新日本製鐵(株)による新日鐵化学(株)の完全子会社化等について
新日本製鐵株式會社(以下「新日鐵」)および新日鐵の子会社である新日鐵化学株式会社(以下「新日化」)は、本日開催の各々の取締役会において、株式交換により新日鐵が新日化を完全子会社(新日鐵の100%子会社)とすることを決議し、株式交換覚書を締結致しましたのでお知らせ致します。
なお、正式には5月末までに株式交換契約を両社間で締結し、本年6月下旬に開催予定の新日化株主総会にて承認を得たうえで、本年7月29日を株式交換の日とする予定です。
1.株式交換の目的
新日化は新日鐵グループの化学事業を担う中核グループ会社として石炭化学を起点に発展してきましたが、スチレンモノマーなどの石油化学分野に加え、最近ではCCL(銅張積層板)などの新しい成長事業分野にも事業領域を拡大し、フロー収益力は業界各社に比べても遜色ない水準に達しております。
しかしながら、新日化グループの事業の一部には今後の成長が見込めない低収益事業が存在し、またストック面では平成17年に導入が予定されている固定資産減損会計の適用に伴う財務体質の悪化も懸念されております。新日化が新日鐵グループの中核化学会社として更なる発展を遂げていくためには、このような不採算事業の整理や財務面での懸念を完全に払拭することが必須でありますが、現在の新日化の財務状況では、自力で経営体質を抜本的に改善することは極めて困難な状況にあります。一方、新日鐵連結ベースでの新日化収益力の一層の向上を図るためには、製鉄事業関連事業分野(石炭化学事業)をはじめ、研究開発等あらゆる分野における新日鐵との一体的な事業運営を強化することに加え、新日化の成長事業分野に関する投資等についての迅速な経営意思決定が可能となるよう新日鐵と新日化が完全に一体となった盤石の経営体制を構築することが急務であります。
今般、両社は、このような状況を踏まえ、両社株主にとっての価値をさらに向上させるためには、新日鐵による新日化の完全子会社化の実施およびこれを前提とした新日化の経営基盤の抜本的強化が必要かつ最も適切な手段であると判断致しました。
具体的には、新日鐵による完全子会社化を実施するとともに、新日化は今年度において一部不採算事業の売却・整理の決定、遊休資産等に関する損失計上等を行うこととし、新日鐵は、新日化の完全子会社化後、財務体質健全化のための増資(増資額350億円程度)の引受および新日化の減資(減資額630億円程度)を実施することと致します。
2.株式交換の条件等
(1)株式交換の日程(予定) | |
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平成15年5月末までに株式交換契約締結(株式交換比率決定) 平成15年6月下旬 株式交換契約承認株主総会(新日化) 平成15年7月28日 株券提出期日(新日化) 平成15年7月29日 株式交換の日(新日化上場廃止は7月23日) (注)本株式交換は、商法第358条第1項の規定に基づき、新日鐵においては株主総会の承認を得ることなく行うものであります。 |
(2)株式交換比率 | |
株式交換比率については、株式交換覚書締結日以前の一定期間における市場株価及び将来の収益性を勘案した評価額をもとに、両社協議のうえ、平成15年5月下旬までに両社間で締結する株式交換契約において決定する予定です。 | |
(3)株式交換後における上場に関する事項 | |
株式交換において完全親会社となる新日鐵が上場を継続します。また、株式交換において完全子会社となる新日化は、平成15年7月23日に上場を廃止する予定です。 | |
3.株式交換の当事会社の概要 略
4.株式交換後の状況
株式交換後の新日本製鐵の増加資本金及び増加資本準備金については未定です。
5.今後の見通し
株式交換後の連結事業見通しについては未定です。
Chemnet Tokyo 2003/3/6 START−EXプラン
新日鐵化学、グループの事業を整理・再編
新日化ポリマーのPSコンパウンド、東洋スチレンへ新日鐵化学は6日、グループ企業の経営基盤強化のため、一部事業の整理・再編を柱とした、中期3ヵ年連結経営計画「START−EXプラン」を策定したと発表した。この中には、新日化ポリマーのPS系コンパウンド事業の東洋スチレンへの移管が含まている。主な整理・再編計画は以下の通り。
【日本エレクトロニクス社グループ事業の営業譲渡】
◇ユーザーの海外移転加速に伴い売上高が減少し、収益は急激に悪化している。このためマレーシアにある子会社、NIPPON ELEC(MALAYSIA)SDN.BHD.とともに、プリント配線基板事業の強化に取り組んでいる、株式会社キョウデン(長野県上伊那郡、橋本修社長)に営業譲渡する。4月末契約締結し、5〜6月をめどに譲渡を行う方針。
【ニットーライト社の営業譲渡】
◇国内でPS成形事業を行ってきたが、家電メーカーの海外工場移転により国内での抜本的な収益改善が見込めなくなった。このため国内プラスチック成形大手の大宝工業(大阪府守口市、國友省爾社長)グループに、ニット−ライトの営業権を譲渡する方針を決めた。現在協議中で譲渡日は4月1日の予定。
【新日化ポリリマ−のPS系コンパウンド事業の移管】
◇新日化ポリマーは樹脂のコンパウンド・成形事業を行っているが、PS系コンパウンドは抜本的な収益改善が見込めず、独自での事業継続が困難となった。このためポリスチレンの共同出資会社である東洋スチレン(東京都港区、高城圭介社長)に、PS系コンパウンド事業の運営とその資産を移管する。移管は2003年度中に行う。
【遊休資産の売却等】
◇2005年度に導入が予定されている固定資産減損会計を踏まえ、グループ全体の減損対象となる可能性の高い遊休資産について、将来の活用の可能性を検討し、その見極めがついたものを売却・廃棄する。これに伴い2003年3月期の決算には連結約110億円、単独約30億円の特別損失を計上する。