(化学工業日報 2002/4/11)

チッソ、日本ポリケムとの統合へ四日市ポリプロ吸収

 チッソは、ポリプロピレン(PP)の製造子会社である四日市ポリプロを今秋までに吸収・統合する。同社は今秋をめどに日本ポリケム(本社・東京)との間でPP事業を統合、合弁新社を設立する計画を進めており、円滑な統合を図るのが狙い。チッソは今回の統合を通じてPP事業の効率化を図る一方で、日本ポリケムとの事業統合効果の最大化を図る検討を本格化しており今後、コスト削減などを中心にした効率化に拍車を掛ける。


Chemnet Tokyo 2003/8/26

チッソ石油化学、四日市ポリプロを吸収合併

 チッソは、9月1日付の機構改革で、チッソ石油化学の100%出資会社である四日市ポリプロ有限会社をチッソ石油化学に吸収合併する。四日市ポリプロ四日市工場は、チッソ石油化学四日市工場と改称する。チッソ石油化学は10月1日付で日本ポリケムと、ポリプロ事業を統合し、新たに日本ポリプロを発足させる。四日市ポリプロの吸収はそのためという。
 
 四日市ポリプロは1988年(昭和63年)7月、当時ユニオンポリマーを構成していたチッソ石油化学(47.5%)、東ソー(47.5%)、ユニオンポリマー(5%)の3社によっで設立された。1995年(平成7年)10月、東ソーがチッソ石油化学に対して、ポリプロ営業権を譲渡した際、東ソーの持分のうち27.5%をチッソが譲り受けた。共販会社のユニオンポリマーも解散したため、出資比率はチッソ石油化学80%、東ソー20%となった。
 
 さらに1999年(平成11年)7月、東ソーの残り20%分もチッソ石油化学が引取って、現在チッソ石油化学の100%出資となっている。資本金は5億円。四日市工場のポリプロ生産能力は年産7万8,000トン。チッソ石油化学の能力は、五井工場の32万3,000トンとと合せて、年産40万1,000トンとなる。


四日市ポリプロ 

 1988/7   設立
      東ソー 47.5%、チッソ 47.5%、ユニオンポリマー 5.0%
  当初能力 40千トン(東ソー四日市工場 チッソ技術)
  引取比率 東ソー 20千トン、チッソ 20千トン
   (ユニオンポリマーのメンバー各社の増設交渉で東ソーは新規参入を希望。
    四日市での工場建設を主張して、
千葉ポリプロへの参加を拒否)
     
 1995/9/末   ユニオンポリマー解散
 1995/10   東ソー PP営業権をチッソに譲渡
      出資比率  チッソ80%、東ソー20%
  引取     チッソ 100%
  1999/7   出資比率  チッソ100%
  2003/9   チッソが吸収合併

 


2002/03/29 サンアロマー 発表)

浮島ポリプロ株式会社株式譲受について

 サンアロマー株式会社(本社:東京都文京区、社長:カール・スカウリング)は、日本石油化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:西部 孝)から、本年4月1日付にて浮島ポリプロ株式会社全株式を譲受することといたします。

 この株式譲受により、当社の
製品引取権枠は、浮島ポリプロ株式会社の年間生産能力全量となります。

 この製品引取権枠の拡大に併せて、当社は生産体制の合理化、グレード統廃合、物流合理化等を図り、事業基盤を一層強化して参ります。

【浮島ポリプロ株式会社の概要】

1.本社所在地   川崎市川崎区千鳥町13番1号
2.代表者   代表取締役社長  西本 浩
               (サンアロマー株式会社 代表取締役副社長)
3.資本金   7億2千万円
4.生産能力   10万5千トン

浮島ポリマー

1988/4 設立 日本石油化学 30%、三井東圧 30%、三井石油化学 30%、
          三井日石ポリマー 10%

1995/9  三井日石ポリマー解散(同社持分解消)
1996/3 三井東圧が資本撤退 日石化学 66.7%、三井石化 33.3%

1999/4 日石化学 100%
         三井化学のそれまでの引取枠(33.3%)見合いの製造受託
          (
2002/3 解消) 


(Chemnet Tokyo  2002/2/22) 

三井化学、浮島ポリプロとの購入契約3月末解消

 三井化学は4月1日付で「三井住友ポリオレフィン」の営業活動がスタートするのを機に、3月末限りで浮島ポリプロとのポリプロピレン購入契約を解消する。
 
 浮島ポリプロは1988年、
日石化学と当時の三井石油化学、三井東圧化学との3社共同出資(ほかに共販会社の三井日石ポリマー)によって設立され、三井石化のハイポール法によって日石化学浮島工場内にポリプロ設備を完成、運営してきた。
 
 そのご共販会社の解散や三井両社の合併などがあり、99年4月には三井化学が資本撤退したため、現在浮島ポリプロは日石化学の100%子会社となっている。三井化学は同社の年産9万5,000トン設備から3分の1に当たる3万3,000トンを引き取り、グランドポリマーを通じて販売してきた。

