ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから 目次
これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
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2014/12/26 2014年 回顧と展望
昨年末にアベノミクスの評価を行い、アベノミクスは失敗であるとした。
「デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる」というのは誤りであり、規制緩和による成長戦略がなければ、デフレは解消しない。
白川前総裁の言うように、「潜在需要を顕在化させるための供給構造の作り変え」が必要であり、そのためには、首相が前面にたって、利益団体と官僚組織に立ち向かい、規制緩和をすることが必要である。
安倍首相にその認識と対応する決意がないことがアベノミクスが失敗するとみる理由であるとした。
2013/12/25 回顧と展望の前に アベノミクスの評価
1年経過し、予想通りの結果となっている。
円は大幅安となった。
しかし、円安になっても輸出は増えない。貿易赤字の解消は見えてこない。
最も競争力がある筈の自動車は、円安になっても、建設済みの海外プラントに生産を移し、逆に輸出数量は減っている。
ホンダは乗用車輸出が2012年上期の147千台が2014年上期には17千台と激減した。
国内の新車販売台数も前年比割れが続き、トヨタやホンダは2015年1-3月期に減産する。
国際競争力のない石油化学のような製品は、過去の赤字輸出損を回収するだけで、ドル建て価格を下げて輸出を増やすなどは考えられない。
消費者物価指数は春以降、下げ続けている。生鮮食料を除く コアCPIは10月には前年比で0.9%にまで下がった。日銀の目標とする2%は、このままでは不可能である。
付記 12月26日発表の11月実績は0.7%となった。
原油価格は7月頃から急落した。コアCPIの下落はこれが大きな理由である。
エネルギー価格は下がったが、最近、身近な製品の値上げが続く。これは円安による輸入原料の値上がりを受けたものが多い。
やっていけないために、やむを得ず輸入原料値上がり分を転嫁するもので、値上げにより業者の手取りが増える訳ではない。
逆に値上げによる需要家の購入減で、値引きを余儀なくされる可能性もある。2013年1月の日経の景気討論会で東芝の岡村正相談役は、1ドル85〜90円が望ましく、それ以上になると原料や電力料がアップし、大変であると述べたが、その通りになっている。
今後は米国の利上げで更に円安になる恐れがある。
日銀総裁は仮に円安による輸入インフレでコアCPIが2%上がった場合でも、デフレが解消したとして満足するのだろうか
大企業の収益は大きく増えたが、自動車業界に見られるように、海外事業の収益の円換算での増の貢献が大きい。
株価は急上昇したが、円安で安くなった日本株を外資が買っているに過ぎない。他に儲かるところが見つかり、日本から引き上げると、日本株はまた暴落する。
円安で輸出が増え、国内の生産が増え、給与が上がり、消費が増え、更に生産が上がるという循環は起こっていない。
そもそも、少子高齢化が進み、消費構造が変わっている。
資産を持つ一部の層と資産を持たない大多数の層の格差が広がった。
12月14日付けの日本経済新聞のコラム「地球回覧」は、金融緩和と財政出動で景気を上向かせるアベノミクスとそっくりのやり方を「魔法」と描写したゲーテと、ゲーテの遺言を軽んじて借金を重ね、悪魔に魂を売り渡したドイツ国民の現在の姿勢について述べている。
ばらまきで景気を支えた国家がどんな結末を迎えるのか。ドイツでは文豪ゲーテが約200年前に代表作の「ファウスト」で予言した。
節約嫌いの皇帝が借金の返済に苦しんでいると、悪魔メフィストフェレスが現れて知恵を出す。お札をたくさん刷ればいいんですよーーー。やってみると、人々が浮かれ、モノが飛ぶように売れる。あっという間に帝国は好景気に沸き、皇帝は大喜び。すると悪魔がささやく。「魔法の紙幣で酒と女に浮かれたいだけ浮かれられる。便利です」
