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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2018年4月2日  武田薬品、バイオ医薬品メーカー Shire plc に買収提案を検討 

武田薬品工業は3月28日、アイルランドに本拠を置くバイオ医薬品メーカーのShire plc に対する買収提案を検討していることを明らかにした。

何らかの提案を行うことを検討していることは事実だが、その検討はごく初期かつ調査段階であり、現時点においてShire社の取締役会に対していかなる提案も行っていないとしている。
英国の企業買収関連法に基づき、武田薬品は4月25日までに提案を行うかどうかを表明する必要がある。
 

買収提示額は500億ドル(約5兆3000億円)近くに上る可能性があり、日本企業の海外企業買収としては過去最大級で、実現すれば武田薬品は世界大手の一社に躍進することになる。

Bloombergによれば、過去の買収は下記の通り。

買収企業 買収先 億ドル
SoftBank Sprint 397
SoftBank ARM Holdings 300
日本たばこ Gallaher 190
サントリー Beam 156
武田薬品 Nycomed 137

2011/5/23 武田薬品、Nycomed社を買収


武田薬品は、事業成長を加速するため、重点領域(消化器系疾患領域、オンコロジー領域、ニューロサイエンス領域およびワクチン)を中心とした様々な戦略オプションを常時検討している。

同社では、Shireの買収は次のようなメリットがあり得ると考えている。

 

Shire は、「希少疾患の患者さんのため尽力するバイオテクノロジー分野のグローバル・リーディング・カンパニーです」と称している。

1986年に何人かの起業家が、多くのアンメット・メディカル・ニーズを満たす方法を探るため、Shire を設立し、まず、骨粗しょう症の治療または予防を望む患者向けにカルシウムの様々なサプリメント製品を発売した。

1990年代半ばには、新たな領域に事業を拡大し、臨床パイプラインの開発を通じて新製品を市場に導入するため、最初の戦略的買収に乗り出し、以来、20年あまりの間に20社以上と合併し飛躍的な成長を続けてきた。

買収の歴史:

  買収相手 主要製品、分野
2005 Transkaryotic Therapies, Inc. ソーム蓄積疾患治療薬:生物学的製剤の開発、希少疾患に注力
2007 New River Pharmaceuticals ADHD(注意欠陥・多動性障害)
2008 Jerini 遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema  )の治療薬開発
2013 SARcode 眼科領域に参入
2013 ViroPharma 遺伝性血管性浮腫治療薬
2016 Dyax
2015 NPS 消化器内科領域の事業を強化
2016 Baxalta 3つの治療領域(血液、免疫、腫瘍)に進出
希少疾患の患者のため尽力するバイオテクノロジー分野のグローバル・リーディング・カンパニ
ーに

Baxaltaの買収・合併は、Shire にとって過去最大規模の買収で、合併を通じて新たに3つの治療領域(血液、免疫、腫瘍)に進出し、従業員数は3倍以上に増え、市場をリードするいくつかの医薬品を獲得し、臨床開発プログラムと臨床パイプラインを拡大した。

2015/1/17   アイルランド製薬Shire Pharmaceuticals 、米バイオ医薬品 NPSを買収
2015/8/8   アイルランドのShire Pharmaceuticals、Baxalta に買収提案 

 

なお、Shire は2014年7月、2013年初めに米Abbott Laboratoriesからスピンオフして誕生したAbbVie Inc. に買収されることで合意したが、AbbVie は2014年10月15日、Shire Pharmaceuticals 買収を撤回すると発表した。

米政府が9月22日に節税目的の本社移転の抑制を狙った新規則を発表したため、国外に会社を設立することを含む買収効果が不透明になったと判断したもの。
AbbVie による買収案の撤回により、Shire は違約金16億ドルを受け取った。

2014/10/20 買収・合併による節税目的の海外移転禁止の動き強まる

 


2018/4/2 中国、対米報復関税を発動 

中国国務院は4月1日、米国が通商拡大法232条に基づき、中国産の鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限したことへの対抗措置として、米国産の豚肉やワインなど計128品目に最大25%の関税を上乗せすると発表した。
4月2日から実施した。

 

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明、3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。

鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税をかける。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

2018/3/9   トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

これに対し、中国は報復策を発表した。

商務部は3月23日、米国から輸入するワインやドライフルーツ、豚肉などを対象に最高25%の関税を上乗せする準備をしていると発表した。対象は米国の2017年の輸出額で約30億ドル分。

鉄鋼・アルミの輸入制限の撤回や中国側が受けた損失の補償を求めて交渉し、まとまらなければ先ず、ワイン、果物、ナッツ、継目なし鋼管など120品目(輸入額10億ドル)を対象に15%を上乗せする。

その後もさらに交渉を続け、決裂すれば、豚肉、アルミニウムのスクラップなど8品目(輸入額20億ドル)を対象に25%を上乗せする。交渉期限は明らかにしていない。

この措置は、緊急輸入制限(セーフガード)への対抗措置として、WTO協定でも認められている。


鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は米東部時間3月23日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動された。同時刻以降に米国に輸入された製品から追加関税を徴収する。

ホワイトハウスはカナダ、ブラジル、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国への関税を5月1日まで猶予する方針を示した。

2018/3/26    米国、鉄鋼とアルミの輸入制限を発動

今回の中国の措置は、3月23日発表の措置の通りで、当時は2段階での関税上乗せとしていたが、交渉がまとまらなかったため、一挙に実施する。

果物など120品目(2017年の輸入額は計10億ドル)に15%、豚肉とアルミスクラップの8品目(輸入額20億ドル)に25%を上乗せする。

中国政府は、「我が国は多角的貿易体制を支持しており、米国への関税上乗せはWTOのルールを適用したもので、我が国の利益を守るものだ」と述べている。

具体的な対象品目は次の通り。

15%上乗せ 果実及びナット、果皮(関税番号 08 )  78項目

ナット、バナナ、いちじく・パイナップル・アボカドー、かんきつ類、ぶどう、パパイヤ・メロン、りんご・梨、あんず・さくらんぼ、冷凍果実・冷凍ナット、保存処理した果実・ナット等

葡萄酒(2204)5項目
変性アルコール(2207.20) 1項目
朝鮮人参(1211.2)3項目
鉄鋼製の管及び中空の形材 (73.04) 33項目
合計 120項目
25%上乗せ 豚肉(0203 & 0206)  7項目
アルミニウムスクラップ(7602)  1項目
合計 8項目

    詳細 http://gss.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201804/P020180401856022545193.xlsx

付記 

米国のウォルターズ大統領副報道官は4月2日、「中国は公正に輸出された米国製品を標的にするのではなく、自分たちの不公正な慣行をやめるべきだ。根本問題は、中国企業が政府から補助金を受け取り、鉄鋼などを過剰に生産していることだ」と述べた。
 


2018/4/3   ジャパンディスプレイ、550億円を調達 

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は3月30日、第三者割当増資などで約350億円 、資産売却で200億円、合計550億円を調達すると発表した。

第三者割当増資(海外機関投資家)  300億円  
第三者割当増資(日亜化学工業)  50億円  
能美工場の資産の産業革新機構への売却  200億円 産業革新機構はJOLEDに現物出資
合計 550億円  

調達した資金は、2018年度下期に見込まれている液晶ディスプレイモジュール 「Full Active」の需要増に対応するための運転資金及び「Full Active」の後工程製造(モジュール組立)の設備投資等に充当する。

「Full Active」はディスプレイ4辺のすべてを狭額縁化したもの。2017年6月から出荷が開始され、複数の大手中国メーカー等に採用されている。
Appleは次のiPhoneで有機ELの採用を2モデルに増やし、1モデルで液晶を残す方針で、この液晶には、JDIの新型液晶「Full Active」が採用される予定。

Appleの有機ELへの転換で、JDIの同社向け販売が無くなるのではと懸念されたが、残ることとなり、それへの対応を行う。

但し、Appleの液晶回帰は一時的なものであり、最終的には有機ELに全面転換すると思われる。
JDIとしては一刻も早く、有機ELの体制をつくる必要があるが、膨大な資金が必要であり、単独での生き残りは難しい。

山形大学の城戸淳二教授の「大学教授のぶっちゃけ話」(2016/9/12)は「日本の有機ELディスプレイ」で次のように述べている。

間違いなく、確実に、100%の確率で、JDIのお客さんである中国のセットメーカーは3年後には自国パネルメーカーからのパネル調達になるでしょうし、JDIにとって最大の大口顧客のアップルも、液晶から有機ELに舵を切ることから、JDIの客は一気になくなることが予想されます。
 
ですから、JDIが生き残るためには、一刻も早く有機ELの生産に取り掛からなければならず、それができないと5年後には会社の存続すら難しいでしょう。

付記  JDIは6月26日、下記を発表した。

・ 2017年2月停止の能美工場(印刷方式OLEDの量産用に7月1日付でJOLEDに売却される)を産業革新機構に200億円で譲渡

・ 産業革新機構に割り当てた新株予約権付社債のうち200億円(印刷方式OLED向け資金を調達することを目的)を買入消却

・ FULL ACTIVEの出荷拡大に向けて増加する運転資金を使途として産業革新機構から200億円の借入調達を行う。

・ JOLEDと資本業務提携の基本契約を締結

JOLEDが発行する種類株式のうち現時点でJDIが保有する全ての種類株式の普通株式への転換(議決権比率は一時的であるが、現在の15%から20%台に上昇)
決権比率を51%に引き上げることは予定せず。

