アラミド繊維                              

アラミド繊維とは、その分子骨格が芳香族(ベンゼン環)からなるポリアミド繊維(aromatic polyamide fiber)であり、ナイロンの一種です。

米連邦通商委員会(FTC)が、従来の脂肪族ポリアミド繊維、すなわちナイロンと区別して、1974年に『アラミド』(aramid)という一般名を与え、その後、国際標準機構(ISO)も、1977年に人造繊維の分類名称としたものです。

これからも分るように、アラミド繊維は、従来の脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン)とは、性質、用途が大幅に異なっています。

アラミド繊維は、その分子骨格が全体に直線状のパラ型タイプと、ジグザグ状のメタ型タイプに大別されます。  

 http://www.teijin-aramid.com/aramid_fiber.htm

 

繊維の構造モデル
分子構造 パラ系アラミド繊維:KEVLAR®
[参考] メタ系アラミド繊維:NOMEX®

 東レデュポンHomepageより

帝人   「トワロン」(製品名)
オランダのグループ会社の年間生産能力を7,500トン増の18,500トンとする計画
投資額は約204億円、2003年4月の稼働
国内増強を進め、帝人グループでのパラ系アラミド繊維の年産能力は
20,500トンの見通し
東レ・デュポン   製品名「ケブラー」
     

 アラミド繊維はアメリカのデュポン社(1972年発売、商品名ケブラー)が一連の関係特許を保有し、86年当時まで市場を独占していた。
 一方、オランダの多国籍企業アクゾ社の子会社で有カな合繊メーカーであるエンカ社(Enka b.v.)は、繊維中間体であるポリマーの重合特許を武器として、欧米各国でデュポン社の重合技術がエンカ社特許を侵害するとして提訴するとともに、重合技術以外のデュポン社特許についても異議を申し立てた。また、エンカ社は北部オランダ開発公社との折半出資によりアラミ社を設立、86年にはオランダ本国に年産能カ5000tの繊維プラント(ポリマー重合能力は年産1万t)の商業運転を開始し、商品名をトワロンとして製品の販売を始めた。

1988年5月エンカ社、デュポン社間で特許係争は和解した。

Akzo Nobel は1998年Courtauldsを取得、自社繊維部門(Enkaを含む)と Courtauldsの繊維、化学部門を統合して Acordisを設立。1999年末に同社を分離した。

2001年帝人がアコーディス社から同事業を買収し、帝人トワロン社とした。  

 

2001/2/26 帝人株式会社             構想

パラ型アラミド繊維「テイジントワロン」事業の開始について

 高機能繊維事業におけるグローバル展開をより一層推進するため、当社はオランダの大手合繊メーカー アコーディス社(本社:オランダ国アーネム市、CEO:Folkert B. Blaisse)からパラ系アラミド繊維「トワロン」事業(売上高:約2億ユーロ、従業員数:950名)を買収することで合意していましたが、昨年12月29日に全ての手続きを完了し、去る2月5日に、主力工場のあるオランダのエメン市おいてオープニングセレモニーが開催されました。
 当日は、オランダのYbema外務貿易大臣や池田駐蘭特命全権大使、オランダ国内の関係各市長をはじめ、当社およびアコーディス社の関係者など約200名が出席の下、テイジン トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)として新たにスタートを切りました。
 新会社は、オランダ アーネム市の本社を中心に、オランダ国内に3つの生産拠点、オランダ・ドイツ・アメリカ・ブラジル・シンガポールの各国に販売拠点、オランダに研究拠点を持って展開していきます。

【テイジン トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)の概要】

1.会 社 名 : テイジン トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)
2.所 在 地 : Westervoortsedijk 73, P.O. Box 9600
          6800 TC Arnhem, The Netherlands
          Tel:+31-26-3662030 Fax:+31-26 366 58 54
3.代 表 者 : 社長 兼 CEO 唐澤 佳長
4.事業内容 : パラ系アラミド繊維「トワロン」の製造・販売
5.生産設備 : 年間生産能力11,000トンの原料、重合、製糸、パルプの設備
6.売上目標 : 初年度 200億円/年