第一次大戦で負けたドイツは多額の債務を抱え、通貨が紙くずになった。猛威を振るう超インフレに乗じて権力を握ったのはナチス。その反省はいまだに重い。
1989年、ベルリンの壁の崩襲。熱狂のなかで当時の西独政府は東独市民に無条件で現金100西独マルクをプレゼントした。ーーー新しい駅と空港、それに市街地の修復。青天井で注ぎ込まれた旧東独の復興費は2兆マルク(300兆円)に達したとされる。いつのまにか財政赤字は国内総生産(GDP)の3%を上回り、域内の基準に違反するようになっていた。
尻に火が付いたドイツ政府が社会保障の縮小や増税に取り組む。「政府がカネを出せば将来にツケが回る」。そんな常識が浸透し、財政出動や減税といった「官需」にすがるという発想が消えた。
ドイツでは有権者や経済界のあいだにも倹約精神が通奏低音のように流れ、成長が沈んでも景気対策を求める声が漏れてこない。
昨年述べたとおり、「潜在需要を顕在化させるための供給構造の作り変え」が必要であり、そのためには、首相が前面にたって、利益団体と官僚組織に立ち向かい、規制緩和をすることが必要である。
12月21日付けの日本経済新聞は、三菱ケミカルホールディングスの小林社長のコメントを載せている。
政策的に、どうにもならないものが日本には2つある。エネルギーコストの高さと資源の外部依存だ。だが、それでさえもイコールに近づける道はある。電気料金や石油価格の影響を受けにくい産業領域に、国家を挙げてトランスフォーム(産業構造転換)することだ。そういう方向性というか、覚悟が政府から出てこないと本格的にはなかなか投資が日本に向かわない。
為替は見事に円高修正してくれたが、全体としてはまだ『六重苦』問題をクライテリア(起点)に考えざるを得ないのが経営者心理だ。それにこたえるには大胆な制度設計が要る。
* 円高、高い法人税率、自由貿易協定への対応の遅れ、労働規制、環境規制、電力不足例えば健康・医療だ。日本が高齢化し、人口も減っていくなかで、毎年1兆円ずつ社会保障費の支出が増えていく。そういうなかで、健康や予防医療産業のイノベーション(技術革新)は国内でやるしかない。軽量化部材、有機太陽電池、発光ダイオード(LED)など省資源、省エネ的な分野もそうだ。この2つは確実に日本で投資できる。規制を緩和してくれさえすれば、海外企業とのハンディキャップは小さい。
中小企業や地方が疲弊したのは、大企業が海外に生産を移転し、空洞化が進んだ影響もある。そういう意味では大企業と課題は同じだ。国内にどんな新産業をつくり、事業をどうシフトしていくかが問われている。やはりトランスフォームだ。
受け皿は医療、介護、観光、6次化された農業などが考えられる。雇用維持のためのばらまきをやっても一時しのぎだ。大企業にも言えることだが、弱っている企業があっても、補助金を出すより法人税など税負担を減らして、公平公正な競争を可能にする土俵づくりをめざすべきだ。
岩盤規制の撤廃には、自民党の支援団体と官僚組織の反対を押し切る首相の強い意思が必要であり、それがない限り、日本経済の復興は難しい。
また、産業間の労働力の移動を進めるための労働法の改正も必要である。
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原油価格の下落が続いている。
OPECは11月27日の総会で原油の減産見送りを決定した。
5カ月連続の原油価格下落を受け、最も打撃を受けているベネズエラ、アンゴラ、ナイジェリアなど8カ国が減産を提案した。
これに対し、サウジなどが異議を唱えたため、全会一致の賛成が必要な減産の提案は退けられ、日量3000万バレルの生産目標を据え置いた。サウジアラビアなどは財政的にも余裕があるほか、サウジには、過去に減産を決めても、イランやベネズエラが原油収入を確保するため「ヤミ生産」を繰り返してきたことへの不信感も強かった。
また、OPEC減産で原油価格を回復させても、米国のシェールオイルなど非OPECの原油生産が増加すればシェアを奪われるという危機感がある。
サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、米国のシェールオイルブームに対抗する必要があるとし、減産を見送ることで原油価格を抑制し、米国のシェールオイル生産業者の収益を圧迫すべきと強調したという。
サウジは更に、米国とアジア向けの2015年1月積みの原油価格を大幅に引き下げると発表した。
2014/12/8 サウジアラビア、米・アジア向け原油値下げ
原油価格の下落は消費者にとっては好ましい。
しかし、急激かつ大幅な下落は混乱を生じる。
ロシアのルーブルは欧米による制裁と原油安がダブルに響き、大幅安となり、ロシア経済を揺るがしている。
ベネズエラなどではデフォルトの恐れもある。サウジの狙い通り、米国のシェールオイル・ガスの生産も減少する可能性が出てきた。
2014/12/15 原油価格下落でシェールオイルの生産は減少へJAPEXが参加するPetronas のカナダのLNGターミナル建設計画も、LNGプロジェクトの収益見通しの悪化から、予定通り進めるかどうかの決定を先送りした。
日本の石油化学にとっては、原料価格の大幅な変動は(値上がりの場合も値下がりの場合も)常に悪影響を与える。
アジアの石油化学製品価格が軒並み下落している。
国内でも、需要が低迷するなか、先安観による買い控えが目立ち、値下がりが広がっている。過剰能力のもと、原料安以上の値下げを強いられる可能性が強い。
12月決算の昭和電工は12月12日、営業損益予想を7月末時点の320億円から250億円に下方修正したが、石油化学セグメントは25億円の黒字が35億円の赤字になるとしている。(2013年通年は44億円の利益)
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経済産業省は11月7日、産業競争力強化法第50条に基づく「石油化学産業の市場構造に関する調査報告」を公表した。
「産業競争力強化法」 は2014年1月20日に施行された。
アベノミクスの第三の矢である「日本再興戦略」に盛り込まれた施策を確実に実行し、日本経済を再生し、産業競争力を強化することを目的とし、「創業期」、「成長期」及び「成熟期」の発展段階に合わせたいろいろな支援策により産業競争力を強化しようというもの。産業競争力強化のためには、日本経済の3つの歪み、すなわち「過剰規制」、「過小投資」、「過当競争」を是正していくことが重要で、この法律は、そのキードライバーとしての役割を果たすものであるとしている。
同法第50条(調査等)は以下の通り。
政府は、事業者による事業再編の実施の円滑化のために必要があると認めるときは、商品若しくは役務の需給の動向又は各事業分野が過剰供給構造にあるか否かその他の市場構造に関する調査を行い、その結果を公表するものとする。
結論は下記の通り。
住友化学(千葉 38万トン)、旭化成(水島 44万トン)の停止で、日本のエチレン能力は640万トンに減少するが、国際的な需給構造の変化で日本からの輸出減のリスクがあり、その影響でエチレン生産量は、
2020年までで 470万トンまで減少
2030年までで 310万トンまで減少対応策は
@ 生産設備集約、再編による生産効率の向上
A 石油精製との連携による生産体制の最適
B 隣接企業とのエネルギー相互融通、発電設備等の共有化、共通部門の集約統合によるコスト削減
C 海外展開の促進
本ブログは、次のように述べた。
上記の報告は正しく、誰もが分かっていることである。
エチレン停止はその工場全体を止めてしまうことにもなりかねない。これは従業員の雇用をどうするかという大きな問題を生む。
統廃合が進むかが焦点となるとしている千葉地区では既に統廃合が実施済みでこれ以上はない。
エチレン能力削減は必須だが、実現が難しいというのが実態である。2014/11/10 石油化学産業の市場構造に関する調査報告
エチレン停止はその工場全体を止めてしまうことにもなりかねないが、新しい事業に転換できれば、従業員の雇用を心配することはない。
しかし、転換できる事業がないのが問題である。
石油化学製品では、ほとんどの製品を産油国や中国が生産することとなり、日本で生産しても競争力はなくなった。
