2003/12/11

韓国LGケム、PVC事業でトクヤマと提携  

LGケムは10日、PVC事業でトクヤマと提携したと発表 (翻訳)した。それによると、

 これにより、LGは原料VCMの安定供給を受けることとなる。
 トクヤマは安定的な市場を得るとともに、提携を通じて間接的に中国に進出できることとなる。
 両社は更に、VCMとPVCの技術を相互に交換する契約を締結した。


化学工業日報 2003/12/15

トクヤマ、韓国 LG化学と戦略提携
 VCMを長期供給、関連技術交流も 徳山事業所、操業安定化で競争力

 トクヤマは、韓国のLG化学と戦略的提携関係を構築した。塩化ビニルモノマー(VCM)の長期供給ならびに塩ビ関連を中心とした技術の供与などに関する包括的な契約を締結した。契約の詳細は明らかにしていないが、VCM供給量は年数万トン程度とみられる。国内の塩化ビニル樹脂(PVC)需要に頭打ち感が色濃いなか、系列の新第一塩ビのPVC向けの余剰分をLG化学に振り向けることで自家発電、電解、VCMからなる生産チェーンの操業を安定化させるのが狙い。
 一方のLG化学は中国事業拡大に向けて原料の安定確保が可能となる。
 徳山事業所で生産しているVCMをLG化学の中国・天津の合弁PVCメーカーである「天津LG大沽化工」に供給する。このほど正式に調印したが、すでに春先から供給を開始している。量、期間をはじめとした契約の詳細については、明らかにできないとしている。また、同時にEDCや塩素系溶剤なども含めた塩素、塩ビ関連の包括的な技術のやり取りも将来的に行っていく。
 トクヤマのVCM能力は徳山での年30万トンで、グループのPVCメーカーの新第一塩ビにほぼ全量を振り向ける一貫体制を敷いている。その新第一塩ビでは、徳山、千葉、高岡、新居浜の国内4工場体制のうち、高岡でのぺースト塩ビのラインの効率化などで、VCM能力にほぼ見合う年実質30万トン弱の体制にまで生産効率化をこの間に進めてきた。しかし、内需の年140万トン前後での推移が続くなか、需要見合いの生産によって減産体制が続いている。
 トクヤマでは、今後も新第一塩ビ向けを最優先としたVCMの供給体制を維持する。ただ、PVCの減産にともなうVCMの稼働低下を今回の輸出契約によって補完することが可能となった。電力や電解設備など川上部分も含めて、徳山製造所全体の競争力向上が期待できることになる。
 またLG化学では、この夏に天津でのPVC能力を年24万トンから同34万トンまで増強、さらに韓中両国で段階的に能力を引き上げて2010年までにPVC200万トン体制を確立する方針でいる。これに対し、原料については2004年にVCM90万トン体制とするほかは具体的な計画を持っていない。オーストラリアでの二塩化エチレン(EDC)計画なども模索したものの頓挫したことなどから、原料の安定確保を急いでいた。今回のトクヤマからの供給も、こうしたLGの拡大策を下支えするものとなる。


LG発表 http://www.lg.co.kr/korean/news/latest/view_p.jsp?news_num=4004&prnet_type=P
OCN翻訳( http://ocn.amikai.com/amitext/indexUTF8.jsp )による翻訳

2003/12/10

LG化学, 日本のトクヤマと戦略的提携締結

■LG化学ー VCM確保でPVC事業成長基盤確保,
  トクヤマー安定的需要先確保及び中国市場間接進出

■2010年, PVC合計205万トン生産体制で‘世界3位’跳躍

LG化学(代表盧岐鎬, www.lgchem.co.kr)が石油化学部門の中心事業として育成中であるPVCの原料のVCM(Vinyl Chloride Monomer)の円滑な需給のために日本のトクヤマ社と戦略的提携を結んだ。

今回の戦略的提携を通じてLG化学は大規模投資なしにVCMを確保し, 日本のトクヤマ社は安定的供給先が保障され、間接的に中国市場に進出する効果をおさめることができるようになった。

また,両社は今度提携を原料の需給だけでなくVCM及びPVC事業に対する相互技術交流を通じ、相互Win-Winできる戦略的提携モデルで発展させて行く計画だと明らかにした。

LG化学事業本部長は“去る98年,業界最初で中国に進出したPVC事業は過去3回の増設を実施するなど多くの成果をおさめているし, LG化学はこれからも中国地域に投資を持続的に実施する計画”と言いながら,

“今回の戦略的提携を通じて全世界的に供給が不足することが予想されるVCMを安定的に確保し中国内PVC事業拡大のための基盤を用意したという点で大きい意義を持つ”と説明した。

特に, LG化学は去る上半期のアメリカオキシケム社とVCMの原料であるEDC(Ethylene Di Chloride)提携などPVC原料の長期供給契約締結でPVC事業を一層向上している。

LG化学は現在PVC 113万トン(韓国: 79万トン,中国: 34万トン)規模で世界6位の生産能力を確保し, 2010年PVC 205万トン(韓国: 85万トン,中国: 120万トン)生産体制構築で世界3位にジャンプする計画を立てている。

*参照資料

■日本トクヤマ社紹介

 -設立年月: 1918年2月
 -従業員数(’02) : 4,485人
 -売上高(’02) : 226,950百万円(約2兆4,965億ウォン)
 -純利益(’02) : 792百万円(約87億ウォン)
 -主要生産品:苛性ソーダ,塩素, EDC, VCM, PVCなど

■LG化学PVC及びVCM, EDC生産能力 単位:千トン

区分   EDC   VCM    PVC
生産量    250    900    1,130
自給率(%)    34%    81%     -

December 11, 2003  Asia Pulse Businesswire

KOREA'S LG CHEM, TOKUYAMA ALLY IN PVC INDUSTRY TIE-UP

LG Chem, Ltd. (KSE:51910), South Korea's largest chemical company, said today it has entered into an alliance with Japan's Tokuyama Corp. in the polyvinyl chloride (PVC) business.


With the tie-up, LG has gained a development source for its PVC business by securing a stable supply of the main raw material vinyl chloride monomer (VCM) without a massive investment in facilities, the company said.

Tokuyama will also benefit from the cooperation because it can secure a stable market and indirectly advance into China through the partnership.

The companies also concluded a technology agreement to exchange VCM and PVC technologies.

LG Chem. is the world's sixth-largest PVC manufacturer, with annual production of 1.13 million tons. It plans to take the world's third spot with 2.05 million tons in 2010 by increasing output in its Chinese factories.


トクヤマ コメント

LGケミカルと長期契約を締結したのは事実であるが、4月に締結したもので通常の輸出契約である。(新第一塩ビへの供給をベースに、余剰玉を安定的に輸出)
LGケミカルとは友好的なパートナーという関係にある。
LGケミカルがこの時期に韓国証券取引所に開示した理由は不明。