このたびのテイジン トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)設立により、アラミド繊維と炭素繊維をはじめとした帝人グループの高機能繊維事業はグローバルネットワークを飛躍的に拡大・充実し、今後、世界のメジャープレーヤーとしての地位確立を目指していきます。

 


2000/10/17 帝人

アコーディス社(オランダ)からのトワロン事業(パラ系アラミド繊維)の買収について

 帝人株式会社(本社:大阪市中央区 社長:安居 祥策)は、オランダの大手合繊メーカー アコーディス社(本社:オランダ国アーネム市 CEO:Folkert B. Blaisse)とパラ系アラミド繊維トワロン事業の買収について協議しており、近々合意する予定です。現在、オランダ法に基づき、従業員代表および労働組合に通知し、最終手続きに入っています。
 具体的には、下記のアコーディス社の所有する全世界のトワロン関連事業が買収の対象であり、最終手続き終了後、各国政府の承認を待って、テイジン・トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)として新たなスタートを切ります。

(1) アコーディス社が所有するオランダのトワロン法人およびドイツ販売会社の全株式
(2) アコーディス社の米国、ブラジルにおけるトワロン事業に関する資産

 アコーディス社のトワロン事業は、パラ系アラミド繊維で世界シェアの約40%を持っており、デュポン社に次ぐ世界第2位のメーカーです。今回の契約により、日本で展開しているアラミド繊維と炭素繊維を含めた帝人グループの高機能繊維事業は、グローバルネットワークが飛躍的に拡大することになり、世界のメジャープレーヤーとしての地位を確立し、21世紀の当グループ繊維事業におけるコア事業を目指します。

詳細は次のとおりです。

1.経緯

  当社は、日本でパラ系とメタ系の両アラミド繊維を生産する唯一のメーカーであり、パラ系アラミド繊維「テクノーラ
®」を愛媛県松山市で年間1,400トン、メタ系アラミド繊維「コーネックス®」を山口県岩国市で年間2,650トン生産しています。
 昨年9月、高機能繊維事業の基盤強化のために東邦レーヨン(株)に資本参加し、炭素繊維事業に参入する一方で、アラミド事業の更なるグローバルな拡大を目指してきました。
 アコーディス社のパラ系アラミド繊維「トワロン
®」は、年間11,000トンの生産能力で、デュポン社につぐ世界第2位の高いシェアと安定した顧客を持ち、マーケティング力と高い技術力を持っています。「トワロン®」は、低伸度・寸法安定性・耐熱性に優れており、「テクノーラ®」は若干伸度が高く、耐疲労性・耐薬品性に優れています。この物性の違いから、それぞれが独自のマーケットを持っており、「トワロン®」は防弾チョッキや光ファイバーの補強材用途等に、「テクノーラR」はゴム補強材や耐震補強等の建設資材用途等に使われています。 この様に、パラ系アラミド繊維市場において、「トワロン®」と「テクノーラ®」は補完関係にあり、当社は、アラミド繊維事業の強化を目指して、トワロン事業の買収を意図し、先方と交渉を続けてきました。今回の合意により、「テクノーラ®」と「トワロン®」が統合され、競争力基盤が一層強化され、多様化するユーザーニーズにグローバルに対応していく事が可能となります。
 
2.パラ系アラミド繊維の動向

  パラ系アラミド繊維は、強度と耐熱性に優れた高機能繊維として開発され、99年の世界需要は年間約26,000トンで中期的には年率10%の成長が見込まれています。最近では、IT関連産業の成長と共に、光ファイバーの補強材や携帯電話のプリント配線基板用に需要が急拡大しています。
 
3.新会社の概要

(1)社名 : テイジン・トワロン株式会社
  (英文社名 : Teijin Twaron B.V.)
(2)所在地 : オランダ国アーネム市
(3)代表者 : 唐澤 佳長
(4)事業内容 : パラ系アラミド繊維「トワロンR」の製造販売
(5)生産設備 : 年間生産能力11,000トンの原料、重合、製糸、パルプの設備
(6)営業開始 : 2000年12月予定
(7)売上目標 : 初年度 200億円/年

<備考>

 日本における「トワロン®」の販売会社である日本アラミド有限会社(本社:東京都中央区 アコーディス社と住友化学工業株式会社の折半出資会社)については、本件とは別にアコーディス社が主体となって住友化学工業(株)と協議する予定です。