JOLEDとの研究開発分野における協業及び知的財産権の取り扱い


能美工場を活用した生産技術支援等

ーーー

JDIは主力のスマートフォン向けの液晶パネルが振るわず、2017年3月期決算の純損益は317億円の赤字で、3年連続の赤字だった。2018年3月期も赤字となる。

2016年も資金難に陥り、産業革新機構から750億円の支援を受けたが、すでに底をついている。

昨年夏の段階で、取引銀行に融資を要請、主力銀行は総額1100億円規模の融資枠を設ける方向で最終的な調整に入った。筆頭株主(35.58%出資)の産業革新機構が債務保証する。

国内に6カ所ある生産工場の集約や早期退職者の募集を検討している。財務基盤の改善を急ぐと同時に、生産設備を入れ替えるなどして競争力を高める方針。

中国江蘇省にある工場や石川県能美市の能美工場の生産停止などを検討しており、能美工場の従業員は同県白山市の白山工場に配置転換する。

2017/8/4    ジャパンディスプレイ、1千億円融資要請

石川工場 東芝モバイル(松下電器)  
能美工場 東芝モバイル(東芝) 停止→譲渡
白山工場 ジャパンディスプレイとして新設   2016/12 稼働
鳥取工場 ソニーモバイル(鳥取三洋)  
東浦工場 ソニーモバイル  
茂原工場 日立ディスプレイズ  
深谷工場 東芝モバイル(東芝) 2016/4 閉鎖
一方で、主要顧客のAppleの有機ELシフトで顧客を失うことを恐れ、JDIは外部のスポンサー探しに奔走した。

Appleや、中国の・京東方科技集団、天馬微電子、華星などと交渉を重ねてきたが、まとまっていない。
台湾の鴻海精密工業も検討対象となったが、シャープを傘下に置くことがネックとなった。

しかし、Appleが次のiPhoneで1モデルで液晶を残す方針を決め、この液晶には、JDIの新型液晶「Full Active」が採用されることが決まり、方針を変更した。

液晶増産のための部材調達や生産設備導入に充てるため、今回の資金調達を決めた。

第三者割当増資で、液晶パネル向けの発光ダイオードを手掛ける日亜化学工業(中長期の保有を前提)から50億円と、迅速に多額の資金調達に応じることが可能な資金力を有する海外機関投資家15社から計300億円、合計350億円を調達する。

資本関係は次の通りとなる。

  当初 現状 増資後
産業革新機構  70% 35.58% 26.81%
ソニー 10% 1.78% 1.34%
東芝 10%
日立 10%
日亜化学   3.52%
海外機関投資家計   21.12%
うち Segantii Asia-Pacific Equity Multi-Strategy Fund 60億円     (4.22%)
Monashee Investment Management LLC 26.38億円     (1.86%)
Nezu Asia Capital Management Limited 21億円     (1.48%)
GSA QMS Master Fund Limited  20億円     (1.41%)
その他現行株主   62.64% 47.21%
合計 100% 100% 100%
 

合わせて、2017年12月に稼働を停止した能美工場の資産を産業革新機構に約200億円で譲渡する。

産業革新機構はこれを JOLEDに対し現物出資する。

JOLEDは2017年12月、生産拡大のため2018年3月末までに約1000億円の第三者割当増資を実施する方向で検討していると発表した。

約1000億円の3分の2をジャパンディスプレイの能美工場(石川県能美市)に投資し、生産規模を現在の10倍程度まで引き上げたい考え。残りは運転資金に充てる。

JDIは2016年12月にJOLEDへの出資比率を15%から51%に引き上げる計画を掲げていたが、中期経営戦略の見直しに伴い、実現していない。
今回、JDIはこの
方針を撤回した。

 

 

JOLEDは2017年12月、生産拡大のため2018年3月末までに約1000億円の第三者割当増資を実施する方向で検討していると発表した。

3月24日の記事で、デンソーなどからの500億円の増資を報じ、残る500億円増資後の出資比率を予想した。

2018/3/24 デンソー、JOLEDに300億円出資 

残る500億円のうち、産業革新機構が200億円を現物出資すると、(報道に基づくと)下記の通りとなる。

  現状 増資-1 増資-2 増資完了後
産業革新機構 75% 196億円   200億円 31.4% 396億円
ジャパンディスプレイ 15% 39億円     3.1% 39億円
Sony 5% 13億円 50億円   5.0% 63億円
Panasonic 5% 13億円 50億円   5.0% 63億円
デンソー     300億円   23.8% 300億円
住友化学     50億円   4.0% 50億円
SCREEN     50億円   4.0% 50億円
others(交渉中)       300億円 23.7% 300億円
合計   262億円 500億円 500億円   1262億円


 



2018/4/4 ソフトバンク、サウジで太陽光発電事業 

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長とサウジアラビアのMohammed Bin Salman 皇太子は、滞在先の米ニューヨークで3月27日夜に記者団と会見し、世界最大となる計200ギガワットの太陽光発電事業をサウジで始める 覚書に調印したことを明らかにした。太陽光パネルの工場も同国内に設けるといい、2030年までの総事業費は計2千億ドル(約21兆円)規模となる。

ソフトバンクがサウジ政府系ファンドなどと設立した10兆円規模のファンドSoftBank Vision Fund が資金を拠出、まず約50億ドルを投じ、2019年までに2つの太陽光発電所(計7.2GW)をつくるという。

パネルなどの発電設備の生産は、順次サウジ国内での生産に切り替える。

付記 2018/10/1

サウジアラビア政府は、ソフトバンクグループと計画していた投資総額2000億ドルに上る世界最大の太陽光発電事業を棚上げした。政府当局者が明らかにした。

サウジ政府当局者や政府アドバイザーによれば、現時点では誰もこの事業に積極的に取り組んでいない。サウジ政府は、より大規模で現実的な再生可能エネルギー計画を10月下旬に発表する予定だという。

付記 

ソフトバンクグループは10月2日、サウジ政府による計画棚上げ報道を否定、「進捗状況は想定通り」とのコメントを出した。
継続の背景にはユーラシア、アフリカ大陸を送電網でつなごうという孫正義会長兼社長の構想がある。

サウジではクリーンエネルギー計画はあったが、実際には2017年10月にジャウフ Sakakaでの300メガワットの工場建設のビッドを始めただけ。

2018年1月に締め切ったが、1番札のUAEのMasdarとフランスEDFのコンソーシアムは除外され、2番札のサウジのACWA Power と3番札の丸紅と他2社のコンソーシアムが残ったが、2月6日にACWAに決まった。
政府はこの計画に3億200万ドルを助成する。

今回の計画は200ギガワット(1ギガワットは1,000メガワット)で、計画されている最大のものの100倍、昨年の世界の供給量の2倍以上になる。

Bloomberg New Energy Financeによると、太陽光発電の世界の累積導入量は、2007年にはわずか9GWだったが、2017年末には400GWに拡大し、ついに太陽光発電が原子力発電(392GW)を追い抜いた。

計画ベースのものは下記の通り。

計画 能力 状況
サウジ SoftBank計画 200GW MOU
豪州 Solar Choice Bulli Creek 計画 2GW 発表
ギリシャ Helios計画 Phase 1 2GW 認可
米国 Capital Dynamics Nevada計画 1.3GW 建設中
UAE 丸紅, JinkoSolar, ADWEA Sweihan 計画* 1.18GW 建設中
中国 EverRich Energy Wuwei 計画 1GW 発表

* 丸紅 20%、JinkoSolar 30%、Abu Dhabi Water and Electricity Authority 50%

全てが完成すると、サウジの全発電量(2016年で77GW、2/3が天然ガス発電、残りは石油発電)の3倍となる。

孫正義会長兼社長によると、計画はパネルや設備の製造から発電までをカバーし、10万人の雇用を生み、電力コストを400億ドル節約する。同国のGDPも120億ドル増える効果があるという。

サウジは脱石油依存を進めており、Mohammed Bin Salman皇太子は「人類史にとって大きな一歩だ」と述べた。孫氏は「サウジには強い日光、広大な土地、優れたエンジニアと労働力、将来のビジョンのすべてがある」と語った。

 

サウジは同時に、今後25年で800億ドル以上を投じて、少なくとも16基の原子力発電所を建設する計画を持つ。

 



2018/4/5 USTR、通商法301条に基づく対中制裁関税案を発表、中国も対抗措置を発表 

USTRは4月3日、通商法301条に基づき、中国の知的財産の侵害に対して発動する制裁関税の原案を公表した。

トランプ大統領の中国の知財侵害に制裁関税を課すよう指示した大統領令に基づく。

2018/3/23  トランプ大統領、中国の知財侵害に制裁関税を指示

産業用ロボットなど生産機械を中心とした約1300品目に25%の関税を課す。米国の消費者への悪影響を抑えるためスマホや衣料品など輸入額の大きい消費財は除いた。

対象品目の2018年の想定輸入額は500億ドルで、中国からの輸入額の約1割に相当する。(2017年の輸入額は5065億ドル)

