日本経済新聞 2009/6/29
三井化学 合成ゴムなど生産能力を2割削減 設備3基停止
三井化学は採算が悪化している合成ゴムなど化学品3製品の生産を縮小する方針を固めた。2010年をめどに生産設備を計3基停止し、国内生産能力を3製品のそれぞれで20%程度削減する。化学品の基礎原料エチレンは海外需要で回復の兆しが出てきたが、国内向けに出荷するこれらの製品は稼働率が低迷している。すでに廃棄を決めた1基と合わせ2年間で4基を止める大規模な合理化に踏み切り、高収益分野へのシフトを急ぐ。
生産縮小の対象はポリプロピレン、合成ゴム、ビスフェノールAの3製品。いずれも国内の自動車部品原料向けの需要が多い。フル稼働時は合わせて年間約500億円の売り上げがあったが昨年以降稼働率が低下、赤字の要因となっていた。
ポリプロピレンは10年に三井化学が65%出資する子会社で生産設備11基のうち1基を停止する。70%程度にとどまる稼働率を引き上げる狙い。需要動向を見て、もう1基の停止も検討する。
合成ゴムは年内に市原工場(千葉県市原市)の1基を停止、ビスフェノールAも名古屋工場の1基を停止してそれぞれ国内2基体制とする。一部の設備は廃棄する。
同社は10年3月期に560億円と2期連続の最終損失を見込む。09年度中にポリエステル繊維原料「高純度テレフタル酸」を製造する山口県の設備1基を廃棄することを決めているが、一層の合理化が必要と判断した。
三井化学 PP
千トン プライムポリマー
(三井化学 65%/
出光興産 35%)三井化学 千葉 223 大阪 448 出光興産 千葉 400 合計 1,071 宇部ポリプロ (三井化学100%) 90 徳山ポリプロ (出光50/トクヤマ50) 200 合計 1,361
合成ゴム(EPDM)
三井化学市原工場
能力 20千トン+20千トン+75千トン
2005年09月30日 三井化学
EPT(商品名:三井EPT)の生産能力増強について
1. 製品: EPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)
2. 商品名: 三井EPT
3. 製造設備: 内(千葉県市原市)
4. 生産能力: 75千トン/年
5. 技術: 自社技術(メタロセン触媒技術)
6. 総投資額: 約200 億円
7. スケジュール: 着工2006年8月
完工2007年10月
ビスフェノールA
フェノール
アセトン
ビスフェノールA
三井化学
大阪 200
120
60
*
市原 190
114
フェノール誘導品アニリン停止 名古屋 55
岩国大竹 38
Singapore
300
150
350
300 150 二期計画 日本GEプラスチック
→三井化学市原
90
高純度テレフタル酸
同社は国内生産の約4割を主に中国に輸出していたが、収益改善に向け輸出を停止、3機のうち1機をすでに停止しており、もう1機も2011年度までに停止し、国内生産能力を年40万トンにする。
国 場所 会社名 能力 日本 岩国 三井化学 750千トン→ 400千トン インドネシア メラク Amoco Mitsui PTA Indonesia 450千トン BP 50%、三井化学 45%、 タイ マプタプット Siam Mitsui PTA 1,400千トン 三井化学 49%、
Cementhai Chemical 49%合計 2,600千トン→2,250千トン
2009年5月7日
C9系石油樹脂事業からの撤退
三井化学株式会社は、このたび、機能材料事業本部コーティング・機能材事業部のC9系石油樹脂(商品名:ペトロジン)事業から撤退することを決定いたしました。
当社は、2008年度を初年度とする中期経営計画における、機能材料事業本部の基本戦略を、「成長ドライバーたる高収益体質の獲得」と「機能性ポリマーズの拡大と大胆な事業ポートフォリオの組み換え」としており、事業の選択と集中を進めております。 今回のペトロジン事業からの撤退も、その一環として実施するものです。
ペトロジンは1961年以来、国内外にて販売を行ってきましたが、ここ数年は原料高騰等の事業環境悪化により、厳しい採算を余儀なくされております。
徹底的なコストダウン、組織のスリム化等の努力を重ねて参りましたが、今後ますます厳しい事業環境が予想される中、安定的な収益確保が困難であると判断し、2010年3月末をもって事業撤退することとしました。
コーティング・機能材事業部では、ポリウレタンとポリオレフィンを主体としたコート・接着材料へ経営資源を集中し、より高機能、高付加価値の製品を開発することで、事業拡大を目指す考えであります。
フェノール及びEPTに関する合弁事業に向けた基本合意について
三井化学株式会社(以下、三井化学 本社:東京都港区、社長:田中稔一)及び中国石油化工股?有限公司(以下、Sinopec 本社・中国北京市、総裁:王天普)は、1986年に三井化学がSinopecに対し、ウレタン原料の技術輸出を行って以来、1993年にはウレタン原料・ 樹脂の製造販売会社を合弁で設立する等関係を深めて参りました。
会社名:天寰ポリウレタン
Tianjin Cosmo Polyurethane Co., Ltd.