参考資料

帝人株式会社 概要
 1.会社名   帝人株式会社 (TEIJIN LIMITED)
 2.設立   1918年6月17日
 3.本社所在地   大阪市中央区南本町1−6−7
 4.代表者   代表取締役社長 兼 CEO 安居 祥策
 5.従業員数   連 結 21,971 名 <2000年3月末現在>
単 体 5,636 名 <同 上>
 6.売上高   連 結 6,041億円 <2000年3月末現在>
単 体 2,806億円 <   同  上   >
 7.事業内容   合成繊維、化成品、医薬医療を中心に事業活動を行っている。
活動拠点は、日本国内のみならず世界10数カ国を超えており、
グループ企業と共に、グローバルに事業を展開している。
     
アコーディス社 概要
 1.会社名   アコーディス社(Acordis)
 2.設立   1999年1月
 3.本社所在地   オランダ国アーネム市
 4.代表者   CEO:Folkert B. Blaisse
 5.従業員数   15,000人
 6.売上高   22億ユーロ(1999年度)
 7.事業内容       ヨーロッパの大手化合繊総合メーカーで、産業用、衣料用、医療用、
衛生材料用の合成繊維をグローバルに展開している。
ドイツ、オランダ、イギリス、アメリカ、イタリア、スペイン、ポーランドに
生産拠点を持っている。

 


Acordis    http://www.acordis.com/

Acordis is the child of the parents Akzo Nobel and Courtaulds.

In July 1998, Akzo Nobel acquired Courtaulds, the international chemical company which had leading positions in high-tech industrial coatings and man-made fibres.
Akzo Nobel combined its fibre activities with Courtaulds' Fibres and Chemicals and
launched the fibre company Acordis in November 1998.
Subsequently
Acordis was divested by Akzo Nobel to CVC Capital Partners at the end of 1999.


2001/6/14 帝人

トワロン事業の増設決定 パラ系アラミド繊維の世界シェア50%強へ

 帝人グループのアラミド繊維事業の中核会社テイジン・トワロン株式会社(オランダ国)は、このたびパラ系アラミド繊維「トワロン® 」の生産能力を年間7,500トン増強することを決定、新設備は2003年4月より稼働します。また、帝人株式会社は、松山事業所においてパラ系アラミド繊維「テクノーラ® 」を本年11月までに年間600トン増強することを決定しました。これによって、「トワロン® 」の生産能力は年間18,500トン、「テクノーラ® 」は年間2,000トンとなります。今回の増設により、帝人グループのパラ系アラミド繊維事業は、年産20,500トン規模、世界市場において50%強のシェアを占めることになり、競争力基盤が一層強化され、多様化するユーザーニーズにグローバルに対応していくことが可能となります。

 詳細は次のとおりです。

1.背景

 帝人株式会社は、昨年末、オランダの大手合繊メーカー、アコ−ディス社(本社:オランダ国アーネム市)からパラ系アラミド繊維トワロン事業を買収し、テイジン・トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V. 社長:唐澤 佳長)を発足、順調に生産、開発、販売を行っております。
 パラ系アラミド繊維は、強度と耐熱性に優れた高機能繊維として開発され、2001年の世界需要は年間約36,000トン、2005年には年間約50,000トン(当社推定)が見込まれています。特に、IT関連産業の成長と共に、光ファイバー用途のLTM(リニア テンション メンバー)を中心に世界的需要の急成長が続き、現時点で供給不足をきたしております。
 このような市場需要動向を鑑み、将来とも需要の成長が見込めるため、原料合成、重合および製糸の能力アップを図り需要増に対応することにしました。

2.トワロン事業の増設内容

 (1)生産能力 : 製糸 年間7,500トン
 (2)設備投資額 : 約200百万ユーロ(約204億円)<ユーロ=102円>
 (3)稼働時期 : 2003年4月稼動予定
 (4)増設工場 : テイジン・トワロン株式会社(TEIJIN TWARON B.V.)
   デルフツイル工場(Delfzijl)<原料、重合>
   エメン工場(Emmen)<製糸>

