2003/3/6 新日鐵化学
新日鐵化学潟Oループの経営基盤強化について
新日鐵化学梶i以下「当社」)は、本日開催の取締役会において、当社グループの経営基盤強化のため、グループ一部事業の整理・再編及び抜本的財務対策の実行を決議し、併せて平成15
年度を起点とする中期三ヶ年連結経営計画<START
−EX
プラン>を策定いたしましたのでお知らせいたします。
当社は、新日鐵グループの化学事業を担う中核グループ会社として石炭化学を起点に発展してきましたが、スチレンモノマーなどの石油化学分野に加え、最近ではCCL
(無接着剤二層銅張積層板)などの新しい成長事業分野にも事業領域を拡大し、フロー収益力は業界各社に比べても遜色ない水準に達しております。
しかしながら、当社グループの事業の一部には今後の成長が見込めない低収益事業が存在し、またストック面では平成17
年に導入が予定されている固定資産減損会計の適用に伴う悪化も懸念されております。当社が新日鐵グループの中核会社として更なる発展を遂げていくためには、このような低収益事業への的確な対応や財務面での懸念を完全に払拭することが必須であるとの認識から、今年度において一部事業の整理・再編の決定、遊休資産に関する損失計上等を行うこととし、併せて抜本的財務対策を実施することを決意した次第であります。
当社といたしましては、本施策の実施は、高収益体質と健全な財務体質を併せ持つ企業グループへと変革し、更なる発展と飛躍に繋がるものと確信しており、引き続き弛まぬ経営努力を尽くしてまいります。
1 .リジッド配線基板事業の売却(添付資料@)
日本エレクトロニクス潟Oループ事業は、昭和62年以降、当社グループ事業の拡大を目指して買収した事業でありますが、リジッド配線基板業界の競争が激化し、製品・技術が高度化する中で、業界の中核会社としての地位を築くには至っておりません。収益レベルは永年低水準に推移し、今後もこの状況が抜本的に改善されることは難しいと判断し、経営リスクのこれ以上の拡大を避けるため、当該事業を潟Lョウデングループに譲渡いたします。
2 .樹脂関連事業の再編(添付資料@)
平成11年4月のPS (ポリスチレン)事業のJV 設立(東洋スチレン梶F電気化学工業50 %・当社35 %・ダイセル化学工業15 %)により、その川下事業である樹脂コンパウンド事業、樹脂成形事業は、従前の原料・技術一貫事業推進体制から大きく変化してまいりました。一方で、国内事業会社は需要の漸減により、独力での収益維持・財務改善が極めて困難な状況にあることから、当該事業の効率的運営の観点から、より適切な事業主体への譲渡・移管を目的に以下の対策を実行いたします。
@ | 国内PS 成形事業を行ってきたニットーライト鰍ノついては、主力ユーザーの家電メーカーの製造拠点が海外に移転され、今後とも国内家電向需要が漸減していく中、単独での事業継続は困難と判断されることから、国内プラスチック成形大手の大宝工業鰍ノその営業を譲渡いたします。 |
A | 新日化ポリマー鰍ェ行っている国内PS 系コンパウンド事業については、今後とも需要が漸減していく中、単独での事業継続は困難と判断されることから、東洋スチレン鰍ノその設備と運営を移管する方向で検討いたします。 |
3 .遊休資産の売却(添付資料@)
当社グループ全体の遊休資産について、将来の活用可能性を検討し、その見極めがついたものについて、売却または廃棄を行います。
上記1 〜3 の実施により、当社は平成14 年度末において、連結債務超過に陥ることから、当社は、本年7 月末までに、株式交換による新日本製鐵鰍フ完全子会社化を実施するとともに、その後に、財務体質健全化のための増資(350 億円程度、新日本製鐵椛S額引受)、及び減資(630 億円程度)を実施することと致します。
5 .平成14 年度決算見通し(添付資料C)
厳しい経済環境の下、国内外で営むリジッド配線基板事業の収益悪化により連結経常利益においては、前回予想を若干下回る見込みでありますが、売上高(連結・単独)、単独経常利益は、ほぼ前回予想どおりと見込んでおります。しかしながら、上記1
〜3 の実施等に伴い、平成14 年度決算において連結380
億円、単独500
億円の特別損失を計上する見込みであります。
なお、この結果、当社の平成14
年度末の純資産額は、連結▲290 億円、単独▲210億円となる見通しです。
