2003年08月06日 協和発酵

新規ポリオール「TOE-2000H」の工業的生産に成功
  ― ウレタン原料やUV硬化剤ほか、幅広い分野への応用期待 ―

 協和発酵(東京都千代田区 社長:松田 譲)の化学品カンパニーは、両末端に水酸基を有する新しいポリオール「TOE−2000H」の工業的生産に世界で初めて成功し、H15年度中に本格販売を開始する予定です。

 「TOE−2000H」は、主鎖骨格がパラフィンで、且つ側鎖にエトキシ基がついた両末端水酸基を有するユニークな構造のポリオールです。当製品は、低級アルコールを含む各種溶剤への溶解性に優れ、また通常混ざりにくいオレフィン系ポリオールとの相溶性にも優れています。このため、塗料、インキ、接着剤、シーリング剤、エレクトロニクス等の分野で使用される従来のオレフィン系ポリオールに比べて、より幅広い分野への応用が期待できます。

 例えば、ウレタン塗料原料の場合は、現在ポリオールとしてポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等種々のポリオールが、その特性に合わせて用途毎に使用されています。
 「TOE−2000H」を用いた場合、低級アルコールへの溶解性、良好な耐水性、耐熱老化性、プラスチックスに対する接着性、及び高い体積固有抵抗を示す事が確認されています。更に、ポリエーテルポリオールとのブレンドにより、耐水性及び耐熱老化性の向上が図られ、ポリオレフィン系ポリオールとのブレンドにおいては、相溶性の向上により種々の原料の使用が可能となり、これまでにない特徴を有するポリウレタンを得る事ができます。

 ポリウレタン原料及びUV硬化剤原料としての市場開発を中心に、幅広い可能性を持つ新規ポリオールの用途開発を推進し、3年後には数億円の売上高、その後、更なる売上高を目指します。

 当社はこれまで樹脂原料として種々の分岐を有するジオールモノマー、及びこれを用いたユニークな特性を有するポリエステルポリオールの開発・生産・販売を進めてきました。この度、当社のコア技術であるオキソ反応を利用して開発した、全く異なる特性を有するポリオール「TOE−2000H」を、新たに製品ラインに加え、幅広いお客様のご要望に対応していきます。

 尚、アメリカにおいては、TSCA※の登録確認中であり、一方、ヨーロッパへの輸出も可能です。

※TSCA
有害物質規制法(TSCA:Toxic Substances Control Act)は、人の健康または環境を損なう不当なリスクをもたらす化学物質および混合物を規制すること等を目的として制定された連邦法。

新規ポリオール「TOE−2000H」について

1.特徴
無色、透明、粘稠な液状ポリオール。
主鎖骨格がパラフィンで、側鎖にエトキシ基がついた両末端水酸基を有するユニークな構造。
メタノールからヘキサンまで幅広い溶剤への溶解性に優れる。
種々の樹脂原料とも相溶性が高く、透明なフィルムを得ることができる。
ウレタン塗料に用いた場合、低級アルコールへの溶解性、耐水性、耐熱老化性、高い体積固有抵抗(絶縁性)を示す。
各種被塗物(金属、プラスチックス等)への付着性が良好。
弱溶剤化対応に適し、また、耐衝撃性を付与できる素材。
   
2.用途
ポリウレタン、UV硬化剤、塗料、インキ、接着剤、シーリング剤、エレクトロニクス分野などの各種原料。 
その他、上記用途以外に当社の知り得なかった新たな用途への応用を期待している。

 


2003/9/9 日刊工業新聞              発表

三井武田ケミカル、鹿島工場でウレタン原料を増産

 三井武田ケミカル(東京都千代田区、吉田浩二社長)は8日、鹿島工場(茨城県神栖町)に増設したウレタン樹脂原料を製造する設備で商業運転を始めたと発表した。

 鹿島工場における同原料の年産能力は従来比で倍増の12万トンとなる。中国向けを中心にクッション材の原料などとして膨らむ需要に対応した供給体制を固めるのが狙い。

 鹿島工場で生産能力を増強したのは、マットレスなどの寝具や自動車シートなどに使うクッション原料のトリレンイソシアネート(TDI)。増設した1系列のほか、大牟田工場(福岡県大牟田市)と合わせた国内の年産能力は24万トンとなる。

 同社は01年4月に三井化学と武田薬品工業が双方のウレタン部門を統合し、三井化学が51%、武田薬品工業が残り49%を出資して設立。TDIでシェアの約40%を握るアジア首位のメーカー。


