住友化学、MMAでアジア戦略 日、韓、シンガポールを結ぶ
住友化学は、メチルメタアクリレート(MMA)事業の重点的な拡大をはかって
いるが、まず、MMAモノマーのアジア地区での生産計画を固めた。これによると
日本、シンガポール、韓国での設備能力を3カ国合計(合弁を含む)で、現在の
年産19万5,000トンから2003年から2004年にかけて34万5,000トンへと7割近くに
増強する。
具体的には国内では、愛媛工場の4万2,000トンに、ことし3月に日本触媒から
事業統合(住化64%、日触36%の姫路工場は存続)した5万トンが加わり、来年の10月に三井化学との統合により、三井化学・クラレ合弁の大阪工場分(4万トン
)が加算されるので、三井住友化学となる来年10月には国内13万2,000トンの供給体制が確立する。
また、シンガポールでは現在5万3,000トン設備に加えて7万〜8万トン設備を
増設する計画を進めている。さらに韓国では合弁会社・LG化学の現有5万トン設
備を10万トンに増設する。
MMAのアジアでの需要はことしが83万トンていど。今後も年率3〜4%の需要増
(2005年で90万トン)が見込めることから三菱レイヨン(設備能力、年産21万
,000トン)、旭化成(同10万トン)、クラレ(同8万トン)、三菱ガス化学(同
4万1,000トン)なども増設に意欲をみせているが、アジア市場での多角的な供
給戦略では住化が先行している。
MMAのポリマーは成形材料や板に加工されて使われる。成形材料のうちペレッ
トでみると弱電・光学用に38%、自動車用などが37%、文具・雑貨用が17%。板で
は看板・ディスプレー用が33%、電気・弱電が25%、建材15%、照明8%といった比
率で使われている。とくに電気・弱電は昨年から40〜50%の伸びで需要がふえて
いる。
その対象は液晶ディスプレー、携帯電話の液晶表示板などである。とくに液
晶導光板用は国内の需要が昨年の1万5,000トンからことしは2万5,000トンにふえ、加えてアジア地区、とくに中国での伸びが見込めることから、住化のほか
三菱レイヨン、旭化成などが中国、台湾などでの工場建設を手がけている。
MMA製造設備の能力増強について
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山本一元)は、MMAモノマーの設備能力増強について、下記の通り決定しましたので、お知らせ致します。
1.背景・経緯
MMAのアジア需要は年間約80万tであり、中国の需要の伸びと、液晶導光板用途のアクリル樹脂の伸びなどに支えられ、年3〜4%の需要拡大が見込まれています。
当社は、MMAではコスト競争力に優れる直メタ法を自社開発し、1999年1月、当社川崎で稼動させました。
直メタ法は、既に世界各国から引き合いがあり、これまでライセンス供与・J/V設立の検討を進めてきていますが、今回、急拡大する需要増に対応するため、自社設備の能力を7万t/年から10万t/年に拡大することを決定したものです。
MMAモノマーの1系列10万t/年は世界最大規模であり、当社川崎プラントは、このスケールメリットに加え、直メタ法の更なる工程の効率化を併せて実施することで、増強後は世界で有数のコスト競争力を持つプラントとなります。
一方、ポリマーについては、液晶用導光板用途の需要急増に対応するため、本年5月に千葉ポリマープラントの能力を2万t/年(現1万5千t/年)に引き上げる予定であり、更に、アクリルシート製造設備についても、2002年度中に製造ラインを新設する計画です。
当社は、MMA事業をモノマーからポリマーまでを一貫ビジネスと捉え、一連の設備増強により、光学用途分野での世界トップメーカーとしてのポジションを一層強固にします。
なお、営業組織の面からも、本年2月に「光学材料営業部」を新設し、ペレット・シートを含めた光学材料分野での顧客対応力を強化する体制を整えました。
今回のMMA能力増強は、モノマーだけでなく、光学用途をはじめとしたポリマー事業の競争力強化にも大きく寄与するものであり、旭化成は、今後のMMA事業戦略を加速させることになります。
※直メタ法:イソブチレンを出発原料とし、メタクロレインを一段で酸化・エステル化反応させることによりMMAを合成する旭化成独自の製法
2.MMA製造設備増強の内容
(1) 生産能力 現行 7万t/年を、10万t/年とする。(3万t/年の増強)
(2) 工 期 2002年2月〜11月
(3) 立 地 当社 川崎支社内
2001/11/5 発表
株式会社日本触媒
住友化学工業株式会社
アクリル酸とMMAモノマーの事業交換について
日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:柳田浩)と住友化学(本社:大阪市中央区、社長:米倉弘昌)は、このたび、両社のアクリル酸事業およびMMAモノマー事業を相互に営業譲渡し、アクリル酸事業は日本触媒に、MMAモノマー事業は住友化学に、統合することに基本合意をいたしました。
従来、日本触媒が営業していたMMA事業と住友化学が営業していたアクリル酸事業を交換する「事業交換」の具体的内容は以下のとおりであります。
1. | 住友化学は同社愛媛工場のアクリル酸製造プラント(80,000d/年)および製品の営業を日本触媒に譲渡する。 | |
2. | 日本メタアクリルモノマー有限会社(日本触媒50%、住友化学50%)は次のとおり改組する。 | |
1) | 同社第1工場(愛媛)MMAモノマー製造プラント(40,000d/年)および製品の営業は、住友化学が譲り受ける。 | |
2) | 同社第2工場(姫路)MMAモノマー製造プラント(50,000d/年)は、新たに住友化学64%、日本触媒36%の合弁会社とし、住友化学は32,000d/年までのMMAモノマーの製品引取権を、日本触媒は18,000d/年までのメタクリル酸の製品引取権を持つ。 | |
3. | 日本触媒は、シンガポールMMAモノマー社(53,000d/年、住友化学シンガポール60%、日本触媒40%)の全持分を住友化学に譲渡する。 |
以上の事業交換により新たに住友化学は48,000d/年のMMA能力を、日本触媒は80,000d/年のアクリル酸プラントを付け加えることになります。(18,000d/年のメタクリル酸の製品引取権は日本触媒に残ります)
アクリル酸およびその誘導品ならびにMMAモノマー/ポリマーについては、アジア市場を中心に、今後とも世界的には、比較的堅調な需要の伸びが期待されるものの、アクリル酸およびその誘導品については、国際的巨大メーカーであるBASFによるアジア市場への大規模な工場進出や高吸水性樹脂会社の買収攻勢にみられるような市場の囲い込みによって、また、MMAモノマー/ポリマーについても、世界的な事業売却・事業統合等の合従連衡の進行とアジア地区での活発な新増設によって、メーカー間の競争は、ますます熾烈なものになると予想されております。
