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トランプ政権は、カナダ・メキシコに対する25%の関税及び中国に対する10%の関税を2月4日から実施するとした。
付記
トランプ大統領、 3/4から中国からの輸入品に10%の追加関税 2月4日分とあわせ20%米政権、中国からの輸入品に10%の追加関税(2/4) 例:
通常税率 追加 追加後 今回追加 追加後 リチウムイオン電池 7.5% 25% 10% 35% 10% 45% EV 25% 100% 10% 110% 10% 120%
不法移民や合成麻薬「フェンタニル」などのアメリカへの流入を容認しているのが理由で、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、不法移民と薬物の流入を「緊急事態」と認定し、期間は「危機が終わるまで」とした。(国際緊急経済権限法は、1977年10月28日に施行された米国の法律)
3カ国への追加関税の理由:
カナダ:不法移民の流入
メキシコ:不法移民と合成麻薬の流入
中国:合成麻薬原料のメキシコへの輸出(製品がメキシコから米国に流入)
当初、カナダのトルドー首相は米国からの輸入品に25%の報復関税を上乗せする方針
を明らかにし、第1弾として4日から、300億カナダドルに相当する米国からの輸入品が対象とした。
これに対し
トランプ大統領は、「カナダからの輸入品は不要:エネルギーは無限にある、自動車は自分で作るべき、木材は使い切れないほどある」と反論した。
カナダ各州は、米国の関税に反対し、米国産ウイスキーの販売を中止した。
メキシコのシェインバウム大統領も報復関税を含む対抗措置をとると表明。 「犯罪組織と同盟関係にあるという誹謗中傷は断固として拒否」と述べた。
しかし、トランプ大統領はカナダ・メキシコの対応を受け、両国への追加関税は直前に1ヶ月猶予した。
カナダの対応:国境警備に13億カナダドル(約1400億円)を支出することを約束、合成麻薬フェンタニルの販売阻止に取り組む責任者を任命し、関連組織をテロリストに指定
メキシコの対応:米国との国境に1万人の兵士を送る。兵士は、合成麻薬フェンタニルが米国側に渡ることなどを阻むために配置される。
しかし、中国については、合成麻薬フェンタニルの米国流入を阻止していないとして、2月4日から全ての輸入品に10%の追加関税を発動した。
ーーー合成オピオイドは、 ケシから採取されるアルカロイドを化学的に合成して作られた鎮痛薬で、フェンタニルは代表的な合成オピオイドである。鎮痛やがんの痛み緩和などの目的で使用されるが、誤用や乱用により依存症や嗜癖を引き起こす可能性がある。
フェンタニルは、最大でモルヒネの100倍、ヘロインの50倍の効力を有する即効性のある鎮痛剤を目的とした合成オピオイドで、比較的低コストであることから、多くの場合、ヘロインやコカイン、そしてメタンフェタミンなど他の物質と混合される。
フェンタニルは、中国で製造された原料をメキシコの犯罪組織・麻薬カルテルが加工して米国に密輸される。
トランプ大統領は今回の大統領令で次のように述べている。
合衆国大統領トランプは、合成オピオイドの持続的な流入が、1 日あたり約 200 人のアメリカ人の命を奪い、医療制度に深刻な負担をかけ、地域社会を荒廃させ、家族を崩壊させるなど、我が国に深刻な影響を及ぼしていると判断する。
合成オピオイドの過剰摂取は、アメリカ合衆国の 18 歳から 45 歳の人々の死亡原因の第1 位である。
最初の任期中、私はフェンタニルやその他の合成オピオイドが中国から米国に直接流入するのを阻止するための措置を講じた。それ以来、中国の政府と企業を最終的に統制する中国共産党は、米国で違法に販売される合成オピオイドの製造に使用されるフェンタニルや関連前駆化学物質を中国の化学会社が輸出できるよう補助金を支給したり、その他の形で奨励してきた。
さらに、中国は、違法な合成オピオイドの製造、出荷、販売による収益を洗浄する中国発の国際犯罪組織を支援し、安全な避難場所を提供している。
これらの中国発の国際犯罪組織は、業務遂行において中国のソーシャルメディアソフトウェアアプリケーションを使用して調整とコミュニケーションを行っている。
中国を拠点とする多くの化学会社も、法執行機関を逃れ、合法的な商取引の流れの中に違法物質を隠すためにあらゆる手段を講じている。
これらの中国系企業が荷物の本当の内容物と流通業者の身元を隠すために用いる手法には、米国内の再発送業者の利用、偽の請求書、不正な郵便料金、偽装梱包などがある。
