2004/12/10 三井化学/出光興産              会見

三井化学と出光興産のポリオレフィン事業合弁会社設立について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/041210.pdf

 三井化学株式会社(以下、「三井」。本社:東京都港区、社長:中西宏幸)、及び出光興産株式会社(以下、「出光」。本社:東京都千代田区、社長:天坊昭彦)は、両社間で本年5月17日に締結した「ポリオレフィン事業統合に関する基本合意書」に基づき、合弁新会社の設立に向けて詳細検討を行ってきました。その結果、本日、次のとおり新会社設立に関する合弁契約及び分割計画書に調印しましたので、お知らせいたします。

 三井及び出光は、来年4月をもって、共同新設分割方式により両社のポリオレフィン事業を分割し、合弁会社を設立して、同事業を統合します。

 本統合に関しては、11月30日付で、公正取引委員会より、独占禁止法上の問題はない旨、回答をいただいております。また、本日付で、経済産業省より、産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定を取得しております。

 新会社の概要は、次の通りです。
  1. 会社の名称 : 株式会社プライムポリマー
             (Prime Polymer Co.,Ltd.)
  2. 本社所在地 : 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
  3. 営業開始日 : 2005年4月1日
  4. 事業内容 : ポリプロピレン及びポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)の生産、販売及び研究
  5. 資本金  : 200億円(三井65%、出光35%)
   (出資比率)
  6. 売上高 : 2,400億円(2004年度両社合算)
  7. 生産能力 : (別紙1ご参照)
  8. 役員 : ・ 代表取締役社長 木村 峰男
        ・ 代表取締役副社長 M田 眞治
        ・ 社長・副社長含め取締役 6名(三井:4名、出光:2名)
        ・ 監査役 3名(三井:2名、出光:1名)

  (その他詳細別紙2ご参照)
 
 新会社は、三井・出光の包括的提携の一環として、両親会社の全世界におけるポリオレフィン事業を、生産・販売・研究のすべての面で統合し、事業規模の拡大とシナジー効果の最大限の発揮により、事業価値の最大化を図ることを使命としております。

 本統合により、国内におけるポリオレフィン事業基盤をより強固なものとするとともに、これまで培ってきた技術力とマーケティング力をベースに、アジア及び世界のポリオレフィン成長市場の獲得を目指す所存です。

 新会社は、収益力の強化に向けシナジー効果を最大限に発揮できるよう、両親会社の協力の下に次のような施策に取り組み、2008年までに年間100億円の統合シナジーの創出を目指します。

@ 合理化効果の早期実現
両社の生産・販売・研究の組織と機能を再編成し、最大の合理化効果を早期に実現します。
A 事業構造の抜本的改革
両社の製品、技術の強みを結集し、より高機能で付加価値の高い分野を指向して、各分野の採算の見直し、生産設備の再編、サプライチェーンの革新等を進めることにより、事業構造の変革を行い、収益の抜本的改善を図ります。
B 成長市場の獲得
両社の技術力やマーケティング力を融合し、より高度化する市場ニーズに対応する新製品・新技術を開発することにより、日本、アジアを中心に(PP自動車材は全世界)成長市場の獲得を目指します。

 新社名「プライムポリマー」は、お客様の様々なニーズに対して最上級(プライム)の製品、技術、サービスを提供する”プライム ソリューション パートナー”となり、時代に先んじる「卓越した企業(=プライムカンパニー)」となる決意を込めて、命名しました。

 ポリオレフィン事業を取り巻く環境は、今後も一層厳しさを増すことが予想されますが、新会社は、両社の効率的生産体制、販売ネットワーク、技術・ノウハウを継承し、最大限に活用することで、お客様のニーズに更に的確に応えてまいります。今後とも変わらぬご支援ご協力をお願いいたします。


 
別紙1  両社ポリオレフィン事業の生産能力

品目 自社(及び生産委託)能力 能力
(千t/年)
国内生産能力
シェア(%)

PP

三井化学

670

:

(宇部ポリプロ)

90

:

出光興産

400

:

(徳山ポリプロ)

200

:

合計

1,360

44.8
(国内1位)

LDPE

(三井・デュポン ポリケミカル)