両社はそれぞれアクリル酸事業とMMA事業の両方の事業を行っておりますが、日本触媒は、アクリル酸の製造・販売のみならず、自ら幅広い誘導品(アクリル酸エステル類、高吸水性樹脂等)事業を展開しているものの、MMA事業についてはモノマーの販売を手掛けているのみで、ポリマー等の誘導品事業は行っておりません。一方、住友化学は自製のMMAモノマーをベースに、幅広くMMAポリマー(シート、成型材料等)事業を展開しているものの、アクリル酸事業については、アクリル酸の単体(粗酸および精製酸)販売のみを行っており、自らはそれらの誘導品事業は行っておりません。
両社は今後の厳しい経済環境のもとで、前述のような熾烈な企業間競争に勝ち抜いていくためには、お互いに誘導品を有しているコア事業に経営資源を集中投入することにより、当該コア事業をさらに強化・発展させていく必要があるとの認識で一致し、今回の事業交換の合意に至ったものであります。
なお、本事業交換の実施時期については、可及的速やかに手続きを行い、2002年3月末を目途に完了させる予定であります。
(1999/1/26 旭化成発表)
MMAモノマー新製法設備の竣工について
当社が、一昨年より建設を進めて参りました直メタ法MMAモノマー製造設備が完成し、商業生産を開始致しますので、お知らせ致します。
1.直メタ法プラントの完成
(1) | 直メタ法プラントは、昨年8月に当初の予定通り完成し、その後、試運転・一部設備の手直し等を行い、本格的な稼動の準備を整えて参りました。今般、ほぼ計画通りの性能が得られることを確認致しましたので、本年1月より、本格的に商業生産を開始し、1月29日竣工の運びとなりました。 | |
(2) | この製法は、イソブチレンを出発原料とし、メタクロレインを一段で酸化・エステル化反応させることによりMMAを合成する旭化成独自の画期的な製法です。 | |
(3) | 現在商業化されている直酸法はメタクロレインよりメタクリル酸を経由して更にエステル化反応によりMMAを合成していますが、当社の製法は旭の持つ触媒技術を使って、メタクリル酸工程の省略を可能にしたものです。 | |
(4) | この製法により、建設費の節減を含めて大幅なコストダウンが可能となり、世界でも最高レベルのプラントを完成することができました。 | |
(5) | 本プラントの完成により当社の従来製法であるMAN法設備を休止致しますので、当社のMMA能力は本プラントの完成後も変更はありません。 | |
2.背景 | ||
(1) | 98年以降のアジア経済の混乱及び住宅需要を始めとした内需の低迷等需要が低迷する中で、アジア市場において新たなプラントの稼動が予定されている等MMAを取り巻く需給状況は非常に厳しい環境下にあります。 | |
(2) | こうした環境下では、国際的なコスト競争力の確保が益々重要となってきていますが、当社としては、本プラントの完成により、こうした環境に対応することが可能であると考えています。 | |
3.今後の展開 | ||
(1) | 本プロセスについては、欧米・アジアの各国より多数の技術引き合いが寄せられており、現在、具体的に検討を進めております。 | |
(2) | 今後は、本プロセスの強みを生かすと共に、川下であるポリマー事業をさらに強化し、21世紀に向けて当社MMA事業の一層の基盤強化を進めて参ります。 |
(ご参考)
○ MMAモノマーの製法について | |||
直メタ法 | イソブチレン → メタクロレイン → MMA | ||
直酸法 | イソブチレン → メタクロレイン → メタクリル酸 → MMA | ||
MAN法 | イソブチレン → メタアクリロニトリル → メタクリルアミド → MMA | ||
ACH法 | アセトン+青酸 → アセトンシアンヒドリン → メタクリルアミド → MMA |
(1997/3/10 発表) 化学工学会技術賞
MMAモノマー新製法確立と工業化について
当社は、この度、PMMA、MBS樹脂、塗料用樹脂等に使用される MMAモノマーの合成について、従来法に比べ工程を短縮し、低コストでの生産を可能とする画 期的な製法を確立し、川崎製造所内で工業化することを決定いたしましたので、お知らせいたしま す。
新製法について
新製法は、イソブチレンを出発原料とし、メタクロレインを一段で酸化・エステル化反応させることによりMMAを合成する画期的な製法(以下、直メタ法)です。
現在商業化されている直酸法はメタクロレインよりメタクリル酸を経由して、更にエステ ル化反応によりMMAを合成していますが、当社の直メタ法は、この工程の中でメタクリル酸工程を省略するものです。
同製法については、1994年8月から水島のパイロットプラントで工業化プロセスの検討を行ってまいりましたが、新たに開発した複合酸化物触媒及び金属間化合物触媒を用いることによりメタクリル酸工程を省略するもので、当社が長年培ってきた触媒開発の成果が結 集したものです。
この直メタ法は、既存製法に比べ大幅なコストダウンが可能となるばかりでなく、建設費に関しても、従来の直酸法に比べ工程の簡略化による削減が可能となり、世界的にみて最高 レベルの製法が完成したと自負しております。
工業化について
MMAモノマーは、今後ともアジア市場で5%の成長が見込まれる一方、供給サイドにお いても各社の設備増強計画が予定されており、厳しい事業環境のなかで国際的に通用するコ スト競争力の確保が益々重要になっております。
そこで当社では、MMA事業の基盤強化のため、従来のMAN法プロセス(イソブチレンを出発原料とし、メタクリロニトリル(MAN)を経由してMMAを製造する当社独自の製法)に代えて、本プロセスを川崎製造所内で年産6万トンの規模で工業化することを決定し、 本年2月より本格工事に取り掛かりました。
完成は1998年7月を予定しております。総工事費は、既存設備の転用も可能であり、 約60億円であります。既存のMANプラントについては、アクリロニトリル(AN)プラ ントに転用しANとの併産を図り、AN事業の強化に充てる予定であります。
尚、当社のMMA能力は現在MAN法、ACH法を併せて9万トン/年であり、本プロセス採用後も変更はありません。
今後の展開
本プロセスについては、欧米、アジア各国より、多数の技術引き合いが寄せられておりま す。本プロセスの確立と工業化の決定を踏まえ、当社は今後とも、21世紀に向けたMMA 事業の基盤強化と技術の高度化を一層を進めて参ります。
Engineering Business 2001/5 http://www.enb.co.jp/
化学工学会技術賞にMMA直メタ法など5件
化学工学会は、今年度の化学工学会賞技術賞に旭化成が開発したのMMAモノマー直メタ法など5件を選定した。
