを「融合」「複合化」することにより、顧客に新しい価値の提供を可能にするビジネスモデルの創造を追求しています。そして将来は、複合高機能材料とヘルスケアを大きな柱として、社会にソリューションを提供する企業体を目指しています。このたびのCSP社買収は、自動車向け複合材料製品事業のプラットフォーム構築につながるものであり、目指すべき将来像に向けた第一弾として、複合高機能材料拡大への橋頭堡となるものです。これを1つの起爆剤として、今後も帝人グループ一丸となって常に進化を続け、「未来の社会を支える会社への変革」に取り組んでいきます。

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両社のシナジーを生み出すことで2015年に6億3400万ドルだった帝人グループの自動車向け複合材料事業売上高を2020年近傍に9億ドル、2025年近傍に15億ドル、2030年近傍に20億ドルへと引き上げていく。