2019/1/1 Saudi Aramcoと LANXESS のJV のARLANXEO、Aramco
100%に
Saudi Aramcoと ドイツのLANXESS は12月31日、
2016年4月1日に両社の50/50JVとして設立したARLANXEO
Holding B.V.がAramco の100%の子会社になったと発表した。
2018年8月8日にLANXESS
による持分売却の意向が発表され、その後、手続きを進め、今般、関係諸手続きを完了した。
ARLANXEOの設立時点で、両社は2021年までの売却禁止期間(Lock-up
period)で合意していたが、繰り上げた。
ARLANXEO の価値は30億ユーロと評価されており、LANXESSは負債を控除後の50%分
約14億ドルを受け取る。
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Lanxess は2015年9月22日、Saudi Aramco
との間で合成ゴムのJVを設立する契約に調印した。
LANXESS とSaudi Aramco 子会社のAramco Overseas
Companyが50%ずつ出資する。
Lanxessは2016年2月10日、独禁法承認手続きを完了し、JVが2016年4月1日に発足すると発表した。社名はARLANXEO となった。
2015/9/28
LANXESS、合成ゴム事業をSaudi Aramco とのJV化
Saudi Aramco と住友化学のJVのPetroRabighは2018年3月28日、第二期計画のEPDM
がオンスペックとなったと発表した。これで第二期計画がすべてスタートした。
ARLANXEOは2018年2月5日、PetroRabighのEPDMを販売すると発表した。
同社のブランド"Keltan"に
Kingdom of Saudi Arabiaを示す "KSA"を付け、"Keltan KSA"のブランドで全世界で販売する。
Saudi Aramcoは下流部門の拡充を進めているが、今回のARLANXEOの100%子会社化で、エネルギーから化学品までに広がるvalue-chainを強化する。
2019/1/4 米、中国けん制へ新法成立
トランプ米大統領は2018年12月31日、アジア諸国との安全保障や経済面の包括的な協力強化を盛り込んだ「アジア再保証推進法:Asia
Reassurance Initiative Act:ARIA」に署名し、同法が成立した。
法案:https://www.congress.gov/bill/115th-congress/senate-bill/2736/text#toc-H8D70EE453E2F41CFA3259C8F8F0FC0EE
この法律は、2018年4月24日に対中強硬派の共和党のCory Gardner、Marco
Rubio、民主党のEd Markey、Ben Cardin上院議員が提出したもの。
2018年12月の上院及び下院での採決では野党・民主党を含め賛成し、対中強硬の方針は議会の総意となった。
ホワイトハウスによれば、この法律はインド・太平洋地域での米国の安全保障、経済的利害、米国のバリューを高めるための多面的戦略を確立するものである。
東アジア、東南アジアでの米国のプログラムのために2019年-2023年度について各年度 15億ドルの予算を充てる。
この予算は米国にとって最も能力の高い同盟国、およびパートナーと二国間、多国間で定期的な関与を行い、戦略的課題に対処するために使用される。
目的として以下を挙げている。(3)では中国と北朝鮮を名指しで挙げている。
(1) to advance United States
foreign policy interests and objectives in the Indo-Pacific region
(2) to improve the defense
capacity and resiliency of partner nations
(3) to conduct regular bilateral and multilateral
engagements to meet strategic challenges, including—
(A) certain
destabilizing activities of the People’s Republic of China;
and
(B) emerging
threats, such as the nuclear and ballistic missile
programs of the Democratic People’s Republic of Korea;
(4) to build new counterterrorism partnership
programs
(5) to help partner countries strengthen their
democratic systems
(6) to ensure that the regulatory environments for
trade, infrastructure, and investment in partner countries
are transparent, open, and free of corruption;
(7) to encourage responsible natural resource management in partner countries, which is closely
associated with economic growth; and
(8) to increase maritime
domain awareness programs in South Asia and Southeast Asia—
(A) by expanding
the scope of naval and coast guard training efforts with Southeast Asian
countries;
(B) by expanding
cooperation with democratic partners in South Asia, including Bangladesh, Nepal,
and Sri Lanka;
(C) through
intelligence sharing and other information-sharing efforts; and
(D) through
multilateral engagements, including by involving Japan, Australia, and India in
such efforts.