MMAモノマー新製法(直メタ法)の工業化 (旭化成)
MMAは従来、ACH法、直酸法プロセスで製造されてきた。しかし前者は青酸を用いる危険があり、大量の硫安が副生される。後者も中間体であるメタクリル酸が重合しやすいという問題があった。直酸法は、中間体であるメタクロレインからメタクリル酸を経由、さらにこれをエステル化してMMAを合成する。これに対して直メタ法は、メタクロレインの酸化とエステル化を同時に行うことで工程を省略し、ダイレクトにMMAを合成する。このプロセスの開発のため、同社は1980年代から触媒の開発を進め、 93年には20〜30kg/dのパイロットプラントを建設し、プロセスを確立した。 98年8月には同社川崎工場で年産6万トンの商業プラントを稼動させ、さらに昨年10月にはデボトルネッキング工事を行い、生産能力を7万t/yに拡大した。
このプロセスでは、直酸法にくらべて反応がマイルドであるとともに、触媒開発で収率が従来比で10%程度向上した。プロセスの省略もあり、イニシャルコストおよびランニングコストが大幅に低減され、国際競争力の高いプロセスとなった。そのため、世界各国からライセンス供与の引き合いが10数件寄せられているものの、旭化成ではJVの設立でアジア展開を図っていく方針。現在、台湾でJV設立に向けた協議が行われているという。なお、同社川崎のプラントはさらにデボトルネッキングを行い、能力増強を図っていく考え。
(化学工業日報 2002/1/29)
三菱レイヨン、MMA事業で中国戦略を強化
三菱レイヨンは、中国におけるメチルメタクリレート(MMA)事業戦略を加速する。2004−2005年を視野に進出を狙うモノマーでは、原料イソブチレンを調達しやすいコンビナートに隣接して日本企業との合弁による生産拠点を建設する計画だ。誘導品では生産合弁を持つMMA系高級エステル、2003年秋の稼働を目指している成形材料に続き、さらにシート、塗料用樹脂など裾野拡大へ生産拠点設置に向けた事業化調査(FS)を開始した。モノマーから誘導品までの一大センター構想を視野に入れ、タイに続き中国でのMMAチェーン構築を目指す。
PMMA事業を売却 韓LG化学、日系合弁社に
韓国最大の総合化学企業、LG化学は、メタクリル樹脂(PMMA)の事業を日本企業との合弁会社であるLG MMAに売却した。合弁会社ではPMMAの原料であるメチルメタクリレート(MMA)を製造しており、原料モノマーから樹脂までの一貫生産体制を整えたことになる。LG化学はコア事業への集中や高付加価値事業の育成を柱とした事業再構築を加速しており、PMMA事業の合弁会社への売却もその一環とみられる。
LG化学は、主力生産拠点の麗川工場に年産能力22千トンのPMMA設備を保有していたが、同設備と関連従業員はLG
MMAにこのほど移管された。PMMAはアクリル樹脂とも呼ばれ、透明素材として自動車や電気部品、建材など幅広い用途がある。韓国ではハンファ総合化学もPMMAを事業化していたが、昨年秋に仏エルフ・アトケムに事業を売却している。
LG
MMAはLG化学50%、住友化学工業25%、日本触媒25%の出資構成で91年に設立され、現在、韓国で唯一のMMAメーカーとなっている。麗川の工場には年産能力5万トンのMMA設備のほか、同2万トンのMTBE設備、メタクリル酸設備がある。
LG化学は昨年、米アライド・シグナルとのエンプラ合弁事業やサウジアラビアでの塩ビ合弁事業からの撤退、カーボンブラック事業売却などのリストラを実施。一方で、米ダウ・ケミカルとポリカーボネート(PC)樹脂、米ローム・アンド・ハーストとフォトレジストでそれぞれ合弁事業契約を結んでいる。PC樹脂の合弁会社はこのほど正式発足し、今年上半期中にも麗川で世界最大規模(年産13万トン)の工場建設がスタートする予定だ。
化学工業日報 2002/8/22
韓国LG MMA、年内にPMMAを2万トン増強
韓国のLG MMAは、液晶表示装置(LCD)や人造大理石素材などに利用されるメタクリル樹脂(PMMA)の年産能力を、年末までに2万トン増設する。これにより総年産能力は5万トンとなる。同社は来年からPMMAの国内供給不足が深刻化するとみており、そうした需要増に対応を図るのが狙い。なお同社はすでに、PMMAの原料であるメチルメタクリレート(MMA)の総年産能力を2003年までに10万トンに引き上げる計画を明らかにしている。
三菱レイヨン株式会社
アクリル樹脂のアジア新拠点の竣工について
三菱レイヨン株式会社は、かねてより、アクリル樹脂の分野において、
成長を続けるアジア地域並びに世界各国の需要に応え、かつアジアで
ナンバーワンの地位をより確固なものとすべく、タイ並びに中国において、
生産拠点の設立と早期稼動に尽力してきたところです。
この度、タイMMA社(タイ マプタプット)は、来る6月3日に竣工式
を行う運びとなりました。尚、蘇州三友利化工有限公司(中国 蘇州)に
つきましては、この4月8日に竣工式を実施致しました。
1. タイMMA社(タイ マプタプット)
タイMMA社はタイのセメンタイケミカル社との合弁で、97年1月に
設立されました。本年4月より、MMAモノマーを年産能力7万トン体制にて
生産開始致しました。タイ国内および東南アジア、並びに欧米市場へのモノマー
供給拠点として大きな期待がよせられます。現在のところは、年産5万5千トン
ペースにて順調なスタートをきっております。
セメンタイケミカル社の母体であるサイアムセメントグループは、タイ・
マプタプット地区にてエチレンプラントを建設しており、今回の合弁は、その
誘導品計画の一環に位置づけられるものです。また当社はすでに、タイには
シート、成型材料、コーティングレジンでの分野にて進出しており、それらとの
有機的連携の実現に大きな一歩を踏み出すものとして期待されます。
2.蘇州三友利化工有限公司(中国 蘇州)
吉林化学工業公司蘇州安利化工廠との合弁で96年12月に設立し、本年1月より、MMA
系の高級エステルであるBMA(ブチルメタアクリレート)を年産5千トン規模
にて、生産開始致しました。
BMA(ブチルメタアクリレート)は、自動車、家電、建材用途の高級塗料原料
となるもので、中国国内、東南アジアでの今後の需要拡大が見込まれます。今回
の合弁は、当社アクリル樹脂事業において、中国進出の初めてのケースとなり、
今後の同国内におけるアクリル樹脂事業を拡大してゆく礎として位置づけられます。
MMA事業の強化については、今後の東南アジア地域、世界各国でのMMA関連
製品の需要拡大に対する対応策として、より競争力のあるプロセスづくりが重要
と認識しております。今後においても、世界でトップレベルのアクリル樹脂
メーカーとしての地位を一層強固なものにすべく、積極的なグローバル展開に
尽力していく所存です。
【資料】
《タイ・エムエムエー社概要》
1.会社名 : THAI
MMA CO.,LTD.