2003/9/8 三井武田ケミカル 

鹿島工場におけるTDI新プラントが営業運転開始
   
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/030908b.pdf

 三井化学株式会社(社長:中西宏幸)と武田薬品工業株式会社(社長:長谷川閑史)の合弁会社である当社三井武田ケミカル株式会社(社長:吉田浩二)は、鹿島工場においてTDI(トルエンジイソシアネート)新プラントの建設・試運転を進めてまいりましたが、去る8月1日に予定通り営業運転に入りました。
 このTDI新プラントは生産能力6万t/年で、三井化学と武田薬品の技術を融合した世界でもトップクラスの競争力のある最新鋭設備であり、高効率・高品質は勿論、環境面や安全性も配慮したプラントとなっています。この新プラントの稼動により鹿島工場のTDI生産能力は既設プラントと合わせて12万t/年となりました。同時に当社全体のTDI生産能力は大牟田工場の12万t/年と合わせて24万t/年となり、当社はアジア最大メーカーのポジションを確固たるものとしました。
 アジアにおけるTDI需要は今後とも大幅な伸長が期待されており、今回の増設はこうした需要増加に対応したものです。TDI事業はMTCIのコア事業として今後とも更なる強化、拡大をはかり、引き続き増大していくアジアの需要獲得を目指してゆく方針です。

ご参考 三井武田ケミカル株式会社の概要
1.本社    東京都千代田区霞ヶ関三丁目2番5号
2.工場    鹿島(茨城県)、清水(静岡市)、名古屋、徳山(周南市)、大牟田
3.設立     2001年4月
4.資本金   200億円(三井化学51%、武田薬品49%)
5.社長    吉田浩二
6.事業概要 ウレタン原料、ウレタン樹脂、接着剤、有機酸の製造、販売、研究


2005年8月17日 三井武田ケミカル

中国におけるウレタン樹脂事業の拡大について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/050817.pdf

 当社(社長:片板眞文)は、急拡大を続けている中国のウレタン樹脂需要獲得のため、中国におけるウレタン原料の製造・販売を目的とする合弁会社:天寰ポリウレタン有限公司(TCPC)においてウレタン樹脂製造設備を新設し、併せてTCPCを連結子会社化することで、合弁パートナーと合意に至りました。

<計画の概要>
1.ウレタン樹脂製造設備新設の概要
(1)新設する設備:
塗料用硬化剤及び包装用接着剤製造設備
(2)設備設置場所:TCPC天津開発区工場(中国天津市・天津経済技術開発区化学工業区)
(3)生産能力:17,000t/年
(4)営業運転開始 2006年7月

2.TCPCの連結子会社化
(1)連結子会社化の形態:TCPC増資の当社単独引受
(2)増資額:60百万元(資本金:30百万元→90百万元)
(3)出資比率の変更

TCPCの株主 変更前 変更後
三井武田ケミカル  45%  70%
中国石油化工集団天津石油化工公司  45%  25%
蝶理  10%   5%

(4)実施時期 2005年度下期

 三井化学グループは、中期経営計画において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。機能性ポリマーズの一つであるウレタン樹脂事業の戦略は、高成長アジア需要の獲得と環境対応新製品の拡大により、事業の更なる拡大を図ることであります。
 木工用ウレタン系塗料は、世界の約半分が中国で生産されていますが、原料である塗料用硬化剤中に残留している遊離TDI規制が強化されつつあり、低遊離TDIの塗料用硬化剤が急拡大を続けております。また生活様式の変化によりボイルやレトルト等向けの食品包装用のウレタン系接着剤(包装用接着剤)需要も急増を続けております。今回の設備新設計画は、このような需要増加に対応したものです。
 また、当社は、TDI,MDI,PPGのウレタン原料事業及びウレタン樹脂事業まで幅広く展開しておりますが、中国においては、日本からのTDI,MDIの輸出に加え、TCPCにて、PPGコンパウンド(レジンプレミックス)の製造販売を行っております。今回、ウレタン樹脂の新設に伴い、TCPCにおける当社の出資比率を70%に上げることとなりますが、今後、TCPCは、当社の連結子会社として中国ウレタン事業戦略の一旦を担うこととなりました。
 当社は、今後とも、ウレタン樹脂事業の更なる強化、拡大を図り、引き続き大幅な伸長が期待されるアジアの需要獲得を目指していく方針です。

別 紙
1.三井武田ケミカルの概要
(1)商 号  三井武田ケミカル株式会社
(2)事業目的  ウレタン原料、ウレタン樹脂、接着剤、有機酸の製造、販売及び研究
(3)本社所在地  東京都港区
(4)工場  鹿島(茨城県)、清水(静岡市)、名古屋、徳山(周南市)、大牟田(福岡)
(5)設立  2001年4月
(6)資本金  200億円
(7)出資比率  三井化学株式会社51%、武田薬品工業株式会社49%
(8)社長  片板眞文

