2002/09/19 旭電化工業、宇部ケミラ                    

旭電化工業(株)宇部ケミラ(株)と過酸化水素事業で業務提携

 旭電化工業(株)と宇部ケミラ(株)は、過酸化水素事業について業務提携を行います。
 両社間で過酸化水素のスワップ及び物流機能の相互利用を行うことで合理化を図り、安定供給と競争力強化を図ることで合意に達しました。
 
旭電化工業(株)は、静岡県富士市に年産4.5万トンの過酸化水素生産設備を有し、全国に5箇所の出荷基地を持って全国展開をしており、宇部ケミラ(株)は、山口県宇部市に年産2.2万トンの生産設備を持つと共に、現在保有している専用タンカーを活用し、一方の親会社ケミラ・ケミカルズ社との業務提携のもとに、同社の韓国子会社ケミラ・ケミカルズ・コリア社(約3.4万トン)から製品仕入を行い、全国8箇所の出荷基地を持って全国展開をしています。
 過酸化水素の需要は、紙パルプ用で無塩素漂白法への転換及び古紙利用が拡大してきていることに加え、化学工業用途の順調な増加が見込まれる為、今後需給のバランスが改善されるものと予想されています。
 一方、この10年軟調に推移してきた過酸化水素価格は既に底値となっております。この価格レベルでは事業の採算確保が難しく、再投資が不可能なレベルになってきています。
 両社は、この業務提携を通じて、製品のスワップ及び出荷基地の相互利用を行い、さらに宇部ケミラ(株)保有の専用タンカ−の活用を高め、増大する物流経費を削減し、競争力を強めて安定供給に万全を期すると共に、将来の投資に備えることを目的としています。


宇部ケミラ(株)(Kemira-Ube Ltd.)は、宇部興産(株)とフィンランドのケミラ・ケミカルズ社の合弁会社です。宇部ケミラ(株)は環境に優しい漂白剤、過酸化水素のメーカーです。


Kemira In Brief               http://www.kemira.com/

Kemira is a chemical industry group that operates worldwide as a leading supplier in its core businesses. Kemira´s growth areas are in pulp and paper chemicals, water treatment chemicals and paints and coatings.
Other areas of focus include specialty fertilizers and industrial chemicals, including titanium dioxide pigments.
・ production in over thirty countries, customers all over the world
・ net sales in 2001 EUR 2,454 million
・ operating income EUR 144 million
・ personnel 10,207
・ net sales by business area 2001

 


日本経済新聞 2004/11/18

三菱ガス化学 過酸化水素 上海で生産 現地向け世界最大、年10万トン

 
三菱ガス化学は中国・上海市に世界最大の過酸化水素のプラントを建設する。総投資額は約100億円で、年産能力は10万トン。2007年10月の稼働を目指す。過酸化水素は主に紙や繊維の漂白に使う。中国では王子製紙が工場を建設するなど、漂白向け過酸化水素の需要が急拡大している。欧米化学大手の進出が比較的少ない基礎化学品で積極投資し、現地の旺盛な需要を取り込む。
 生産拠点は中国上海工業区に設ける。敷地面積は約20万平方メートル。過酸化水素のプラントに加え、過酸化水素を主原料にする家庭用漂白剤原料の過炭酸ソーダや、合成ゴムの発泡剤に使う水加ヒドラジンなどの生産設備も設置する。
 現地で約100人の工場従業員を採用する。プラント稼働までに製造・販売の現地法人を設けるが、他社からの出資などは今後詰める。
 同社の過酸化水素事業では
インドネシアに次ぐ2番目の海外拠点になる。ほぼ全量を中国国内向けに供給し、2008年度に中国で150億円の売上高を目指す。
 過酸化水素は主原料の水素に酸素などを反応させて作る。漂白向けのほか、半導体ウエハーの洗浄剤などにも使う。日本市場の今後の大幅な伸びは期待しにくいが、製紙や繊維産業の拡大で中国市場は年約2割の高成長が見込まれている。