2.設立 : 1997年1月
3.事業内容 :アクリル樹脂モノマーの製造・販売
4.生産能力 :年産7万トン
5.資本金 : 13億バーツ(42億円)
6.出資比率 :三菱レイヨン 45%
セメンタイケミカル(サイアムセメントグループ)
45%
バンコクシンセティクス 5%
三菱商事 4%
タイ三菱商事 1%
7. 所在地 タイ国バンコク(本社)
タイ国ラヨン県マプタプット工業団地(工場)
《蘇州三友利化工有限公司概要》
1.会社名 : 蘇州三友利化工有限公司
2.設立 : 1996年12月
3.事業内容 :メタクリル酸系高級エステルBMA(ブチルメタクリレート)の生産
4.生産能力 :年産約5,000トン
5.資本金 : 250万ドル
6.出資比率 :三菱レイヨン(株) 50%
住友商事(株) 25%
吉林化学工業公司蘇州安利化工廠
25%
7.所在地 : 江蘇省蘇州市
Establishment of MMA
Monomer Manufacturing Company
Mitsubishi Rayon Co., Ltd.(MRC
hereafter) has agreed with Cementhai Chemical Co., Ltd., which is
a petrochemical sector of Thai Siam Cement Group, to establish
MMA(methyl methacrylate ) monomer manufacturing company named
"Thai MMA Co., Ltd.". The parties have signed a
contract of Joint Venture Agreement on November 27, 1996 in
Bangkok ,Thailand. The plant will be located in Map-Tha-Phut area
of Rayong prefecture in Thailand. It will be operational in 1999
Spring at the maximum capacity of 70,000 ton/year. The MMA will
be one of major downstream derivatives from ethylene cracker,
which is under construction by The Siam Cement Group. It is the
first MMA monomer manufacturer in Thailand.
MMA monomer is principle raw
material for paint, paper coating, adhesives etc. Also, its
polymer (acrylic resin or PMMA ---poly methyl methacrylate) has
excellent transparency, weatherability and processability, being
used for display panel, automobile parts, aquarium etc. At
present these demands is expected to grow at more than 10% per
year in Southeast Asia. However, current monomer supply is
substantially tight even in Japan and cannot fulfill the overseas
allocation. Hence the decision was made to go into overseas
manufacturing.
In Thailand, MRC has already been
operating manufacturers of acrylic resin sheet, molding pellet,
and coating resin. Thai MMA Co., Ltd. will supply them with
requisite MMA monomer. Also the new company will export the
monomer to Indonesia, Malaysia, Philippine etc., in order to meet
vigorous Southeast Asian market.
At present, MRC has its own MMA
monomer plant of 200,000 ton/year capacity at its Otake
Production Center, globally ranked at the third following ICI
(UK.) and Rohm & Haas (US.). MRC's corporate strategy
prescribes the monomer-resin business as one of its core , aiming
at world most competitiveness in Asia.
Thai MMA Co., Ltd. is expected to
play pioneering role for the MRC's strategy implementation.
Thai MMA Co., Ltd.
1.Established in: 1997 January
2.Business: Manufacturing and Selling of MMA monomer
3.Capacity: 70,000 ton/year
4.Operational in: 1999 Spring
5.Capital: 1.3 billion Bahts (5.72 billion yen)
6.Shareholders: Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 45%
Cementhai Chemicals Co., Ltd. 45%
Bangkok Synthetics 5%
Mitsubishi Corporation 4%
Thai MC 1%
7: Head office Location: Bangkok, Thailand
8.Plant Location: Map-Tha-Phut industrial district, Rayong prefecture, Thailand
9. Market: Thailand, Malaysia, Indonesia etc.
10. Sales Forecast: 66MUS$ in first year, 84MUS$ in third year
The Siam Cement Public Co., Ltd.
1.Location: Bangkok, Thailand
2.Established in: 1913 (established for national policy of industrialization)
3.Capital: 1.2 billion Bahts (4 billion Yen)
4.Principal Shareholder: Crown Property Bureau of Thailand
5.Business: Financed by Thai Royal Family, the company commenced operation as the first cement manufacturer in Thailand. Currently, the company is the Thai largest cement manufacturing conglomerate, owning more than 80 subsidiary companies.
6.Sales: 85.7 billion Bahts (1995, consolidated base)
Cementhai Chemicals Co., Ltd.
1. Location: Bangkok, Thailand
2.Established in: 1995
3.Capital: 5.405 billion Bahts
4.Shareholder: The Siam Cement Public Co., Ltd. 100%
5.Business: The Siam Cement Public Co., Ltd.'s holding company of petrochemical sector.
