旭硝子
2003/3/6 新中期経営計画「StoG2005」について
2002/1/28 事業構造改革の諸施策について
2001/4/9 新中期経営計画「StoG2003 」について
新中期経営計画「StoG2003
」について
旭硝子 (本社:東京、社長:石津進也)は、1998
年以来「シュリンク・トゥ・グロー(Shrink to Grow
)」の経営戦略の下、事業の選択と集中を図ることにより、体質の強化と事業構造の改革を実施してきました。
1999 年6 月には、1999
年度から2001 年度までの3
年間の中期経営計画「StoG2001」を策定し各種施策を展開してきましたが、この度2001
年度(2002 年3 月期)から2003 年度(2004 年3
月期)までの新中期経営計画「StoG2003」を取り纏めました。
1 .「StoG2001」の成果
(1 )2001 年3
月期の業績見込み(連結)
00/3 (実績) 01/3 (見込) 02/3 (当初目標) 02/3 (新中計目標) 売上高 : 12,570 億円 13,300 億円 15,000 億円 14,000 億円 営業利益 607 億円 1,100 億円 1,000 億円 1,200 億円 当期利益 132 億円 220 億円 − 390 億円 ROE 2.2% 3.6% 6.0% 6.0%
@売上高
・ | 1998 年3 月期以来、売上高の減少が続いていましたが、電子・ディスプレイ事業の成長をはじめとする「StoG2001 」施策によりその減少傾向に歯止めが掛り、2001 年3 月期では前期比+730億円の13,300 億円が見込まれます。 |
A 営業利益
・ | 「StoG2001 」の2 年度目に当たる2001 年3 月期の営業利益は、2002 年3 月期の当初目標である1,000 億円を1 年前倒しで達成し、過去最高の1,100 億円となる見込みです。 | ||
・ | 事業別には、電子・ディスプレイ事業の伸展が大きく寄与し、ガラス事業の収益力が回復に向ったことによるものです。 |
B 当期利益
・ | 事業の再構築により、旭コマグ社清算に伴う損失負担87 億円、北九州工場保有の事業用地の用途変更による時価評価損127 億円などが発生し、220 億円となる見込みです。 |
CROE
・ | 「StoG2001」の数値目標のひとつにROE を掲げています。今期においては3.6%となる見込みですが、2002 年度には目標の6.0%を達成する計画です。 |
(2 )事業構造の変化
◎ | 「Shrink to Grow」の経営戦略に基づき、事業の選択と集中を進めた結果、電子・ディスプレイ事業が新しい柱として成長しました。 | |
◎ | 2001年3月期の事業別売上高は、ガラス・化学のコア事業が前年比でほぼ横ばいであったのに対し、成長事業と位置づけた電子・ディスプレイ事業が約1,000 億円増加する見込みで、事業構造の転換が進みつつあります。 | |
◎ | 2001 年3 月期の事業別営業利益においても、電子・ディスプレイ事業の伸展が大きく寄与し、加えて「StoG2001」による構造改革の成果によりガラス事業の収益力も回復しつつあります。 |
2 .新中期経営計画「StoG2003」の概要
(1 )新中計の位置づけ
◎ | 1999 年4
月にスタートし2002年3月期を最終年度とする「StoG2001」は、単体の収益回復が中 心の緊急構造改革であり、成長の第1 ステージです。 |
|
◎ | これに対し、本年4月からスタートし2004年3月期を最終年度とする「StoG2003」を成長の第2ステージと位置づけています。 ・Grow 策の中心は、電子・ディスプレイ事業とフッ素化学事業です。 ・Shrink 策として、低収益のコモディティ事業の抜本的な構造改革を実施します。 |
|
◎ | また、本年度中に2007年の創立100周年に向けた新たなビジョンの策定を計画しており「StoG2003」は、新ビジョンでの更なる飛躍に向け、事業基盤をより強固にするための期間という位置づけでもあります。 |
(2 )価値創造経営システムの定着
◎ | 「StoG2003」では、連結で約70
のビジネスユニット(BU