 三井化学は現在、市原工場に22万1,000トン、高石に25万1,000トン、堺に12万トンのほか、宇部ポリプロから出資見合いで7万8,000トンのポリプロを引き取っており、供給能力は合わせて67万トン。2003年9月にはS&Bによる大型プラントを完成する予定だが、その以前に浮島ポリプロとの契約を解消しても需要家への供給に影響はないとしている。


(2002/2/15 三井化学発表) 

  (株)グランドポリマーの吸収合併の件

 平成14年2月15日開催の当社取締役会において、当社は平成14年4月1日を期して、当社100%出資の連結子会社(株)グランドポリマー(以下GRP)を吸収合併することを決定いたしましたので、ここにお知らせいたします。

1. 合併の趣旨
   当社は、平成13年10月1日をもってGRPを当社100%子会社とした。
 今後、ポリプロピレン事業のより効率的な運営を図るために、平成14年4月1日付けでGRPを当社に吸収合併することとした。
   
2.合併の概要
(1) 合併の日程:
  合併契約書承認取締役会
合併期日
平成14年2月15日                           
平成14年4月1日
   
(2) 合併方式:
  三井化学(株)を存続会社とする吸収合併方式で、GRPは解散する。
   
(3) 合併比率:
  三井化学(株)はGRPの全株式を所有しており、合併による新株の発行及び資本の増加は行わない。
     
(4) 合併交付金:  
  三井化学(株)はGRPの全株式を所有しており、合併交付金の支払は行わない。
     
3.合併当事会社の概要 略
     
4. 合併後の状況
(1) 商号   三井化学株式会社
 以下 略  

注)本合併後、同日付けでポリプロピレン事業については、4月1日営業開始予定の三井住友ポリオレフィン(株)に営業を譲渡する。


(2002/2/15 三井化学発表) 

ポリプロピレン製造設備のスクラップ&ビルドについて 

 当社(社長:中西宏幸)は、ポリプロピレン(PP)の大規模スクラップ&ビルドを行うことを決定致しました。
 現在、PPの製造・販売を行う100%子会社(株)グランドポリマー(社長:榊由之。2002年4月1日付けで三井化学に吸収合併の予定)として、市原工場、堺工場、高石工場のほかに、宇部ポリプロ(有)(グランドポリマー81%出資)からの出資見合いの引き取り及び浮島ポリプロ(株)からの購入を加え、合計703千トン/年のPP供給能力を有しています。
 当社は、PP汎用品分野でのコスト競争力強化のため、コスト競争力の劣るプラントを停止し、2004年の関税引き下げを睨んで輸入品に対抗し得るコスト競争力のある最新鋭の大型設備を建設致します。
 具体的には、高石工場の一部及び堺工場のPPプラントを停止するとともに、
浮島ポリプロからの購入を停止し(合計261千/トンを停止。詳細別紙ご参照)、当社大阪工場内に、2003年9月を目途に新たに300千トン/年のPPプラントを建設致します。なお、プラントの停止は、新プラントの完成後、2003年末までに順次行う予定です。
 今回行う新プラント建設の詳細は次のとおりです。

[新プラントの建設]
  1.生産能力   300千トン/年
  2.プロセス   ハイポール2法(三井化学技術)
  3.立地場所   三井化学 大阪工場内
  4.総投資額   操業準備費等を含め約120億円
  5.スケジュール   着工:2002年9月
      完工:2003年9月
      営業運転開始:2004年1月

 


 

 


2002/2/14 三菱化学 発表)

  四日市工場ポリプロピレン樹脂製造設備の停止について

 日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:坪井孝ョ)は、このたびポリプロピレン樹脂事業の体質強化を図るため、平成14年 12月末日をもって四日市工場における同樹脂の製造設備1系列37千トン/年を停止することと致しました。

 ポリプロピレン樹脂事業は、内需の落ち込み、輸出の減少、輸入製品の増加に加え、2004年に向けて輸入関税逓減が実行されているなど、数量面のみならず価格面でも厳しい環境にあり、国際競争に生き残るためには思い切ったコストダウンを図ることが経営の最重要課題であります。

 現在、当社は、四日市・川崎・水島・鹿島の四工場において、ポリプロピレン樹脂合計で全8系列、710千トン/年の生産能力を有しておりますが、以上のような厳しい事業環境のもとで低稼働を余儀なくされており、生産の最適化の観点から本系列の停止が最適と判断したものです。

 本系列停止により当社の競争力は一層強化されますが、品質面においても従前に増して優れた材料をご提供できるよう、技術開発に注力し生産設備の改善を図っていく方針であります。また、製造設備の競争力強化、物流・要員・資産の効率化等、あらゆる手段のコスト削減もあわせて行っており、強い競争力を持ったポリオレフィンメーカーを目指しております。


(化学工業日報  2002/1/30)v

グランドポリマー、グローバル事業を一元管理

 三井化学のポリプロピレン(PP)事業を担当する全額子会社「グランドポリマー」は、このほど工業材料部のなかに「グローバルサプライ部」を発足、海外に進出しているユーザーのニーズ把握といった営業情報と、米欧アジアの世界3極で展開するコンパウンド拠点の生産体制を本社で一元管理する体制を構築した。自動車メーカーなどの主力ユーザーが、世界同品質・同時供給のコンセプトで世界戦略を加速させるなかで、これを全面サポートできる体制としてアピールしていく方針だ。