過去3 会計年度で毎年 50 万ポンド以上の薬物が南国境で押収されている一方、過去3 年間の平均では北国境で毎年4万2 千ポンド以上の薬物が押収されている。(1ポンドは約 0.45kg)
違法薬物は毎年何万人もの米国人を殺しており、フェンタニルだけでも年間 7 万5 千人の死者が出ている。
これらの薬物が米国に流入すると、社会の構造が脅かされる。中国は、米国で流通する多くの違法薬物の最終的な供給源を阻止できないだけでなく、米国民を中毒させるビジネスを積極的に維持、拡大することで、この課題において中心的な役割を果たしている。
フェンタニルなどの密輸薬物が違法流通ネットワークを通じて米国に流入したことで、2025年1月20日の大統領覚書(米国第一貿易政策)、2025年1月20日の布告10886号(米国南部国境における国家非常事態宣言)、2025年1月20日の大統領令14157号(カルテルおよびその他の組織を外国テロ組織および特別指定国際テロリストに指定)に概説されているように、米国における公衆衛生危機を含む国家非常事態が発生している。
二国間対話を通じてこの危機を根本から解決しようと何度も試みられたにもかかわらず、中国当局は、既知の犯罪カルテルへの前駆化学物質の流入を食い止め、マネーロンダリング犯罪組織を閉鎖するために必要な断固たる措置を講じることができなかった。中国は、世界で最も包括的な国内法執行機関と組み合わせた最も洗練された国内監視ネットワークを実施している。また、中国は日常的に世界中で域外活動を行い、政治的反対意見とみなすものを脅迫、嫌がらせ、抑圧している。
したがって、中国共産党には、世界的な違法オピオイドの蔓延を深刻に抑制する能力が欠けているわけではない。単にそうする気がないだけだ。 私が宣言した国家非常事態に対処し、オピオイドの使用と中毒によって引き起こされる公衆衛生危機を含むこの非常事態を最終的に終わらせるためには、即時の行動が必要である。これは、中国政府の完全な遵守と協力が保証されるまで実現しない。
以上の背景のもとで、大統領令は次の通り述べている。
米国大統領としての最大の義務は、国と国民を守ることである。国民が毒され、法律が踏みにじられ、コミュニティが荒廃し、家族が破壊されるのを黙って見過ごすつもりはない。
私は以前、不法移民と麻薬の流入が米国にもたらす重大な脅威に関して国家非常事態を宣言した。
これに従い、国家非常事態の範囲を、化学原料供給者、マネーロンダリング業者、その他の国際犯罪組織、逃亡中の犯罪者、麻薬を逮捕、押収、拘留、またはその他の方法で阻止できなかった中国政府にまで拡大する。
さらに、この不作為は、米国の国家安全保障、外交政策、経済に対する異常かつ並外れた脅威であり、その源の大部分は米国外にある。
私は、この脅威に対処するため、国家非常事態を宣言し、再度表明する。この国家非常事態には、断固とした即時の措置が必要であり、私は、法律に従い、本命令に規定されているとおり、中国産品に従価関税を課すことを決定した。
中国政府は、米国の追加関税に報復措置を取った。
1) 石炭とLNGに15%、原油・農業機械・大型自動車などに10%の追加関税
2) タングステン、モリブデンなどを輸出規制の対象にする。
3) Google を独禁法違反の疑いで調査
4) 米国の追加関税をWTOに提訴
5) 米アパレル大手 PVHとIllumina, Inc.を「信頼できない企業」リストに追加
付記 政府・与党、下記の見直し案について一時「凍結」する最終調整へ。凍結はがん患者の団体らが求めていたほか、立憲民主党が2025年度予算案の修正案に盛り込んでいた。
→ 石破首相、高額療養費問題で、ことし8月からの引き上げは予定どおり行う一方、来年8月以降の制度のあり方については患者団体などの意見も聴いたうえで改めて検討し、
ことし秋までに決定する方針「ことしの引き上げは物価や賃金の上昇を踏まえた限定的なもので、来年以降の取り扱いはしっかり協議していく」
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高額療養費制度をめぐっては、政府は患者の自己負担額の上限を今年8月から段階的に引き上げる方針を決めている。
衆議院での審議に基づき、今回、長期で治療を受ける患者に配慮し、直近12か月以内に3回利用すると、4回目から負担が軽減される「多数回該当」については、年収にかかわらず、現行の自己負担額に据え置くことを決めた。
上の例の場合、多数回該当は2027/8以降 76,800円になる予定であった。
仮に年収650万円の患者が月に10万円の治療を受け続けた場合、2年後も自己負担額は4万4400円に抑えられる。