)を定義し、バリューポートフォリオを作成しました。各事業の位置づけを明確化し、重点資源配分を行います。 (2001年10月よりSAP社のR/3 による連結マネジメント情報システムを稼動させ、BU 別の資産効率を含む業績把握を行います) |
|
◎ | EVA
をベースとした当社の独自指標「経済付加価値率」で各BU
を評価し、これを基に3年間の中期計画を策定し、その1年目を2001年度の予算とします。 [ 経済付加価値率:税後営業利益÷(営業資産*加重平均資本コスト)] その進捗状況・業績は、定期的にモニタリング・レビューされます。 |
|
◎ | この事業別の業績評価の結果は、事業本部・職能部毎に約1,300
名の課長職以上の賞与に反映されます。 |
|
◎ | この一連の流れにより、価値創造経営の仕組みづくりが完成しました。 |
(3 )財務目標(2004 年3 月期目標)
【2004/3 目標】 【2001/3 見込】 【対2001 増減】 売上高 16,000 億円
13,300 億円
+2,700 億円
営業利益 1,600 億円
1,100 億円
+ 500 億円
税引後利益 730 億円
220 億円
+ 510 億円
ROE 10 % 3.6 % − D /E 比 0.8 台 − −
◎ | 2001年3月期見込との比較では、3年間で売上高が2,700 億円増加(120%)、営業利益が500 億円増加(145%)となる計画です。 | ||
・ |
売上高では、ガラス事業が新規連結対象の増加などにより+850 億円、電子・ディスプレイ事業が中小型液晶モジュールやFPD ガラス基板などの伸びで+1,550 億円となるものです。 | ||
・ | 営業利益の増加は、新規連結対象の増加で+150 億円、Shrink 効果で+100 億円、既存事業の拡大で+250 億円となることによるものです。 | ||
◎ | 2004 年3 月期には、ガラス、化学でのShrink 策の成果が現れ、電子・ディスプレイの利益成長性の鈍化をカバーし、ROE 10%を達成する予定です。 |
(4 )キャッシュフロー(2001 年度〜2003 年度:3 年間累計)
営業キャッシュフロー 5,500 億円
投資キャッシュフロー 4,000 億円
フリーキャッシュフロー 1,500 億円
◎ | フリーキャッシュフローの使途は、M&A
等の投資、有利子負債の返済、株主還元を予定しています。 |
|
◎ | 株主還元については、配当に加え、自己株消却についても検討します。 |
(5 )設備投資(2001 年度〜2003 年度:3
年間累計)
◎ | 3 年間で約4,000
億円の設備投資を予定していますが、Grow
分野の電子・ディスプレイ事業に50%程度を振り向け、ガラス事業に30%、化学品事業に20%程度の割合で投資します。 |
|
◎ | 地域別では、日本:アジア:欧米=45
:30 :25 で計画します。 |
|
◎ | 用途別では、環境対応・設備の維持更新に35%を当てますが、65%を新規案件・増設など成長のための積極投資に振り向けます。 |
(6 )人員計画(2000 年度末/2003 年度末比較)
◎ | 旭硝子単体では、分社化・Shrink
策で▲300 名の7,000 名となる見込みです。 連結人員では、主として連結対象範囲の拡大により+7,000 名の56,000 名を計画しています。 |
(7 )環境対策
◎ | エネルギー多消費型のガラス・化学企業の責任として、環境対策を最重要課題のひとつとして取り組みます。 |
|
◎ | 2001年度〜2003
年度に200
億円以上の環境対策投資を予定しています。 |
|
◎ | 2000 年秋に発行した環境報告書に続き、2002 年度には環境会計を導入する予定です。 |
3 .「StoG2003 」セグメント別主要施策
成長期待事業及び当面の成長事業に資源の重点配分を行うとともに、国内の基礎化学品、国内の窯業系外壁材及びセラミックス事業の抜本的な構造改革を実施します。
(1 )ガラス事業
ガラス事業では、窯業系外装建材のShrink 策など既存事業の改善を進める他、新規連結対象会社の拡大やアジアにおける最適生産分業体制の構築、自動車用ガラスのグローバル開発・生産・供給体制の整備などにより、2004年3月期で850 億円の増収、270億円の増益を見込みます。(2001年3月期比)