  全リスト https://ustr.gov/sites/default/files/files/Press/Releases/301FRN.pdf

5月15日まで企業など一般から意見を募ったうえで対象品目を確定し、トランプ大統領が発動の是非を決める。

主な対象製品は下記の通り。

材料 鉄、アルミ、化学品、医薬品
生産機械 産業用ロボット、旋盤、射出成型機、金型、製紙機械、縫製機械
航空宇宙・輸送機器 航空機、ヘリコプター、航空機部品、自動車、バイク、船舶
重工業 タービン、コンプレッサー、ブルドーザー、ショベルローダー
医療機器 医療機器
部品 モーター、ヒューズ、プリント基板
電化製品 食洗器、磁気メディア、光ディスク、LED


対象品目は産業機械や航空・宇宙など中国が重点投資する産業から選び、他の国から代わりに輸入できないような製品を除いた。

大型飛行機や通信衛星のように昨年米国への輸入のなかったものや、武器のように輸入がほとんどあり得ないものなど、200品目以上が対象に含まれている。

スマホやラップトップパソコン、衣服や靴、おもちゃなど輸入額が大きい消費財は除外した。

しかし、フラットパネルTV(2017年の輸入39億ドル) や3リッター以下の電気及びガソリン自動車(同14億ドル)は対象となった。中国で組み立てられ米国で販売されているGMのSUVのBuick Envision や吉利汽車のVolvoなどが対象となる。

ライトハイザーUSTR代表は「中国の輸出に最大限の損害を与える半面、米国の消費者への影響を最小限にする」とするが、米国の産業界では、中国の部品に依存するサプライチェーンに影響を与え、最終的に米国の消費者の購入価格が上がることとなるとしている。


トランプ政権は制裁関税の詳細を詰めるのと同時に、制裁回避を求める中国との交渉も進める。

米国は知財侵害対策に加えて、1000億ドルの貿易赤字の削減策を求めており、中国政府は天然ガスや半導体、自動車などの輸入増で応じる構えを示している。

別途、中国商務部は本年1月には、ハイテク製品の対中輸出を制限する米国の規制が米国の対中貿易赤字の原因になっているとの認識を示した。

2018/3/19 トランプ政権、貿易赤字解消に躍起、対中貿易赤字1000億ドル削減を要請 

米政権は通商交渉で納得できる合意に達した場合、関税発動を取りやめる考えを示唆している。

ーーー

米国が通商法301条に基づき関税25%をかける中国製品1300品目を公表したことを受け、中国商務省の報道官は4月4日、「米国のやり方は典型的な単独主義で貿易保護主義。中国は激しく責任を問い、断固として反対する」と表明。「米国の利益にも中国の利益にも世界の利益にもならない」と強調した。

そのうえで「米国のやり方はWTOの基本原則や精神に著しく違反しており、中国はWTOでの紛争解決手段に訴える」と表明した。

同時に中国対外貿易法に基づき、米国製品に同じ規模での報復措置を準備しており、近く発表するとした。

この発表の直後に、中国商務部は公告34号を出し、米国の違法な行動から中国の権利を守るため、中国の対外貿易法や国際法の基本原則に基づき、米国産の大豆やその他の農産物、自動車、化学品、飛行機など計106品目(2017年の輸入額は約500億ドル)に25%の関税をかける方針を発表した。

対象は、大豆、棉花、トウモロコシ、小麦、牛肉、たばこ、乗用車、試薬、ポリアミド、飛行機、その他。

全リスト http://images.mofcom.gov.cn/www/201804/20180404161059682.pdf

付記 
石油化学品では、
EDC、アクリロニトリル、LDPE、PVC、アクリル重合体、ポリアセテール以外のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、その他のポリエステル、ポリアミド、シリコーン、酢酸セルロースなどを含む。

SMやEGは含まれていない。

人民日報は追加関税の実施時期について、「米国の(制裁の)実施状況をみて、別に発表する」と伝えている。

中国では、以下の点から、大豆の輸入制限を切り札とみている。昨年の米国産大豆の輸入額は139億ドルに達する。

アメリカの大豆輸出依存度は高く、生産量の40%以上を輸出しており、その内の60%以上が中国市場向けである。アメリカの大豆生産の95%以上が中西部の農業生産地域にあり、このうち8つの農業州がトランプを大統領選で勝利に導いた重要な票田となった。もし、大豆輸出が制限されれば、これらの地域の経済は直接影響を受け、政治的に大きなダメージを受ける。

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米国は3月23日、通商拡大法232条に基づき、中国などに鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%の関税を課す輸入制限を発動した。

中国は対抗策として4月2日から、米国から輸入する豚肉やワイン、果物など128品目に報復関税を発動している。

2018/4/2 中国、対米報復関税を発動

 


2018/4/6 サウジ政府を被告とする9.11同時多発テロ訴訟、裁判開始へ 

New York のU.S. District Courtでの9.11同時多発テロの犠牲者遺族等がサウジアラビア政府に賠償金を求めている裁判で、サウジ政府は、サウジ当局の共謀の証拠はないとして訴えの却下を求めていた。

George Daniels判事は3月28日、サウジ政府のこの要求を却下した。

判事は、原告側の訴えは 2016年の「テロ支援者制裁法(Justice Against Sponsors of Terrorism Act =JASTA」の下で、この裁判所が 裁判を進めるための合理的根拠を、かろうじて明確にすることができた("narrowly articulate a reasonable basis" for him to proceed )と述べ、裁判の管轄権があるとして、裁判を進めることとした。

この訴訟は、サウジ政府が9.11攻撃を行ったハイジャッカーを事情を知りながら支援したとし、また、政府が関与する慈善団体の寄付によりal-Qaedaが勢力を高める原因となったとして、数十億ドルの賠償を求めている。

原告側の弁護士は、ワシントンのサウジ大使館の館員の数名が攻撃を実行したメンバーの支援をしていたとする証拠を提出した。

問題の慈善団体「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ援助のためのサウジアラビア最高委員会」は、1993年に サウジのSalman王子(第7代・現国王)により設立され、当時のFahd 国王(第5代)に支持された公益財団で 、2001年に解体されるまでにユーゴスラビア紛争の被害を受けたボスニアのイスラム教徒に対して6億ドルの支援を行ったとされている。
後にサラエヴォのアメリカ大使館への攻撃を企てたとしてグアンタナモ湾収容キャンプに拘留された6名のアルジェリア人のうちの2名がこの慈善団体に雇われていたことが分かっている。

更に、サウジの2つの銀行、National Commercial Bank とAl Rajhi Bank、および bin Laden一家が支配する建築会社Saudi Binladin Group も攻撃に資金面で支援したとして訴えている。

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米国には、テロリズム支援国以外には法的免除を与えた1976年の外国主権免責法(Foreign Sovereign Immunities ActFSIA)がある。

9.11同時テロではテロ実行犯19人のうち15人がサウジ国籍だった。

同時テロの遺族はサウジ政府を連邦裁判所に提訴したが、外国政府の免責特権を理由に審理されなかった。

このため、2016年に同時テロに関与した外国政府への損害賠償請求を可能にする法案「テロ支援者制裁法(Justice Against Sponsors of Terrorism Act (JASTA)が提出され、上院は5月17日に全会一致で、下院は9.11 直前の9月9日に賛成多数で可決した。

テロリストグループに関与した疑いのあるサウジアラビアおよびその他の国が、アメリカの裁判所で法的免除を行使することを禁じる内容で、1976年の外国主権免責法を超越する法案である。
Hillary Clinton とDonald Trump の両大統領候補もこれを支持した。

オバマ大統領は拒否権を発動したが、これを受け、米上下院は9月28日、上院は 97対1、下院は 348 対77 の賛成多数で再可決し、拒否権を覆して法案は成立した。

サウジのジュベイル外相は、裁判で多額の賠償を命じられて在米資産が接収されるのを防ぐためには米国債その他のドル建て資産を売却せざるを得なくなる、と米議会に警告した。法案が成立すれば、サウジは最大で7500億ドルのドル建て資産を手放すことを余儀なくされるという。

オバマ大統領は、これを「過ち」とし、海外にいる外交官や米兵などは今は国家主権による免責特権で守られているが、今回の法成立を受けて、彼らの行動について外国の市民が米国に法的責任を問うようになるかもしれないと指摘した。

CIA長官は、これにより最も失うのは米国であり、CIA が最大のリスクを負うと述べた。また、サウジはテロ攻撃を防ぐための情報を最も提供している国であり、この法律がテロ対策での米国との関係に悪影響を与えるのは"absolute shame"であると述べた。

国防長官も、外国が仕返しとして米国の免責特権を制限した場合の影響を警告し、アメリカ人が訴訟される可能性や、米軍基地を含めた在外の米国政府の資産へのリスクがあると述べた。

2016/10/1   米同時テロ遺族のサウジ提訴法案、大統領拒否権を覆し成立
 

今回のGeorge Daniels判事の判断は、このテロ支援者制裁法に基づき、「かろうじて」サウジ政府を被告とする裁判を続行するというものである。
サウジ政府の事件への関与があったかどうかは今後の裁判の進行による。