6 .平成15 年度を起点とする中期三ヶ年連結経営計画<START −E X プラン>(添付資料D)
今回の平成14 年度及び平成15
年度における一連の対策実行により当社グループの経営基盤は飛躍的に強化、改善され、タール化学・石油化学分野における業界アライアンス及び事業再編並びに電子材料等の成長分野への経営資源の集中など、主体的かつ積極的対応が可能となります。
新日鐵グループの化学事業を担う中核会社として、新日本製鐵鰍ニの一体的事業運営のもとに、急速な市場のグローバル化と材料ニーズの高度化という化学産業の潮流において、特徴ある事業構造への変革を強力に推進してまいります。
この変革への道筋を中期連結経営計画<START
−EX
プラン>としてまとめ、化学業界において特色あるエクセレントカンパニーへの変貌を目指し、新たなスタートを切るものであります。
【添付資料】
@ 新日鐵化学潟Oループの一部事業の整理・再編等について
A 新日本製鐵鰍ノよる新日鐵化学鰍フ完全子会社化等について
B 増資及び減資の実施について
C 平成15
年3
月期決算における業績予想(連結・単独)の修正について
D 平成15
年度中期(H15 〜H17 )連結経営計画について
E 平成15
年4 月1 日以降の役員体制及び平成15 年4 月1
日付組織改正について
<添付資料@>新日鐵化学潟Oループの一部事業の整理・再編等について
1 .日本エレクトロニクス潟Oループ事業の営業譲渡
(1) 譲渡目的
日本エレクトロニクス鰍ヘ、ユーザーの海外移転の加速に伴う需要減を背景に、近年、売上高が大幅に減少し、懸命なコスト削減を実施するも、収益は急激に悪化しております。一方、日本エレクトロニクス鰍フ子会社であるNIPPON
ELEC(MALAYSIA)SDN.BHD.においても、マレーシア地区の需要低迷に加え、中国メーカー等の価格攻勢に晒され、平成13年12
月以降、大幅な減収減益となっております。当社としては、今後の事業環境を踏まえ、自力での抜本的な収益の改善は困難と判断し、当社における経営リスク拡大を回避するため、今般、プリント配線基板事業強化に積極的に取り組んでいる潟Lョウデングループへの日本エレクトロニクス潟Oループ事業の営業譲渡の方針を決定したものであります。
(2) 譲渡会社の概要
【 日本エレクトロニクス 】 | ||
@本店所在地 | 東京都目黒区碑文谷5 −14 −17 | |
A事業内容 | リジッド配線基板の製造・販売 | |
B代表者氏名 | 代表取締役社長 長島 快文 | |
C資 本 金 | 20.1 億円 | |
D株 主 | 新日鐵化学 99.5
% その他 0.5 % |
|
E決算概要 | (H14.3 期)売上高 74 億円、経常損益 1 億円、当期損益 ▲23 億円 | |
【 NIPPON ELEC(MALAYSIA)SDN.BHD.】 | ||
@本店所在地 | Lot 1-8,Lion Industrial
Park,Persiaran Jubli Perak, 40000 Shah Alam,Selangor Darul Ehsan,Malaysia |
|
A事業内容 | リジッド配線基板の製造・販売 | |
B代表者氏名 | Managing Director 藤田 利男 | |
C資 本 金 | 152 百万マレーシアリンギ | |
D株 主 | 日本エレクトロニクス
52.0 % 日本アジア投資梶@ 40.0 % その他 8.0 % |
|
E決算概要 | (H13.12 期)売上高 132 百万マレーシアリンギ、当期損益 ▲10 百万マレーシアリンキ ゙ | |
: | ||
(3) 譲渡内容 | ||
@譲渡資産 | 日本エレクトロニクス葛yびNIPPON ELEC(MALAYSIA)SDN.BHD.のリジッド配線基板製造設備、棚卸資産等、並びに日本エレクトロニクス鰹蒲Lの一部土地建家(但し、詳細については協議中。) | |
A譲渡価額 | 未定(協議中) | |
B譲渡日程 | 営業譲渡契約締結
平成15 年4 月末日(協議中) 営業譲渡日 平成15 年5 月〜6 月目処(協議中) |
|
(4) 当社に与える損益影響 | ||
現在の譲渡先との交渉状況を踏まえ、平成15 年3 月期決算において、連結約140 億円、単独約270 億円の特別損失を見込んでおります。 | ||