@ 日本と東南アジアにおける最適生産分業体制の構築
・ | ガラス事業の主力生産拠点であるタイにおいては、関係会社であるタイ旭硝子(TAG )・バンコクフロートグラス(BFG )・タイ安全硝子(TSG )を子会社化しましたが、これら海外関係会社との連携を強め、最適生産分業体制を組むことで事業収益性を高めていきます。 | |||
・ | 分業体制強化の一環として、休止中のTAG ライヨン工場のフロート窯1 基を建築用以外の高機能ガラス用に稼動させ、日本を含めた東南アジア域内の需給動向に対応していきます。 |
A窯業系外装建材:北九州工場での生産中止関係 ――――詳細説明(別紙1 )
・ | 2001 年度中に北九州での生産を中止し、一部設備を鹿島工場に移設・集約します。 | |||
・ | 鹿島工場での設備稼働率を、現状の70%から90%程度まで改善させ、収益改善を図ります。 |
(2 )電子・ディスプレイ事業
電子・ディスプレイ事業では、市場の拡大とともに、新規開発商品の投入などにより、2004 年3月期で1,550 億円の増収、70 億円の増益を見込みます。(2001 年3 月期比)
@CRT 用ガラスの状況
・ | 現在PC モニターを中心に一時的に需要が減少していますが、2001年央から需要の回復があると見ています。 | |||
・ | 大型TV(画面サイズ25
インチ以上)やフラットTV
の普及が進み、またPC モニターの大型化やフラット化が進むため、重量ベースでは数量ベース以上に需要が増加すると思われます。 (大型フラット化率は、2000 年の35%が2003 年には40%超になると推定しています。) |
|||
・ | 今後も増加する需要に対応するため、海外3 拠点での設備増強を決定しました。 |
* 韓国電気硝子(韓国) : 溶解槽拡張、パネル成型ライン1 系列増設、研磨ライン増強、
2001 年6 月からの冷修時に増設工事、投資額45 億円* サイアム旭テクノグラス(タイ) パネル製造窯1 基増設、2001 年7 月完了、投資額135 億円 * 上海旭電子玻璃有限公司(中国) パネル製造窯1 基増設、2001 年9 月完了、投資額120 億円
A TFT 用ガラス基板の状況
・ | 現状では需要の中弛みが見られますが、ノートPC の浸透、液晶モニターの普及、液晶テレビなどの新分野での需要拡大により、2003 年の需要は2000 年に比べ倍増するものと見ています(10.4 インチ以上の大型液晶パネル個数ベース)。 | |||
・ | 需要の増加に対応するため、現在建設中の台湾の新拠点にて2001 年10 月よりTFT 用ガラス基板の研磨加工を開始します。 | |||
・ | 中長期的な需要の増加並びに基板の大型化という市場環境は、大量生産に向くフロート法を特色とする旭硝子にとって優位性を高めるものと見ています。 | |||
・ | また、子会社である活ョ硝子ファインテクノ(AGFT)米沢工場のメタル膜成膜スパッタ設備を2001 年6 月に増設します。 |
B PDP 関連事業の急伸
・ | PDP (プラズマ・ディスプレイ・パネル)の市場規模は急激な拡大が見込まれます。 現在の業務用を中心とした需要に加え、大型かつ薄型の家庭用壁掛けTV を可能にするディスプレイとして注目を集めています。 |
|||
・ | 旭硝子は、PDP 用ガラス基板(シェア90%)をはじめ、主要部材であるフィルター(40%)、フリットペースト(現在20%、目標50%)で高いシェアを有しており、市場規模の拡大によりPDP関連事業も大きく成長すると見ています。 | |||
・ | 今後の需要増加に対応するため、関西工場(尼崎市)で基板加工設備の増強を決定しました。 2001年11月生産開始、投資額45 億円 | |||
・ | また、旭硝子郡山電材梶i福島県)においてPDP 用フリットペーストの生産能力増強を行います。本年半ばに増設工事は完了し、これにより生産能力は倍増の予定です。 |
C中小型液晶モジュール
・ | 中小型液晶モジュール事業は、「StoG2003 」の中期計画期間中に大きく成長する事業と見込んでいます。 | |||