(日経 2001/12/14) 三井化学・住友化学ポリプロピレン統合を公取承認     

 三井化学と住友化学工業は13日、代表的な樹脂であるポリプロピレンの事業統合について公正取引委員会の承認を得たと発表した。これを受け両社は来年4月をメドに統合新会杜を発足させる見通し。
 三菱化学などが出資する日本ポリケムとチッソによるポリプロピレン統合も同日、公取委から承認を得ており、国際競争力強化に向けた取り組みが本格化する。  
 三井化と住化は当初、今年10月にポリプロピレンとポリエチレンの事業統合会社を発足させる予定だった。公取委はポリプロピレンについて、日本ポリケムーチッソ連合と合わせた国内販売シェアが約65%に達するなどと指摘。4社は公取委に品種削減や独禁法順守の徹底などの方策を示し、受け入れられたもよう。
           ------------------
Chemnet Tokyo 2001/12/13  
 公正取引委員会は13日、ポリプロピレンの事業統合で2グループの計画承認を発表したが、
ポリエチレンに触れず、判断結果も示していないことについて、同委員会の松尾企業結合課長は「三井化学と住友化学の場合は、はじめから問題ないと判断されたため、早い段階でそのことを伝えてある」と、すでに同意済みであることを明らかにした。
           ------------------

2001/12/13 公取発表       関連記事

<ポリプロピレン事業統合に係る事前相談について>

                                              平成13年12月13日
                                              公正取引委員会

1 本件各統合の概要
(1)日本ポリケム及びチッソの事業統合
   日本ポリケム及びチッソは、国際戦争に対処するため、生産、物流、研究開発及び販売におけるコストを削減すること等を日的として、共同出資会社の設立により、両社のPP事業を統合することを予定しているものである。
(2)三井化学及び住友化学の事業統合
   三井化学及び住友化学は、国際競争に対処するため、生産、物流、研究開発及び販売におけるコストを削減すること等を目的として、共同出資会社への営業譲渡により、両社のPP事業を統合することを予定しているものである。
   
2 独占禁止法上の考え方
(1)一定の取引分野
   本件においては、PPの製造・販売分野に一定の取引分野が成立するものと考えられる。
   
(2)競争への影響
   本件の各統合により、日本ポリケム及びチッソを当事会社とする統合後の合算販売数量シェアは、約35%(第1位)、また三井化学及び住友化学を当事会社とする統合後の合算販売数量シェアは、約30%(第2位)となり、上位3社の累積集中度が約85%となる。
   
  イ 輸入圧力の限定性
     汎用品の輸入は増加傾向にあるものの、下記ウのとおり、国内メーカーが汎用性に乏しい多くのグレード(銘柄)を供給していることが、汎用品中心で供給グレード数の少ない輸入品が我が国市場に浸透することを困難なものとしている要因の一つとなっている。また、厳しい品質基準が要求される用途や安全性が求められる用途については、現状では、輸入品の使用は限定的である。
 なお、輸入品の使用が限定的な上記用途についても、輸入品の品質向上やユーザー側のより低廉な価格による調達を重視する方針の強まりなどから、一部に輸入品を採用したり、今後、その採用について検討しようとする動きがみられる。また、平成16年に向けてPPの関税が段階的に引き下げられている。
   
  ウ 汎用性に乏しいグレード数の多さとそれに起因する取引関係の固定性
     国内メーカーは、ユーザーごとに、その要求にきめ細かく対応し、汎用性に乏しい多くのグし−ドを供給することにより、取引先ユーザーを確保している側面がある。この結果、国内メーカーとユーザーとの取引関係の変更は必ずしも容易でない状況が認められる。
 なお、ユ一ザー側において、今後は、使用グレード数を削減することにより汎用性を高め、複数メーカーが供給可能な代替グし−ドを確保した上で、同一グレードの大量輸入による原材料調達コストの削減を図ろうとする動きがみられる。
   
  エ PP分野におけるメーカーの協調的行動
     PP分野におけるメーカーの価格改定行動について、これまでの状況をみると、協調的な行動がみられる。
   
(3)問題点の指摘及び当事会社の対応策
   当委員会は、上記の状況を踏まえた場合、PPの製造・販売分野について、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるおそれがある旨を当事会社に対し指摘した。
   
   当委員会の指摘に対し、各当事会社から、以下のような対応策を採る旨の申出があった。
    (ア)日本ポリケム及びチッソ
      1) 少量販売グレードの統廃合等により、PPのグレード数を、平成17年未までに、現状の約4割まで削減する。
      2) 統合新会社においては、業界団体の会合等に出席する場合は、コンプライアンス部署に事前届出及び事後報告することを義務化すること等、独占禁止法遵守体制を更に徹底する。
    (イ)三井化学及び住友化学
      1) 少量販売グレードの統廃合等により、PPのグレード数を、平成17年末までに、現状の約5割まで削減する。
     