(5)
譲渡先の概要 潟Lョウデングループ内の会社へ譲渡を予定しております。 |
||
【 潟Lョウデン 】 | ||
@本店所在地 | 長野県上伊那郡箕輪町大字三日町482 番地1 | |
A事業内容 | プリント配線基板の製造・販売、EMS 事業、工業材料の製造・販売、流通事業 | |
B代表者氏名 | 代表取締役社長 橋本 修 | |
C資 本 金 | 42 億円 | |
D株 主 | (東証二部上場) 潟Nラフト 30.7 % 橋本 浩 27.7 % その他 41.6 % |
2 .ニットーライト鰍フ営業譲渡
(1) 譲渡目的
国内PS 成形事業を行ってきたニットーライト鰍ノついては、主力ユーザーの家電メーカーの製造拠点が海外に移転され、今後とも国内家電向需要が漸減していく中で、抜本的な収益の改善が見込めず、独自での事業継続は困難な状況にあります。こうした状況の下、当社としては、グループ事業の今後の事業領域・展開を踏まえ、今般、国内プラスチック成形大手の大宝工業潟Oループへのニットーライト鰍フ営業譲渡の方針を決定したものであります。
(2) 譲渡会社の概要 | ||
@商 号 | ニットーライト | |
A本店所在地 | 東京都墨田区両国2 −9 −5 | |
B事業内容 | 樹脂成形事業 | |
C代表者氏名 | 代表取締役社長 奥野 泰造 | |
D資 本 金 | 1 億円 | |
E株 主 | 新日鐵化学 100.0 % | |
F決算概要 | (H14.3 期)売上高 40 億円、経常損益 0 億円、当期損益 ▲1 億円 | |
(3) 譲渡内容 | ||
@譲渡資産 | 樹脂成形機械設備、棚卸資産等(詳細については協議中。) | |
A譲渡価額 | 未定(協議中) | |
B譲渡日程 | 営業譲渡契約締結
平成15 年3 月末日(協議中) 営業譲渡日 平成15 年4 月1 日(協議中) |
|
(4)
当社に与える損益影響 現在の譲渡先との交渉状況を踏まえ、平成15 年3 月期決算において、連結約6 億円、単独約24 億円の特別損失を見込んでおります。 |
||
(5) 譲渡先の概要 大宝工業潟Oループ内の会社へ譲渡を予定しております。 【 大宝工業 】 |
||
@本店所在地 | 大阪府守口市大日町1 −3 −7 | |
A事業内容 | 持株会社(各種プラスチック製品および金型の製造販売) | |
B代表者氏名 | 代表取締役社長 國友 省爾 | |
C資 本 金 | 1.2 億円 | |
D株 主 | 山本化成
18.8 % 大宝グループ社員持株会 13.0 % 新日鐵化学 11.6 % その他 56.6 % |
3 .新日化ポリマー鰍フPS
系コンパウンド事業の移管
(1) 移管目的
新日化ポリマー鰍ヘ、樹脂コンパウンド・成形事業を行っておりますが、この内、PS 系コンパウンド事業については、今後とも需要が漸減していく中で、抜本的な収益の改善が見込めず、独自での事業継続は困難な状況にあります。こうした状況の下、当社としては、グループ事業の今後の事業領域・展開を踏まえ、今般、東洋スチレン鰍ヨPS 系コンパウンド事業の運営とその資産を移管する方針を決定したものであります。
(2) 移管会社の概要 【 新日化ポリマー 】 |
|||
@本店所在地 | 千葉県八千代市大和田新田598 番地 | ||
A事業内容 | 樹脂成形、樹脂コンパウンド事業 | ||
B代表者氏名 | 代表取締役社長 内山 裕允 | ||
C資 本 金 | 3 億円 | ||
D株 主 | 新日鐵化学 100.0 % | ||
E決算概要 | (H14.3 期)売上高 61 億円、経常損益 ▲0 億円、当期損益 ▲7 億円 | ||
(3) 移管資産内容 | |||
@譲渡資産 | PS 系コンパウンド事業に係る機械設備等 | ||
A譲渡価額 | 協議中 | ||
B譲渡日程 | 平成15 年度中(予定) | ||
(4)
当社に与える損益影響 現在の移管先との交渉状況を踏まえ、平成15 年3 月期連結決算において、約12 億円の特別損失を見込んでおります。 |
|||
(5) 移管先の概要 東洋スチレン鰍ヨ移管を予定しております。 【 東洋スチレン 】 |
|||
@本店所在地 | 東京都港区西新橋2-7-4 | ||