・ | 関係会社のオプトレックス梶i本社:東京、社長:福田修一)は、同社の独自技術であるアクティブMLA (Active Multi-line Addressing :動画対応高画質複数ライン同時駆動)方式の新駆動技術と新開発の高反射率パネル技術を使った携帯機器用の反射カラー液晶システム(SuperSTN :スーパーSTN )を開発し、本年7 月より本格的な販売を開始します。 | |||
・ | SuperSTN は、低消費電力、低コストという従来のSTN 液晶の利点をそのままに、6万5000 色(65k 色)の発色を可能としたもので、携帯電話、モバイル機器向けの出荷が期待されています。 | |||
・ | また中小型ディスプレイの既存客先ニーズに応えるため、同社はTFT−LCD の販売を開始することを決定しました。TFT−LCD は当面TFT−LCD 製造メーカーからのOEM 供給を受け、販売を行う予定です。 | |||
・ | オプトレックス鰍ヘ中小型
ディスプレイのトータル・ソリューション・プロバイダーを目指 し、全社売上は2001 年度800 億円以上を目指します。 |
D光関連事業
・ | 既に大きな実績のあるWDM
フィルター、非球面レンズ、光ピックアップ用素子、合成石英 に加えて、WDM アンプ用光ファイバーのBi −EDF 、超高速フッ素樹脂光ファイバーのル キナなどを次の成長の柱として期待しています。 |
|||
・ | 光関連事業は、2005 年度で約600 億円の事業規模を予定しています。 | |||
・ | 光関連事業では、今後も積極的なGrow 施策を計画しますが、併せて事業性の評価を常時行い必要なShrink も実施していきます。 | |||
* 石英事業の再構築――――詳細説明(別紙2 ) |
(3 )化学事業
化学事業の「シュリンク・トゥ・グロー」の加速が重要な経営課題でしたが、「StoG2003 」においてBU 別の位置づけを明確化し、その取るべき施策を明確にしました。
国内クロール・アルカリ事業の規模の適正化、フッ素関連事業の拡大、ウレタン事業の高機能化の推進により、「StoG2003 」最終年度の2004 年3 月期までに250 億円の増収、150 億円の増益(2001 年3 月期見込み比)を計画しています。
@化学品の北九州工場からの事業撤退――――詳細説明(別紙3 )
クロール・アルカリ事業については、北九州工場の事業撤退に加え、次のステップとして更に抜本的な見直しを進める予定です。
A重曹の高機能化への対応
・ | 北九州工場での設備廃棄に伴い、重曹の生産設備を鹿島工場に移設します。 2002 年3 月生産開始、設備能力50,000 トン/年、投資額30 億円 |
|||
・ | 重曹は、入浴剤原料を中心に現状でも大きな需要があり、今後も人工透析などのライフサイエンスや、環境保全分野で排ガス処理など高付加価値分野での伸びが期待され、国内トップメーカーとしての優位性が活かされるGrow 製品と位置づけています。 |
B フッ素関連
・ | 1999 年11 月に英国のICI 社から買収したフッ素樹脂事業のシナジー効果が、フッ素樹脂・ゴムにおける製造・販売・開発の各部門で現れ始めるほか、エレクトロニクス産業向けを中心としたガス・溶剤、撥水撥油剤、塗料、フィルムやイオン交換膜など、各主要製品が順調に拡大し、クロール・アルカリ事業の減収を補う見込みです。 |
(4 )セラミックス事業
セラミックス事業の分社化――――
詳細説明(別紙4 )
4 .コーポレート研究開発の重点テーマ
◎ | 3 つのコアテクノロジー【ニューガラス】【ニューフッ素】【ニューコーティング】を武器に4 つのターゲット分野「情報通信」「情報通信機器」「ディスプレイ」「エネルギー・環境」に、新規ソリューションを提供していきます。 |
● | ニューガラスでは、コンピューターを駆使した、組成設計技術と原子・分子レベルでの構造 制御技術(ガラスナノテクノロジー)により、ガラスの全く新しい機能を引き出します。 |
|||
● | ニューフッ素では、当社が独自に開発したフッ素化合物の全く新しい合成法により、フッ素 製品の高機能化と新たな用途開拓をしていきます。 |
|||
