2002/5/6 日本経済新聞

三菱レイヨン、旭化成 中国でアクリル生産 LCD向け需要見込む

 三菱レイヨン、旭化成は中国でアクリル樹脂を生産する。三菱レイヨンは2003−07年にかけて原料から樹脂、樹脂板までの一貫生産体制を整える計画で、合計約300億円を投資する。旭化成も中国での樹脂生産の事業化調査に入った。現地で生産が拡大している液晶表示装置(LCD)や自動車向けの需要が伸びると判断した。

 
三菱レイヨンはまず2003年中に江蘇省で年産4万トン規模で粒状の成型材料の生産を開始、2006年までに能力を倍増する。樹脂シートについても2005年に年産1万トンで立ち上げ、2007年に倍増する。
 原料のMMA(メチルメタクリレート)モノマー設備についても、2005年に年産10万トン規模の設備を立ち上げる計画で、9月までに建設場所や合弁相手先を決める。
 これら設備が稼働すれば、年間売上高は350億円に達する。三菱レイヨンは大竹事業所(広島県大竹市)とタイでもモノマーを生産、合計の年産能力は約29万トンで世界4位。米国でも生産を計画している。

 
旭化成当初、台湾で生産を計画していたが、中国での需要が拡大するとみて、事業化に踏み切る。現地企業との合弁事業とする計画で、生産規模や開始時期について詰める。川崎工場(川崎市)でも年産7万トンの設備を同10万トンに増強中。

 アクリル樹脂は透明性、耐候性にすぐれ、看板や水槽、自動車の後部ランプなどに使われてきた。最近ではLCDにバックライトの光を行き渡らせる導光板向けの需要が急速に伸びている。
 三菱レイヨンによると2001年のMMAモノマーの世界需要は220万トン前後で、2007年に270万−280万トンに増える。国内メーカーではクラレが中条事業所(新潟県中条町)での樹脂生産を年産6千トンから倍増する検討に入った。住友化学工業も韓国での導光板生産を計画中。


日本経済新聞 2002/10/11

アクリル樹脂事業拡大
 三菱レイヨン 原料の生産倍増
 クラレ      新潟の設備増強

 三菱レイヨンとクラレはアクリル樹脂事業を拡大する。三菱レイヨンは自動車・建材塗料用アクリル樹脂原料の生産体制を現在の2倍の年4万トンにする。クラレは大画面に映像を投射するプロジェクションテレビなどに使うアクリル樹脂の生産能力を従来比2割増の年6万5千トンに高める。国内の新規需要を取り込み、海外市場の開拓にもつなげる。
 アクリル樹脂は看板、水槽、自動車の後部ランプのほか、液晶表示装置(LCD)にバックライトの光を行き渡らせる導光板向けの需要が伸びている。三菱レイヨンは2004−2006年度にかけて、大竹事業所(広島県大竹市)、
中国・蘇州の工場にそれぞれ年産1万トン規模の設備を1系列ずつ増設する方針。合計投資額は約50億円を見込む。
 三菱レイヨンが増産する原料は、アクリル樹脂の代表的な原料であるメチルメタクリレート(MMA)モノマーと化学反応させて使う誘導品(
注 ブチルメタアクリレート。アクリル系樹脂を使った塗料は他の塗料に比べ、耐候性や耐熱性などに優れているとされる。需要の拡大が見込まれる自動車向けなどをにらみ増産に踏み切る。
 クラレは中条事業所(新潟県中条町)のアクリル樹脂の生産設備を1系列増やす。2003年に稼働する計画。投資額は約40億円。MMAモノマーを化学反応させたポリマーを原料に、プロジェクションテレビの前面板ほかオプトスクリーン向けアクリル樹脂を生産し、需要が好調な海外市場を掘り起こす。高付加価値のアクリル樹脂の増産にあわせ、MMAモノマーの輸出から撤退し、外部販売を縮小する。
 三菱レイヨンのアクリルを含めた化成品樹脂事業の2001年度の売上高は1233億円で、2004年度には1300億円にする計画。クラレのアクリル事業の売上高は2001年度で約300億円。2003年度に330億円の売り上げを目指す。

 


