毎日新聞夕刊 2003/1/10

USスチール ナショナル・スチール買収  生産能力、世界5位に

 米鉄鋼最大手、USスチールは9日、日本のNKKの米子会社で米達邦破産法11条の適用を申請しているナショナル・スチールを買収すると発表した。買収額は7億5000万ドル(約893億円)。買収手続きが完了すれば、USスチールは粗鋼生産能力が年間約2500万トンに拡大し、世界第5位の鉄鋼メーカーに浮上する。
 USスチールによるナショナル・スチール買収は、昨年1月、親会社のNKKとの間でまとまりかけたが、同年3月ナショナル・スチールが破たんしたため、事実上白紙化されていた。
 米鉄鋼業界では、投資会社WLロス&カンパニーが経営する新興鉄鋼メーカー、インターナショナル・スチール・グループ(ISG)が今月6日、破たんしたベスレヘム・スチールの買収を提案。実現すれぼ、ISGが一気に最大手に立つ状況だった。USスチールは業界トップを守るためにも、ナショナル・スチールの買収を急いでいた。


日本経済新聞夕刊 2003/4/22

米ナショナル・スチール買収先 USスチールに決定 裁判所承認

 米鉄鋼最大手USスチールが、昨年破たんしたナショナル・スチールを買収することが正式に決まった。米連邦破産裁判所が21日承認した。買収総額は10億5千万ドル(約1300億円)。
 USスチールは買収で、需要の高い北米の自動車、建材向け鋼材の生産を強化する。買収による相乗効果を年間2億ドル以上と見込んでいる。買収交渉に敗れたAKスチールは、買収提案金額はUSスチールを上回ったものの、前提となる全米鉄鋼労組との新たな労働契約の締結ができなかった。
 米高炉業界ではインターナショナル・スチール・グループ(LSG)が、破たんしたベスレヘム・スチールをほぼ傘下に収めており、大型再編は最終局面を迎えている。


日本経済新聞夕刊 2003/2/10

ISG、ベスレヘム買収 米鉄鋼業界再編 USスチールに対抗

 米連邦破産法11条の適用を申請し経営再建中の米鉄鋼大手ベスレヘム・スチールは8日に取締役会を開き、投資会社WL・ロスが作った新興鉄鋼会社インターナショナル・スチール・グループ(ISG)に身売りすることを決めた。
 ISGは破たんした鉄鋼大手LTVを傘下に持ち、最大手USスチールに対抗する勢力が誕生する。 ISGは今年初め、ベスレヘムに15億ドル(約1800億円)で買収を提案していた。実現には米連邦破産裁判所の認可が必要だが、ほかに有力な買い手はおらず4月にも買収が完了する見通しだ。
 ISGはベスレヘムとLTVの資産を統合して規模を拡大したうえで、約1万2千人いるベスレヘムの従業員を削減すれば再建は可能と判断したとみられる。