● | ニューコーティングでは、当社が培ってきたスパッタやウェットコート技術などを融合し、記憶メディア用のハードコート材やディスプレイ用の高機能部材などへの展開を図っていきます。 |
※ コーポレート研究開発とは、基礎研究及び特定事業部に属さない分野の次世代へ向けた研究開発のことを指し、主として中央研究所で担当するものをいいます。
(別紙1 )
窯業系外装建材「ほんばん」の北九州工場での生産中止と鹿島工場への生産集中について
当社は、新中期経営計画「StoG2003 」において、窯業系外装建材事業の収益を改善し、同事業の健全な展開を図るため、北九州工場(福岡県北九州市、工場長:山口和男)における「ほんばん」の生産を中止し、一部設備の移設をおこない、鹿島工場(茨城県鹿島郡、工場長:比計秀樹)に「ほんばん」の生産を集中することにしました。
1 .窯業系外壁材の事業環境
◎ | 1996
年以降、新築住宅着工戸数の減少が顕著となり、またサイディング化率の頭打ち状況が続 いています。 |
(1996 年) (2,000 年) 住宅着工 1,643 千戸 1,230 千戸 サイディング総需要 134 百万u 122 百万u
◎ | 一方、窯業系外壁材供給メーカーの総生産能力は、200 百万uと推定され、供給過剰による価格競争が激化し、各社とも収益性が著しく悪化しています。 |
2 .北九州工場:生産中止・設備廃棄の概要
@生産設備 設備稼働開始時期:1982 年
高速単層成形法による成形1 ラインの稼働を停止します。
生産能力:500 万枚(12mm 厚*455mm *3030mm 換算)
付帯する倉庫等の設備の解体・撤去も併せておこないます。A 人員 今後、社員43人について、他工場への転勤で活用を図りますが、
優遇退職の適用も検討します。B 実施時期 2002 年3 月に北九州工場からの撤退、鹿島工場への集約を実施します。 C 設備除却損 本 計画により、約20 億円を予定しています。
3 .鹿島工場への集中
@ 現有設備 設備稼働開始時期:1986 年(2 ライン)、1996 年(2 ライン)
製法:高速単層成形法と、厚物・深柄に向くVEO 成形法
生産能力:1,400 万枚(12mm 厚*455mm *3030mm 換算)A 鹿島工場への生産集中に伴い、オートクレーブなど一部設備の増強・改造をおこないます。予定投資額は、約11 億円です。
B 集中化に伴う工事の完了後、新体制での稼働開始を2002 年4月末に予定しています。
(ご参考)
1 .北九州工場の概要
(1 )所在地 福岡県北九州市戸畑区牧山5 −1 −1 (2 )代表者 工場長 山口和男 (3 )操業開始 1917 年(大正6 年) (4 )生産品目 自動車用強化ガラス、防火サイディング材、重曹、水酸化マグネシウム、
臭素等の化学品(5 )従業員数 364 名(2000 年7 月20 日現在)
2 .鹿島工場の概要
(1 )所在地 茨城県鹿島郡神栖町東和田25 (2 )代表者 工場長 比計秀樹 (3 )操業開始 1974 年(昭和49 年) (4 )生産品目 フロート板ガラス、熱線反射ガラス等ガラス製品、防火サイディング材、
苛性ソーダ、PO 、フッ素樹脂等の化学品(5 )従業員数 528 名(2000 年7 月20 日現在)
(別紙2 )
石英事業の再構築について
当社は、新中期経営計画「StoG2003
」において、光関連事業の一層のGrow
施策に経営資源を集中
させるため、熔融石英事業から撤退するとともに、石英事業の再構築をおこない、合成石英事業を強化・推進していきます。
1 .熔融石英事業の背景
◎ | 半導体製造プロセス用のチューブ・ボート・治具類などに用いる熔融石英は、客先での使用条件改善により製品寿命が伸びているため置き換え需要が減少し、市場規模は縮小しています。今後熔融石英事業において利益面での大きな成長が望めないと判断し、2001
年10 月末を目処に当社はこの事業から撤退することを決定しました。 なお、撤退にともなう損失額は、約11 億円です。 |
2 .合成石英事業の強化の概要
◎ | 一方、半導体製造用フォトマスク基板や高温ポリシリコンTFT
基板などに使用される合成石英は,高純度・高透過率が評価され、今後市場が大きく伸びると予想されています。当社製品はレー ザー耐性が強いことや、一部用途に関する特許を保有していることから、当社の優位性が発揮で きる事業と判断し、今後この合成石英事業に経営資源を集中することとしました。 |