太陽電池やリチウムイオン電池の材料についても、中国勢が進出している。
中国が真似できないものでない限り、儲かる事業であれば、数年後には過当競争に陥り、採算が取れなくなる。
10月23日の「化学の日」に化学工業日報がシンポジウムを開催した。
東京理科大学の伊丹敬之教授が基調講演を行い、持論を述べた。
日本の産業はエレクトロニクスから化学に、産業科学は物理学から化学に転換する。
化学反応(例えば燃料電池)や化学素材(デジタル電子機器のフィルター、導光板、偏向膜など)が必須の部分として使われるようになる。
ただし、そのイノベーションを担うのが化学企業となるかどうかは別の問題で、産業間の競争が起こる。
特に、過去の遺産の基礎化学・石油化学をどうするかが問題の一つ。論文 日本産業の化学化 参照
その後の各社社長による討論会や講演でも、「では何をやるべきか」が取り上げられたが、「機能の追及」、「需要家のニーズへの摺り合わせ」が必要との点で一致した。
しかし、石化に取って代わるような事業は見当たらないのが実情であろう。
そのなかで、リチウムイオン電池材料など、儲かりそうな分野には各社が殺到する。
本ブログは2006年3月に「ハイテク材料バブル説」を取り上げ、以下の問題を内包しているとした。
・化学以外の他の業界からも殺到するため、過当競争となる。
・需要分野の進展が急で、新製品・新製法の開発により折角投資した材料の需要が急になくなる可能性がある。
・供給先が競争に敗れ撤退する可能性(他社に供給できればよいが・・・)
・新製法等での競合材料の出現
・需要家自体が材料分野に進出する可能性
・需要自体がバブルである可能性 (光ファイバーの例)
2006/3/4 ハイテク材料バブル説
これらの点は現在もそのまま当て嵌まる。
進出する市場の分析、生き残りうる提携相手の選択、技術とノウハウを組み合わせたシステム化などが重要となろう。
LG Chemのバッテリーのように、素材の生産から素材のシステム化に転換することも一つのやり方であろう。
今後、企業をどの方向に持っていくのか、経営者の責任は重大である。
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韓国の三星グループは2010年5月に新事業戦略を発表した。
経営の第一線に復帰した李健煕会長主宰で新事業関連社長会議を開き、確定したもので、未来の新事業は、太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の5つ、2020年まで23兆3000億円(約1兆9000億円)を投資するというもの。
李健煕会長は、 世界シェア首位のメモリーや液晶パネルで中国などの追撃を受け、「今後10年以内にサムスンを代表する製品は大部分無くなる」と危機感を示し、新規事業育成に注力するとした。
2010/5/12 三星グループの新事業戦略
Samsung Groupは本年11月、石油化学のSamsung General Chemical や、防衛産業を手掛ける Samsung Techwin などを売却すると発表した。
2014/12/1 Samsung Group、防衛、石化事業をHanwhaに売却
2014/12/27 サウジ Ali al-Naimi 石油鉱物資源相の発言
OPECにとって、原油価格が1バレル20ドルになっても、減産は利益にならないとするサウジのAli al-Naimi 石油鉱物資源相の発言(中東専門誌 Middle East Economic Survey のインタビュー)が衝撃を与えている。
前回のOPEC総会で、次の通り述べ、生産量維持を他のメンバーに納得させたという。
As a policy for OPEC, it is not in the interest of OPEC producers to cut their production.
Whether it goes down to $20 a barrel, $40 a barrel, $50 a barrel, $60 a barrel, it is irrelevant.