2000/7/4発表
三菱レイヨン株式会社
アクリル樹脂モノマー及び誘導体の北米生産検討開始について
三菱レイヨン株式会社は、99年4月より稼働のタイMMA社に続く、次期海外展開として、北米における「アクリル樹脂モノマー(メチルメタクリル酸=MMA)」とその誘導体である「高級エステル」の生産拠点の本格的な検討を開始することになりました。いずれも、2003年末〜2004年央の稼働を前提としています。
<北米アクリル樹脂モノマー新工場設立の背景>
アクリル樹脂は、透明性、耐候性、加工性に優れており、塗料、紙コーティング材、粘接着剤や各種看板、自動車テールランプ、水槽等に幅広く使われています。原料であるモノマーの需給バランスは、世界的に好調な需要に支えられ、特に米国市場においては、2003〜2004年にかけて大幅に逼迫することが予想されています。
当社はこれまで、米国においてコーティングレジン、シート、アクリル系添加剤等ダウンストリーム事業の展開を進めてきた結果、アクリル樹脂モノマーの自家消費も拡大し2004年には、工場生産に見合う量が、米国内にて販売可能と判断するに至りました。
生産規模は10〜15万t/年、テキサス州立地にて検討開始致します。
<高級エステル新工場設立の背景>
更に、米国におけるアクリル樹脂ダウンストリーム事業を強化する目的から、自動車、家電製品、建材等の産業用塗料の原料となる高級エステルの工場建設も併せて推進する予定です。これは、10年前に設立した高級エステルの米国販売会社
サン・エステルズ社が順調に市場を獲得し現地生産化が望まれること、並びにコーティングレジンの製造・販売を行う
ダイヤナール・アメリカ社への原料供給を考慮するものです。
生産規模は1万2千t/年、北米アクリル樹脂モノマー新工場隣接立地にて検討します。
当社は、アクリル樹脂モノマーで世界第4位の生産能力を持つと同時にアジア市場では圧倒的なリーダー企業であり、今後のアクリル樹脂の世界的な需要増大に応え、グローバルに競争力のある生産拠点づくりを重要課題と考えています。特にアジアにおいては、既にフル生産のタイMMA社に次ぐアクリル樹脂モノマー新プラント建設を念頭に、アクリル樹脂成形材料新プラント建設の検討を併せて開始しました。
今次の北米生産拠点化が、確実に実現できるよう、積極的に計画推進していきます。
2000/1/24
三菱レイヨン
アクリル樹脂のタイにおける事業展開の強化について
三菱レイヨン株式会社は、最近の東南アジア経済の復興に鑑み、将来的にも、順調な販売成長が予想されるアクリル樹脂事業のさらなる競争力強化のため、99年4月稼働したタイMMA社のアクリル樹脂モノマー製造の操業強化、並びにタイにおけるダウンストリーム事業強化を目的とし、TPIポリアクリレート社の経営権取得を行いました。
アクリル樹脂モノマーについては、昨今、国内外を問わず、かなりのタイト感をもって需給バランスが推移しています。99年4月に順調に稼働開始したタイMMA社(タイ
バンコック)は、能力5.5万t/年を上回る生産実績で推移しており、今後の旺盛な需要に応える為、当初計画を1年前倒しで2001年に7万t/年体制に持っていく予定です。
タイにおけるアクリ樹脂モノマーの安定生産は、当社のアジアにおける拠点政策の最重要課題の一つであり、今後についても、安定操業の確立に注力してまいります。
また、99年12月28日、東南アジアにおけるアクリル樹脂事業の競争力強化のため、
アクリル樹脂成形材料メーカーである、TPIポリアクリレート社(タイ バンコック)の株式の60%をTPI社から買い取り、筆頭株主として経営権を取得しました。買い取り後の当社の出資比率は、77.5%となります。
TPIポリアクリレート社は、タイの2大石油化学企業の一社であるTPI社、三菱商事及び三菱レイヨンの共同出資により、1993年3月に設立されました。同社のアクリル樹脂成形材料は、自動車、電機製品など幅広い分野で、その優れた透明性、高級感などが評価を受け、現在、タイ国内で70%以上のシェアを獲得しています。
この度の出資拡大により、当社がタイにて展開している、アクリル樹脂モノマー、成形材料、シート、コーティングレジンの関連事業の有機的な連携による、一貫体制の確立が、さらに推進されたものと確信しております。
当社は、世界でトップレベルのアクリル樹脂メーカーとしての地位を一層強固なものにすべく、更にコスト競争力のある製造販売プロセスの構築を目指し、今後も積極的な海外事業強化に尽力していく所存です。
Business Development Asia
Asian Specialty Chemicals Newsletter Issue 13, June 1999http://www.bdallc.com/news/Chemical/pdf/asian%20chem%20newsletter%20june%2099.pdf
TPI Polyacrylate Co - Thailand
The only producer of PMMA in Thailand, with capacity of 10,000tpa. It was formed by TPI and Mitsubishi Rayon in 1992 and is 65% owned by TPI, 35% by a group of Japanese companies. The Japanese shareholders comprise Mitsubishi Rayon Co, Mitsubishi Corp, and Thai MC Co.
TPA has managed to capture the majority of a domestic market share which used to be dominated almost entirely by Taiwan and export more than 40% of its capacity to such major markets as China, Hong Kong, Malaysia and Indonesia.
Mitsubishi Rayon was negotiating to take a majority stake in TPI Polyacrylate Co in February 1999. Mitsubishi's planned acquisition of TPI Polyacrylate would serve as an outlet for MMA produced at another JV partner, Thai MMA Co, which is the only producer of MMA in Thailand.
TPI Polyacrylate is a minor business for TPI. Its Japanese partner Mitsubishi Rayon handles both export sales and raw material purchases for the company.1999/12
三レ 17.5%→77.5%
TPI 65% → 5%
2001/8/21 三菱レイヨン
外資初の中国アクリル樹脂成形材料新社設立について