 
2) 統合新会社においては、業界団体への営業部門者の出席を一律禁止するとともに、その他の場合でも、事前の面談伺い及び事後報告制度を導入して、同業他社との接触を合理的必要性が認められる場合に限ること等、独占禁止法遵守体制を更に徹底する。
     
(4)当委員会の判断
   取引固定性の改善
 各当事会社が申し出たPPのグレード数の削減計画は、これまでユーザ−の要求にきめ細かく対応し供給されてきた汎用性に乏しい少量販売グレードの統廃合等により実施されるものであり、各当事会社が供給するグレードの汎用性を高めることに資するものであると考えられるところ、ユーザー側における原材料調達コスト削減の観点からの使用グレード数削減による代替グレード確保などの動きとも相まって、ユーザーによる取引先メーカー変更の可能性を増大させるものであると評価できる。
   輸入増大の蓋然性の高まり
 汎用品の輸入は従来から増加傾向にあったところ、各当事会社が申し出たPPのグレード数の削減計画は、上記のとおり、各当事会社が供給するグレ一ドの汎用性を高めることに資するものであると考えられ、汎用品中心で供給グレード数が少ない輸入品の我が国市場への浸透をより容易とするものであると評価できる。
 また、これまで厳しい品質基準や安全性が求められ、輸入品の使用が限定的であった用途についても、輸入品の品質向上やユーザー側における原材料調達コスト削減の必要性の高まりから輸入品を採用していこうとする動きがみられる。
 さらに、上記のとおり、PPの関税は、平成16年に向けて段階的に引き下げられているところ、PPの輸入が増大する蓋然性は高い。
   独占禁止法コンプライアンス体制の徹底
 各当事会社が申し出たコンプライアンス体制の徹底は、競争事業者との接触を、事前届出・事後報告という厳格な社内手続の下に置くなど、これが厳正に実施された場合には、本件統合により、PP業界における協調的行為が行われやすくなるのではないかという懸念を払拭するための措置として評価できる。
   総合的判断
 以上から、各当事会社から申出のあった対応策が着実に実行されれば、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないものと考えられる。
     
3 今後の対応
     今後、当委員会は、PPの市場の競争状況を含め、各当事会社が申し出た対応策の履行状況を十分に把握していくとともに、独占禁止法に違反すると認められる行為がある場合には、これに対して厳正に対処してしくこととする。

 

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業界の対応 
(化学工業日報 2001/12/26)

  石化協、PEなど委員会廃止 透明性確保へ枠組み転換

 石油化学工業協会はこのほど開いた定例理事会で、協会内の各種委員会を廃止することを決めた。石化協ではこれまでポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの委員会を通じて石油化学産業を取り巻く情報収集やその解析などの活動を続けてきたが、PPでのカルテル問題を機に見直し機運が高まっていた。今後、「(産業としての)透明性の確保とともに、政策立案機能に絞った活動」(大橋光夫会長)に協会としての舵取りが大きく変わりそうだ。
 石化協は現在、全体で11の委員会を設置、PEなど主要製品についてのデータ収集および分析等のほか、海外市場動静、原料、物流、など石化産業を取り巻く幅広い分野での 調査活動を進めている。
 現在活動しているのは、エチレンのほかPE、スチレン、EOG、芳香族、PP、アクリロニトリル、アルキルベンゼン、合成ゴム、アセトアルデヒド、メタアクリルの11委員会。石化産業の長い歴史のなかで、関税問題への積極的な取り組みや海外団体との交流をはじめ、当局との折衝役として活発な活動を続けてきた。
 こうしたなかで、大きな波紋をもたらしたのが、PPのカルテル間題。一部メーカーが公正取引委員会による排除勧告を応諾する一方で、住友化学工業など4社はこれを受け入れがたいとして審判に持ち込んでいる。この問題が浮上するなかで、住友化学はPP委員会からの離脱を表明、”業界活動
に一線を引くかたちになっている。
 今回の石化協の決断は、現在の委員会を中心にした活動について新しい枠組みへの転換が必要とするもので、来年1月から政策立案を中心にした活動に衣替えする。現在の委員会の代表(委員長)が参加して新たに"製品委員会
(松下浩昭和電工専務)を設置、その下に製品の政策部会を置くことになる。


2001/8/21 三井化学 

グランドポリマーの宇部興産持分株式譲り受けについて

 当社(社長:中西宏幸)は、宇部興産株式会社(社長:常見和正)より「株式会社グランドポリマー(GRP)の宇部興産持分全株式(33.3%)を本年10月1日付けで譲り受ける」ことといたしました。
 当社は、GRPを当社
100%の子会社とすることにより、同社のより一層の競争力の強化を進めてまいります。

 宇部興産よりGRPに出向している社員については営業、研究、管理に従事している出向者45名は10月1日付けで三井化学に転籍し、それ以外の出向者(宇部興産堺工場内にあるGRP所有のポリプロピレン製造設備の運転に従事している出向者を含む)は宇部興産に復職します。

 GRPは10月1日以降、
宇部興産堺工場内にあるGRP所有のポリプロピレン製造設備の運転を宇部興産に委託します。

 なお、株式譲り受けに先行して、9月1日より、GRPは次の新体制に移行致します。
               社  長          榊 由之 (三井化学取締役)
               副社長(営業統括)   桑原 信隆 (三井化学役員待遇)
                 〃  (生産・物流)  杉田 芳雄 (三井化学理事)