インタビューでは、OPECのシェアを奪う非OPECの高コスト石油に長期的ダメージを与えるとの考えを示した。
低コストのメーカーが減産し、高コストのメーカーが増産するというのはリーズナブルでなく、間違った考えだ。
サウジが減産すれば、サウジのシェアはどうなる? ロシアやブラジルや米国のシェールオイルがシェアを奪うこととなる。サウジは高い価格を望むが、需要を増やし、開発を抑えさせるのには、一定期間の低価格が必要だ。
ブラジルのサブソルトプレイや西アフリカ、北極海の油田は高コストだ。結局は資金的に行き詰る。
そうなれば価格は回復する。
直接の言及はないが、シェールオイルの開発が滞るのを待つ構えとみられる。
値下げのサウジへの影響については、サウジや湾岸諸国は債務は少なく、借り入れ余力は十分なため、この価格水準でも2〜3年は耐えられるとしている。
石油価格が100ドルに戻るということはないだろうと述べた。
原油安が当分続くという見方が広がっている。
2014/12/29 神華能源と住商ほか、モンゴルのTavan Tolgoi 原料炭鉱山を開発
中国国有の石炭大手、神華能源(Shenhua Energy)は12月24日、世界最大級の埋蔵量を誇るモンゴルのTavan Tolgoi 炭鉱の開発プロジェクトについて、同社の企業連合がモンゴル政府との優先交渉権を得たと発表した。
12月初めにテンダーが行われ、この企業連合と米石炭最大手Peabody Energy Corp. が入札に参加していた。
企業連合は神華能源、住友商事、Energy Resources LLC(Mongolian Mining Corp の子会社)の3社で構成される。
神華は企業連合の詳細を発表していないが、本年初めにモンゴル政府が出した規則では、モンゴル国内で5年以上の経験を持つモンゴル企業が最低 51%を持つことと決めている。(この資格を持つのは、Mongolian Mining Corp のほかは、小規模のTavan Tolgoi JSC のみ)
Tavan Tolgoi は74億トンの原料炭の埋蔵量を誇り、Tsankhi、Ukhaa Khudag、Bor tolgoi、Borteeg、South-west、Eastern
の6地区に分かれる。
Tsankhi 地区が最大で、更に東西に分割されるが、企業連合はこのTsankhi 地区(東西とも)の開発権を得た。
なお、現在の時点では、他にEnergy Resources LLCがUkhaa Khudag 地区の開発を行っている。
企業連合は、年間30百万トンの石炭を生産し、少なくとも2つの石炭市場に運ぶことが求められる。
別途、伊藤忠、双日、三井物産が石炭を国際市場に運ぶ仕事に関心を示しているとされる。
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これまでの経緯は下記の通り。
1945 | ソ連の探査チームがTavan Tolgoi を発見、1985年まで試験掘削とFSが行われた。 |
1990年代 | モンゴル政府は外国企業による探査を許可、BHPが探査権を取得したが、1990年代央に資金問題で権利放棄した。 |
2006 | Mongolia Mining Corp.の子会社 Energy Resources LLC にUkhaa Khudag 地区の採掘権を与えた。 |
2007 | 政府はErdenes MGL LLCを設立、Energy Resources LLC のUkhaa Khudagを除き、Tavan Tolgoiを国有化した。 |
2010 | Erdenes MGL LLC はTavan
Tolgoi の権益所有、管理のため、子会社Erdenes Tavan Tolgoi を設立。 政府 51%、IPO 29%、モンゴル市民 10%、モンゴル企業 10% |
2011 |
モンゴル政府はTavan Tolgoi
を2ゾーンに分けた。 1ゾーンはErdenes Tavan Tolgoi 2ゾーンは海外企業 |
2011/7 | 海外企業の入札結果 神華能源 40%、Peabody Energy 24%、国営ロシア鉄道と韓国の国策資源開発のKorea Resources の連合 36%のチームに決まった。 * 2010年9月に三井物産が神華集団と包括的業務提携 三井物産がこの事業に参加するとの情報が流れた。 * ロシア・韓国連合に伊藤忠、住友商事、丸紅、双日の4商社が加わるとの情報もあった。 但し、直後にこの入札結果は仮の決定に過ぎないと発表された。 |
2012/5 | モンゴル政府は、外国企業がモンゴルの主要戦略資産の49%以上を取得する場合、国会の承認を必要とするとの法律を通した。 |
2014/12 | Tsankhi 地区(東西)のテンダー 神華能源、住友商事、Energy Resources LLCのチームとPeabody Energy Corp. が参加、前者に決定 |
2014/12/29 JX日鉱日石エネルギー、ベトナムの製油所計画に参加