台湾については、以下の通り規定している。
a) 米国のコミットメント
(1) to support the close economic, political,
and security relationship between Taiwan and the United States;
(2) to faithfully enforce all existing United
States Government commitments to Taiwan, consistent with the Taiwan
Relations Act of 1979 (Public Law 96–8), the 3 joint communiques, and the
Six Assurances agreed to by President Ronald Reagan in July 1982; and
(3) to counter efforts to change the status
quo and to support peaceful resolution acceptable to both sides of the
Taiwan Strait.
(b) 台湾への武器売却
The President should conduct
regular transfers of defense articles to Taiwan
that are tailored to meet the existing and likely future threats from the
People’s Republic of China, including supporting the efforts of Taiwan to
develop and integrate asymmetric capabilities, as appropriate, including
mobile, survivable, and cost-effective capabilities, into its military
forces.
(c) 台湾への米高級官僚の訪問
The President should encourage
the
travel of highlevel United States officials to Taiwan, in accordance
with the Taiwan Travel Act
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台湾への防衛装備品の売却推進やインド太平洋地域での定期的な航行の自由作戦を盛り込み、中国をけん制している。
これに対し、中国の習近平国家主席は1月2日の演説で米国を念頭に台湾問題への介入に強く反発した。
世界には一つの中国しかなく、『一つの中国』原則の堅持は一般に認められた国際関係の準則であり、国際社会の共通認識だ。
『台湾独立』分裂活動に反対し、国家統一の完成を目指す中国人民の正義の事業を国際社会は幅広く理解し、支持している。中国政府はこれに称賛と感謝の意を表する。中国人のことは中国人が決めなければならない。台湾問題は中国の内政であり、中国の核心的利益と中国人民の民族感情に関わり、外国からのいかなる干渉も許さない。
習主席は、平和統一の実現、一国二制度適用、「一つの中国」原則の堅持、中台の融合・発展、統一意識の増進の5項目の対台湾方針を示した。
一方で「武力行使を放棄することは承諾しない」とも明言し、台湾との関係強化に動く米国を念頭に「外部勢力の干渉」を拒否する姿勢を鮮明にした。
この習主席の会見を受け、台湾の蔡英文総統は会見を行い、「台湾は一国二制度を断固として受け入れない。台湾の人々の大半は一国二制度に反対している」と反論、統一のために武力行使も辞さないという中国側の姿勢について、「圧力と脅迫を用いるのではなく、平和的な方法でお互いの違いに対処しなければならない」と述べた。
2019/1/5 武田薬品、1月8日にShire
plcの買収完了へ
武田薬品は1月4日、アイルランドの製薬大手Shire
plc
買収に関して英ジャージー裁判所の認可を取得したと発表した。
武田薬品は今回の買収に英国の法律に基づく
Scheme of arrangement を活用した。
英国法上、上場会社を完全子会社化するには、公開買付で大部分を取得し、残り株を買い取る方法(Squeeze
Out)と、Scheme