場所 :天津市、江蘇省蘇州市
設立 :1993/6
出資者:三井武田ケミカル 45%→70%
Sinopec天津石油化工公司 45%→25%
蝶理 10%→5%
能力 :天津 4,500t/年、蘇州 4,000t/年
◎(天津)塗料用硬化剤及び包装用接着剤 17,000t(2006/7)
また、2006年4月に両社折半出資のビスフェノールA合弁会社「上海中石化三井化工有限
公司(SSMC)」を設立し、同社は本年1月に年産12万トンのプラントを稼動させております。これらの20年以上に及ぶ関係を通じ、両社は信頼関係を深
めてまいりました。
本年4月には、両社の信頼関係を更に深めるための覚書を締結し、フェノール及びその誘導品について共同フィージビリティースタディ(FS)を進めるとともに、EPT(エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム)等の機能製品についても共同事業化の検討を進めてまいりました。
このたび両社は、フェノール及びEPTについて、合弁事業に向けて、基本合意致しましたのでお知らせします。なお、これらによる設備投資額の合計は、600億円規模に達する予定です。
三井化学及びSinopecは、これら以外のアイテムについても検討を進めており、今後とも両社の協力強化に向けて取り組んでまいります。
三井化学株式会社及び中国石油化工股?有限公司(以下、Sinopec )は、両社のビスフェノールA(BPA)合弁会社である「上海中石化三井化工有限公司(SSMC)」においてBPAの原料であるフェノールの合弁事業 を行うことについて、合意しましたので、お知らせ致します。
両社は、国際競争が激化する事業環境下で、アジア最大のフェノールメーカーである三井化学と、中国最大のフェノールメーカーのSinopecが提携 することで、アジア需要の獲得を行うと共に、Win-Win関係の構築により世界トップのフェノール連合を実現します。できるだけ早期にフェノールプラン トを新設し、既設の上海中石化高橋分公司のフェノールプラントも合弁会社に統合します。これらにより本年1月より営業運転を開始しているSSMCのBPA 年産12万トンプラントの競争力も一層強化されます。
両社は、本年内に、国家環境保護部に対し環境申請を行い、2013年に新プラントの営業運転開始を予定しています。
フェノール合弁事業の概要
2. 出資比率 | 50:50(現SSMCの比率に同じ) |
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3. 生産能力 | 新設 フェノール年産25万トン、アセトン年産15万トン ※併せて、上海中石化高橋分公司の既設プラント(フェノール:年産12.5万トン、アセトン:年産7.5万トン)を、SSMCに統合します。 これにより、SSMCの生産能力は、フェノール年産37.5万トン、アセトン年産22.5万トン、BPA年産12万トンとなります。 |
4. 新プラントプロセス | 三井化学技術 |
5. 営業運転開始時期 | 2013年第2四半期 |
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三井化学株式会社及び中国石油化工股?有限公司(以下、Sinopec )は、Sinopec傘下の上海中石化高橋分公司においてEPTの合弁事業の検討を進めることについて合意しましたのでお知らせ致します。
三井化学は、約40年に亘りEPT事業を行っており、アジア最大のシェアを持っております。08年4月には、市原工場にてメタロセン触媒を用いた最新鋭、世界最大規模のプラントの営業運転を開始しました。
EPT
は、自動車用部品(シール部品、ホース等)を主な用途としており、自動車産業が急速に拡大している中国市場で大幅な需要増が見込まれます。三井化学は、こ
の成長著しい中国市場をいち早く獲得するため、Sinopecとの戦略的協力関係を強化し、同社の持つ競争力ある原料とインフラ、優秀な人材を最大限に活
用することで、いち早く中国におけるEPT事業を拡大することが最適と判断しました。
一方、中国最大の石化メーカーであるSinopecは、高機能化合成ゴム事業の発展を推進しております。Sinopecは、三井化学が最新鋭のEPTプラントを持ち、高いEPT製造技術、研究開発力、販売網を持っ