A事業内容 | ポリスチレン及びスチレン系樹脂の製造・販売 | ||
B代表者氏名 | 代表取締役社長 高城 圭介 | ||
C資 本 金 | 50 億円 | ||
D株 主 | 電気化学工業 新日鐵化学 ダイセル化学工業 |
50.0 % 35.0 % 15.0 % |
4 .遊休資産の売却等
平成17年度に導入が予定されている固定資産減損会計を踏まえ、財務体質健全化の観点から、当社グループ全体の減損対象となる可能性が高い遊休資産について、将来の活用可能性を検討し、その見極めがついたものを、売却又は廃棄する方針を決定いたしました。これに伴い、平成15年3月期決算において、連結約110 億円、単独約30 億円の特別損失を計上いたします。
<添付資料A> 新日本製鐵鰍ノよる新日鐵化学鰍フ完全子会社化等について
1 . 増資及び減資の目的
平成15年3月6日開催の取締役会において当社グループの一部事業整理・再編等を決定いたしましたが、これに伴い、平成14年度末において連結債務超過(連結純資産▲290 億円)に陥る見通しであります。このため、連結債務超過状態を解消し、財務体質健全化を図るため、平成15年6月開催予定の第64回定時株主総会において、株式交換契約が承認され、当社が新日本製鐵鰍フ完全子会社になることを条件として、完全子会社化以降、増資および減資を実施するものであります。
2 . 増資(新株式発行)要領
350 億円程度の新株式発行(新日本製鐵椛S額引受)を予定しておりますが、発行新株式数、割当方法、資本組入額等新株式発行条件については、株式交換の日以降開催する当社取締役会にて決定いたします。
3 . 減資要領
上記増資効力発生を条件とし、繰越欠損解消を目的とした630 億円程度の減資を予定しておりますが、減少すべき資本の額、資本の減少の方法等臨時株主総会付議に必要な事項は、株式交換の日以降開催する当社取締役会にて決定いたします。
4 . 増資および減資スケジュール(予定)
平成15年 | 6月24日 | 株式交換承認当社定時株主総会 | ||
7月29日 | 株式交換の日 | |||
7月30日 | 当社取締役会(新株式発行条件、減資臨時株主総会付議決定) | |||
減資承認当社臨時株主総会 | ||||
7月31日 | 増資払込 |
<添付資料C> 平成15年3月期決算における業績予想(連結・単独)の修正について
昨年11月20日の中間決算発表時に公表した平成15年3月期(平成14年4月1日〜平成15年3月31日)の業績予想を下記のとおり修正いたします。
1. 当期の業績予想値の修正 略
2. 修正の理由
厳しい経済環境の下、国内外で営むリジッド配線基板事業の収益悪化により連結経常利益においては、前回予想を若干下回る見込みでありますが、売上高(連結・単独)、単独経常利益は、ほぼ前回予想どおりと見込んでおります。しかしながら、当社は、財務体質の健全化を図るため、当社グループの一部事業の整理・再編及び遊休資産の売却の方針等を決定いたしました。これらに伴い、平成15
年3 月期決算において連結380 億円、単独500
億円を特別損失に計上いたしますので、連結・単独とも業績予想の修正を行うものであります。
<参考:連結特別損失380 億円の主な内容>
@ リジッド配線基板事業の売却 | 140 億円 | |
A 樹脂関連事業の再編 | 18 億円 | |
B 遊休資産の売却 | 110 億円 | |
C その他 | 112 億円 |
<添付資料D> 平成15年度中期(H15〜H17)連結経営計画について
<START
−EX プラン>
当社は、”芳香族化学の徹底追究と特殊機能を付与した先進的な素材の創出を通して社会貢献を果たす高収益企業〜『特色あるエクセレントカンパニー』〜”を企業ビジョンとして掲げ、その実現に向けての道筋を新中期計画として策定しました。
今回の中期計画は従来とは大きく異なり、選択と集中による事業構造転換を一層推進するとともに、抜本的な財務対策の実施により、当社が新たな発展に挑戦していく起点となるものです。今後、本計画を自らの夢と目標に向けてスタートする<START
−EX(スタート・エクス)プラン(*)>と呼称し、新日鐵との一体的な経営戦略の下で、当社グループのベクトルを合せて、計画の実現に全力を尽くしてまいります。
(*)本呼称は以下の当社グループ社員の目指す行動規範を織り込んで象徴的に表現したものです。 | ||