三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:皇芳之)は、2001年9月、丸紅株式会社と共同で、中国江蘇省南通市にアクリル樹脂成形材料の製造・販売会社「南通麗陽化学有限公司」を設立します。新社は、中国における外資初のアクリル樹脂成形材料メーカーとなります。投資額はおよそ3,000万US$で、2003年秋の稼働を目指します。生産能力は4万トン/年で、1系列で世界最大の規模を誇る最新鋭の設備を導入し、高転化率連続塊状重合技術によるハイクオリティな製品を提供します。
1.中国新会社設立の背景
中国は、アジア最大のアクリル樹脂成形材料消費国ですが、そのほとんどを輸入に頼っている状況です。アクリル樹脂成形材料の世界需要は、年平均でおよそ3%程度の伸びと推定されています。その中でもアジアの成長が最も大きく、とりわけ中国市場の伸びは、約10%程度と見込まれています。中国では、プラスチックの中で最も透明度が高く耐候性に優れたアクリル樹脂の特長を活かして、主にレンズ、雑貨、家電、照明等に用いられていますが、今後は車輌やIT関連(液晶用バックライト導光板や携帯電話カバー等)が飛躍的に伸びていくと想定されます。
中国の南通市は、今後、大きな需要が見込まれる上海を中心とする華東、香港を中心とする華南へのユーザーアクセスにも大変有利な場所であり、また、工場建設に最適なインフラが整っていることからこの地に新社を設立するにいたりました。
当社は、メタクリル酸メチル(MMA)およびその重合体であるアクリル樹脂(MMA樹脂)を中心としたMMA系事業体を基幹事業として位置付けており、今後もアジア最強の地位を堅持すると同時に、世界No.1のポジションを目指して、さらなる海外展開を強力に推し進めてまいります。
2.新会社の概要
・名 称 | : 南通麗陽化学有限公司(Nantong Rayon Chemical Co.,Ltd.) |
・場 所 | : 中国江蘇省南通市 南通経済技術開発区内 |
・代表者名 | : 未定 |
・事業内容 | : アクリル樹脂成形材料(ペレット)の製造・販売 |
・設 立 | : 2001年9月 |
・稼 働 | : 2003年秋 |
・資本金 | : 1,600万US$(約19億2千万円) |
・出資比率 | : 三菱レイヨン 80%、 丸紅 20% |
・従業員 | : 約50名 |
・生産能力 | : 4万トン/年 |
・売上目標 | : 初年度 約60億円(年間) |
Chemnet Tokyo 2003/7/3
三菱レイヨンの中国のアクリル樹脂成形材料工場、来月に完成
年産4万tの設備、営業運転は10月からの予定
三菱レイヨンが中国・南通市の経済技術開発区内で建設工事を進めていたアクリル樹脂成形材料の製造工場が8月に完成する見通しとなった。設備能力は年産4万t。9月早々に試運転を開始、10月から営業運転に入る予定。
同工場は、導光板などIT関連の需要が同国内で急速に拡大していることに対処して建設されるもの。この結果、同社のMMA成形材料の生産能力は日本国内と合わせて年産約8万8,000tとなる。
同社はこれに続いて同じ区域内にMMA樹脂板の工場も建設する。設備能力は同2万tで、05年5月の稼動開始を目標に工事に入っている。同じくIT関連の需要の増加に対応していこうというもの。さらには原料のMMAモノマーも現地で工業化すべく政府に認可を働きかけている。
三菱レイヨンの中国のMMA成形材料工場が完成
三菱レイヨンが中国江蘇州南通市郊外で進めていたMMA成形材料工場の建設工事がこのほど完工した。現在は試運転中だが稼動状況は極めて良好で、10月中旬には営業運転を開始できる見通し。
同工場は、三菱レイヨンの全額出資会社「南通麗陽化学」が南通経済技術開発区内に建設した中国で初めての本格的なMMA成形材料工場。設備能力は年産4万t。MMA成形材料の需要は、中国でも車両部品向けや日用雑貨向けにここにきて急速に拡大しており、このため三菱レイヨンはユザーニーズへの機敏な対応を目的に日本からの輸出を現地生産に切り替えることにしたもの。スタート当初からフル稼働を目指していく。
同工場の完成によって三菱レイヨンのMMA成形材料の総設備能力は、日本国内年産4万7,700t、タイ(ダイアポリアクリレート社)の同8,000tの合計9万5,700tとなった。
なお同社では、中国にはこれに続いて再来年春に同じ地域に同2万t能力のMMAシート工場を建設、さらにその後に同10万t規模のモノマープラントを完成させたい考え。
三菱レイヨン、中国のMMA樹脂工場が本稼動
日本、タイに続く第3の生産拠点
三菱レイヨンは21日、同社80%、丸紅20%の共同出資による中国・南通麗陽化学有限公司が江蘇省南通市経済技術開発区で昨年12月末からMMA成形材料の本格生産を開始したと発表した。
これは昨年秋、同区に建設した年産40,000トン能力の新工場が商業運転に入ったもの。採用技術は同社の高転化率連続塊状重合法。建設資金は2,950万ドルであった。
中国では、車両や導光板、携帯電話向けにMMA成形材料の需要が急速に伸びている。三菱レイヨンは日本から輸出して需要に対応してきたが、今後も需要が大きく伸びる見通しのため現地生産することにした。
この結果、MMA成形材料の生産拠点は日本、タイ、中国の3ヵ所となり、設備能力は日本47,700トン、タイ8,000トン、中国40,000トンの合計95,700トンとなった。
MMAでアジア攻勢 旭化成、台湾を拠点に
ポリマー奇美と生産委託提携、モノマー
タスコ合弁、2002年稼働
旭化成工業は、台湾の奇美実業とMMA(メチルメタクリレート)で提携する。奇美実業が年産3万トンの設備を建設し、旭化成が成形材料(ペレット)とシートなどのMMAポリマーを生産委託し、アジア市場での需要急増に対応する。すでに台湾でポリカーボネート(PC)樹脂の合弁製造拠点設置を決めているが、事業提携範囲を広げることで両社のつながりを強化する。また、台湾で台湾石化合成股扮有限公司(タスコケミカル)とMMAモノマーで合弁事業化のFS(事業化調査)を開始しており、台湾拠点を基点にモノマーからポリマーまでの供給体制を整え、アジア市場開拓に乗り出す。
MMAポリマーは、奇美実業に成形材料(ペレット)とシートの生産を委託する。旭化成工業は年産約4万5千トンのMMAポリマー設備を有する。一方、奇美実業は旭化成などからMMAモノマーを購入してMMAポリマーを製造し、同6万トンの設備を持つ。今回、同3万トン規模の新設備を建設し、生産委託に対応する。
旭化成はこれまでMMAポリマー輸出でアジア市場展開してきたが、IT関連用途を中心とした国内外での需要急増から設備はフル稼働状態にある。奇美実業とは2001年末に台湾でPC樹脂の合弁製造拠点設置を決めているが、MMA事業まで業務提携範囲を広げることで投資リスクを減らすとともに、アジアでの需要増に対応していく。
またMMAモノマーでは、台湾で台湾石化合成股扮有限公司との合弁事業化に向けてFS中。年産5万トン規模のプラントを設置し、2002,3年ころからの稼働を目指す。さらに国内では、自社生産分の年産7万トンと三菱レイヨンヘの原料持ち込みによる年間2万トンの生産委託を合わせた年間10万トンのMMAモノマー供給能力を有するが、ボトルネック解消による増強を台湾での新プラント設置と並行して検討していく。
MMAモノマー、ポリマーは世界規模で需要が増加しており、とくにアジア市場では2ケタ成長を続けている。三菱レイヨンや住友化学工業、日本触媒はアジア市場で拡販に乗り出している。