2.TCPCの概要
(1)商 号  天寰ポリウレタン有限公司
(2)事業目的  ウレタン原料の製造、販売
(3)本社所在地  中国・天津市
(4)設立  1993年6月
(5)資本金  90百万元(増資後)
(6)出資比率(比率変更後)
   三井武田ケミカル株式会社       70%(現状45%)
   中国石油化工集団天津石油化工公司 25%(現状45%)
   蝶理株式会社                5%(現状10%)
(7)総経理  境誠二郎


2005年11月15日 旭化成ケミカルズ

中国での「デュラネート」生産設備新設について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2005/ch051115.html

 旭化成ケミカルズ株式会社(社長:藤原健嗣、本社:東京都千代田区)はHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系ポリイソシアネート(商品名「デュラネート」)の需要の拡大へ対応するため、中国において100%出資で製造・販売子会社の設立、生産設備の建設を実施することを決定いたしましたのでお知らせいたします。
  「デュラネート」の生産能力は、10,000トン/年とし、2007年春の稼働を目指します。 

1. 背景・経緯
 旭化成ケミカルズでは高付加価値事業へのポートフォリオ転換を目指し、事業活動を展開しております。高付加価値事業の一つである「デュラネート」は、旭化成が独自に開発したHDI系ポリイソシアネートであり、無黄変ウレタン塗料の硬化剤やインキ、接着剤、注型材の原料として既に、国内外で自動車・建築・重防食等幅広い分野で実績があります。
 「デュラネート」は1978年に生産開始以来、順調に販売・生産数量を伸ばし、現在日向化学品工場(宮崎県日向市)の生産能力は約10,000トン/年となっております。今後アジアを中心に更に拡大する需要に対応するために、成長市場である中華人民共和国の江蘇省南通市に、新たな生産・販売拠点を設立することを決定いたしました。既に新会社は中国政府から営業認可を受けており、今後、生産設備建設工事を実施していきます。
  今回の供給体制強化・拡大により、アジアにおいてHDI系硬化剤メーカーとしての地位を確固たるものとし、一層の事業拡大を目指してまいります。
   
2. 生産拠点・新会社の概要
 
(1) 会社名 旭化成精細化工(南通)有限公司 
(2) 立 地 中華人民共和国 江蘇省 南通市経済技術開発区内 
(3) 設 立 2005年11月   
(4) 資本金 22億円   
(5) 事業内容 HDI系ポリイソシアネート(商品名「デュラネート」)の製造・販売   
(6)生産能力 10,000トン/年   
(7)スケジュール 着工:2006春 稼動開始:2007年春


2005/11/14 日本ポリウレタン

新MDIプラント建設に関するプレスリリース
http://www.npu.co.jp/topics/news2000/2005-11-14.htm

 日本ポリウレタン工業(本社:東京都港区、社長:澤井克介)は,MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)のアジアでの旺盛な需要拡大に対応して安定供給を図るべく、2007年10月完成を目標に、新たに20万トン/年の生産能力のMDIプラントを山口県周南市に建設することを正式決定した。
 これにより完成後の当社の設備能力は40万トン/年体制となり、アジアで最大の生産規模を堅持することになる。
 日本ポリウレタン工業のMDIの生産能力は、本年5月の定期修理で20万トン/年に増強済みであり、それに伴う主原料のアニリン・一酸化炭素等は親会社である東ソー(株)からの供給に切り替え、安定供給を図っている。

 MDIは断熱材、防水材、車両用シート用から弾性繊維、人工皮革、合成皮革、靴底、エラストマー、接着剤用原料など幅広い分野で使用されており、MDIの世界需要の伸びはこれまで年率7%前後で推移してきている。特に中国をはじめとするアジアにおいては、住宅関連産業、家電、自動車向けをメインに10%前後の高成長を示しており、今後も継続した高い成長率が予想されている。これらの今後の需要増を背景に、顧客への安定供給を図るには新プラント建設による大型増強が必要との判断に至った。

 新プラントの設備能力は1系列20万トン/年で、建設場所は隣接のインフラ基盤の整っている東ソー(株)南陽事業所内に土地を借用して建設の予定である。南陽での増設はアジア市場における競争で、生産インフラ・立地条件から先行きも有利な展開を見込めると判断している。建設完工は2007年10月で、2008年年初からの商業運転を目指す。
 今後共、日本ポリウレタン工業は親会社である保土谷化学工業(株)及び東ソー(株)との連携を図りながら、MDI市場の市場優位性を高めていく方向である。