<株式会社グランドポリマーの概要>

・ 設  立: 1995年7月1日
・ 本  社: 東京都中央区京橋一丁目18番1号
・ 資本金: 135億円(三井化学90億円、宇部興産45億円、出資比率=2:1)
・ 事業内容: ポリプロピレン及びポリプロピレンコンパウンドの製造・販売
・ 能  力: 71万t/年 (工場所在地:市原、高石、堺)
       


(Chemnet Tokyo 2001/8/21)
三井化学、グランドポリマーの宇部興産持ち株を譲り受け  
  
・・・・ なお、グランドポリマーの現有設備能力は年産71万トン弱である。内訳は、市原工場が22万3,000トン、高石工場が24万2,000トン、堺工場が13万3,000トン、宇部ポリプロからの引き取り分が7万3,000トン、
浮島ポリプロからの引き取り分が3万4,000トン‐‐となっている。


化学工業日報 2002/1/24

三井化学、ポリプロピレン事業の提携見直し

 三井化学は、100%子会社のグランドポリマー(GRP)で運営するPP事業について、他社との提携関係を相次いで見直す。99年に合弁を解消し、日本石油化学の完全子会社となった「浮島ポリプロ」への製造委託を予定通り今年度いっぱいで終了する一方、
「宇部ポリプロ」については、合弁相手のトクヤマから、同社の出資分を引き取る方向で話し合いを進めている。大阪地区で来年、スクラップ・アンド・ビルド(S&B)方式により年産30万トンのPP新設備を建設、国内での生き残りを賭けたPP事業の再構築を実施するのに合わせ、体制を整備していく方針だ。


出光石化・トクヤマ 発表 

                                              平成13年1月29日
                                              出光石油化学株式会社
                                              株式会社トクヤマ


ポリプロピレン事業提携に関する基本合意のお知らせ

 出光石油化学株式会社(以下、「出光」という。)と株式会社トクヤマ(以下、「トクヤマ」という。)は、相互のポリプロピレン(以下、「PP」という。)事業競争力強化のため、当該事業の提携検討を進めておりましたが、この度提携につき基本的に合意しましたのでお知らせします。

1.合意した事業提携の概要
 (1)徳山ポリプロ有限会社の設立
   @両社による製造合弁会社設立と
     国際競争力がある20万d規模の設備新設(場所は、トクヤマ 徳山製造所内)
   Aトクヤマ既存PP設備の廃棄
 (2)営業および研究の統合
   @トクヤマの営業権の出光への譲渡
   Aトクヤマが実施している研究の出光への一本化

2,目的
  「出光およびトクヤマ両社によるPP事業合理化と国際競争力強化」

3.事業提携検討に至った背景

(1) PP樹脂の日本市場は.既に国内需要の約1割についてアジアを中心とした輸入品が使用されており、市場の国際化は急速に進んでいます。また2004年には最終輸入関税率が適用される予定であり、さらに国際化の大きな波が押し寄せようとしている環境にあります。
 この国際化の流れの中で、日本国内において安定的にPP事業を継続していくためには、現在進めている合理化を加速すると共に、真の国際競争力を構築していかねばならないと考えています。
(2) 出光においては40万d規模の設備を千葉工場内に有し、1系列当たりの生産規模は国内トップレベルにあるものの,コア事業としての更なる国際コスト競争力の強化と一段の事業規模拡大が課題でした。
(3) 一方、トクヤマにおいては、中期経営計画において事業構造改革を進めており、PP事業については他社との提携による合理化を検討しておりました。
(4) 以上のような両社共通した環境認識の下,各々の課題は本提携によって実現できる可能性が高いことがFSの結果判明したため、出光/トクヤマ両社はPP事業の更なる含理化と国際競争力強化を目的として、本提携について基本的に合意するに至りました。
   
4.提携の狙い
(1) 既存の設備をスクラップし、共同で大型設備を新設することにより生産の効率化並びにコスト競争力強化を図ると共に、東西に位置する生産拠点の立地メりットを活かし、最適生産・販売・物流システムを構築していきます。特に物流面においては、出光が開発した「出光バルク物流システム」による一層の合理化を進める予定です。
(2) 生産設備規模の面では、出光の既存設備と合わせて1系列当たりの生産能カは15万d/年と拡大されるため、国際化が更に進む日本において、欧米メジャーと戦える国際競争カの確保が可能になります。
(3) また徳山・南陽コンビナートにおける両社のオレフィンバランスの最適化、用役の有効活用等から、両社の従来からのパートナー関係をより緊密にすると同時に、当該コンビナートの競争力強化に資するものと考えています。
   
5.今後のスケジュール
(1) 以上のようなスキームを前提として、今後提携の実現に向けて、更に両社での具体的な検討を進めていきます。
(2) 製造合弁会社は.平成13年4月に設立し、平成15年第1四半期を目標に20万d規模の新設備を立ち上げる予定にしています。トクヤマの既存自社設備については、新設備完成時までの間は製造受託を行ない、新設備完成時に廃棄する予定です。
(3) 営業権については、株主総会並びに法令の定める関係官庁の承認をいただいた後、平成13年夏を目標に、トクヤマから出光に譲渡する予定です。(→ 2001/7/1 譲渡)

