日本国内におけるボトル用樹脂事業の統合について
三井化学株式会社と、帝人株式会社は、今般、下記のとおり日本国内におけるボトル用(ポリエチレンテレフタレート)樹脂事業を統合し、新たに合弁会社を設立することを基本合意しました。
新設する合弁会社は、三井、帝人がそれぞれに展開している樹脂原料事業とのシナジー効果を含めたサプライチェーン一貫での競争力を徹底的に強化するとともに、高い品質とコスト競争力で顧客のニーズに応え、事業価値の最大化を図ってまいります。
1.事業統合の背景・意義 | |
(1) | 日本国内における飲料需要の減少、アジアからのボトル用樹脂の輸入拡大などに伴い、ボトル用樹脂事業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。 |
(2) | 現在、三井はボトル用樹脂事業、およびその原料である高純度テレフタル酸(以下、PTA)事業を展開しています。一方、帝人はボトル用樹脂事業、およびPTAの粗原料であるパラキシレン(以下、PX)事業を展開しています。 |
(注)帝人のボトル用樹脂事業は、帝人(株)が製造、帝人化成(株)が販売を行っています。 | |
(3) | こうした中、三井と帝人は、厳しい事業環境にあるボトル用樹脂事業において、生産・販売・研究に亘るシナジー効果を追求すべく、両社の事業統合について検討を重ねてきました。 |
(4) | このたびの事業統合により、生産を集約することによる操業度向上、販売部門統合によるマーケティング力の強化、両社の技術の融合による生産技術力の強化といったシナジー効果が新合弁会社で実現されるとともに、樹脂の原料である帝人のPX事業および三井のPTA事業を含むサプライチェーン一貫での競争力の徹底強化を図ることができます。 |
(5) | さらに、このたびの事業統合により、三井は自社で製造するPTAの原料となるPXを競争力ある価格で安定的に調達することが可能となり、また、PTA事業の安定化を図ることができます。一方、帝人は国内におけるPXの安定大口顧客を確保することになり、PX事業の安定化を図ることができます。 |
(6) | 三井、帝人の両社は、それぞれが保有するボトル用樹脂事業におけるシナジー効果発現に向けて今後さらに詳細の検討を進め、一層のコスト競争力強化を図ることにより、持続的な事業価値拡大を目指してまいります。 |
2.事業統合の概要
(1)両社は、それぞれのボトル用樹脂事業を統合し、以下のとおり新たに合弁会社を設立します。
<新会社の概要>
項 目 内 容 社 名 未定 事業内容 日本国内におけるボトル用樹脂の生産、販売および研究 所 在 地 東京都港区東新橋1−5−2汐留シティセンター(三井本社内) 資 本 金 4.9億円 出資比率 三井80%:帝人20% 生産能力 14.5万d/年(三井岩国大竹工場に新会社が生産を委託) 売 上 高 約250億円(2009年度両社合算値) 役 員 出資比率に応じて三井および帝人が指名 営業開始日 2011年4月1日を目途
(公正取引委員会の承認を取得次第、早期に設立)
(2)これにより、両社によるボトル用樹脂のサプライチェーンは次のようになります。
主要原料 生産 販売
パラキシレン
(帝人)ー→
高純度
テレフタル酸
(三井)ー→
ボトル用
PET樹脂
(三井)生産委託
←
→
ボトル用
PET樹脂
(新会社)
(3)このたびの新合弁会社設立に伴い、帝人は徳山事業所内にあるボトル用樹脂の生産設備を休止します。
帝人は松山の40千トンに、Bottle-to-bottle で徳山に50千トンを建設、合計90千トンの能力となった。
しかし、Bottle-to-bottleを休止、徳山はTPAからの生産に切り替え、松山は休止した。
http://www.knak.jp/munikai/recycle/tteijin-pet-n.htm#btb-kyushi
ボトル用PET樹脂メーカー
国内 | 海外 | |
三井化学 | 145 | 175 |
日本ユニペット | 140 | 52 |
帝人 | 90→50→0 | |
ユニチカ(日本エステル) | 10 | |
クラレ | 10 |
三井化学
インドネシア P.T.
Petnesia Resindo(三井化学
41.58%、 東レ 47.1%)
能力 75千トン
タイ Thai Pet Resin
Co., Ltd.(三井化学 40%、東レ40%、SCG
Chemicals 20%)
能力 100千トン
2005年7月20日
三井化学は、タイ合弁でボトル用ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を50%増産する方針を明らかにした。2006年中に年15万トン体制に引き上げる考え。さらに現在開発中の新技術を導入する意向など、高成長をみせる一方、競争が激化しているアジア市場で優位性を維持し、攻めの戦略に転じる。
日本ユニペット株式会社
三菱化学 44.9%、東洋紡 44.9%
工場・生産拠点
岩国工場:東洋紡績株式会社岩国事業所内 66千トン
四日市工場:三菱化学株式会社四日市事業所内 46千トン
(委託)越前ポリマー株式会社(福井県鯖江市) 28千トン 国内計 140千トン
(三菱化学 95%出資、当初は三菱化学50%/カネボウ50%)