サウジ政府はこれまで、サウジ市民が攻撃に関与していたという証拠を原告側が証明できる筈がないと主張している。
しかし原告側弁護士は、今後の「Discovery手続」により証拠を開示させ、真実が明らかになり、サウジの役割を証明できるとしている。

サウジの2つの銀行とSaudi Binladin Group への訴えについては、判事は管轄権を持たないとして却下した。

慈善団体「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ援助のためのサウジアラビア最高委員会」についても、原告側の「連座での有罪」という主張を却下した。

ーーー

裁判はこれからで、紆余曲折が予想される。仮に有罪の可能性が出てきた場合、サウジ政府の対応が問題である。

テロ支援者制裁法の制定時のオバマ政権の懸念(米国の免責特権の制限)や、サウジによる米国債や在米資産の売却、ドル建て石油取引(PetroDollar体制)の変更など、影響は大きい。

PetroDollar体制:

1971年8月15日、ニクソン大統領は、ドルと金の交換を停止した。

ニクソンはキッシンジャーをサウジに派遣し、以下の交渉を行わせた。

 ・米はサウジを防衛する。どんな兵器も売る。サウジ王家を未来永劫に保護する。   
    ・見返りに
@サウジの石油販売を全てドル建てにする。Aサウジの貿易黒字で米国財務省証券を購入する。         
  
サウジはこれを受け入れ、1974年に調印された。
その後、OPECの他のメンバーもドル建て取引を採用し、ドルが世界通貨となった。

2015/8/10  “The Colder War”   


 


2018/4/6  朴前大統領に懲役24年の実刑判決

財閥グループからの収賄罪などに問われた韓国の朴槿恵前大統領(66)に対する判決公判が4月6日開かれ、ソウル中央地裁は懲役24年、罰金180億ウォン(約18億円)の実刑判決を言い渡した。

付記

朴槿恵前大統領は4月16日、控訴を放棄する書面を地裁に提出した。
検察は一審の一部の判決や量刑を不服として控訴しており、二審は行われる。

聯合ニュースは、朴氏が「政治報復の裁判」という主張を貫くため控訴を断念したとの見方を伝えた。

付記

朴槿恵前大統領の控訴審判決公判が8月24日、ソウル高裁であり、懲役25年、罰金200億ウォンを言い渡した。

検察は朴被告がサムスングループの経営権継承を支援する見返りにサムスンから433億ウォンの賄賂を受け取ったなどとして、懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑していた。

高裁はサムスンが朴被告の共犯である崔順実被告の娘が乗馬選手として活動する費用を提供したことを一審判決どおり朴被告の収賄と認め、崔被告が関わった組織への資金支援も新たに収賄と判断。一審より量刑を重くした。

同高裁は崔被告にも懲役20年、罰金200億ウォンを言い渡した。一審判決より罰金が20億ウォン増えた。

 

大統領経験者で有罪判決を受けたのは、全斗煥、盧泰愚両氏に続き3人目。

全斗煥:光州事件や不正蓄財疑惑で訴追されて死刑判決を受けたが、金大中の計らいで、減刑の後、特赦。

盧泰愚:大統領在任中に総額2000億ウォンを超える巨額の収賄をしていた疑いで起訴され、さらに1979年12月の粛軍クーデター(軍反乱罪)から1980年5月の光州事件(内乱罪)に至る一連の責任者として追起訴された。最終的に懲役17年、収賄罪に対しては追徴金2629億ウォンが確定した。その後、特別赦免により釈放。

起訴状などによると、
・ 朴被告は親友の崔順実被告と共謀し、財閥企業などに対し、事実上崔被告が私物化していた財団に約774億ウォンの拠出を強要した。
・ サムスン電子副会長の李在鎔被告がサムスングループの経営権継承に絡み財団などに拠出することを約束した約433億ウォンの一部を賄賂として受け取った。
・ 韓国ロッテグループの重光昭夫(辛東彬)会長からも免税店事業認可に絡み、約70億ウォンの賄賂を受けた。
・ さらに、崔被告と共に民間企業の人事に介入した職権乱用や公務上機密漏えい、前政権に批判的な文化人らをまとめた「ブラックリスト」の作成などに関わったなど合計18の事件で罪に問われた。

2月27日のソウル中央地裁での論告求刑公判で、検察側は懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑した。

検察側は一連の事件について、共謀関係とされる親友の崔順実に国政運営を預け、「憲政秩序を損ない、国家の信頼を傷つけ、国内に混乱と分裂を招いた」と指摘。また、「反省と謝罪の意思がなく、国政介入の責任を全面的に崔被告や側近に押し付けている」と厳しく批判した。

判決は次の通り。(共謀関係とされる崔順実被告は2月13日の判決)

共謀関係とされる崔順実被告は懲役25年、罰金1185億ウォンを求刑され、2月13日 の1審で懲役20年、罰金180億ウォンの実刑判決を言い渡された。

2018/2/13 朴前大統領親友に懲役20年、ロッテ重光会長も実刑 

贈賄罪側のサムスン電子副会長の李在鎔被告は、2017年8月の一審では5つの起訴事実すべてが有罪で懲役5年の実刑判決を受けたが、ソウル高裁は2018年2月5日、地裁判決を破棄し、新たに懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。李被告は約1年ぶりに釈放された。

2018/2/5 サムスントップ釈放

免税店事業認可に絡み、朴被告の要請で「Kスポーツ財団」に70億ウォンを賄賂として提供したとして贈賄罪で在宅起訴された韓国ロッテグループの重光昭夫(辛東彬)会長に対しては懲役2年6月の実刑判決を言い渡した。実刑判決で身柄を拘束されたため、グループの経営に支障が出る懸念もある。

会長はロッテグループの企業内の不正事件で懲役1年8カ月、執行猶予2年の判決を受けており、今回の有罪で執行猶予が無効となり、懲役は合計4年2か月となる。



2018/4/7  トランプ大統領、メキシコ国境警備へ州兵部隊派遣へ

4月に入り、トランプ大統領は不法移民問題でツイッターを連発している。

本年も、「キャラバン」と呼ばれるホンジュラス出身者を中心とする約1500人の移民の一団が、貧困や暴力問題など、本国で置かれた窮状を訴えるため、メキシコ南部からデモ行進を開始した。

キャラバンによるデモ行進は2010年以降、定期的に開催されていたが、主催者は今年のキャラバンの規模、そして注目度の高さに驚いている。
(最初のキャラバンは2010年、米テキサス州と国境を接するメキシコ・タマウリパス州で中米からの不法移民70人以上が麻薬カルテル「セタス」に誘拐、殺害されたことを受けて開催された。)

その多くは、米国までたどり着き、新しい人生を始めたいと語るが、トランプ米大統領がほぼ毎日のように、キャラバン批判を展開するなか、米国との国境から数百マイル離れた小さなメキシコ南部の集落で、大部分が歩みを止めた。

メキシコ当局者は不法移民は認めていない。大半のキャラバン移民に対し、期間20日のメキシコ通過ビザか、メキシコで難民申請するための期間30日の人道ビザを提供している。

トランプ大統領のツイッターでの発言要旨は下記の通り。

 ・ メキシコは不法移民が米国に入らないよう対策を取れ。さもないと、NAFTAをやめる。

 ・ 米議会はなんとしても、早く、国境法を通せ、さもなければ、国境の壁を作れ。

 ・ DACAは悪用されている。DACAはもうおしまいだ。

トランプ米大統領は4月3日、不法移民の流入を阻止するため、メキシコとの国境に米軍を派遣する考えを示した。「壁と適切な警備が実現するまで、軍で国境を守る」と述べ、マティス国防長官と協議を進めていることを明らかにした。4月4日にメキシコ国境の警備に州兵部隊を動員するよう国土安全保障省と国防総省に指示する文書に署名 した。

ツイッター:

   米国の国境法はメキシコやカナダと違って弱い。民主党が不法移民を入れている。犯罪だ! 本日、強力なアクションをする。

Our Border Laws are very weak while those of Mexico & Canada are very strong. Congress must change these Obama era, and other, laws NOW!
The Democrats stand in our way - they want people to pour into our country unchecked....CRIME!

We will be taking strong action today.

なお、キャラバンは動きを止めたが、トランプ大統領はメキシコ政府に感謝した。トランプ政権の努力の結果、不法入国が46年ぶりの低水準だと誇るが、まだまだだとする。

The Caravan is largely broken up thanks to the strong immigration laws of Mexico and their willingness to use them so as not to cause a giant scene at our Border.

Because of the Trump Administrations actions, Border crossings are at a still UNACCEPTABLE 46 year low. Stop drugs!

ーーー

トランプ米大統領は4月1日、中米からメキシコを通って米国に向かう不法移民に関して「メキシコは何の対策も取っていない」とツイッターで批判した。
「メキシコは人と薬物の大きな流入を食いとめるべきだ。さもなければ彼らのドル箱(cash cow)である北米自由貿易協定(NAFTA)をやめる」と貿易協定の離脱をちらつかせて圧力をかけた。

Mexico is doing very little, if not NOTHING, at stopping people from flowing into Mexico through their Southern Border, and then into the U.S.
They laugh at our dumb immigration laws. They must stop the big drug and people flows, or I will stop their cash cow, NAFTA. NEED WALL!