1998年6月30日 三菱ガス化学


コアビジネスの強化、鮮明に 過酸化水素増強計画を決定
http://www.mgc.co.jp/news/1998/980630.html

鹿島工場に5万トン/年設備を新設
新プロセス採用でコスト大幅削減
2000年1月完成予定、プラント建設費は約50億円

 三菱ガス化学株式会社(本社: 東京、社長:大平晃、以下MGCと略す)はコアビジネスのひとつである過酸化水素に関し、鹿島工場(茨城県神栖町)に5万トン/年の設備を新たに建設することに決定しました。
 プラント建設費は約50億円、完成は2000年1月を予定しています。

 MGCは現在、鹿島工場に2系列で54,000トン/ 年、四日市工場(三重県四日市市)に2系列で28,000トン/年の設備能力を有しています。今回の増設に伴い四日市工場の設備を1系列(10,000トン/年)休止するため、今後は合計で122,000 トン/年の能力を持つことになります。
 MGCでは、この数年、半導体用超純過酸化水素の積極的な海外展開、過酸化水素法による水加ヒドラジンの増強、化学研磨液の増強など、誘導品群の育成に注力してきました。今回の増設はこれら誘導品群の成長に対応するとともに、環境対応の新規市場、パルプ漂白の無塩素化など、2000年から2005年にかけて拡大するとみられる過酸化水素自体の市場をターゲットとしたものです。
 近年、過酸化水素は新規メーカーの進出や需要の低迷により価格が大幅に下落し、再投資が難しい状況にありましたが、MGCでは設備建設コストを大幅に削減する新しい製造プロセスを開発することができたため、増設が可能となったものです。
 今回の増設は、MGCの過酸化水素設備への投資としては13年ぶりとなります。

 MGCは、本年3月、過酸化水素の海外合併事業であったDPPL社(ニュージーランド)およびECV社(ベネズエラ)から撤退する一方で、
PIP社*(インドネシア)の持株比率を引き上げるなど、「選択と集中」を強めてきました。今回の増強は、この流れに沿ったものであり、コアビジネスである過酸化水素事業の更なる強化に役立てたいと考えています。

         *P.T Peroksida Indonesia Pratama


2007/12/21 宇部興産/三菱商事

過酸化水素合弁会社の共同経営を開始

 宇部興産株式会社(社長:田村浩章)と三菱商事株式会社(社長:小島順彦)は、2008年1月1日より過酸化水素合弁会社の共同経営を行うことを合意しました。

 宇部興産はケミラ社(Kemira Oyj。(フィンランド) 社長:Lasse Kurkilahti)との合弁会社 宇部ケミラ株式会社(社長:山本修二。以下「宇部ケミラ」)にて過酸化水素の製造販売を行っていますが、ケミラ社所有株式をいったん全株取得し、三菱商事に49%分を売却します。
 これにより宇部ケミラは
宇部興産(51%)と三菱商事(49%)との合弁会社として来年1月に社名変更手続きを行い、「宇部MC過酸化水素株式会社」(以下「宇部MC」)となります。宇部興産より代表取締役社長、三菱商事より取締役副社長を派遣します。

 宇部ケミラは1989年11月に宇部興産とケミラ社との合弁にて設立され、ケミラ社技術により1992年7月より山口県宇部市にて過酸化水素の製造・販売を行ってきました。
 過酸化水素の主原料である水素は宇部興産が供給していますが、この水素は石炭、石油精製の残渣ペトロコークス、及び廃プラスチックを原料したユニークな環境対応技術により製造されるものです。

 三菱商事は、この他、現在 新酸素化学株式会社(代表取締役社長:小泉 謙治、本社:北海道苫小牧市)の50%株式を保有し、持株分の過酸化水素を独自に販売しています。
 宇部ケミラ株式取得後は、同販売分を宇部MCに全量販売し、宇部MCの全製品と合わせ、代理店として三菱商事が販売を行います。

 両社による共同経営により、宇部ケミラの運用する輸送設備(専用船及び貯蔵場所/出荷設備等)を有効活用し、中長期にわたり同社を更に競争力を持った過酸化水素メーカーとすることを目標とし、両社はこのたび合弁契約書を締結しました。

尚、両社の共同経営の狙いは以下の通りです。 


【参考】

宇部MC過酸化水素株式会社(現 宇部ケミラ株式会社)
  

・本社所在地

東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
 

・代表者

代表取締役社長  山本 修二

 

・設立

1989年

 

・資本金

10億円

 

・売上高

37億円(2006年12月期)