 なお、本提携の実現に際しましては出光およびトクヤマともお客様への高品質なPPの安定供給を第一義に考え、万全の供給体制を継続していく所存です。

 
ポリプロピレン製造合弁会社の概要

(1)商号   :徳山ポリプロ有限会社
(2)事業内容 :ポリプロピレンの製造
          生産能力:20万t/年
         (平成15年第1四半期稼動予定)
(3)設立年月 :平成13年4月
(4)本社所在地:東京都墨田区横網1−6−1
         〔工場:山口県徳山市晴海町1−1
             潟gクヤマ徳山製造所内〕
(5)代表者  :未定 (潟gクヤマ、出光石油化学鰍ゥら各1名を選出予定。
         社長は潟gクヤマから就任予定)
(6)資本金  :10億円
(7)出資比率 :潟gクヤマ   50%
         出光石油化学梶@50%
(8)従業員数 :約40名(平成15年新プラント稼動時)


住友化学発表 

                                               2001 年7 月6 日
                   千葉ポリプロ有限会社の持分取得

 住友化学は、株式会社トクヤマ(以下、トクヤマ)とポリプロピレンの製造を共同で運営してまいりました千葉ポリプロ(有)について、トクヤマの出資分を住友化学が譲り受けることで合意し、本年6月30日をもって実施いたしました。
 これにより、千葉ポリプロ(有)は住友化学の100%出資子会社となり、住友化学は同社のポリプロピレン生産量全量を引き取ります。


[千葉ポリプロ有限会社概要]
1.設立  : 1988年7月
2.本社  : 東京都中央区新川2丁目27番1号
3.社長  : 荒木正志(住友化学取締役千葉工場長)
4.資本金 : 475百万円
5.事業内容: ポリプロピレンの製造・販売
6.生産能力: 8万トン/年


千葉ポリプロ・宇部ポリプロ 

  1988/7   千葉ポリプロ設立 
        住化 47.5%、宇部興産 31.7%、徳山曹達 15.8%、ユニオンポリマー 5.0%
当初能力 60千トン
引取比率 住化 30千トン、宇部興産 20千トン、徳山曹達 10千トン
       
  1990/12   宇部ポリプロ設立
        宇部興産 47.5%、住化 29.69%、徳山曹達 17.81%,ユニオンポリマー 5%
当初能力 80千トン
引取比率 宇部興産40千トン、住化25千トン、徳山曹達 15千トン
       
  1995/9/末   ユニオンポリマー解散
  1995/10   宇部興産が三井石化とグランドポリマー設立
        → 宇部興産の千葉ポリプロ持株と住化の宇部ポリプロ持株を交換
    千葉ポリプロ 住化 83.3%、トクヤマ 16.7%
     宇部ポリプロ 宇部 81.25%、  トクヤマ 18.75% 
  1999/4     宇部興産  宇部ポリプロの持分をグランドポリマーに譲渡
  2002/4     三井化学  グランドポリマーを吸収合併
   → 宇部ポリプロ 三井化学 81.25%、  トクヤマ 18.75%
         
  2001/6/末     住友化学  千葉ポリプロ 100%
         

 


2001/6/7 日本ポリケム 発表

                                                平成13年6月7日
                                                日本ポリケム株式会社

ポリオレフィン事業の再編について

 日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:坪井孝ョ)と日本ポリオレフィン株式会社(本社:東京都港区、社長:花倉康治)は、このたびポリエチレン事業について、日本ポリケム社とチッソ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:後藤舜吉)とは、ポリプロピレン事業について、それぞれ両社の事業を統合することにつき詳細検討を開始することで合意いたしました。
 日本ポリケム社は、平成8年5月に、三菱化学(株)及び東燃化学(株)の合弁会社として設立された代表的な汎用樹脂であるポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン)事業の統合会社であり、日本ポリオレフィン社は、昭和電工(株)及び日本石油化学(株)の合弁会社で、現在は両社のポリエチレン事業の統合会社であります。
 また、チッソ社は、平成7年に東ソー(株)のポリプロピレン事業を譲り受けるなどの事業再編を行ってまいりました。
 今日の日本のポリオレフィン事業は、海外での大型吸収合併による超巨大メーカー群の誕生、2004年に向けての関税率逓減、アジア・中東地区における大型設備の新規稼働等により、国内各社もコスト競争力の強化等が喫緊の課題となっております。
 こうした状況の中、日本ポリケム社と日本ポリオレフィン社、及び日本ポリケム社とチッソ社は、それぞれポリエチレン、ポリプロピレン事業の生産、販売、物流、研究開発、管理の全部門にわたる合理化等を推進して国際競争力を強化するためには、これらの事業の統合を検討することが必要との合意に達したものであります。検討中の統合の形態は、それぞれで事業会社となる合弁会社を設立し、日本ポリケム社が、両事業会社の共通業務の一部を担当し、かつ、両事業の総合調整をする形で存続することであります。