旭化成は国際競争力優位事業の戦略的海外拠点の整備を進めており、MMA事業についてもこれまでの内需先行型戦略からアジア市場への本格進出で一気に攻勢をかける。
(2000/7/10 旭化成発表)
台湾でのMMA企業化への共同F/Sの実施について
1.趣旨 | |
弊社は、台湾でのMMA事業化に向けて、TASCO(台湾石化合成)社と共同でF/Sを実施することに合意しましたので、ご連絡申し上げます。 | |
2.背景 | |
弊社は、かねてよりMMAモノマーの供給力の拡大を検討しておりましたが、昨年後半以降のアジア域内の急速な需要増大により、より迅速な対応を迫られております。一方、弊社が開発した直メタ法MMA製造技術については、企業化発表当初より各方面より注目を集めておりましたが、昨年1月の弊社川崎工場の商業運転開始以降、国内外よりその事業化に向けて多くの問い合わせを受けております。
TASCO社もその一社ですが、(1)同社のMMA事業化の意欲、(2)原料イソブチレンの供給安定性、(3)台湾 林園コンビナートという立地の良さ等により弊社のベストパートナーとなる可能性が高いと判断し、同社よりも同意が得られたことにより、この度共同でF/Sを実施する運びとなったものです。 |
3.計画の概要
製 品 : MMAモノマー 50〜70,000トン/年 製 法 : 弊社直メタ法 立 地 : 台湾 林園コンビナートのTASCO敷地内 稼動目標 : 2002年末 (投資額・出資比率等は、検討中)
TASCO社について
社 名 : TASCO Chemical Corporation (台湾石化合成) 社 長 : 呉 澄清 (C. C. Wu) 本 社 : 25-9A Sec.4, Jen-Ai Rd., Taipei, Taiwan, R.O.C
(台北市大安区仁愛路四段25号9A)工 場 : 1 Kung-Yeh 2nd Rd., Lin-Yuan, Kaohsiung, Taiwan
(高雄県林園郷工業二路一号;林園コンビナート内)設 立 : 1982年4月 生産品目 : MTBE(ガソリン添加剤)25万t
MEK(6万t)、無水マイレン酸(2万t)、ブテン(1万t)など
住化、シンガポールMMA工場の生産能力を増強
住友化学工業はシンガポールのメチルメタクリレート(MMA)工場の生産能力を増強する。100億円前後を投じてプラントを増設し、2004年の稼働予定で現在比2.5倍の年間13万3000トンに引き上げる。看板や照明器具などの原料になるMMAは樹脂原料の用途が伸びているほか、モノマーとしても中国などで需要拡大が見込めると判断した。韓国合弁でも能力倍増を計画しており、04年に合併予定の三井化学と合わせたMMAの生産でアジアのトップクラス入りを狙う。
シンガポールでMMAの生産能力を増強するのは住友化学が60%を、残り40%を日本触媒が出資している「シンガポールMMAモノマー」(→住化100%に)。 主原料の一部は自家製に加えて、近隣で稼働を始めたエクソン・モービルのエチレンプラントなどを対象にした外部調達も検討する。
並行して住友化学は、全額出資でMMAポリマー(重合体)を製造しているシンガポールの「スミカMMAポリマー」の生産能力も設備手直しにより今夏にも現在比1.4倍の年間3万5000トンに拡充。04年には同4万5000―5万トンに増やす予定で投資額は数億の見通し。
MMAはアジアで樹脂としてのポリマーについては欧米市場向け食器や人工宝石用途などの需要が膨らんでいる。一方でその原料となるモノマーもアジアや中国で看板向けなどの市場が拡大し、年率6%程度の成長が見込まれている。住友化学は韓国でも韓LG化学、日本触媒と合弁の「LGMMA」で03年をめどにMMAモノマーの生産能力を現在比倍増の同10万トンに増やす計画。これにより合併予定の「三井住友化学」として、合弁からの引き取り量を含む国内外の供給量合計は同約30万d。現在、世界首位の三菱レイヨンに迫る体制を整える。
Chemical Week 2002/6/5
Sumitomo Chemical to Expand Acrylics in Singapore
Sumitomo MMA Polymer (Singapore), a subsidiary of Sumitomo Chemical, says it is considering an expansion of polymethyl methacrylate (PMMA) capacity at Jurong Island, Singapore. “Nameplate capacity is 35,000 m.t./year, but we’re trying to make more product to satisfy demand,” says Akitoshi Suzuki, deputy general manager/administration at Sumitomo Chemical Asia (Singapore). “We would like to add several thousand metric tons of capacity, if we can find an economic means of debottlenecking the plant during a maintenance shutdown scheduled for July.” The project would be in addition to a previously announced plan to add 10,000 m.t./year of capacity by August 2003, Suzuki says.
Meanwhile, Sumitomo MMA Monomer (Singapore), another Sumitomo subsidiary, says it expects to receive board approval soon for a previously announced 70,000-m.t./year methyl methacrylate (MMA) plant that would be built next to its existing 53,000-m.t./year MMA unit at Jurong Island. Basic engineering has been completed, and the plant could be onstream by end-2004, the company says. Sumitomo says it is also planning to add about 10,000 m.t./year of specialty acrylic resin capacity at Ehime, Japan by 2004, raising that plant’s capacity to 33,000 m.t./year. Sumitomo will add 5,000 m.t.-6,000 m.t/year of extruded acrylic sheet capacity at Ehime by year-end , and it plans to add a further 10,000 m.t./year of capacity in parallel with the resin expansion.
