独3大化学 専業化の波 (2002/6/10 日本経済新聞)

 独総合化学・医薬メーカーが「専業化」を加速している。仏社と合併したヘキストは化学事業を分離して医薬専業に変身。BASFは逆に化学に特化した。総合路線を守ってきたバイエルも来年、分社経営に踏み出す。世界の化学業界に君臨した独三大コンツェルンの時代は終わりを告げようとしている。

 ヘキスト  合併、医薬に集中
 BASF   大型投資、的絞る
 バイエル  4事業、分社経営

 ヘキストが1999年に仏化学大手ローヌ・プーランと合併して発足した仏アベンティス。今年1−3月期の業績は売上高が前期比13%増、純利益は42%増と絶好調だ。「処方薬とワクチンに集中する戦略が成功した」。パトリツク・ラングロワ最高財務責任者は専業化路線の効果が出たと語る。
 フランスに本社を置くアベンティスは化学部門を分離、医薬・バイオ専業として歩んできた。今月には農業化学子会社の全株式も(バイエルに)売却、医薬シフトを一段と加速する。
  (ヘキストは1999年化学部門を分離:独セラニーズ(化学専業)

 ヘキスト、BASF、バイエルは長年、三大総合化学コンツェルンと称されてきた。コンツェルンは複数の会社が主に株式持ち合いで結び付いた企業集団。三大化学コンツェルンは自動車業界と並び独経済の屋台骨を支えてきたが、今では事実上解体され、専業路線を突っ走っている。
 先陣を切ったヘキストを追ったのは
BASF。昨年、米社(アボットラボラトリー)に医薬部門を売却、化学専業として世界首位の座を固める戦略を打ち出した。化学品の潜在需要が大きいアジア市場を重視。2004年にも中国・南京にエチレン工場、2006年までに10億ドルを投じて上海近郊にポリウレタン工場を稼働させる計画だ。
 コンツェルン解体の背景には、医薬・化学の両業界で世界規模の合併が続き、独3社の地位が低下したことがある。
 例えば医薬業界では米ファイザーが米ワーナー・ランバートを買収、英グラクソスミスクラインと業界首位を争っている。医療用医薬品の世界売上高ランク(2000年)によると、かつて製薬大国だったドイツ勢ではバイエルが14位に入る程度。売り上げ規模はファイザーやグラクソの4分の1に過ぎない。
 第二次大戦後に連合国に接収され、三分割によって誕生した三大化学コンツェルンは総合メーカーならではの強みを発揮してきた。共通項の多い化学と医薬で基礎技術を融通。高シェアの化学事業で安定的に稼いだ資全を医薬事業に振り向け、巨額投資をまかなってきた。
 だが90年代以降の大型合併で誕生した医薬専業メーカーの規模は三大コンツェルンをしのぐ。独3社は研究開発費の金額競争で優位性を失った。化学業界でも集約・統合が進んだ結果、量産競争が激化。設備投資に巨額を要するようになり、専業メーカーとして売り上げ規模を追求する必要性が増してきた。
 医薬事業ではバイオベンチャー買収などで先端技術を吸収する機動力も不可欠。コンツェルンの事業形態が足かせになる場面が増え、総合化学各社は従来路線の修正を迫られている。
 三大コンツェルンの中で今も化学・医薬兼業の総合路線を掲げるのは
バイエルだけ。その同社でさえ事業の絞り込みは避けられない。(1999年アグファを上場)
 「売却資金は債務返済に充て、中核事業を拡充していく」。バイエルのベルナー・ベニング社長は5月30日、ベルギーの写真関連メーカー、アグフア・ゲバルトの保有全株式を売却すると発表した。
 来年1月には全事業を医薬を含むヘルスケア、農業化学、高分子材料、基礎化学品の4事業に分社する。4社を専業メーカーと位置づけて損益管理を徹底。売却・買収など事業の組み替えも容易にできる仕組みを作る。ただ4社には事業統括会社が100%出資する見通しで、抜本的な構造改革にはならないとの指摘もある。
 バイエルは主力の高脂血症冶療薬の全面回収も響いて2001年12月期の純利益が前期比47%減となった。BASFなど専業化で先行した2社に比べ、業績の低迷が目立つ。競争環境が変わる中で、なおも複数事業の相乗効果を追求するバイエルの戦略があたるかどうか。世界の化学・医薬メーカーが注目している。

 


Novolen® Technology Holdings

On behalf of Novolen Technology Holdings C.V., a joint venture company owned 80 percent by ABB and 20 percent by Equistar, ABB Lummus Global is able to offer for license the Novolen polypropylene technology including metallocene catalyst technology.

Novolen Technology Holdings C.V. (NTH) was formed to purchase the Novolen polypropylene technology business assets formerly owned by TARGOR GmbH, a wholly owned subsidiary of Germany's BASF AG. These assets included catalyst, process and product technologies. Novolen Technology Holdings also acquired the rights to market and license Basell's metallocene polypropylene technology, used in the production of a new generation of high performance plastics.