エクソンモービル 資本金1億円に引き下げ 

法人事業税の外形標準課税の概要

1 対象法人

  資本の金額又は出資金額が1億円を超える法人

2 税 額

  法人事業税額=所得割額+付加価値割額+資本割額

3 課税標準

所 得 割 所得及び清算所得
付加価値割 付加価値額(報酬給与額+純支払利子額+純支払賃借料±単年度損益)

※報酬給与額が収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)の70%を超える場合には、
当該超える額(雇用安定控除額)を収益配分額から控除
資 本 割 資本等の金額(資本の金額又は出資金額+資本積立金額)

※一定の持株会社については、資本等の金額から、当該資本等の金額に総資産のうちに占める
子会社株式の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を控除できます。
※資本等の金額のうち、1,000億円を超える部分は、段階的に圧縮されます。

4 税率  

区   分 標準税率 超過税率


所得のうち年400万円以下の金額 3.8% 3.99%
所得のうち年400万円を超え、年800万円以下の金額 5.5% 5.775%
所得のうち年800万円を超える金額及び清算所得 7.2% 7.56%
3県以上に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人 7.2% 7.56%
付加価値割 0.48% 0.504%
資  本  割 0.2% 0.21%

  東京都、大阪府 :標準税率に1.05を乗じた『超過税率』

5 徴収猶予

  赤字が3年以上継続する法人や創業5年以内の赤字法人を対象とする新たな徴収猶予制度が創設されました。
  (原則3年以内、最長6年間の猶予)

6 適用期日
  平成16年4月1日以後に開始する事業年度から適用します。


付加価値割

  付加価値割額=付加価値額×0.48%


付加価値額 = 収 益 配 分 額
 (報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料) ± 単年度損益

 報酬給与額 給料、賞与、手当、退職金等の合計額
 純支払利子  支払利子から受取利子を引いた額
 純支払賃借料 土地・家屋に係る支払賃借料から受取賃借料を引いた額
 単年度損益  繰越欠損金控除前の法人事業税の所得

 *単年度損益がマイナスの場合には、収益配分額から控除します。
 *報酬給与額が収益配分額の7割を超える場合には、雇用安定控除として収益配分額から一定額を控除します。
    雇用安定控除額 =「報酬給与額」−(「収益配分額」×70%)


資本割

  資本割額=資本等の金額×0.2%

資本等の金額 = 資本の金額又は出資金額 + 資本積立金額

  各事業年度の資本等の金額は、各事業年度終了の日における資本の金額又は出資金額と資本積立金額(又は連結個別資本積立金額)との合計額になります。


朝日新聞 2005年11月15日

資本金1億円に引き下げ 課税逃れか エクソンモービル

 利益世界一の国際石油資本(メジャー)、米エクソンモービルの日本法人「エクソンモービル」が12月に
資本金を500億円から1億円に引き下げる。売上高1兆7000億円の大企業としては際立って少ない資本金になる。同社は「将来の資本構成の最適化、借入金の削減、配当の自由度を増すことが目的」と説明しているが、資本金1億円超の企業にかかる外形標準課税の適用を逃れる狙いがあるとみられる。


 同社は自己資本の中の「資本金」(500億円)のうち499億円を「その他資本剰余金」に振り替える。資本準備金や利益準備金も減額する。04年度決算で試算すると、節税効果は1億円以上とみられる。同社は「節税目的ではないが、結果的に税を含む管理コストが減る」と話している。


2005/12/8 日本経済新聞

「エクソンモービル、1億円に減資を撤回、取引先などから批判」

 米メジャー(国際石油資本)日本法人のエクソンモービル(東京・港)は7日、資本金を500億円から1億円に大幅に減額する計画を中止すると発表した。系列販売店や取引先から「極端な減資は企業イメージを悪化させる」などの批判があり、営業に影響が出かねないと判断した。