しかし、この修正は、現在、多数回該当を受けている患者の身に限られる。
2年後に発病し治療を始めた場合は、現在の「多数回該当」の対象とはならず、同じ年収、同じ治療にもかかわらず、自己負担額が増える。
現在、多数回該当を受けている場合でも、その患者が職場が変わり、保険が変わった場合には1からのスタートとなり、この例外措置は適用されない。長い間、治療をしていて、一時的にこの治療がなくても維持できるというところで治療を一時やめる。その後、治療が必要となった場合も同様である。これらは新制度が適用される。
これに対し、福岡厚労大臣は「過去も高額療養費制度の見直しを行う中で同様の扱いをしてきた」と話し、制度の過渡期に起こるものだとして、理解を求めた。
特にがん患者の場合、長期に高額の医療費が必要で、医療費が引き上げられた場合、家族の生活も考えると、死ぬしかないとの意見が強い。
現行の制度
例 70歳以上、年収約370万円〜770万円(3割負担)の場合
http://kogaku.umin.jp/tasuu.html
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改正案 70歳以上 2027/8〜
現在は年収370万円〜770万円の場合、すべて44,400円だが、改正後は年収を細分化し、最大で76,800円に増える。
2025/2/28 米国の2025会計年度(2024年10月〜2025年9月)の予算決議案の審議
米上院は2月21日、既に半年が経過している2025会計年度(2024年10月〜2025年9月)予算決議案を52対48で可決した。
共和党 民主党 民主系
無所属合計 賛成 52 52 反対 1 45 2 48 合計 53 45 2 100
予算決議案は、予算枠の全体像を示すもので、ここで定められた枠を基に各歳出法案が策定される。
今回可決した予算決議では、政権が重視するテーマのうち、トランプ減税を除いたもので、国境措置の強化、国防費の増額、エネルギー生産の強化に対応する費用を盛り込んでおり、国境措置の強化として今後10年間で1,750億ドル、国防費の増額として同1,500億ドルを充てている。トランプ減税の延長減税措置に関しては、2026年度予算の審議過程で議論し取りまとめる。
トランプ政権1期目の2017年に成立した個人・法人減税措置(トランプ減税)は12月31日に期限切れとなり、大統領はその延長を公約としてきた。
共和党は野党民主党によるフィリバスター(議事妨害)を回避するため、財政調整措置を採用している。
この措置はかつてオバマ元大統領と民主党が医療保険制度改革法(オバマケア)を成立させるのに採用した。バイデン前大統領もインフレ抑制法(IRA)の成立に用いた。
債務上限や歳出に関する法案は、フィリバスターを回避して過半数で可決することが可能となる。1歳出年度に1度しか利用できない、上下院で同一の法案を審議しなければならないなど、幾つかの制約がある。
この後、各委員会がこれに基づき財政調整法案を策定し、予算委員会でまとめられ、一つの包括的な法案として議会で審議され、両院で可決することが必要である。
下院は2月25日、トランプ政権が重視する国境措置や減税措置の延長などに必要な費用を盛り込んだ2025会計年度予算決議案を217対215で可決した。
共和党 民主党 合計 欠員 賛成 217 217 反対 1 214 215 棄権 1 1 再計
218 215 433 2
内容は、(1)1兆5,000億ドルの歳出削減、(2)4兆ドルの債務上限引き上げ、(3)4兆5,000億ドルの減税措置の拡大、(4)3,000億ドルの国境対策・国防費の増額を1本で実現することを狙ったもので、上院が可決済みの予算決議案とは異なる内容になっている。
共和党の財政保守派1人が反対票を投じた。民主党から賛成に回った議員はおらず、1人は投票しなかった。
下院の決議案については、歳出削減規模が不足しているとの財政保守派からの批判や、低所得者向け医療保険メディケイドの削減につながり得るとの穏健派の懸念など、共和党内部でも投票直前まで反対の声があがっていたが、トランプ大統領が反対派の議員を個別に説得した結果、離反は1票に抑えられた。
予算決議案に盛り込まれている歳出削減の具体策については議論が先送りされたかたちで、メディケイドの扱いなどの懸案に関しては、今後、決議案に基づいて法案を具体化していく過程でさらなる調整が進められる。
下院で予算決議案が採択されたことを受け、今後は2025年度予算における財政調整措置の活用に向けて、上下院で決議案の一本化に向けて調整していくことになる。