2010.07.01 三井化学
米国ダウ ケミカルと合弁会社を設立し、テキサス州で電解事業に参入
三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己)は、米国化学品大手のザ ダウ ケミカル カンパニー(本社:米国ミシガン州ミッドランド市、以下ダウ社)と折半出資で米国テキサス州フリーポートにて電解事業を行う合弁事業の設立に関する合弁契 約書を7月1日(米国時間)に締結しました。本合弁事業への当社出資額は約1.4億米ドルを予定し、これに加えてプロジェクトファイナンスの活用に向け関 係各社と協議中です。
合弁契約書の概要
事業内容 | 電解による苛性ソーダと塩素の製造販売 |
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出資比率 | 当社100%出資米国子会社:50%、 ダウ社:50% |
出資形態 | LLC(※) |
当社出資額 | 約1.4億米ドル |
※ LLC(リミティッド・ライアビリティー・カンパニー)とは、米国州政府が制定した法律に基づき設立される有限責任の企業形態の一つです。
今後、本年度8月末を目処に政府関係機関の承認を取得し、上記契約に関する先行要件を充足する予定 です。
苛性ソーダと塩素は、塩を電気分解することにより生産される化学品の基礎原料で、ダウ社との合弁によるこの電解プラン トは、最新の技術を導入し、世界最大級の生産能力を擁しており、競争力のあるこれら基礎原料を生産します。
当社は、業界トップシェアを誇る二塩化エチレン(EDC)をはじめとする、塩素を原料とした商品群の販売を世界規模で 展開しています。当社は、本合弁会社で生産する塩素のEDCへの加工をダウ社へ委託し、EDCと苛性ソーダを世界のマーケットに安定的に販売します。
本合弁事業を通じ、当社はダウ社との関係を深化し、当社が強みを持つ商品の製造事業に参入するという意義があり、戦略 的提携の一環として位置付けられます。
当社は2009年4月、塩事業、アルカリ事業、塩化ビニール原料事業、塩化ビニール樹脂事業、ウレタン原料事業を統合 し、当該事業チェーン全体を川上から川下まで統括するクロールアルカリ事業部を発足しており、関連事業間のシナジーを追求することにより更なる価値創造を 目指してまいります。
1. プロジェクト概要
所在地 | 米国テキサス州フリーポート |
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操業開始時期 | 2013年 年央(暦年ベース) |
年間生産量 | 苛性ソーダ:約88万トン、塩素:約80万トン |
2. ダウ社概要
正式名称 | The Dow Chemical Company |
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代表者 | Andrew Liveris, Chairman & CEO |
所在地 | 米国ミシガン州ミッドランド市 |
上場証券取引所 | ニューヨーク証券取引所(NYSE) |
従業員数* | 約52,000人 |
主な事業内容 | 化学品の製造販売 |
連結売上高* | 450億米ドル |
連結総資産* | 659億米ドル |
* 2009年12月期
3. プロジェクトスキーム
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July 01, 2010 Dow
Dow and Mitsui Form Joint Venture for Chlor-Alkali Production
Agreement Drives Integration Advantage for Downstream Businesses
The Dow Chemical Company and Mitsui & Co., Ltd., of Tokyo, Japan announced today that the two companies have signed a definitive agreement to form a 50:50 manufacturing joint venture to construct, own and operate a new membrane chlor-alkali facility located at Dow’s Freeport, Texas, integrated manufacturing complex.
This landmark joint venture combines the strengths of two global companies to build a world-scale chlor-alkali plant on the US Gulf Coast.
The facility will be built using Dow's modern and efficient chlor-alkali technology, and takes the place of the previously announced Chlorine 7 project, which was a Dow-only venture.
2008/1/31 ダウ、テ キサスでのクロルアルカリ設備新設、シンテックとのVCM供給契約更新を発表
ダウは1月29日、 テキサス州フリーポートでクロルアルカリ設備の建設を開始すると発表した。
2011年のスタートを目指す。
同地の既存のプラントの多くは経済的な耐用年数に近づいており、今後3年間で順次停止する。
今回の投資はS&Bで、設備能力は差引減少する。付記 2009年2月、ダウは経済情勢悪化によるプロジェクト見直しの結果、本計画を延期すると発表した。
同社のAndrew N. Liveris 会長兼CEOは、「塩素はダウの機能製品事業の重要な原料で、ポリウレタン、エポキシ、特殊化学品、特殊プラスチック、農業化学品の将来の成長の鍵を担っ ている」と述べた。
同時にダウは、30年以上の需要家であるシンテックとのVCMの長期供給契約の更新を発表した。
(信越化学も30日に発表した。)
同会長はこれについて、「この供給契約は新投資の操業を保証するもので、JVの形はとっていないものの、シンテックはクロルアルカリ事業での戦略的パート ナーである」としており、同社が石油化学事業で進めているAsset- light 戦略の延長であるとしている。
2010/4/6 信越化学、米国でVCM増強
信越化学は4月5日、Shintechがルイジアナ州PlaquemineでVCMの第2工場の建設工事を開始したと発表した。
第2工場の生産能力は、VCM 80万トン、カ性ソーダ 53万トンで、投資金額は約1000億円、2011年の完成を目指している。同地では電解〜VCM〜PVCの一貫生産を行なう第1工場の第1期分が2008年10月に稼動、現在第2期の増設中で、2010年 後半に稼動する。
第2工場が稼動すると、VCM能力は160万トンとなり、Shintechのテキサス州の工場も含めたPVCの全生産能力264万 トンの60%を自給することとなる。
、CEOのAndrew Liverisは2 月2日の第4四半期決算発表のインタビューで質問に答え、塩素/EDC /VCMについてもAsset Light戦略(=PVCメーカーとのJV)を検討する意向を明らかにした。発言は以下の通り。
ダウは長期的にはEDC/VCMを外販しない。信越とのパートナーシップは2011年(信越のルイジアナ州のVCM /PVC新工場の2期完成のことか?)には明らかに終了する。
ダウにはユーティリティ、インフラ、原料ガスなど、強みがある。
塩素の多くは、同じ立地にある機能性製品の事業に使用される。
しかし、クロルアルカリは資本集約的事業で、ダウの大規模設備は有利であり、PVC業界とのパートナーシップも探求する。塩素でもAsset Light戦略を行う積もりだ。2010/2/4 ダウとBASF、スチレン系事業売却へ
"This joint venture with Mitsui is another meaningful example of our strategy in action - enabling us to continue to supply building blocks to our downstream performance businesses at lower cost and with less capital," said Andrew Liveris, Dow chairman and chief executive officer. "Dow’s Basic Chemicals business is a world-class manufacturing franchise that delivers unique product and technology integration advantage to our downstream performance and market-driven businesses. This strategic joint venture bolsters our integration strength, while also liberating capital for investment in businesses that are technology- and customer-driven with higher, more consistent earnings."
The new chlor-alkali facility is expected to begin operations in mid-2013, and will have a capacity of approximately 800 kilotons per annum. Dow will operate and maintain the chlor-alkali facility under contract to the joint venture. Construction will begin in the fourth quarter of 2010. The venture will create approximately 50 long-term jobs at the Freeport, Texas, location, as well as approximately 500 construction jobs during the build.
The joint venture’s new chlor-alkali production facility will fuel the growing feedstock needs of Dow’s performance businesses with cost-advantaged chlorine supply.
More than 70 percent of Dow’s chlor-alkali production is used to serve its growing performance and market-driven businesses.
Close of the transaction is expected in the third quarter of 2010, depending upon regulatory approvals and customary closing conditions.