その後も、メキシコはNAFTAで儲けているので、米議会が対応するまでの間、その金を使って不法移民がメキシコを通って米国に入るのを止めてくれと述べた。

Mexico is making a fortune on NAFTA...They have very strong border laws - ours are pathetic.
With all of the money they make from the U.S., hopefully they will stop people from coming through their country and into ours, at least until Congress changes our immigration laws!

トランプ大統領は野党・民主党にも批判の矛先を向けた。「国境で捕まえた不法移民を釈放する (Catch & Release)ような(民主党の)ばかげた法律のせいで国境警備の職員が正しい仕事をできない」と主張。幼少期に親と不法入国した若者の強制送還を猶予する制度「DACA」 が悪用されているとした。

Border Patrol Agents are not allowed to properly do their job at the Border because of ridiculous liberal (Democrat) laws like Catch & Release.

These big flows of people are all trying to take advantage of DACA . They want in on the act! 

「DACA」について は、民主党が熱心でないため(メキシコとの壁との交換条件に乗らなかった)もう終わりだとし、壁をつくるべきだとする。
民主党は壁を拒否するので、麻薬と犯罪が入ってくるとする。

DACA is dead because the Democrats didn’t care or act, and now everyone wants to get onto the DACA bandwagon... No longer works. Must build Wall and secure our borders with proper Border legislation. Democrats want No Borders, hence drugs and crime!

大統領は4月2日、「キャラバン」が米国境を目指していることに怒りを表明し、メキシコ政府や米議会を激しく非難した。

大統領はメキシコに対し、きちんと機能しているメキシコの国境法を使って、キャラバンがメキシコに入るのを止めろと述べる。

Mexico has the absolute power not to let these large “Caravans” of people enter their country. They must stop them at their Northern Border, which they can do because their border laws work, not allow them to pass through into our country, which has no effective border laws.....

一方、議会には、麻薬と不法移民を止めるため、必要なら上院のフィリバスターを無視する核オプション(Nuclear Option) を使ってでも国境法を成立させろとする。

ホンジュラスやメキシコや他の国々は、米国が彼らに寛大であるのに、米国の弱い移民政策を利用して人を送り込んでくる。キャラバンがやってくる。厳しい法をつくり、壁を作るべきだ。

ホンジュラスからのキャラバンは国境に向かっている。キャラバンが到着する前に止めるべきだ。NAFTAはメキシコのドル箱だし、ホンジュラスや他の国々には支援をしているのに。議会よ、すぐ動け!

米国の法は不法移民を送り返すこともできない。メキシコやカナダは厳しい国境法を持つのに、米国の法はオバマ大統領のジョークだ(Obama joke)とし、議会に動け!と述べた。

Congress must immediately pass Border Legislation, use Nuclear Option if necessary, to stop the massive inflow of Drugs and People. Border Patrol Agents (and ICE) are GREAT, but the weak Dem laws don’t allow them to do their job. Act now Congress, our country is being stolen!

Honduras, Mexico and many other countries that the U.S. is very generous to, sends many of their people to our country through our WEAK IMMIGRATION POLICIES. Caravans are heading here. Must pass tough laws and build the WALL. Democrats allow open borders, drugs and crime!

The big Caravan of People from Honduras, now coming across Mexico and heading to our “Weak Laws” Border, had better be stopped before it gets there. Cash cow NAFTA is in play, as is foreign aid to Honduras and the countries that allow this to happen. Congress MUST ACT NOW!

WE WILL PROTECT OUR SOUTHERN BORDER!

As ridiculous as it sounds, the laws of our country do not easily allow us to send those crossing our Southern Border back where they came from. A whole big wasted procedure must take place. Mexico & Canada have tough immigration laws, whereas ours are an Obama joke. ACT CONGRESS

2018/4/7  米、対中制裁追加を検討  

トランプ米大統領は4月5日、中国による知的財産権侵害を問題にした制裁措置を巡り、中国が500億ドル規模の米国製品を対象とする報復関税を表明したのを受け、新たに1000億ドル規模の中国製品を対象にした追加関税を検討する方針を表明した。表明済みの500億ドル分と合わせると計1500億ドルに膨らむ。

声明で「中国は自らの不正を正すのではなく、報復関税で米国の農業や製造業に損害を与える道を選んだ」と批判した。

これに対し、中国商務部の報道官は4月6日、下記の内容の声明を発表した。

米国が単独主義と保護貿易主義を堅持するならば、中国は最後まで付き合う。いかなる代償も惜しくないし、必ず反撃する 。
我々は貿易戦争をやりたくないが、怖がってもいない。必ず総合的な対応策を取り、国家と人民の利益を断固守る。

今回の米中貿易摩擦は米国側が一方的に起こしたもので、本質的には米国の単独主義による多角的貿易体制への挑戦、米国の保護主義による自由貿易体制への挑戦だ。
中国は多角的貿易体制を擁護し、世界の貿易投資の自由化と利便性向上を推進する。

今回の米国の500億ドルの制裁関税、それに対する中国の同額の報復関税については、いずれも実施時期を明らかにしておらず、米中双方が妥協案を探る交渉が本格化するとの期待感もあった が、トランプ大統領が制裁規模の拡大検討を表明したことで、交渉の行方は不透明感が増す形になった。

付記

トランプ大統領は追加関税を表明しながら、他方では紛争解決に意欲を示した。

4月8日にツイッターに投稿した。「習近平主席とはいつも友人だ。中国は貿易障壁を下げるだろう。」

President Xi and I will always be friends, no matter what happens with our dispute on trade.
China will take down its Trade Barriers because it is the right thing to do.

Taxes will become Reciprocal & a deal will be made on Intellectual Property.
Great future for both countries!

 

米中の制裁、報復の経緯は次の通り。

(1962年通商拡大法232条)

 米国

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明、3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。

鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税をかける。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

2018/3/9   トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

 中国

中国国務院は4月1日、米国が通商拡大法232条に基づき、中国産の鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限したことへの対抗措置として、米国産の豚肉やワインなど計128品目に最大25%の関税を上乗せすると発表した。4月2日から実施した。

15%上乗せ 120項目 10億ドル
25%上乗せ  8項目 20億ドル

2018/4/2 中国、対米報復関税を発動

通商法301条

 米国

USTRは4月3日、中国の知的財産の侵害に対して発動する制裁関税の原案を公表した。

産業用ロボットなど生産機械を中心とした約1300品目に25%の関税を課す。米国の消費者への悪影響を抑えるためスマホや衣料品など輸入額の大きい消費財は除いた。

対象品目の2018年の想定輸入額は500億ドルで、中国からの輸入額の約1割に相当する。(2017年の輸入額は5065億ドル)

 中国

中国商務部は4月4日、公告34号を出し、米国の違法な行動から中国の権利を守るため、中国の対外貿易法や国際法の基本原則に基づき、米国産の大豆やその他の農産物、自動車、化学品、飛行機など計106品目(2017年の輸入額は約500億ドル)に25%の関税をかける方針を発表した。

対象は、大豆、棉花、トウモロコシ、小麦、牛肉、たばこ、乗用車、試薬、ポリアミド、飛行機、その他。
石油化学品では、EDC、アクリロニトリル、LDPE、PVC(310千トン)、アクリル重合体、ポリアセテール以外のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、その他のポリエステル、ポリアミド、シリコーン、酢酸セルロースなどを含む。

2018/4/5 USTR、通商法301条に基づく対中制裁関税案を発表、中国も対抗措置を発表

 米国

トランプ米大統領は4月5日、中国による知的財産権侵害を問題にした制裁措置を巡り、新たに1000億ドル規模の中国製品を対象にした追加関税を検討する方針を表明

 中国

中国商務部はこれに対し、下記の声明

「米国が単独主義と保護貿易主義を堅持するならば、中国は最後まで付き合う。いかなる代償も惜しくないし、必ず反撃する」

 

 

2018/4/9 米EPA、燃費規制見直し表明 


2018/4/10  ソフトバンク、カナダのリチウム事業に参加 

ソフトバンクグループは4月6日、カナダでリチウムの採掘および精錬を行うNemaska Lithium Inc.(本社 ケベック州)の全発行済株式の最大9.9%を出資する契約を締結したと発表した。

Nemaskaは、リチア輝石の採掘から高純度の水酸化リチウムと炭酸リチウム製品化まで垂直統合した事業を行う企業で、製品化されたリチウム塩は主に、世界的なEVと蓄電池の需要増加により急成長するリチウムイオンバッテリー市場へ提供される。

Nemaskaは、量、グレードともに世界で最も豊富なリチウム原石であるリチア輝石の可採掘埋蔵量を有するカナダ・ケベック州のWhabouchiで事業を開始する予定。

Whabouchi 鉱山で集中的に採掘されるリチア輝石は、Nemaskaが特許技術を有する独自の膜電解処理を行うケベック州のShawinganの施設で精錬される。