70

 5.2

LLDPE

三井化学

96

:

(日本エボリュー)

150

:

出光興産

60

:

合計

306

29.3

HDPE

三井化学  

208

:

出光興産

130

:

合計

338

26.3

PE計

 

714

19.4
(国内2位)

PO合計

2,074

:

注1) 国内生産シェアは石化協まとめ03年12月末各社別生産能力に基づく。
    但し、PPの三井化学能力は大阪工場新プラント(04年4月稼働、300千t/年)を含む。
注2) LDPE能力は、三井・デュポン ポリケミカルへの04年度委託予定量見合い。
注3) LLDPE・日本エボリュー能力は、三井化学の引取量見合い。


別紙2 新会社の概要について

1.会社の名称
  株式会社プライムポリマー(Prime Polymer Co.,Ltd.)

2.本社所在地
  東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター

3.支店・営業所等
  大阪支店、名古屋支店、福岡営業所
  (PP自動車材サテライトオフィス 広島他)

4.工場・研究所
  市原工場(市原)、姉崎工場(市原)、大阪工場(高石)、ポリプロピレン研究所(袖ヶ浦)、
  ポリエチレン研究所(市原)、材料技術研究所(袖ヶ浦)

5.事業内容
  ポリプロピレン及びポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)の生産、販売及び研究

6.営業開始日
  2005年4月1日

7.資本金(出資比率)
  200億円 (三井65%、出光35%)

8.売上高
  2,400億円(2004年度両社合算)

9.生産能力
  (別紙1ご参照)

10.役員
  代表取締役社長 : 木村 峰男(現・三井 専務取締役 石化事業グループ長)
  代表取締役副社長 : M田 眞治
        (現・出光 執行役員樹脂販売部長 兼 カスタマーサポートセンター所長)
  社長・副社長含め取締役 6名(三井:4名、出光:2名)

  監査役 3名(三井:2名、出光:1名)

11.従業員数
  900名(両社からの出向)

12.関係会社
 次の各社の所有株式または出資持分を新会社に承継させる。
  ・ 日本エボリュー株式会社(現・三井化学(株)75%、住友化学(株)25%)
  ・ 宇部ポリプロ有限会社(現・三井化学(株)100%)
  ・ 徳山ポリプロ有限会社(現・出光興産(株)50%、(株)トクヤマ50%)

 なお、両親会社が海外現地法人を通じて世界展開を行っているPPコンパウンド事業についても、できるだけ早期に地域毎に統合し、新会社が戦略面で統括することで、国内同様、シナジーが発揮できる体制を構築する。

13.組織  略


2004/12/10 Chemnet Tokyo

三井・出光両首脳が会見「統合効果大きい」

 三井化学、出光興産両社の首脳は10日記者会見し、ポリオレフィン事業統合新会社「プライムポリマー」の設立を発表するとともに、その意義や抱負を語った。
 
 中西宏幸・三井化学社長は「統合効果は非常に大きい。当初は08年までに年間60億円の合理化を見込んでいたが、100億円に上方修正した」と統合の意義を強調。当面の目標として「HDPEとLLDPEはグレードの統合や生産系列の集約化を急ぐ。PPは小型プランとを集約化して競争力を強化する。収益面では08年にROA8%の実現を目ざす」と語った。
 
 天坊昭彦・出光興産社長は「ポリオレフィンという中核部門の統合なので、重要な意味を持っている。新しいカルチャーを1日も早くつくり、顧客の信頼とニーズに応える会社として発展することを期待している」と、新会社への期待が大きいことを示した。
 
 新会社の社長に就任が決った木村峰男・三井化学専務は「ポリオレフィンは石化産業でも中核となる部門なので早期に統合の成果をあげ、両親会社の体質強化に寄与したい。異なる文化を融合させて大きな統合効果をあげていくが、基本はグローバルな視点で市場ををとらえ、自らの体質を強化していくことだ」などと抱負を語った。
 
 また副社長となる濱田眞治・出光興産執行役員は「今回の事業統合によって、世界を見据え、時代を先取りして発展していく会社が実現できた。両社のもつ製品、技術の強みを生かしていきたい」と語った。