3.テクノーラ事業の増設内容

 (1)生産能力 : 製糸 年間600トン
 (2)設備投資額 : 約10億円
 (3)稼働時期 : 2001年10月稼動予定
 (4)増設工場 : 帝人株式会社松山事業所

日刊工業新聞 2003/1/16

帝人、アラミド繊維増産−4月に蘭の新設備稼動

 帝人は4月をめどにオランダでアラミド繊維「トワロン」の新設備を稼働させる。産業資材用途向けの需要増に対応し生産能力を増強する。「トワロン」事業を手がけるオランダの子会社、テイジン・トワロンに生産設備1系列を新設、生産能力を年産1万1000トンから同
1万8500トンに引き上げる。05年度にもフル稼働を見込む。総設備投資額は約200億円。

 帝人は00年にオランダアコーディス社からアラミド繊維の一種である「トワロン」の事業を買収、「テイジン トワロン」を設立し欧米向に事業展開している。「トワロン」は耐熱性に優れ光ファイバーやパイプライン用ホース、防弾服などに用途が広がっている。

 当初は光ファイバー向けの拡大を見込んでいたが需要が低迷、防弾、自動車関連、補強材用途などを伸ばしてきた。今後もエレベータケーブル向けなどに用途拡大が期待でき、需要増を見込み、生産能力を増強する。


2001/12/10 帝人株式会社

日本アラミド有限会社の持分取得について

 当社(本社:大阪市中央区 社長:長島 徹)は、オランダの大手合繊メーカーであるアコーディス社(本社:オランダ国アーネム市、CEO:Folkert B. Blaisse)と住友化学工業株式会社(本社:大阪市中央区 社長:米倉弘昌)が保有している、パラ系アラミド繊維「トワロン
® 」の販売会社「日本アラミド有限会社」(本社:東京都中央区 社長:郡 浩武)の持分を12月14日をもって、すべて取得します。

 当社は、昨年12月にアコーディス社からパラ系アラミド繊維「トワロン
® )」事業を買収し、本年1月より、テイジン トワロン株式会社(Teijin Twaron B.V.)としてオランダ アーネム市の本社を中心に新たなスタートを切りました。 これにより、オランダ国内に生産拠点(3ヶ所)、研究拠点および販売拠点を持ち、ドイツ・アメリカ・ブラジル・シンガポールの各国にも販売拠点を持つグローバルな事業展開を行うことになりましたが、日本国内での販売につきましては、従来の販売ルートである日本アラミド有限会社が行ってまいりました。
 このたび、当社とアコーディス社および住友化学工業(株)が協議した結果、当社が両社の保有している持分をすべて取得することになりました。

 この結果、当社グループは、「
テクノーラ® 」、「トワロン® 」(以上パラ系)、「コーネックス® 」(メタ系)の3種類のアラミド繊維をワールドワイドに展開することになり、東邦テナックス(株)の炭素繊維「ベスファイト® 」を含めた高機能繊維事業を当社グループ繊維事業のコア事業に位置付けるとともに、世界の多様な顧客要求に対応して参ります。


住友化学社史より

 住友化学はかねてからアラミド繊維の将来性に注目し、1982年にエンカ社に対し提携の可能性を打診した。これに対して85年末、エンカ社から正式に提携の意向表明があり、86年春から両社の間で事業化の交渉を開始した。その結果、86年10月、両社で合弁会社を設立して輸入品のリセールからスタートし、将来国産化を図るという基本的な考え方について合意に達した。引き続き合弁契約をはじめとする諸契約を締結し、87年1月、住友化学とエンカ社折半出資による「日本アラミド有限会社」を設立した。
 日本アラミドは特許係争の懸念などによる市場開発の中断および競合品からの切り替えが予想以上に難航して、当初は販売が伸び悩み、業績も低迷した。しかし、88年5月エンカ社、デュポン社間の特許係争も和解に達し、日本アラミドは東洋紡績との協力によるタイヤ分野における拡販に加え、アスベスト代替分野を中心に販売を伸ばした。