|
◎ | これに伴い、現在郡山旭ファイン硝子葛yび水戸旭ファイン硝子鰍ナ行っている合成石英事業を水戸旭ファイン硝子鰍ノ統合し、また水戸旭ファイン硝子鰍フ社名を本年4 月1 日付で旭ファインマテリアルズ鰍ノ社名変更しました。 | |
◎ | 合成石英の中でも,液晶プロジェクターなどの用途に使われる高温ポリシリコンTFT 基板、及び次世代以降のIC 製造で使われるArF レーザー用フォトマスクとF2 レーザー用フォトマスクは,今後市場の大きな拡大が見込まれています。このような需要の増加を考慮し、新たに発足した旭ファインマテリアルズ鰍ノおいて合成石英基板の製造設備の能力増強を実施することを決定しました。 |
(ご参考)
1 .郡山旭ファイン硝子鰍フ概要
(1 )所在地 福島県郡山市待池台1 −10 (2 )代表者 社長岡戸 貞夫 (3 )設立 1987 年7 月(昭和62 年) (4 )資本金 400 百万円(旭硝子100%出資) (5 )従業員数 156 名 (6 )事業内容 半導体製造関連石英製品、化学プラント用石英製品、合成石英の製造
2 .水戸旭ファイン硝子鰍フ概要
(1 )所在地 茨城県ひたちなか市田彦1010 −1 (2 )代表者 社長岡戸 貞夫 (3 )設立 1969 年11 月(昭和44 年) (4 )資本金 90 百万円(旭硝子100%出資) (5 )従業員数 115 名 (6 )事業内容 石英製品等の研磨加工
3 .旭ファインマテリアルズ鰍フ概要
(1 )所在地 茨城県ひたちなか市田彦1010 −1 (2 )代表者 社長岡戸 貞夫 (3 )設立 2001 年4 月1 日(平成13 年) (4 )資本金 90 百万円(旭硝子100%出資) (5 )従業員数 115 名 (6 )事業内容 石英製品等の研磨加工
当社は、新中期経営計画「StoG2003
」において、国内クロール・アルカリ事業の規模を適正化し、同事業の収益を改善するため、北九州工場(福岡県北九州市、工場長:山口和男)における化学品プラントの操業を停止し、化学品事業の同工場からの撤退を決定しました。
北九州工場の化学品事業については、2001 年3
月末をもって合成ソーダ灰及び塩化カルシウムの生産を停止し、これに伴う余剰電力の外部販売を開始するなどの収益改善策を実施してきました。
(クロール・アルカリ事業見直しの第一段階)
しかしながら、北九州工場で生産する化学品については、重曹以外の製品は市場の成長性・収益性に乏しく、今後事業環境が好転することが望めないことから、第二段階として、これらのプラントを停止し、事業からの撤退等を行うことにしたものです。
北九州工場からの事業撤退の概要
@撤退の時期 2002 年9 月までに終了
A 製品の対応
・重曹 : :鹿島工場に生産設備を移設し、事業を継続します。 ・セスキ :生産停止とともに、販売を中止し、事業から撤退します。 ・水酸化マグネシウム(水マグ) :生産停止とともに、販売を中止し、事業から撤退します。
既存客先への供給は、他社に要請の予定です。・臭素系(臭素、臭化水素酸、臭化リチウム) :生産停止とともに、販売を中止し、事業から撤退します。
既存客先への供給は、他社に要請の予定です。・炭酸カリ :千葉工場にて今後とも事業を継続します。 ・重炭酸カリ :生産停止し、販売については他社から供給を受け継続する予定です。 ・電解系 :地域立地型製品である次亜塩素酸ソーダは、生産を停止します。
販売については、他社から供給を受け継続する予定です。
苛性ソーダ・塩酸は自家消費用であり、販売への影響はありません。・電力外販 :事業自体を他社に売却することを検討します。 B 人員対策
・化学品プラントの停止に伴い、社員約110 名が余剰となります。
今後、他工場への転勤で活用を図りますが、優遇退職の適用も検討します。
C 設備除却損
・2003 年3 月期に約60 億円を予定しています。
(別紙4 )
セラミックス事業の分社化について
当社は、新中期経営計画「StoG2003
」において、セラミックス事業の競争力の強化を目的として、現在、当社本体で運営しているセラミックス事業を分社化し関連会社である旭ファーネスシステム鰍ヨ統合することとしました。