ていることから、三井化学をEPT合弁事業のパートナーとして最適と判断し、選定しました。
EPT合弁事業の概要
2. 事業内容 | 三井EPTの生産・販売 |
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3. 生産能力 | 年産7.5万トン |
4. 完工時期 | 2013年第4四半期 |
機能材料事業分野における高付加価値事業の拡大について
当社(社長:田中稔一)は、昨年秋以降、急激に変化する経営環境に対応するため、収益構造改善と事業構造改革からなる緊急対策に取り組んでおり、新たな成長戦略の1つとして「持続可能な発展を支える高付加価値事業の拡大」を設定しております。
この度、この一環として、機能材料事業本部の高付加価値事業について、別添の通り生産能力の増強と新会社の設立を行うことを決定しましたので、お知らせいたします。
投資案件
上記3案件による設備投資額の合計は、80億円程度を見込んでおります。
なお、かねてからシンガポールにおいて建設中のタフマー®第2プラントは、来年春の営業運転開始に向けて、順調に試運転へ移行中です。本プラント完成後、シンガポールにおける当社のタフマー®生産能力は年産20万トンとなり、急速に拡大する需要に応える体制を確立します。
当社は今後も、急激な環境変化への対応のため、グループ一丸となって競争優位事業拡大のスピードアップを図ってまいります。
超高分子量ポリエチレン(商標「ハイゼックスミリオン®」)の生産能力増強について
当社(社長:田中稔一)は、耐磨耗性、耐衝撃性に優れた超高分子量ポリエチレン(商標「ハイゼックスミリオン®」)を製造・販売しております。このハイゼックスミリオン®の需要拡大に対応するため、当社岩国大竹工場にプラントを新設し、生産能力を増強することとしましたので、お知らせ致します。
増設内容
商標 | ハイゼックスミリオン® |
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立地 | 三井化学 岩国大竹工場内 |
増強能力 | 2,500t/年増強(既存プラント生産能力の約50%増) |
スケジュール | 2010年2月着工、11年6月完工、11年9月営業運転開始 |
ハイゼックスミリオン®は当社独自の触媒技術とプロセス技術を活用して開発された、平均分子量最大600万の超高分子量ポリ エチレンです。その優れた機械特性により、産業資材、医療器具などさまざまな分野において利用されています。特に、分子量分布と粒度分布を高度に制御した ハイゼックスミリオン®は、産業資材の軽量化に貢献する高強度繊維、エネルギー効率の向上に貢献するリチウムイオンバッテリーセパレーター分野において、高い品質優位性を発揮しています。
今後、高強度繊維およびリチウムイオンバッテリーセパレーター市場の高成長が見込まれるため、ハイゼックスミリオン®の生産能力を増強することとしました。この度の生産能力増強により、当社はハイゼックスミリオン®事業の更なる拡大・成長を図って参ります。
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液状ポリオレフィンオリゴマー(商標「ルーカント®」)の生産能力増強について
当社(社長:田中稔一)は、自動車用、工業用潤滑油の配合剤として燃費向上や潤滑油長寿命化に貢献する液状ポリオレフィンオリゴマー(商標「ルーカント®」)を製造・販売しております。このルーカント®の世界的な需要拡大に対応するため、当社岩国大竹工場に第3プラントを新設し、生産能力を増強することとしましたので、お知らせ致します。
増設内容
2.商標 | ルーカント® |
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3.立地 | 三井化学 岩国大竹工場内 |
4.増強後の生産能力 | 22,000t/年(既存プラントの生産能力は12,000t/年) |
5.スケジュール | 11年7月営業運転開始 |
ルーカント®は無色透明の液体で、当社が独自に開発・上市し、市場を創出してきたユニークな戦略商品です。自動車の燃費向上 や工業用潤滑油、特に今後グローバル市場で大きな成長が期待される風力発電機のギア油ベースオイルの長寿命化を図ることが可能な、環境負荷低減に貢献する 製品です。