東レ・デュポン       http://www.td-net.co.jp/index.html

会社概要

 ・創立年月日 1964年6月10日

 ・事業内容

ポリウレタン弾性繊維 LYCRA®の製造販売
ポリエステル・エラストマー ハイトレル
®の製造販売
ポリイミドフィルム カプトン
®の製造販売
アラミド繊維 KEVLAR
®の製造販売

 ・資 本 金  32億円
 ・売 上 高  410億円('00年度)
 ・株   主   東レ50%、デュポン50%
 ・従 業 員  670名(2001年9月現在)

64/ 6 東洋プロダクツ株式会社として設立
84/ 4 社名を東レ・デュポン株式会社に変更
89/ 1 デュポン・東レ・ケブラー株式会社(ケブラー®販売会社)設立
91/ 2 ケブラー工場操業開始
97/ 4 デュポン・東レ・ケブラー株式会社からケブラー®の日本国内の営業権を譲受

 

パラ系アラミド繊維:KEVLAR®は、1974年にデュポン社が商業化し、日本では東レ・デュポン(株)が生産から販売までを行っています。「ケブラー」は、高強度、高弾性であるだけでなく、耐衝撃性、耐切創性に優れ、良好な耐熱特性を持つため、タイヤコード、光ファイバーの補強材、防護衣料、摩擦材料、コンクリート建造物補強、複合材料など幅広く展開されています。

携帯電話にKEVLAR®製ペーパーが採用されました。KEVLAR®の高強度・高弾性率・優れた耐熱性などの特性を活かし、従来の軽量・薄型に加え「ショックに強く丈夫な」プリント基板を実現。携帯電話の他、パソコンなどにも採用拡大中です。


cf  メタ系アラミド繊維 NOMEX®   デュポン(株)高機能繊維事業部扱い

   Nomex® Paper          デュポン帝人アドバンスドペーパー(株)扱い


1999/6/2 帝人・米国デュポン社

デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社におけるパラ系アラミドペーパーの事業化について

 帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:安居 祥策)とデュポン社(本社:米国デラウェア州、会長:チャールズ・ホリデー)は、
両社の折半出資による合弁会社であるデュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社(本社:東京都目黒区、社長:R.A.バーバンク)およびDuPont Teijin Advanced Papers(Asia)Limited(本社:香港、社長:J.オーヤン)において、設立以来のメタ系アラミドペーパー事業に加え、このたびプリント配線基板用のパラ系アラミドペーパーの開発・生産・販売を行うことを決定し、本日契約を締結致しました。
 両社は、
1994年にメタ系アラミドペーパーの生産・販売を行う折半出資の合弁会社としてデュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社を設立し、以来、電気絶縁材を中心とする用途において、順調に事業拡大を継続しております。
 詳細は下記のとおりです。

1. 経 緯

(1) 近年、携帯電話をはじめとした電子機器分野での技術の進展はめざましく、小型・軽量化および高機能化のための信号処理の高速化、デジタル化などの要求が加速度的に高まっています。
(2) しかし、既存のプリント配線基板では、これらの要求を満足させることが困難になりつつあり、将来の更なる高密度実装に対応し得る、高いシステム信頼性を備えたプリント配線基板の開発が望まれています。
(3) こうした背景を踏まえ、次の理由から今次契約を締結することと致しました。
  既存のガラス繊維では対応が難しい高性能回路用基板の需要が伸びている。
  今後、両社の長年にわたるR&Dおよび素材・紙の生産技術を統合・活用することにより、高性能回路用基板の需要や将来の高密度化に対応可能である。
(4) 両社は、当分野を将来の成長領域と考えており、今回の事業化が電子機器の革新に貢献できるものと考えております。

2. 内 容
(1) 事業開始時期 : 1999年6月3日
(2) 商 品 名    : 未定
(3) 用 途      : プリント配線基板用

【参 考】
デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社 概要

会社名 :デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社
  DuPont Teijin Advanced Papers (Japan) Limited
設 立 :1994年8月
本社所在地 :東京都目黒区下目黒1−8−1
資本金 :10億円
代表者 :代表取締役社長 R.A.バーバンク(R.A.Burbank)
事業内容 :帝人株式会社と米国デュポン社が折半出資により1994年に設立した
 合弁会社で、主としてメタ系アラミドペーパーの生産・販売を行っています。