ST | :Strategic 戦略的に仕事を考えよう | |
A | :Active 情熱を持って仕事をしよう | |
R | :Reliance お客様から信頼を獲得しよう | |
T | :Target 目標は必ず達成しよう | |
EX | :Excellent 企業価値を高め社会から尊敬される会社、色々なことに挑戦する会社にしよう |
1 .事業領域と事業展開方針
<当社の事業領域>
当社が強化する事業領域を、@市場から見た顕在実力(収益性)、A主要製品の技術競争力、B市場の成長性、の視点から以下の通り選定しました。
(1) | 鉄鋼プロセスで発生する原料ソースを軸とする製鉄関連・タール事業 |
(2) | 石炭系を基礎に石油系へ展開した芳香族基礎化学品事業、及びその誘導品からなるフ ァインケミカル事業 |
(3) | 高機能型電子材料と芳香族化学に根差した高度な機能化学材料からなる電子・情報材料事業 |
<事業展開方針>
さらに各事業領域のビジネスユニット(BU
)を三つに分類し、それぞれのポジションに合った戦略展開を実行します。
(1)拡大事業 : | : | 当社の特徴を活かした差別性が発揮でき、市場にアクセス可能な事業として、拡大戦 略のもと経営資源の集中投入を行う事業群。(概ね電子・情報材料事業のBU が該当) |
(2)基盤事業 | : | 当社の経営基盤を支える事業として他社提携等の戦略的事業展開による競争力の強化 を目指す事業群。(概ね製鉄関連・タール事業、芳香族基礎化学品事業、ファイン ケミカル事業のBU が該当) |
(3)再構築事業 | : | 収益性及び将来の事業環境から事業構造の再構築が必要と思われ、構造転換等による 競争力の維持・向上を目指す事業群。 |
2 .経営目標
中計最終年度(H17
年度)断面の連結経営目標は、以下の通りとします。
【連結経営目標】 (単位:億円)
H14 年度見込 | H17 年度 | 改 善 | 備 考 | |
売上高 |
2,890 |
2,800 |
▽90 |
* |
経常利益 |
90 |
130 |
○40 |
* |
当期利益 |
▲320 |
110 |
○430 |
* |
純資産 |
▲290 |
360 |
○650 |
H15 増資350 オク |
有利子負債残高 |
2,040 |
1,300 |
▽740 |
削減率▽36 % |
ROS |
3 .1 % |
4 .6 % |
○1 .5 % |
経常利益/売上高*100 |
ROA |
3 .4 % |
5 .9 % |
○2 .5 % |
経常利益/総資産*100 |
<経営資源投入>
(1)設備投資及び投融資
設備投資及び投融資合せて三ヵ年210
億円程度を計画しており、電子・情報材料分野、新規事業化、研究開発等に重点投入します。総資産圧縮方針は継続しますが、収益拡大案件については機を逃がさず積極的な対応を図ります。
(2)研究開発
情報・通信、エネルギー、環境等の成長市場を睨んだ機軸製品創出、各事業領域における次期中核商品の育成に向け、三ヵ年110
億円程度を投入する計画です。
3 .事業運営体制
”顧客重視の徹底・開発風土の醸成”をグループ全社員の行動規範の原点に置き、企業ビジョンの実現に向けて、組織機能やそれを支える各人の能力を最大限に引き出すため、ハード・ソフト両面での諸施策を実行します。
(1 )組織再編
グループ会社を含めて事業チェーン単位での連結運営を強化し、事業判断のスピードと柔軟性を向上させ、事業環境の変化に機敏に対応できる体制を構築することとし、以下の考え方に基づき本年4月1日付けで新組織に再編します。
@ | 事業部門は事業チェーン単位を考慮して「化学品」、「電子材料」、「コールケミカル」の三部門 とし、事業領域単位での責任・権限をより明確にした”カンパニー的運営”を指向する。また、事業部の機動的な運営を目的として、コーポレート企画機能とは別に事業部門内に事業企画機能を置く。 |
A | 研究開発部門は開発資源の有効活用と早期成果還元を目的に、”スピードある顧客対応”と”独自性の高い基軸製品の創出”をともに実現できる体制を構築する。 |
B | コーポレート機能部門は”コーポレート企画機能”と”マネジメントサービス機能”とに集約し、より効率的な経営管理と事業運営支援を図る。 |