<新MDIプラントの概要>
1.生産能力    20万トン/年              
2.建設場所    東ソー(株)南陽事業所内借用地
3.完工      2007年10月              
4.商業運転開始  2008年1月の予定


2005/11/15 日本ポリウレタン

南陽化成における新HDIプラント建設について
http://www.npu.co.jp/topics/news2000/2005-11-15.htm

 日本ポリウレタン工業株式会社(本社:東京都港区、社長:澤井克介、以下、日本ポリウレタン)と旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤原健嗣、以下、旭化成ケミカルズ)は,両社の共同出資会社である南陽化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:佐々木和起、以下、南陽化成)のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)製造能力を増強するべく、新たにHDI製造プラントを建設することを決定した。
 HDIを原料として製造されるポリイソシアネート製品は、主にウレタン塗料用硬化剤として自動車や建築物、プラスチック製品等幅広い分野の塗装に使用されている。これらの分野は中国を中心としたアジア地域での成長が大きく、HDI系製品の需要は引き続き拡大すると予想している。
日本ポリウレタン工業と旭化成ケミカルズはHDI系製品の需要増加に対応するため、南陽化成の現行HDI製造能力を倍増すべく、新プラントの建設を決定した。

 新プラントの設計製造能力は2万トン/年を計画しており、新プラント稼動後の南陽化成のHDI製造能力は既設プラントと合わせて約4万トン/年となる。建設場所は日本ポリウレタン南陽工場敷地内で、2007年夏からの本格稼動を予定している。
なお、南陽化成で製造されるHDIは従来どおり両社で引き取り、各々特徴あるHDI系製品に転換し販売することとしている。

<新HDIプラントの概要>
1.生産能力  2万トン/年              
2.建設場所  日本ポリウレタン工業株式会社南陽工場敷地内
3.着工    2006年春
4.完工    2007年春              
5.運転開始  2007年夏

<南陽化成株式会社の概要>
1.本社    東京都千代田区有楽町一丁目1番2号  
2.代表者   代表取締役社長 佐々木和起
3.資本金   1億円
4.事業内容  HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)の製造
5.株主    日本ポリウレタン工業株式会社(50%)
         旭化成ケミカルズ株式会社(50%)


日本経済新聞 2006/4/4

東ソー、1000億円設備投資
 総合化学単独で過去最大級・原料プラント増強

 化学大手の東ソーは約1千億円を投じ、代表的な汎用樹脂である塩化ビニールや断熱材などに使うウレタンの原料プラントを増強する。2006年度から08年度にかけて主力拠点の南陽事業所(山口県周南市)に関連設備を新設する。総合化学大手が単独で行う国内投資では過去最大級となる。中国などアジアでの原料需要拡大を見据え積極投資で生産を効率化し競争力を強化する。
 塩ビ樹脂の原料である
塩ビモノマーを年産40万トンから60万トンに、ウレタンや自動車のバンパーなどの原料となるアニリンも現在の15万トン設備を2系列に倍増するなど設備を増強する。
 プラント増強に先駆け東ソーは関連会社でウレタンの原料や中間製品を生産・販売する日本ポリウレタン工業を子会社にする。東ソーが35%、保土谷化学工業が65%を出資しているが、
16.67%分の株式を14日付で保土谷から買い取る。
 日本ポリは、ジフェニルメタン・ジイソシアネート(MDI)と呼ばれるウレタンの主原料でアジア首位。中国などの需要拡大で年産20万トンの設備はフル稼働状態にありMDI生産に必要なアニリンや一酸化炭素を供給する東ソーの業績も押し上げている。東ソーは子会社化ののち
日本ポリの年産能力を現行の20万トンから倍増しこの分野での競争力をさらに強化する。
 投資額は設備増強で約700億円、その他インフラ整備で約200億円。これに今回の子会社化のための株式取得費用などを合わせると総額は約1050億円になる。
 東ソーが設備増強を主力拠点である南陽事業所に集中するのは、同拠点に日本最大の自家発電施設を備え、電力コストを大幅に抑えることができるため。山口県の南部に位置する同拠点が中国と地理的に近く、輸送コストを抑える利点もある。
 総合化学大手では住友化学が3月、サウジアラビアの合弁事業で総額1兆円を超す石油精製・化学プラントの建設に着工するなど、国際需要の拡大や原油高に対応した投資競争が進んでいる。