採鉱から選鉱、精錬による製品化工程を経た高純度の水酸化リチウムおよび炭酸リチウムの商業生産開始を、2020年後半に予定している。


Whabouchi の可採掘埋蔵量は約33年、精錬プロセスを経てShawinganで製造される年間リチウム生産量は3.3万トン以上と見込まれている。

ソフトバンクグループが Nemaskaの発行済み株式を少なくとも5%以上保有する限り、毎年の年間生産量のうち、最大20%を長期間にわたり購入する権利を有することになる。

付記

Nemaskaは7月初め、LG Chemとの間で、年間7000トンのlithium hydroxide の5年間の Take or Pay 契約を締結した。

 

ソフトバンクグループの本取引は、情報通信事業におけるスマートフォンの継続的な需要増加や、今後見込まれる電気自動車時代のモビリティー革命到来に向けて、リチウム資源の開発を通じてバッテリー市場の成長に貢献することを目的としている。

孫 正義 会長兼社長は、「Nemaskaへの出資は、当社グループの戦略上、極めて重要な一手です。テクノロジーとエネルギーの融合により、IoTやEV時代のモビリティー革命をさらに推し進めていけることを大変うれしく思います」と述べた。

 

付記

Nemaska Lithium Inc.は2019年12月23日、ケベック州高等裁判所に日本の会社更生法に相当する企業債権者調整法(Companies' Creditors Arrangement Act :CCAA)の適用を申請すると発表した。

ネマスカも2019年に入り資金繰りが急速に悪化。ケベック州内で進めていた採掘・製錬場の新規開発案件などが暗礁に乗り上げていた。CCAAの申請により、債権者保護を取り付けた上で追加資金の調達を進め、事業再建を目指す。資産売却や合弁化の可能性も検討するとしている。

リチウム価格は2015年冬から17年冬にかけて上昇。相場の指標となる炭酸リチウムの中国国内の価格は2018年4〜5月時点で1トン14万8500元前後と高値圏で推移していた時に、ソフトバンクGは出資を決めた。

だが足元の価格は5万1000元前後と、直近のピークである17年11月の17万1000元前後から70%安く、15年10月以来の低水準に沈む。ネマスカは19年に入り資金繰りが急速に悪化した。

各地で開発計画が相次ぎ立ち上がり、2018年の世界生産量は8万4700トンと24%増えた。消費は20%増の4万7600トンにとどまり供給過剰。


2018/4/11   サウジで高機能化学品プラント 相次ぎ生産開始 

サウジで、高機能化学品プラントが相次ぎ生産を開始した。

1)  PetroRabigh(SaudiAramco / 住友化学): m-MMA、p-MMA、ナイロン6、EPDM

PetroRabighは1月7日、建設中の第二期計画の12計画のうち、次の10計画がオンスペックとなったと発表した。

キュメン、フェノール、MTBE / イソブチレン、メタセシス(C4→C3)、ナフサ改質、
m-MMA、p-MMA、LDPE、TPO、ナイロン6

2018/1/10  PetroRabigh 第2期の完工間近

同社は3月28日、残る芳香族とEPDM もオンスペックとなったと発表した。これで第二期計画がすべてスタートした。

なお、下図のアクリル酸以降の製品についても検討している。

なお、Lanxess とSaudi Aramco の合成ゴムのJV ARLANXEOは2月5日、PetroRabighのEPDMを販売すると発表した。

同社のブランド“Keltan”に  Kingdom of Saudi Arabiaを示す "KSA"を付け、“Keltan KSA”のブランドで全世界で販売する。

ARLANXEO は2016年4月1日に発足した。

2015/9/28   LANXESS、合成ゴム事業をSaudi Aramco とのJV化


2)  The Saudi Methacrylates Company (SABIC / 三菱ケミカル):m-MMA、p-MMA

三菱ケミカルは4月4日、同社とSABICのJVのThe Saudi Methacrylates Company が4月2日から「新エチレン法(アルファ法)」を用いた世界最大規模の m-MMAとp-MMAの本格運転を開始したと発表した。

三菱レイヨンは2011年5月31日、SABICとの間で合弁会社設立を目的とする契約を締結することで合意したと発表した。 

本プロジェクトは当初、Saudi International Petrochemical Company (Sipchem) がJubailでの第三期として計画していたもので、エチレン100万トンと、PE、PP、m-MMA 25万トン(Lucite法)、ANM 20万トン(Ineos法)を考えていた。

その後2008年6月に、同社はエチレン、PE、PP計画を取り止めた。

2009年5月に、SABICとSipchem は、それぞれの新計画の実施に当たり、互いに既存の余剰能力を出して協力する覚書に締結した。

2009/5/11  サウジのSABICとSipchem、新プロジェクトで相互協力の覚書

MMA計画はSABICと三菱レイヨン(当時)、ANMはSABICと旭化成で実施することとなった。

2009/8/7 三菱レイヨン、サウジでMMA 

2011/4/28  旭化成、サウジでのアクリロニトリル事業化のため合弁会社設立 

なお、三菱レイヨンは2008年11月、世界最大手のMMAメーカー Lucite の発行済み株式の全てを取得し、連結子会社化するための株式売買契約を締結すると発表した。

2008/11/14 三菱レイヨン、Lucite を買収

 

2014年6月9日、The Saudi Methacrylates Companyが設立された。

 場所 :Al-Jubail
 出資者:
三菱レイヨン 50% (三菱レイヨン100%の日本サウディメタクレート合同会社を通じて出資)
     SABIC     50% 

 能力 :m-MMA  25万トン 
アルファ法
     p-MMA     4万トン

三菱化学、三菱レイヨン及び三菱樹脂の3社は2017年4月1日に統合した。

 

3) National Methanol Company (Ibn Sina) : ポリアセタール(POM)

中東及びアフリカ地区で最初のポリアセタール(POM) の年産5万トンプラントの生産開始を祝う式典が4月5日にJubail のNational Methanol Company (Ibn Sina)のサイトで開かれた。

IBN SINAは1981年にSABICが50%、CTE 50%で設立された。

CTEはCelanese A.G. 子会社のElwood Insurance とPanEnergy子会社Texas Eastern Transmission の均等出資であったが、PanEnergyはDuke Energyに吸収合併され、その後、Celaneseが50%、Duke Energyが50%となった。(POM完成後はCelanese 65%、Duke Energyが35%となる予定)

当初、メタノール 90万トン、MTBE 70万トンを建設、1985年に生産を開始した。現在のメタノール能力は110万トン。

SABICとCelaneseは2010年4月1日、サウジのJubail Industrial City のNational Methanol Co. (IBN SINA)で年産5万トンのポリアセタール(POM)を建設する契約を締結したと発表した。

SABICは2020年にglobal leader になるという2020 Strategic Plan を持っているが、POM事業は機能性化学品でSABICの位置を高めるというStrategic Planの重要な部分であり、また、自動車や先端産業に進出する契機にもなるとしている。

2010/4/7 SABIC、ポリアセタールに進出


2018/4/12   韓国の検察、李明博元大統領を起訴

韓国の検察は4月9日、元大統領の李明博容疑者を、総額約110億ウォン(約11億円)の賄賂を受け取るなどしたとして収賄や横領、職権乱用などの罪で起訴した。

韓国で大統領経験者が退任後に起訴されるのは全斗煥、盧泰愚と4月6日に実刑判決を受けた朴槿恵各氏に次いで4人目。初公判は5月にも開かれる見通し。

2018/4/6 朴前大統領に懲役24年の実刑判決

李容疑者は3月22日に逮捕されて以来、取り調べを拒否していたが、4月9日の声明で「検察は李明博政府がしたことは悪であり、積もり積もった弊害とみなした。文在寅政権の当初から『李明博が目標だ』という言葉は聞いていた」と、一連の捜査は「政治報復」であると主張した。
 

検察は特定犯罪加重処罰等に関する法律上の収賄、脱税と、特定経済犯罪加重処罰等に関する法律上の横領、職権乱用、政治資金法違反、さらに大統領記録物管理法違反など 計16の罪状で起訴した。

・ 大統領就任前から自身が所有する自動車部品会社 DAS を秘密資金づくりに利用し、総額約349億ウォンを横領
、法人税31億ウォンを脱税
・ DASの米国での訴訟費用(後記)約67億7千万ウォンを韓国最大の財閥サムスングループに負担させ、見返りに不正資金事件で背任罪が確定していた李健熙会長を特別赦免するなどの便宜を図った。
国家情報院の資金10億ウォンの上納を受けたり、公認献金などとして36億ウォンを受けて不法選挙資金・家族の生活費などとして私的に使ったことなど、収賄額は計約111億ウォン。

サムスンの李前会長は2009年8月、背任と脱税の罪で懲役3年・執行猶予5年が確定した。
しかし、政府は同年12月29日の閣議で特別赦免を決めた。李明博大統領は、「国家的な観点から赦免を決心することになった」と述べた。2018年に冬季オリンピックを江原道・平昌に招致するには、李前会長が IOC委員として活動することが欠かせないとする強い要望があったことを理由とした。

付記 横領や収賄罪などに問われている李明博元大統領の判決公判が10月5日、ソウル中央地裁であった。地裁は懲役15年、罰金130億ウォン(約13億円)を言い渡した。