(2 )事業管理の強化
上記組織再編に合せて、それに適合した事業運営管理の整備・強化を図ります。
@ | 新日化本体とグループ会社の連結事業管理を強化し、実績管理の迅速化、管理サイクルの短縮化等への対応を図り、効率的な事業管理を推進する。 |
A | 事業部門は管轄する子会社・関連会社を含めた事業チェーン単位の戦略議論・方針決定を行い、日常的な事業活動の結果としての損益・ROS ・ROA 等の確保・改善に責任を負う。 |
B | 本体事業を補完する役割の機能子会社事業(商事・サービス、環境関連等)については、グループとしての最効率運営形態に向け機能整理(統合・再編)を行う。 |
(3
)活性化のための人事施策及び意識改革の推進
本計画実現の鍵を握るのは最終的には”人”であり、グループ活性化に向けた人事施策と意識・風土改革を実行します。
@
事業部業績を反映する処遇制度の導入
A
グループ会社を含む同一事業領域内の人事ローテーションの柔軟な運用
B 人材活性化のための能力開発推進
・
自己責任型能力開発の定着化とオン・ザ・ジョブトレーニングの見直し
・
オーダーメイド型(社員自らが企画に参加)の能力開発プログラムの導入
C
行動規範の浸透と風土改革に向けた自由闊達な議論の場の創出
<添付資料E>平成15年4月1日以降の役員体制及び平成15 年4 月1 日付組織改正について
1 .平成15年4月1日以降の役員体制 略
2 .平成15年4月1日付組織改正について
平成15年度中期連結経営計画達成に向け、平成15年4月1日付で組織の一部改正を実施いたします。主要改正点は以下のとおりです。
(1)事業部の集約再編(四事業部から三事業部体制に)
現行の「炭素・ガス事業部」、「化学品事業部」、「機能化学品事業部」、「先端材事業部」の四事業部体制を“企業ビジョンを構成する三つの事業領域”に再編し、「化学品事業部」、「電子材料事業部」、「コールケミカル事業部」の三事業部体制といたします。
また、三事業領域の戦略的運営を強化するため、各事業部内に「企画部」又は「企画室」を設置するとともに、「九州支店」、「大阪支店」、「名古屋支店」の各支店を当該支店の主要取扱製品の事業部に編入し、事業部長管理といたします。なお、今後の事業部門は次のとおりとなります。
「化学品事業部」 | : | 「企画部」、「化学品部」、「フェノール部」、「ファインケミカル部」、「樹脂部」、「塗料部」
、 「大阪支店」、「名古屋支店 」 |
「電子材料事業部」 | : | 「企画部」、「回路基板・実装材料部」、「表示デバイス材料部」
、 「木更津製造所 」 |
「コールケミカル事業部」 | : | 「企画室」、「炭素材部」、「コークス部」、「君津製造所」、「ガス部」、「九州支店 」 |
(2)コーポレート機能部門の再編成(「経営企画本部」、「事業サポート本部」の新設)
主として社長及び事業部長スタッフとして全社事業戦略の企画調整を担う「経営企画本部」と全社及び事業部門の事業支援機能を担う「事業サポート本部」を設置いたします。なお、今後のコーポレート機能部門は次のとおりとなります。
「人事部」 | ||
「経営企画本部」 | : | 「総務部」、「総合企画部(現行経営企画部と技術部一部機能統合)」 |
「事業サポート本部」 | : | 「経理部」、「購買・物流部」、「環境・安全・品質保証部 」 |
(3)研究開発部門の再編(「技術開発本部」の新設)
全社研究開発部門を統括する「技術開発本部」を設置いたします。
同本部に研究企画、研究資源配分・調整、新規事業育成機能を担う「開発企画部」を新設いたします。なお、今後の研究開発部門は次のとおりとなります。
「技術開発本部」 | : | 「開発企画部」、「総合研究所(エポキシ開発センター、プロセス開発センター)」
、 「電子材料研究所」、「木更津開発センター 」 |
(4)新事業推進本部の廃止
研究開発テーマの早期事業化を推進する社長プロジェクト体制運営が軌道に乗ったため、「新事業推進本部」は廃止いたします。
(5)法令遵守体制の整備
法令遵守、企業倫理徹底の総合的且つ体系的推進を図り企業価値を高めるため、社内における法令違反等未然防止、監視機能及び従業員等からの法令違反に関連するクレーム等の受付・処理機能を担う「コンプライアンス事務局」を社長直下組織として設置いたします。