JX日鉱日石エネルギーは12月22日、ベトナム最大手の石油製品販売会社Vietnam National Petroleum Group (Petrolimex) との間で、同社への出資ならびにベトナム南部Vanphong 経済特別区における製油所新設について、独占的に交渉・検討する旨を定めた覚書を締結したと発表した。
現在のベトナムでは日量35万バレルの石油製品需要があるが、現在稼働しているのはPetroVietnam
のズンクワット(Dung Quat)製油所(下の図のB)のみで、能力は14.8万バレルである。
経済成長に伴い今後も堅調に増加すると見込まれており、PetrolimexはVanphongに日量20万バレルの原油処理能力を有する製油所の新設を検討している。
JXはこの計画 (下の図のF)に参画する。
但し、ベトナムでは多くの製油所計画が先行しており、それぞれには強力なメンバーが参加しており、この計画は簡単ではないと思われる。
付記
JXTGエネルギーがベトナム南部で計画していたVanphong製油所の建設計画が白紙に戻ることが2018年10月1日分かった。提携相手のベトナム国営石油会社ペトロリメックスが計画中止を決めた。
ベトナムでは他の国内外の石油会社によって2カ所の製油所が稼働しており、ガソリンなど石油製品の供給過剰が指摘されていた。新車販売が思うように伸びていないことも理由とみられる。
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ベトナム政府はこのたび、タイの国営石油会社 PTT とサウジのSaudi Aramco の50/50JVによる大規模石油精製・石油化学計画を承認した。
Binh Dinh 省のNhon Hoi 経済特別区(下の図のC)に日量40万バレルの製油所と、年産200万トンの芳香族、290万トンのオレフィンの石油化学プラントを建設するもので、投資額は220億米ドル。製油所能力は2021年頃に5割増しにする案もある。
当初計画ではベトナム政府が20%出資するとされたが、現在は2社の50/50で、今後、ベトナム企業が参加する可能性がある。
建設は2016年に始め、2021年に生産を開始する予定。
2014/9/19 タイPTTのベトナム石油精製・石油化学計画にSaudi Aramco が参加
報道によれば、ベトナム政府はこの計画に対し次の恩典を与えたという。
・操業開始後の最初の4年間は法人税ゼロ
・次の9年間は通常の法人税率の1/4
・本計画の輸入原油に対して関税ゼロ
・輸出税については交渉する。
(ベトナムでは現在は製油所が1箇所のみで国内需要を満たせず、輸出はゼロ)
ーーー
ベトナム政府は2007年9月に製油所の建設計画を明らかにした。9つの製油所を建設し、2025 年までに国内需要の90%を自国内の製油所でカバーするとし、原油処理能力の目標値を日量 111〜121万バレルとした。(能力は当初の計画で、具体化時点で変更される)
出光興産と三井化学は2013年6月6日、両社とクウェート国際石油、ペトロベトナムとの合弁事業である総投資額約90億米ドルのNghi Son 製油所・石油化学コンプレックス建設プロジェクト(地図のA)の最終投資決定を行ったと発表した。
石化計画:
パラキシレン 70万トン/年
ポリプロピレン 37万トン/年
Lon Son製油所(地図のG)はPetroVietnamの事業。
この製油所に隣接し、タイのSiam Cementグループとベトナム側のJVのLong Son Petrochemical が石化コンプレックスを建設する。
2012年1月、Qatar Petroleum がこれに参加することが明らかになった。
報道によると、コンプレックスはオレフィン 165万トン、ポリオレフィン(HDPE、LDPE、PP) 145万トン、苛性ソーダ 28万トン、EDC 33万トン、VCM 40万トンなどからなる。
2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工
Phu Yen省のHoa
Tam Industrial Zone(地図のD)
Vung Ro Petroleum は英国の投資会社Technostar Management とロシアのTelloil GroupとのJVで、Hoa Tam Industrial Zoneに製油所(LPG, Gasoline, Jet Fuel, Diesel, Fuel Oil) と石化プラント(BTXと年産90万トンのPP)の建設を開始した。投資額は31億8千万ドルとされる。
Hoa Tam Industrial Zoneに538ヘクタールの土地を確保、2007年11月に製油能力 400万トンで投資ライセンスを取得したが、2013年12月初めに、能力を800万トンにアップした。
2013年11月にLummus Technologyとの間で、エチレン回収とOCT(エチレンとブチレンからプロピレンを製造)に関するライセンス・エンジニアリング・技術サービス契約を締結し、2014年1月にはINEOSからInnovene PP 技術(年産90万トン)を導入した。
2014年9月9日、現地で鍬入れ式を行った。
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