DASの米国での訴訟は次の通り。

2001年に投資運用会社BBKの株価操作事件が発生した。

2007年に、この事件に李明博大統領候補(当時)がかかわっていた疑惑で検察が調査したが、嫌疑なしとなった。
2007年12月に李明博が大統領選挙で当選した。

BBKのキム元代表はBBKの後継会社のオプショナルベンチャーズの金を横領し、米国に逃亡した。

自動車部品会社DASは株価操作で被害を受けたとして、米国に逃亡したキム元代表を相手に8年間にわたって訴訟を行い、2011年2月に140億ウォンを取り戻した。
DASには李明博の甥が役員に入っている。

李元大統領はその過程において、大統領府や外交部を利用しDASを支援したとして職権乱用の疑いが持たれている。


2017年10月に、BBK株価操作事件の被害者であるオプショナルの代表が李元大統領を職権乱用容疑で告発し、検察が本格捜査に乗り出した。

ソウル中央地検は2018年2月8日、ソウルにあるサムスン社屋と同社の元副会長の自宅を家宅捜索した。
検察はDASの投資金返還訴訟の費用を、サムスンが肩代わりしたとの情報を得たとされる。
サムスンとDASに特別な利害関係はない。

 


2018/4/13 UAEの国営アブダビ石油会社、陸上及び海上鉱区を国際入札 

アラブ首長国連邦(UAE)のAbu Dhabi National Oil Company (ADNOC) は4月10日、陸上の4鉱区、海上の2鉱区の合計3万平方キロという大規模な石油・ガス鉱区の開発・生産を国際競争入札にかける と発表した。

UAEの大臣でADNOCのCEOの Dr Sultan Ahmed Al Jaber は、「入札を通じてわれわれが持つ資源の潜在力を最大限に発揮し、新しい商業機会を開拓する」と狙いを語った。

ロンドン、ヒューストン、香港で順次、投資企業向けの説明会を開き、10月に応募を締め切る。欧米石油メジャーのほか、中国の国営会社などが関心を示すとみられる。

対象となるのは、海上のADMA鉱区の西側の2鉱区と、陸上のADCO鉱区を取り巻く4鉱区の合計6鉱区。ADNOC幹部は、現段階でガスや石油の埋蔵量を推計するのは難しいが「数十億バレルの石油があると見込まれる」と話した。

海上のADMA鉱区については当初の権益が相次いで期限が来たため、これまでにほとんどの鉱区で40年間の契約を新たに締結した。

国際石油開発帝石は下記の権益を確保した。

下部ザクム油田 12%→10%
上部ザクム油田 12%
ウムアダルク油田 12%→40%
サター油田(SARB) 40%

最新状況 2018/3/23 中国石油天然気集団、アブダビ沖合のADMA鉱区の権益取得 

陸上のADCO鉱区では、ADNOCの出資比率は1974年に60%となったが、他のメンバーは以下の通りであった。

BP、Shell、Exxon Mobil、Total  各9.5%、計38%
PortugalのPatex Oil and Gas 2%

これらは2014年1月に期限が到来し、新しく契約を締結した。

先ず2015年1月1日付けでフランスのTotal が10%の権益を取得した。

国際石油開発帝石(INPEXは2015年4月27日、ジャパン石油開発(JODCO)がアブダビ首長国の陸上のADCO鉱区の5%の参加権益を取得し2015年1月1日からの40年間を契約期間とする利権契約を同国政府及びアブダビ国営石油会社(ADNOC)と締結したと発表した。

2015/4/29  国際石油開発帝石、アブダビ首長国の陸上ADCO鉱区の権益取得

2017年2月にCNPCは8%の権益を取得した。

最終の権益比率は次の通り。

ADNOC 60%
otal、BP 各10%、CNPC 8%、
ジャパン石油開発 5%、中國華信能源(CEFC China Energy:中国の新興エネルギー企業) 4%、韓国 GS Energy 3%

 


2018/4/13 習主席、市場開放拡大を強調 

中国の習近平国家主席は4月10日、中国海南省で開催中の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで演説し、銀行から自動車製造まで多岐にわたるセクターを開放すると明言した。
中国が「開放の新たな段階」に入るとし、輸入拡大や製造業の外資保有制限緩和、知的財産権保護の強化を表明した。

「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」と語った。

習主席演説のポイント

・年末までに金融セクターを一段と開放
・自動車メーカーの外資保有上限を引き下げ
・自動車輸入関税を引き下げ  
・知的財産権保護を強化
・世界貿易機関(WTO)政府調達協定への参加プロセス加速を支援
・輸入拡大を促進する年1回のイベントを計画

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中国と米国の間では、米国の1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼とアルミの関税、通商法301条に基づく米国による中国の知的財産の侵害に対して発動する制裁関税に対し、中国が報復関税を表明している。

トランプ米大統領は4月5日、中国による知的財産権侵害を問題にした制裁措置を巡り、中国が500億ドル規模の米国製品を対象とする報復関税を表明したのを受け、新たに1000億ドル規模の中国製品を対象にした追加関税を検討する方針を表明した。表明済みの500億ドル分と合わせると計1500億ドルに膨らむ。

これに対し、中国商務部の報道官は4月6日、中国は最後まで付き合う。いかなる代償も惜しくないし、必ず反撃するとの声明を発表した。

今回の米国の500億ドルの制裁関税、それに対する中国の同額の報復関税については、いずれも実施時期を明らかにしておらず、米中双方が妥協案を探る交渉が本格化するとの期待感もあったが、トランプ大統領が制裁規模の拡大検討を表明したことで、交渉の行方は不透明感が増す形になった。

2018/4/7  米、対中制裁追加を検討

トランプ大統領は追加関税を表明しながら、他方では紛争解決に意欲を示した。

4月8日にツイッターに投稿した。「習近平主席とはいつも友人だ。中国は貿易障壁を下げるだろう。」

President Xi and I will always be friends, no matter what happens with our dispute on trade.
China will take down its Trade Barriers because it is the right thing to do.

Taxes will become Reciprocal & a deal will be made on Intellectual Property.
Great future for both countries!

トランプ米大統領は、中国の習近平主席が市場開放の方針を示したことに対し、ツイッターに「関税や自動車の障壁に関する習主席の親切な言葉にたいへん感謝する」と投稿した。

Very thankful for President Xi of China’s kind words on tariffs and automobile barriers...also, his enlightenment on intellectual property and technology transfers.
We will make great progress together!

ホワイトハウスのサンダース報道官も、習氏の対応について「勇気づけられた」と指摘。ただ、「中国側から具体的な行動があるか見守る必要がある」とも述べた。
 

中国外務省報道官は、習近平国家主席が国内経済のさらなる開放と一部製品の輸入関税の年内引き下げを発表したことについて、 自国で設定したタイムテーブルに則ったものであり、米国との貿易摩擦とは無関係だと述べた。

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中国人民銀行の易綱総裁は4月11日、金融市場の開放策を2018年6月末に実施する方針を明らかにした。

外資が証券や生命保険を営む場合、中国企業と合弁会社をつくる必要があり、現在は外資出資比率の上限が50%となっている。
2018年6月末に証券、資産運用、生命保険、商品先物で外資出資比率の上限を51%まで引き上げ、3年後に全額出資を認める。

2017年11月の米中首脳会談で約束した措置と比べると、生保は2年ほどの前倒しとなる。(中国政府は当時、51%への引き上げ時期について証券は「まもなく」、生保は「3年後」と説明していた。)

2018年末をメドに業務規制も緩める。
銀行が支店展開をしやすくなるほか、証券会社は株式注文の取り次ぎ、株式引き受けなどの業務免許を取得しやすくなる。保険では代理店業務を外資に認めるほか、保険会社を設立するまでの2年間は代表所を営む必要がある規制もなくす。中国系金融機関と比べ、差別的な取り扱いをしない原則を徹底する。

上海と香港の株式取引所で認めている相互売買についても5月1日から1日あたりの売買額を今の4倍に大幅に増やす。

これらの多くは米国が長年、中国に要求していた内容である。

付記

国家発展改革委員会は4月17日、自動車の外資規制(現在50%が上限)の撤廃のロードマップを明らかにした。

2018年中に、EVなどの新エネルギー車
2020年に、トラックやバスなどの商用車
2022年に、乗用車

中国での自動車生産JV数(現在、新エネ車を除き原則2社まで)も2022年に制限を撤廃

自動車以外でも、2018年末までに造船、航空機製造の外資規制を撤廃する。

 


2018/4/13 トランプ大統領、TPP 復帰検討を指示 

トランプ大統領は4月12日、ライトハイザー通商代表と国家経済会議のクドロー委員長に対し、TPP について「もう少し有利な協定をまとめることができるかどうか見直すように」と、アメリカに有利な条件付きで復帰を検討するよう指示した。

ウォルターズ報道官は発表文で「十分により良い取引には前向きに臨むと大統領は一貫して述べている。そのため、ライトハイザー代表とクドロー委員長により良い取引が交渉できるかどうか再検討するよう求めた」と説明した。

その後、大統領はツイッターで、「前回より十分良い内容となった場合のみTPP に参加する。米国は既にTPP 11カ国のうち6カ国とFTAを結んでおり、何年も貿易で米国に打撃を与えてきた日本ともFTAを結ぶ方向で進んでいる」と述べた。

Would only join TPP if the deal were substantially better than the deal offered to Pres. Obama.