Chemnet Tokyo 2004年02月03日

三菱レイヨン、中国でMMAモノマー生産、06年春から年9万トン

 三菱レイヨンはLCD(液晶ディスプレイ)や携帯電話などに使われるMMA(メチルメタアクリレート)成形材料の原料となるMMAモノマーを中国広東省で生産することになった。2006年3月をめどに資金約100億円を投じて年産9万トン設備を建設する。
 
 同社は昨年末から中国江蘇省でMMA成形材料やシートの生産を始めており、モノマー設備の完成後は、原料からの一貫生産体制が整うことになる。中国でのMMA成形材料の生産は旭化成や住友化学も行っているが、同モノマーの生産は三菱レイヨンが初めてである。


2004年9月21日 住友化学

住友化学、韓国で高品質MMAポリマー供給体制を整備
 LG MMA社が住友化学技術による製造設備の建設に着手
 
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20040921_2.pdf

 住友化学はこのほど、関係会社の韓国LG MMA社に対し、住友化学独自開発の連続バルク重合法によるMMAポリマー製造技術を供与し、同社は年間4万tの能力を持つ新製造設備の建設に着手しました。商業運転の開始は2005年7月を予定しています。
LG MMA社は現在、
年間10万tのMMAモノマー製造設備と、懸濁重合法による年間5万tのMMAポリマー製造設備を保有し、主に韓国内の需要家に製品を供給しています。近年、液晶ディスプレーのバックライト部材である導光板をはじめとした光学用途向けポリマーの需要が大幅に増加し、それに対応する必要性が高まったため、より高品質の製品をより低いコストで製造することができる、住友化学連続バルク重合法によるMMAポリマー製造設備を建設することにしたものです。
 住友化学は、MMA事業を基礎化学部門の重点事業に位置付けており、連続バルク重合法をはじめとする競争力ある技術をベースとして、モノマー、ポリマー、キャストシート、押出板のすべての分野にわたって、アジア市場を中心に幅広く事業展開しています。MMAポリマーについては、連続バルク重合法による設備を愛媛工場とシンガポールに有しています。愛媛の設備は昨年、デボトルネックにより能力を年間3万tから4万5千tに増強し、シンガポールでも、デボトルネックによる年間3万5千tから5万tへの能力増強が本年完成しました。
 本件新設により、住友化学は、グループとして日本、シンガポール、韓国において同じ製造技術による高品質のMMAポリマーを合計13万5千t供給する体制を整え、アジア地域でのトップサプライヤーとしての地位を確固たるものとすることになり、需要拡大が期待されるMMA事業の一層の収益拡大に向けて着実に歩みを進めてまいります。

【ご参考】
LG MMA社の概要
社名:LG MMA Corporation
社長:具滋燮(LGグループ出身)
出資比率:LG Corporation 50%、住友化学25%、日本触媒25%
資本金:240億ウォン
設立:1991年
事業内容:MMAモノマー、MMAポリマーの製造・販売
従業員数:177名

 

 


Platts 2009/8/7

LG MMA aims to complete MTBE expansion work by mid-October

South Korea's LG MMA is aiming to complete expansion works on its MTBE
 production facilities in Yeosu before November, a company source said Friday.
The expansion works would increase the producer's MTBE capacity, which is currently 120,000 mt/year, by at least 30,000 mt.
If possible, the new MTBE unit, which is being built as an attachment to its downstream No. 3 methyl methacrylate, or MMA plant, would begin production by the middle of October, the source said.
Despite the MTBE expansion, however, LG MMA would still have to buy as much as 100,000 mt of MTBE/year in order to produce MMA at full capacity.
When operating at full capacity, the three MMA plants require around 250,000 mt/year of MTBE in order to produce 180,000 mt/year of MMA
The company's three MMA plants in Yeosu were currently operating at full rates on strong domestic demand for the compound, the source added.
The No. 1 and No. 2 plant have nameplate capacities of 50,000 mt/year each, while the No. 3 plant has a nameplate capacity of 80,000 mt/year.
The producer also had to buy an additional 20,000 mt of MMA this year to supply its customers in South Korea.
MMA is used to make PMMA, or acrylic glass, which is used for the production of LCD screens and transparent ABS in South Korea, the source explained.
The No. 3 MMA plant is due to shut for 10 days from August 20 for scheduled maintenance.
Earlier this year the No. 1 MMA plant was shut for around 10 days for a planned turnaround in April and the No. 3 plant was shut for 20 days for a planned turnaround in June.