of arrangement を使う方法がある。
前者の場合、TOBで90%以上を取得した場合に限り、Squeeze
Outの提案ができる。TOBでは3か月以上かかるとされる。
後者の場合は、議決に参加した株主の過半数が賛成し、賛成株主が75%以上を有している場合に限り、裁判所が認可する。最短で2か月とされる。株主総会で賛成を得られない場合、改めてTOBをすすめることができる。
臨時株主総会を通じた株主の同意と裁判所の認可があれば短期間で全株式を取得できる買収手法で、英国企業の買収にはこの手法が使われるケースが多い。
武田薬品は2018年11月20日、Shire
plcの買収で欧州委員会の承認を取得した。
2018/11/21 武田薬品、シャイアー買収でEUの承認取得
各国の承認を得たことから、武田薬品は12月5日、臨時株主総会を開き、Shire
plcの買収を決議した。創業家の一部が反対していたが株主の過半を占める機関投資家が賛成し、株主全体の3分の2以上の同意を得た。
Shire plc
も同日の株主総会で売却を承認した。
今回、裁判所の認可を得たことで1月8日にも買収が完了する。日本企業のM&Aとして最大となる460億ポンドの買収が実現する。
付記
2019年1月8日付で買収を完了した。
買収金額(円換算)は、買収を発表した昨年5月時点は約6.8兆円だったが、円高が進んだことで約6.2兆円となった。
同日付で普通株式を発行した。増加する資本金及び資本準備金の額は下記の通り。
増加する資本金の額:1兆5656億4千万円
増加する資本準備金の額:1兆5656億4千万円
連結売上高が3兆円超の世界8位となる巨大製薬会社が誕生する。
2019/1/5 中国、預金準備率引き下げと減税を実施へ
中国の李克強首相は1月4日、市中銀行の預金準備率の引き下げや減税、手数料削減を行う考えを示した。景気減速を受けて一段の措置を取る姿勢を明確にした。
李首相は、小規模な民間企業を支援する目的の預金準備率の引き下げを行うと表明したほか、マクロ政策でカウンターシクリカル(反循環的)な調整を強化し、さらなる減税と手数料引き下げを実施する考えを示した。
「預金準備率を全面的に下げたり、特定の銀行向けに下げたりする手段をうまく運用し、民間企業と中小零細企業の資金調達を支える」と述べた。
12月31日に発表された2018年12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は、2年半ぶりに業況改善・悪化の分かれ目となる50を下回った。今後の活動をみる上で目安となる新規受注は引き続き弱く、国内企業を取り巻く環境は今後も悪化する可能性があることが示された。
資金繰りを支えて倒産を防ぐ狙いがある。
これを受け、中国人民銀行(中央銀行)は同日、預金準備率を1ポイント下げると発表した。1月15日と25日にそれぞれ0.5ポイントずつ下げる。大手銀行の標準的な準備率は現在の14.5%から13.5%になる。
引き下げは2018年10月以来3カ月ぶり。
中小銀行は12.5%が11.5%になる。
付記
中国人民銀行は5月6日、中小銀行を対象に預金準備率を引き下げると発表した。地方の商業銀行約1000行が対象で、預金準備率は現状の11.5%から8%に下げる。地方の中小信用組合と同水準になる。
2800億元(約4兆6千億円)規模の長期資金を放出することで、中小企業向け融資を促進する狙いがある。
大手銀行の標準的な預金準備率は2016年3月以来、2018年春まで17.0%であった。
中国人民銀行(中央銀行)は2017年9月30日、一定の条件を満たした銀行に限り、預金準備率を2018年から最大1.5%下げると発表した。
2017/10/7 中国、預金準備率最大1.5%下げ
2018年に入り、準備率は3回引き下げられた。
2018年4月25日から預金準備率を1ポイント下げ、16.0%とした。準備率下げで浮いた預金は人民銀による市中銀行向け貸し出しの返済に大半をあてることを義務づけた。金融監督の強化で苦しくなった一部の中小銀行の資金繰りを支援する狙いがあるとみられた。
2018年7月5日から預金準備率を0.5ポイント下げ、大手銀行の標準的な準備率を15.5%に下げた。
2018年10月15日から大手銀行が15.5%から14.5%へ、中小銀行が13.5%から12.5%へ、1%ポイント引き下げた。
今回更に1%ポイント下がり、大手銀行が13.5%、中小銀行が12.5%になる。
付記 その後