We already have BILATERAL deals with six of the eleven nations in TPP, and are working to make a deal with the biggest of those nations, Japan, who has hit us hard on trade for years!

米国がTPP11カ国のうちFTAを結んでいるのは、カナダとメキシコ(NAFTA)、豪州、チリ、ペルー、シンガポールの6カ国。

河野外相は4月13日、「一部だけを取り出して再交渉というわけにはいかない」と述べる一方で、「本当に米国がTPPに復帰してくれるなら非常に喜ばしいことだ」と歓迎する意向も示した。

しかし、大統領の本音はTPPへの復帰ではなく、日本がどうしても避けたい日米FTAの締結である。

大統領が安倍首相との首脳会談で、まず対日貿易赤字を解消する方向での日米FTA交渉を強く求めるのではないかと思われる。

大統領は3月22日に日本に関して次のように述べた。「こんな長期間、米国をだませたとは信じられない 」と喜んでいるようだが、もうこれまでだと。

I’ll talk to Prime Minister Abe of Japan and others --- great guy, friend of mine --- and there will be a little smile on their face.
And the smile is, "I can't believe we've been able to take advantage of the United States for so long"  So those days are over.

安倍首相は3月9日に北朝鮮問題で大統領と電話会談をしたが、大統領はその後のtwitterで対日貿易赤字(1000億ドル)を問題視し、フェアでなく続かないと述べた。

Spoke to Prime Minister Abe of Japan, who is very enthusiastic about talks with North Korea.

Also discussing opening up Japan to much better trade with the U.S.
Currently have a massive $100 Billion Trade Deficit. Not fair or sustainable. It will all work out!

付記 

政府は日米両国の通商のあり方を議論する新たな対話の枠組みを提案する方針だと報じられた。トランプ大統領がそんな時間稼ぎの話に乗ることはあり得ない。

米財務省は4月13日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表し、対米貿易黒字が大きい日本を引き続き「監視リスト」に指定した。「日米間の巨大な貿易不均衡を懸念している」と表明している。

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TPP 参加12カ国は2016年2月4日、協定文に署名した。

日本は2017年1月20日(Trump大統領の就任日)に、閣議決定を経て、協定の国内手続の完了をニュージーランドに通報した。
ニュージーランドは2017年5月11日、手続きを完了した。(2国目)

その米国のDonald Trump 次期米大統領は2016年11月21日、ビデオメッセージを発表し、2017年1月20日の就任初日に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退する意志を表明する」と宣言した。

2016/11/23   Trump 次期米大統領、「就任初日にTPP離脱通告」を確認

Trump大統領は2017年1月23日、TPPからの離脱を宣言、米通商代表部(USTR)は1月30日、TPPからの離脱を参加各国に書簡で正式に伝達した。

  ・TPPから永久に離脱する。(再交渉の可能性も明確に否定)
  ・米国の産業を振興し、労働者を保護し、賃金を上昇させる 2国間貿易交渉を始める

これにより、参加12カ国の名目GDPの85%以上の6か国の批准による発効は不可能となった。

その後、日本が中心となり、米国を除く11カ国での交渉を行った。

米国を除く TPP 参加11カ国は2018年3月8日午後、チリのサンティアゴで新協定「TPP 11」に署名した。これを受け、各国は国内手続きに入る。

2018/3/12 TPP-11 に署名


トランプ大統領は、TPP離脱宣言で、「将来の貿易交渉はそれぞれの国と1:1(又はbilateral)のベースで行うのが政権の意図である」としているが、TPP 11の締結で米産業界からはTPP への復帰を求める声が強まっている。

大統領は2月23日、豪州の首相との共同記者会見で、「TPPは米国にとって非常に悪い取引だった」と述べ、「より良い条件が提示されれば参加する可能性はある」と述べた。

大統領の考えは、強力な圧力(韓国との改定交渉では駐韓米軍撤退も匂わせた。NAFTA改定交渉でも無理難題の提案をしている。)で米国に非常に有利なFTAを結ぶのが第一であり、TPP復帰も米国にとって有利な改定が条件である。ようやくまとまったTPPをそのような形で改定することは考え難い。


2018/4/14 豪州のエネルギー会社 Santos、米投資会社EIG 傘下のHarbour Energyから買収提案を受け、情報開示の守秘契約を締結  

豪州国内やインドネシア、パプアニューギニアなどに石油や天然ガスの権益を有する豪州のエネルギー会社 Santos Ltd は4月3日、Harbour Energy Ltdから株式100%を104億米ドルで買収したいとのオファーを受け、前向きに交渉することとし、守秘契約を締結したと発表した。

1株4.98米ドル(6.50豪州ドル)での買収で、これは3月末までの1カ月の平均株価に30%を上乗せしたものとなる。
1株当たり 現金 4.70米ドルプラス 特別配当 0.28米ドルから成る。

これは4度目のオファーで、最初は2017年8月に1株当たり4.55豪州ドル、2度目は2018年3月22日の6.25豪州ドル、3度目が3月27日の6.37豪州ドルで、今回の6.50豪州ドルの提案は3月29日に受けた。

Harbour Energy によると、104億ドルのうち、77.5億ドルは J.P. Morgan とMorgan Stanleyからの借入金、残りはHarbour Energyと親会社のEIGのファンド及び欧州のエネルギー関連商社のMercuria Global Energy からの出資となる。

Santosの取締役会は、今回の提案は株主の利益になるものと考え、更に交渉することとした。守秘契約を締結し、Harbour Energyに対し due diligenceのための資料を提供することとした。

今後、両社の交渉が成立しても、豪州にはエネルギー供給不安から海外企業への売却は政治的問題となり、手続き上、簡単ではない。

ーーー

Harbour Energyは2014年に、EIG Global Energy Partners (1982年設立で、エネルギー分野で36か国で324件、253億ドルを投資してきたファンド)とNoble Group Limited (香港に本拠を置く資源・農産物の商社)により、グローバルにエネルギーの上流、中流部門で長期的に事業を行う会社として設立された。

Noble はHarbour Energyの経営に参加するとともに、Harbour Energyの製品の引き取り、販売でも協力する。

Harbour Energyは2017年11月に、Shell U.K からU.K. North Sea の石油・ガス資産を30億ドルで買収した。

今回の買収はこれに次ぐもの。

ーーー

Santos の社名は、South Australia Northern Territory Oil Search の略号に由来する。

Santosは豪州一帯とパプアニューギニア、インドネシアで石油、天然ガス等の採掘を行っている。

パプアニューギニアのPNG LNGや、豪州・東ティモール共同石油開発海域内 Bayu Undanガス田のDarwin LNG計画などでは日本企業も参加している。

付記

Santos は5月3日、ベトナム、インドネシア、マレーシア、バングラにもつ非コア事業を221百万ドルで Ophir Energy plc に売却すると発表した。

  • ベトナムのBlock 12W (Chim Sáo and Dua oil fields)の31.875%
  • インドネシアのMadura Offshore  (Maleo and Peluang gas fields)の67.5%
  • インドネシアのSampang (Oyong and Wortel gas fields)の45%
  • マレーシアのDeepwater Block R (Bestari oil discovery)の20%
  • バングラデシュのSS-11の45%
  • ベトナムの Block 123 の50%と、Block 124 の40%

なお、インドネシアのNorth West Natuna (Ande Ande Lumut) の50% も売却対象だが、別途売却する。

PNG LNG の参加者は以下の通り。

  権益比率  
ExxonMobil  33.2% オペレーター
Oil Search  29.0% PRL 15、Papua LNGにも参画
Santos  13.5%  
Nippon Papua New Guinea LNG
(JX 98.4%、丸紅)
  4.7%  
政府  16.8%  
Mineral Resources Development   2.8% パプアニューギニア政府系企業

Bayu Undan / Darwin LNG project

ConocoPhillips(56.9%)、ENI(11.0%)、Santos(11.5%)、国際石油開発帝石(11.4%)、JERA(6.13%)、東京ガス(3.07%)

 

なお、Santosには中国の投資会社のHony Capital (弘毅投资)が4.8%、中国の天然ガス販売会社ENNが10.3% の合計15.1%を出資しており、Santosは2017年6月に両社とStrategic Relationship agreement を締結している。

Strategic Relationship agreementは両社が15%以上の出資を続ける限り有効で、両社はSantosの将来の投資を支持し、Santos はSantos株主の利益となる限り、将来の投資に両社を参加させるよう努力するとなっている。

Hony Capital (弘毅投资)は2015年11月にSantosが借入金返済のため30億豪ドルの増資をした際に出資し、約15%の株主となった。

ENNは中国のビリオネアの王玉鎖(Wang Yusuo)が設立した企業で、CNOOCへのLNG依存を和らげるため、LNG供給元への出資を検討しており、2016年3月にHony Capitalから750百万ドルでSantosの株の11.7%を買収した。その後、ENNとHony は現在の出資比率となり、共同でSantosと提携することとした。

ENNは現在、舟山市に年間300万トンのLNGを扱う受入ターミナルを建設しており、2018年に稼働させる。


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