三菱レイヨン Homepage http://www.mrc.co.jp/unique/mma.html
生産量でも技術でも世界のトップレベル
当社グループのMMAの生産能力は日本最大で、世界的にも第4位です。
ただし、アルコールを付加して作った誘導体の製品群の多さや、ポリマーまでの展開の広さでは世界ナンバーワンと言えます。
生産技術の面では、世界に先駆けて、モノマーの新しい合成法を開発しています。すなわち、従来のACH法に対する、イソブチレン直接酸化法がそれであり、化学工業協会技術賞、大河内記念賞を受賞しました。
イソブチレン直接酸化法は、ナフサ分解で生じる、いわば残り物を利用するもので、この開発により、モノマーの原料の多様化と、資源の有効活用に貢献しています。
企業グループ名 | メンバー企業名 | 設備能力 | |
1 | Lucite International (Ineos Acrylics) |
Lucite(UK/USA), KMC | 560 |
2 | Roehm Group (Degussa-Huls Group) |
Roehm, Monacryl, Cyro | 375 |
3 | Rohm & Haas | 360 | |
4 | 三菱レイヨングループ | 三菱レイヨン、タイMMA社 | 270 |
5 | Atofina | 155 |
|
6 | 旭化成工業 | 90 | |
7 | クラレ | 83 |
99年12月現在
世界TOP 7 各社関連図
Atofina 現状180,000t
Rohm and Haas増設分引取で250,000tへ。
PMMA部門 Rohm and Haasと事業統合(Atohaas) → R&H 持分購入 Atoglas住化/日本触媒 日本 90+韓国50+シンガポール 55
日本経済新聞 2002/5/6
三菱レイヨン、旭化成 中国でアクリル生産 LCD向け需要見込む
三菱レイヨン、旭化成は中国でアクリル樹脂を生産する。三菱レイヨンは2003−07年にかけて原料から樹脂、樹脂板までの一貫生産体制を整える計画で、合計約300億円を投資する。旭化成も中国での樹脂生産の事業化調査に入った。現地で生産が拡大している液晶表示装置(LCD)や自動車向けの需要が伸びると判断した。
化学工業日報 2002/5/24
住友化学、成形材料などPMMAを増強
住友化学工業は、液晶表示装置(LCD)のバックライト用導光板向けに需要が拡大しているPMMA(メチルメタクリレートポリマー)の生産能力を増強する。まず成形材料を日本およびシンガポールでそれぞれ年1万−1万5000トン増強し合計10万トン体制とする計画。2003−04年の稼働を見込む。シートについても今年第4・四半期には愛媛工場で押出板を5000−6000トン増強するほか、成形材料の増強と並行して1万トン増強し、キャスト板(9500トン)と合わせ4万トン体制とする計画。さらに押出板は日本だけでなく中国を含めたアジアに生産拠点を設置する方向で、場所・時期など細部を詰めている。ブラウン管からの代替が急速に進むLCDの導光板は、昨年に引き続き一段と引き合いが活発化し各社ではフル稼働が続いている状況。住友化学は増強により安定供給体制を整えるとともに、シェア向上を図る狙いだ。
Chemnet Tokyo 2002/8/30
住化、MMA板の新成形法を韓国・三進技研に供与
国内、台湾、中国向けも急ぐ 導光板用に伸びる
住友化学は液晶テレビの導光板用などに伸びているメタクリル樹脂板を2個取りで射出成形する新技術を開発、スミトモライトガイド「SLG」の商品名でサブライセンスしようとその対象企業を選定していたが、このほど韓国・三星電子の関係会社である三進技研に決めた。引き続き国内2社、台湾1社を選ぶ計画で10月をめどに詰めを急いでいる。また、中国との交渉も行う方針である。
通常、導光板は表面をみがいたあと白色での印刷を行っているが、SLG法の場合、この印刷が不要となり導光板の成形速度が大幅にアップして、コストが下がる。さらにSLGでは透明性が高く、均質な厚みに加工できるため高精度になるとしている。
住化がサブライセンスする三進技研はキャストシートと呼ばれる現地のメタアクリル樹脂板メーカーだが、SLG法では年産5,000〜1万トンの規模で企業化するもよう。
住化はメタクリルレート(MMA)事業の拡大に積極的に取り組み国内で年産82,000トン、シンガポールで12万〜13万トン、韓国で5万トンの供給能力を確保し、さらに韓国では倍増計画を進めている。
これに並行してメタクリル樹脂の用途拡大をねらっているわけで、自社でもキャストシート、押出板の成形品の増強を行っている。
2002/07/11 東ソー
TBAの製造設備並びに桟橋新設
東ソーは、メチルメタクリレートモノマー(MMA)の原料であるターシャリ・ブチルアルコール(TBA)製造プラントを四日市事業所に新設することを決定しました。また合わせて同事業所のある四日市コンビナート全体の物流能力強化として桟橋を2基新設します。
TBA生産能力は年産7万トン、投資額は桟橋建設と合わせ約25億円、両設備の完工は2004年4月を予定しています。
TBAはナフサクラッカーで生産されるC4留分(ブタン・ブチレン留分)からブタジエン抽出後のスペントC4(S−C4)を原料として生産されます。したがって、東ソーのTBAへの展開は、四日市事業所におけるナフサクラッカーの誘導品の有効活用を進めることになり、石油化学事業の基盤強化に繋がるとともに、コンビナート競争力の強化になります。
更に石化事業の強化は年間50万トンのエチレンを使用するビニル・チェーン事業の一層の競争力向上になるものと言えます。
また、TBAの事業化による物流量増加に対応して桟橋を2基新設します。この増設は、将来の事業拡大に備えての物流体制整備の布石にもなり、東ソー四日市事業所はもとより四日市コンビナート全体のインフラ強化が出来るものと考えています。
化学工業日報 2002/10/1
住友化学、MMAシートの国内営業を強化
住友化学工業は、メチルメタクリレート(MMA)シート(商品名=スミペックス)事業の国内営業体制を強化するため、特約店との協力関係を再構築する。きょう10月1日付で筒中プラスチック工業に対し、住化本体の営業部員を出向させ末端ユーザーへの取り組みに専念させるほか、タキロンとはプロジェクトチームを結成し新規の需要開拓に乗り出す。愛媛工場の生産能力を今年第四・4半期に年産5000トン増強して生産体制を拡充するのと並行し、営業についても末端ユーザーのニーズに即応できる体制を構築、新規分野の需要開拓と併せた国内シェアの拡大戦略を推進する。
日本経済新聞 2002/10/11
アクリル樹脂事業拡大
三菱レイヨン 原料の生産倍増
クラレ 新潟の設備増強
三菱レイヨンとクラレはアクリル樹脂事業を拡大する。三菱レイヨンは自動車・建材塗料用アクリル樹脂原料の生産体制を現在の2倍の年4万トンにする。クラレは大画面に映像を投射するプロジェクションテレビなどに使うアクリル樹脂の生産能力を従来比2割増の年6万5千トンに高める。国内の新規需要を取り込み、海外市場の開拓にもつなげる。
三菱レイヨンは2004−2006年度にかけて、大竹事業所(広島県大竹市)、中国・蘇州の工場にそれぞれ年産1万トン規模の設備を1系列ずつ増設する方針。合計投資額は約50億円を見込む。
クラレは中条事業所(新潟県中条町)のアクリル樹脂の生産設備を1系列増やす。
化学工業日報 2003/5/23
三菱レイヨン、来年半ばにもBMAを新増設
三菱レイヨンは、メタクリル酸系高級エステルのブチルメタクリレート(BMA)を新増設する。大竹事業所(広島県)、中国、タイを候補に、2004年半ばまでに年産1万トン設備を設置する。BMAは自動車や家電などの高級塗料原料として使われており、アジア地域を中心に需要が増えている。同社はコア事業に位置付けるメチルメタクリレート(MMA)事業において、モノマーから誘導品まで一貫したチェーン展開を強みにグローバル展開拡大を図っており、今回の投資はこの一環。