当社セラミックス事業部は、主にガラス熔融窯、焼却炉、セメント焼成炉等に使用される耐火物の製造・販売を行ってきましたが、日本国内の市場が成熟段階に入ったことや、欧州・中国をはじめとする競合メーカーとの国際競争が一段と激しさを増していることから、競争力の強化が必要になっています。
このため、意思決定の迅速化を図り、コスト競争力の強化とエンジニアリング分野への事業領域の拡大を目的として、2002
年4 月1
日よりセラミックス事業を分社化し、旭ファーネスシステム鰍ノ統合の上、当社関係会社の日本プライブリコ梶Aツーボー旭硝子電熔材料梶i中国、山東省)と一体運営をすることとしました。なお統合新社の詳細については、今後検討する予定です。
統合新社の人員は、連結で約700
人、2003 年の売上高250
億円、営業利益16 億円を目標としています。また今回の統合に伴い設備除却損約10
億円が発生する見込みです。
主要製品について以下の施策を実施する予定です。
電鋳耐火物 | :汎用品の生産を当社高砂工場(兵庫県)からツーボー旭硝子電熔材料 (中国山東省)へ移管します。 |
|
結合耐火物 | :海外へ生産を移転します。 | |
不定形耐火物 | :当社関係会社の日本プライブリコ鰍ヨ事業の集約化を図ります。 現在、当社高砂工場と日本プライブリコ鰍ナ生産している製品のうち、当社 高砂工場の汎用品の生産は海外に移転します。 |
(ご参考)
1 .現在の旭ファーネスシステム鰍フ概要
(1 )所在地 | 東京都港区芝4 −1 −23 | ||
(2 )代表者 | 社長 繁益 正則 | ||
(3 )設立 | 1991 年1 月(平成3 年) | ||
(4 )資本金 | 54 百万円(旭硝子100%出資) | ||
(5 )従業員数 | 13 名 | ||
(6 )事業内容 | ガラス窯及び各種工業用炉の設計・工事 |
2 .日本プライブリコ鰍フ概要
(1 )所在地 | 東京都港区芝4 −1 −23 | ||
(2 )代表者 | 社長芦沢 諄 | ||
(3 )設立 | 1954 年6 月(昭和29 年) | ||
(4 )資本金 | 360 百万円 | ||
(5 )株主構成 | 旭硝子 11.46%出資 旭ファーネスシステム 79.84%出資 |
||
(6 )従業員数 | 158 名 | ||
(7 )事業内容 | 不定形耐火物の製造及び各種工業炉の設計、施工 |
3 .ツーボー旭硝子電熔材料鰍フ概要
(1 )所在地 | 中国山東省ツーボー市 | ||
(2 )代表者 | 社長吉岡 敏範 | ||
(3 )設立 | 1993 年12 月(平成5 年) | ||
(4 )資本金 | US$ 12,044,500 | ||
(5 )株主構成 | 旭硝子51 % ツーボー工陶耐火材料有限公司 49 % |
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(6 )従業員数 | 316 名 | ||
(7 )事業内容 | 電鋳煉瓦の製造、販売 |
事業構造改革の諸施策について
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)では、1998年以来「シュリンク・トゥ・グロー(Shrink
to Grow)」の経営戦略の下、体質の強化と事業構造の改革を推進しています。2001年4月に2004年3月期までの3ヵ年の中期経営計画「StoG2003」を策定し、各種施策を展開していますが、昨年央からの事業環境の急激な変化を受け、その計画の一部修正見直し及び追加施策の必要性を緊急課題として検討してきました。「StoG2003」の見直しプランは引き続き作業中で確定していませんが、今般、以下の施策実施を決定しました。
1.船橋工場からの全面事業撤退
2003年末までにCRT(ブラウン管)用ガラスバルブなどの製造を行っている船橋工場からの全面事業撤退を行うことを決定しました。
日本国内におけるCRT用ガラスバルブ需要は、顧客であるCRTメーカーの事業撤退や海外への生産移転を受け、1990年度の約4000万個から2002年度には約700万個へと急激に減少する見込みであり、船橋工場で生産している製品についても、ほとんどが輸出に向けられている状態です。