【日本ポリケム株式会社】
・発足     平成8年9月1日
・資本金    200億円
・売上高    約1,500億円
・総資産    約1,200億円
・従業員数   約1,000名
・株主     三菱化学株式会社(65%)
        東燃化学株式会社(35%)
・取締役社長  坪井孝ョ

【日本ポリオレフィン株式会社】
・発足     平成7年10月1日
・資本金    150億円
・売上高    約700億円
・総資産    約600億円
・従業員数   約600名
・株主     昭和電工株式会社(65%)
        日本石油化学株式会社(35%)
・取締役社長  花倉康治

【チッソ株式会社】
・発足     昭和25年1月12日
・資本金    78億1396万8750円
・売上高    約1,400億円
・総資産    約960億円
・従業員数   約950名
・株主     株式会社日本興業銀行(4.99%)
        東京海上火災保険株式会社(1.52%)
・取締役社長  後藤舜吉

【ポリエチレン新会社の概要(予定)】
1. 社名    未定
2. 社長    日本ポリケム社から派遣
3. 営業開始  2002年春
4. 資本金   未定
5. 売上高   1,500億円
6. 出資比率  日本ポリケム社が過半数の予定
7. 事業内容  ポリエチレン樹脂の製造、販売及び研究開発
8. 従業員数  未定

【ポリプロピレン新会社の概要(予定)】
1. 社名    未定
2. 社長    日本ポリケム社から派遣
3. 設立    2002年春から年央
4. 資本金   未定
5. 売上高   1,500億円
6. 出資比率  日本ポリケム社が過半数の予定
7. 事業内容  ポリプロピレン樹脂の製造、販売及び研究開発
8. 従業員数  未定


1999/2/22 昭和電工発表 

                  ポリプロピレン合弁会社の概要

 昭和電工株式会社(大橋光夫 社長)と
モンテルポリオレフィンズカンパニー(Montell Polyolefins Company NV:本社オランダ、ヒーター・フォフトランダー社長兼CEO)および日本石油化学株式会社(犀川健三 社長)が共同で運営する、ポリプロピレン事業会社の概要が下記のとおり決定いたしましたのでお知らせいたします。
 尚、新会社は本年5月1日に事業を開始する予定です。

1.社 名   モンテルエスディーケーサンライズ株式会社(略称MSS)
2.常勤役員  代表取締役社長兼CEO カール スカウリング
        代表取締役副社長    高橋恭平
3.資本金   63億円
4.出資比率  モンテルグループ  50%
   (注)  日本側       50%
5.本 社   東京都文京区後楽二丁目3番21号 住友不動産飯田橋ビル
6.従業員数  約200名
7.事業内容  ポリプロピレン、キャタロイ・プロセス製品およびHMS製品の
        生産、販売ならびに研究開発
8.年産能力  ポリプロピレン 大分工場 3系列計243千t
                浮島ポリプロ    65千t
                合  計     308千t
9.売上高見込み 年間約300億円


(注) 新会社は、手続き上はMontell−JPO株式会社(MJC:資本金13億円)をベースに、同社を50億円増資し、日本ポリオレフィン株式会社(JPO)からPP事業を譲り受け、社名変更を行うことにより発足いたします。増資にあたり昭和電工株式会社および日本石油化学株式会社は投資会社を作り出資いたします。
日本側の出資は昭和電工32.5%、日本石油化学17.5%となります。

 


2002/6 現状
 社名:
サンアロマー
 資本金:78億円
 出資比率:エスディーケイ・サンライズ投資 41.67%
        日本ポリオレフィン 8.33%

        バセル・インターナショナル・ホールディングス 33.3%
        台湾ポリプロピレン 16.67%

※エスディーケイ・サンライズ投資は昭和電工と日本石油化学が共同出資(65対35)する投資会社
※日本側とバセルグループの出資比率は50対50


(1996/6/24発表)

モンテル社との合弁会社設立について

 

 日本ポリオレフィン株式会社(上田眞弘社長)は、このたびモンテル・インターナショナル社(Montell International N.V.本社:ZaventemBelgium Graham Dewick社長)と 下記の通り合弁新会社を設立することといたしました。

   
会 社 名 Montell-JPO株式会社(Montell-JPO CO.,Ltd.)
【略称 MJC 】(登記上はモンテル・ジェイピーオー株式会社)
本社所在地 東京都港区虎ノ門1−26−5(虎ノ門17森ビル)
代表取締役 代表取締役社長 高橋 恭平
 (日本ポリオレフィン株式会社 企画部長)
代表取締役副社長 D. Craig Blizzard
 (Directer of Business Development Montell North America)
設立年月日 1996年7月1日
事業開始予定日 1996年7月1日
資本金 8億円
 (日本ポリオレフィン  50%)
 (Montell International  50%)
事業の内容 (1)キャタロイ・プロセス製品(モンテル社のキャタロイ・プロセスに基づくポリマー)、HMS製品(ハイメルト・ストレングス・ポリプロピレン)の輸入販売、およびそれらのコンパウンド製品の生産・販売