ルーカント®は世界的な低環境負荷(省燃費、長寿命)ニーズの拡大を背景に、市場の高成長が続いており、製品の安定的な供給能力の確保と更なる事業の拡大を図るため、生産能力を大幅に増強することとしました。この度の生産能力増強により、当社はルーカント®事業の更なる拡大・成長を図って参ります。
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当社(社長:田中稔一)は、ポリウレタン事業の強化の一環として、中国華南地区に新会社を設立することを決定しましたので、お知らせ致します。
新会社の概要
資本金 | 750万USドル <為替90円/USドル> |
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所在地 | 広東省佛山市 |
事業内容 | ウレタンフォーム原料の製造、販売及び技術サービスの提供 |
生産能力 | 10,000トン/年 |
スケジュール | 会社設立2009年12月予定、営業運転開始2011年初め |
今後、中国華南地区においては、自動車内装材分野の更なる成長が見込まれるため、新会社を設立し、日系自動車メーカーの需要獲得を目指します。
新会社には、顧客への技術サポート、タイムリーな製品供給等の従来実施してきた機能に加えて開発センターとしての機能を付与し、中国現地における技術開発を強化致します。
当社は、これまでも海外の顧客に対して国内の採用実績に基づく技術サービスを提供して参りましたが、世界最大の自動車市場となった中国においては現 地開発ニーズに適合した新しい材料の提供が要請されていると考えております。この観点から、新会社では日本国内で培った基本技術をベースに革新的な材料の 開発を加速し、これを顧客に提供致します。
当社ポリウレタン事業は、海外現地ニーズに適合した供給開発体制を整備することで日系自動車メーカー及び部品メーカーとの更なる関係強化を図り、事業規模の一層の拡大と長期安定的な収益構造の確保を目指します。
三井化学によるアークの完全子会社化に関する株式交換契約締結について
三井化学及びアークは、本日開催の両社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、アークを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、本日、両社間で株式交換契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
アークは、1948年の創業以来、自動車を始めとするあらゆる業界において、商品企画やデザイン、製品設計、解析エンジニアリング、試作、金型の設計・製造・メンテナンス及び小ロット成形品の生産・販売等、幅広いサービスを提供する開発支援企業です。
当社は、当社とアークが両社の強みを融合することで、国内外で相互に事業を拡大できるとの認識のもと、当社が設立した完全子会社である潟Gムシーインベストメント01を通してアークに対し公開買付けを行い、2018年1月24日に当社がアークを連結子会社といたしました。
2018/1/20 三井化学、大手工業デザイン会社の アークをTOBで取得
その後、当社の素材の知識、アークの自動車向け開発支援の知見という各々の得意分野を融合し、両社のチャネル・技術を活用することで、総合力を駆使したソリューション提案、両社における顧客基盤の更なる拡大や周辺新事業の創出が可能となり、持続的な成長を共に実現できると考え協業を進めてまいりました。
一方で、自動車産業全体を揺るがす急速な市場環境の変化の中で、刻々と変化する顧客ニーズに迅速に対応するためには、両社によるより強固な連携が不可欠であり、グループの総力を挙げた迅速かつ円滑なソリューション提案が可能な体制へ移行することが望ましいと考えております。
当社及びアークは、本件に関する協議を重ね、アークを当社の完全子会社とすることで、当社の中長期的視点に基づいたグループ一体としての機動的な意思決定、人的・財務的経営資源の効率的な配分、両社間の緊密なコミュニケーションによる協業促進が可能となることなどを通じて、当社の企業価値向上のみならず、アークの企業価値向上のためにも有益であるとの結論に至りました。
アークの普通株式1株に対して、当社の普通株式0.0511株を割当交付いたします
三井化学はエムシーインベストメント01を吸収合併するため、三井化学の100%子会社となる。