また昨年来、全世界ベースでPCモニターの液晶化が急激に進み、PCモニター用CRTの需要が減少している一方で、ガラスバルブメーカー各社が2000年に着手した生産能力増強の影響で、CRT用ガラスバルブは現在世界的に大幅な供給過剰となっています。
船橋工場は1956年に当社CRT用ガラスバルブ事業最初の工場として操業開始以来、同事業におけるマザー工場として生産を続けてきましたが、このような状況の下で、日本国内とりわけ東日本地域の顧客が撤退してしまったことや、工場が内陸部の市街地に位置するなどの理由で輸送費などのコストが高いことから、今後の事業継続が困難と判断し、2003年末までに船橋工場からの全面事業撤退を行うこととしました。
船橋工場からの事業撤退後も、国内では開発の拠点でもある高砂工場(兵庫県)で、海外では東南アジア・韓国・中国などで引き続きCRT用ガラスバルブの生産を行い、需要と客先立地に対応した日本・アジアでの最適生産分業を進めます。
事業撤退に伴い2002年3月期において特別損失が約170億円発生する見込みです。
同工場の従業員450名の対応については、今後検討します。
また、同工場跡地の今後の利用については、現在未定です。
<ご参考> 旭硝子(株) 船橋工場の概要
(1)所在地 : 千葉県船橋市北本町1−10−1 (2)代表者 : 工場長 藤本 勲 (3)操業開始 : 1956年(昭和31年) (4)従業員数 : 450名 (5)生産品目 : CRT用ガラスバルブ
2.化学品事業のスリム化
化学品事業の構造改革については、中期経営計画「StoG2003」において段階を追って推進しています。第1ステップの合成ソーダ灰の国内生産中止を2001年3月に完了し、現在第2ステップの北九州工場の化学品事業からの撤退・設備廃棄、それに伴う臭素系・水マグスラリーからの事業撤退を2002年9月完了を目指して実施中ですが、業績の更なる悪化に対応すべく追加施策として、本社機能のスリム化を実施することとしました。
現在、化学品事業における本社機能は、約500名の人員により運営されていますが、2002年10月を目途に、本社を中心とした役職者約150名の人員削減を行います。人員削減にあたり退職優遇制度を活用し、大幅な組織の簡素化を併せて行う予定です。
第3ステップで計画しているクロール・アルカリ事業の地域需要対応型への転換については、現状の枠組みを継続しつつ、原燃材料の見直しや、プラント運転状況の最適化等のコストダウン施策により、更なる収益改善に努めます。
なお、今後の化学品事業の運営方針としては、高コスト体質を人員規模の縮小などの施策により是正する一方、事業の軸足をクロール・アルカリ事業からフッ素化学品事業に切り替えていきます。
フッ素化学品事業については、当社の強みであるフィルムやPDP保護フィルター、フッ素樹脂ETFEなどで競合他社との差別化戦略を強化するとともに、1999年に買収した欧米のフッ素樹脂事業とのシナジーを追求していきます。
3.退職優遇制度の拡充
変化する事業構造に合致した人員体制構築のため、従来より実施している退職優遇制度の拡充を実施することとしました。拡充は上述の化学品部門を中心に全社の役職者を対象とし、内容は以下の通りです。
(1)退職予定人員 200名(化学品部門約150名 その他部門約50名)
(平成13年9月30日現在の単体従業員7,170名)(2)対象者 役職者(課長補佐クラス以上)全員 (3)退職申出期間 平成14年3月21日〜平成14年4月30日 (4)退職時期 平成14年10月31日まで (5)拡充内容 従来の退職優遇制度による退職金への加算金にさらに
上乗せして支給この優遇制度の拡充により年間約30億円の固定費削減を見込んでいます。また、優遇退職金による今期の特別損失は約60億円になる見込みです。
4.役員報酬及び役職者給与削減
現在の経営状況を鑑み、以下の通り役員報酬及び役職者給与の削減を行なうこととしました。
役員報酬 :
平成14年1月から6月の間、10〜20%削減
役職者給与 :
平成14年2月から6月の間、3〜7%削減
なお7月以降については、経営状況などを見て決定することとします。
5.2002年3月期業績見込み修正 (略)