(2)自動車分野向けPP(ポリプロピレン樹脂およびそのコンパウンド製品)は、合弁会社が日本ポリオレフィンから商権の譲渡を受け、日本ポリオレフィンとモンテルからPPコンパウンド技術のライセンスを受け、生産(コンパウンド製品)・販売する。自動車分野向けPPの商権譲渡及び営業開始は、1996年10月1日(予定)とする。      

売 上 高 100億円
従業員数 約35名

(参考)

 モンテル・インターナショナル社は世界最大のポリオレフィン企業であるモンテル・ポリオレフィン社(Montell Polyolefins B.V.本社:HootddolpThe Netherlands Peter Vogtl ander社長)の欧米地域を除く事業の統括会社であります。

 モンテル・ポリオレフィン社は、ハイモント社を含むモンテジソン社とロイヤル・ダッチシェル・グループの全世界におけるポリオレフィン事業の合体会社であり、1995年4月1日に事業を開始しております。
 モンテル・ポリオレフィン社は、単独で、欧州、北米、オーストラリア各地において、また、合弁形態でアジアおよび南米において事業を展開しております。

 モンテル・ポリオレフィン社の主な樹脂生産能力は以下の通りです。

   
ポリプロピレン 3,100千トン/年 (21工場)
ポリエチレン   700千トン/年 ( 5工場)
コンパウンド   270千トン/年 (11工場)
キャタロイ   180千トン/年 ( 2工場)
4,250千トン/年  

 なお、キャタロイ・プラントは、イタリア(100千トン/年)および米国(80千トン:能力増強中)で稼働しておりますが、第3プラントをオランダ(150千トン/年)に建設中です。
 また、HMS製品は、カナダ(30千トン/年)で生産されています。

 


化学経済 1997/4 特集・合成樹脂業界の再編成・総論

・・・ グランドポリマーは,宇部興産のLLプラントの利用で三井石油化学がメタロセン触媒技術を供与したことが始まりである。この信頼関係をベースに三井石油化学の触媒およびフィルム,宇部興産のコンパウンドおよび自動車分野での強みがそれぞれ補完関係にあったことで実現した。


日経産業新聞 1995/4/2

三井石化と宇部興産 ポリプロピレン事業統合 販路・技術で補完関係

 三井石化と宇部興産は代表的な合成樹脂であるポリプロピレン(PP)の事業統合で合意した。7月にも折半出資で新会社を設立、両社の研究開発、生産、販売を移して一体運営する。国内ではPPに12社が参入ししのぎを削っているが、欧米のメーカーに比べて規模が小さくコスト競争力で劣っており、再編は不可欠。加えて、両社が販売先や技術の面で補完関係にあったことから、今回の事業統合が実現した。

 


住友化学・三井化学 事業再構築計画 2002/3/20

住友化学によるポリプロピレンプラントの増強

 住友化学千葉工場7CRプラントの設備能力を増強する。増強にあたっては重合工程を中心に、より高度なプロセス制御技術を応用することにより、生産能力の増強と高品質化を図る。更に補修費、償却費など製造固定費の削減とトランジションの削減を行い、更なる競争力の向上を目指す。
 増強能力:5万トン/年
 実施時期:平成15年9月完工予定


1995/10/19 住友化学

ポリプロピレン(PP)製造設備のスクラップアンドビルドについて
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/19951019_1.pdf

 住友化学は、千葉工場において、PP製造設備の一部をスクラップし、ほぼ同能力の自社技術による気相法PP製造設備(能力120千トン/年)を新設することとし、平成9年10月完成を目途にこのほど建設作業に着手いたしました。
 PPは、自動車部品や家電部品、文房具、家庭用品といった射出成型品から、食品包装用のフィルムやシートなどまで幅広い用途に使用され、汎用樹脂の中では需要の伸びも高く、国内需要が年間2百万トンを超える代表的な合成樹脂の一つであります。
 住友化学は、PPに関しては、千葉工場に自社設備(
能力200千トン/年)および千葉ポリプロ(有)の設備(能力80千トン/年、内当社分67千トン/年)を有していますが、国内のPP事業を取り巻く環境は、需要の伸びは高いものの市況の低迷が続くという厳しい状況にあり、住友化学としてもかねてから、事業強化策を種々検討してまいりました。
 住友化学の自社設備については、比較的小規模の溶媒法設備であり、最新技術である気相法の千葉ポリプロの設備に比べ、効率の悪いものとなっています。このため、
自社PP設備の約6割相当分をスクラップするとともに、新たに自社技術による大型気相法PP設備(能力120千トン/年)を建設し、生産面での効率化を図ることといたしました。設備の新設にあたっては、当社触媒技術を駆使し、一層の高品質化、生産性向上に努め、PP事業の基盤強化を図りたいと考えています。
 住友化学は、PP事業については、日本のみならず、シンガポール、北米と世界的に展開しており、今後のPPの世界的な需要の伸長に応えていきたいと考えておりますが、本計画により、その中核となる日本での一層の事業強化を目指しております。

既存設備公称能力 
S&B有り 千トン

  

1CR 

11.2

2CR

68.0

3CR

37.5

4CR

69.9

5CR

 8.4

195.0