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日本経済新聞 2009/1/17

三菱レイヨン アクリル繊維縮小 生産能力国内6割削減 今期、最終赤字へ

 三菱レイヨンは16日、アクリル繊維の国内唯一の生産拠点である大竹事業所(広島県大竹市)の生産能力を6割減らすと発表した。中国の生産拠点についても2009年3月期中に撤退することを検討する。アクリル繊維で国内最大手だが、衣料や寝具向けの世界的な需要減や原料高騰で採算が悪化していたため、事業を大幅に縮小する。
 大竹事業所の年産能力を3月末までに13万トンから5万2千トンに縮小する。余剰設備は炭素繊維原料の製造設備への転換を進める。中国の拠点(淅江省)の生産能力は年5万トン。08年4-12月期の連結決算で、構造改革費用として130億円の特別損失を計上する。また投資有価証券の評価損103億円を計上することも発表した。

平成21年3月期第3四半期末(2008年12月末)の投資有価証券(その他有価証券)評価損総額 10,346百万円


平成21年1月16日 三菱レイヨン

アクリル繊維事業の構造改革に伴う特別損失の発生に関するお知らせ

 当社は、平成21年3月期第3四半期において、特別損失が発生することとなりましたので、その概要を下記のとおりお知らせします。

1.特別損失の発生について
 当社国内製造拠点(以下大竹事業所)及び中国の
寧波麗陽化繊有限公司(以下、寧波麗陽社)におけるアクリル繊維事業の構造改革費用として、平成21年3月期第3四半期連結決算において、約130億円の特別損失を計上する予定です。

3.アクリル繊維事業の構造改革について
 当社グループは、2008年〜2010年の第6次中期経営計画の重要課題として課題事業対策断行を掲げ、アクリル繊維事業の構造改革を推し進めてきました。今年度、紡績事業及び小型繊維事業を手始めに、種々の対策を実施してきましたが、この度、アクリル繊維事業の構造改革の総仕上げとして、原綿生産の縮小実施及び特別損失の計上にいたりました。今後も中期経営計画に基づき、計画目標の実現に向け邁進していきます。個別の内容は下記のとおりです。
(1)大竹事業所
 レギュラー品種の生産能カを大幅に縮小し、競争優位性の高い付加価値品を拡大します。原綿生産能力は13万トン規模から5万2千トン規模に縮小します。また、炭素繊維用プレカーサー製造設備への転換を加速します。当社グループは主原料であるANからブレカーサー、炭素繊維、プリブレグ、複合材料、製品加工までの一貫した生産体制を保有しており、プレカーサーの強みを軸としてANチェーンの更なる強化に邁進していきます。
(2)寧波麗陽社
 寧波麗陽社は、徐々に減産を強化してきましたが、抜本的改革を早期に実施すべく、共同出資者と協議中です。


参考 

同社は第2四半期で特別損失に事業整理損失引当金を計上
 インドネシアにおけるアクリル繊維紡績事業からの撤退に伴い発生すると予想される損失見込み額:4,352百万円

2008/9/29 三菱レイヨン

海外関係会社の事業譲渡に伴う特別損失の発生に関するお知らせ

 当社は、平成21年3月期において、特別損失が発生することとなりましたので、その概要を下記のとおりお知らせします。

1,特別損失の発生について
 当社は、平成20年9月29日開催の取締役会において、インドネシアの紡績会社P.T.VONEX INDONESIA (以下VONEX社)の保有全株式をインドネシア人実業家Choi Wijaya氏に売却し、インドネシアに於ける紡績事業から撤退することを決議しました。これに伴い、約43億円の特別損失を計上する予定です。


2008年〜2010年の第6次中期経営計画

AN系事業の事業構造改革
 ANモノマー〜プレカーサ〜炭素繊維・複合材料までのチェーン展開の強化

 AN系事業の戦略
 1)垂直展開と水平展開
   ◎炭素繊維・複合材料事業の北米、欧州展開での強化
   ◎炭素繊維の焼成能力のスケールアップ
 2)アクリル繊維の構造改革
   ◎アクリル繊維からプレカーサ生産設備への転換加速
   ◎アクリル繊維のダウンサイジング

 AN系事業のグループ設備能力 (トン/年)

製品   日本 中国 北米・
カナダ
英国 年度末計
アクリロニトリル 07年度末  200,000        200,000
08-10年度新増設          200,000
アクリル繊維 07年度末  132,000   50,000      182,000
08-10年度新増設  -50,000-80,000      132,000
炭素繊維 07年度末    5,400     2,000    750    8,150
08-10年度新増設    2,700         10,850

   日本経済新聞記事では大竹のアクリル繊維を132千トンから52千トンへ、中国は撤退検討