大手化学各社による石油化学関連の国内投資(カッコ内は投資額と稼働時期)
【三菱化学】
 ・ジャパンエナジーと鹿島コンビナート(茨城呉神栖市)でベンゼン、パラキシレンなど増産(700億円・08年)
 ・鹿島工場(神栖市)でポリプロピレンの大型設備(150億円、08年)
【旭化成】
 ・水島製造所(岡山県倉敷市)でスチレンモノマー増産(100億円、04年)
【三井化学】
 ・市原工場(千葉冥市原市)で自動車部品などに使うエチレン・プロピレン・ターポリマーを増産(200億円、07年)
 ・大阪工場(大阪府高石市)でポリプロピレンの大型設備(120億円、03年)
【昭和電工】
 ・大分コンビナート(大分市)でエチレン生産の設備更新(70億円、01年)

日本経済新聞 2006/5/9

ウレタン原料生産2倍 東ソーと子会社

 東ソーと子会社の日本ポリウレタン工業は断熱材や自動車のバンパーなどに使うウレタン原料の生産能力を倍増する。東ソーが主力の南陽事業所(山口県周南市)に3年間で約1千億円を投じる増強計画の第一弾で、まず東ソーが345億円、日本ポ
リが300億円を投資する。設備の新増設を進める欧米勢に対抗し、中国などの需要拡大に対応する。
 東ソーは南陽で一酸化炭素やアニリンとよぶウレタンの原料を作り、工場が隣接する日本ポリに供給。日本ポリがアニリンと一酸化炭素からジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とよぶウレタンの主原料を生産している。両社は一連の生産設備の能力を2007年10月までに倍増する。
 東ソーは現在年産15万トンのアニリン設備に160億円、1時間あたり8千立方メートルの一酸化炭素設備に80億円を投じて生産能力を倍増。関連するインフラなどにも105億円を投じる。


2006/4/7 クラレ

熱可塑性ポリウレタン(TPU)生産設備の新設について
http://www.kuraray.co.jp/release/2006/060407.html

 当社は、TPU(熱可塑性ポリウレタン:当社商標「クラミロン」)を倉敷事業所(岡山県倉敷市)で生産(年産1,400トン)していますが、最近の需要増に対応すべく、この度、立地を鹿島事業所(茨城県神栖市)に移し、年産2,000トンに能力アップした生産設備を新設することを決定しました。新設備は2006年12月から稼動を開始する予定で、これに伴い、倉敷事業所の現行設備での生産は停止いたします。

 TPUは熱可塑性エラストマーの代表的素材であり、強度や耐摩耗性に優れる特長を生かし、靴底などの射出成形用途やチューブ・ベルトを中心とした押出成形用途などで広く使われています。さらに、グリップ用などで軟質塩ビ代替用途での展開が進んでいます。最近では溶剤フリーや加硫ゴム代替などのニーズの高まりからグローバルで年率5%以上の成長が続いています。一方、市場の拡大に伴い、ますます高機能化や高性能化などの差別化も求められています。

 このような状況の下、当社のTPUは溶融粘度安定性に優れ、かつ異物の少ない高品質製品として、成形精度を要求される用途で高い評価を受けています。
 さらに、最近ではユニークな銘柄として“TUポリマー”を開発し、新規市場開拓を進めています。この“TUポリマー”は、水添スチレン系エラストマー(HSBC:当社商標<セプトン>)とTPUという異なる特徴をもつエラストマーを分子レベルで結合させたものであり、オレフィン系樹脂からエンジニアリングプラスチックまで幅広いポリマーとの相容性・接着性を有することから、硬質樹脂との二色成形用軟質コンパウンドの相容化剤用途で需要が拡大しています。

今後、TPUは当社独自性が生かせる領域で新規市場創出を図るとともに、<セプトン>や液状ポリイソプレンゴム(当社商標<クラプレンLIR>)とのシナジーを追求しながら、当社エラストマー事業の一翼を担う製品として強化・拡大していきます。

新設備の概要

場所 : 当社 鹿島事業所(茨城県神栖市 事業所長:大崎 隆義)
生産能力 : 年産 2,000トン 稼働開始予定:2006年12月
設備投資額 : 約15億円


2006/5/25 日本ポリウレタン

MDIスプリッター設備を中国に建設
〜中国事業を本格的に強化〜
http://www.npu.co.jp/topics/news2000/2006-5-25.htm

 日本ポリウレタン工業株式会社(本社:東京都港区、社長:藤井恒嗣)は、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)の中国での旺盛な需要拡大に対応するため、中国浙江省にMDIスプリッター(精製分離)設備を新たに建設する。
 当社は、浙江省瑞安経済開発区内に100%出資の製造・販売会社を設立、年間生産能力5万トンの新設備を建設し、2007年夏頃から商業生産に入る予定である。
従来、当社は、MDI粗原料(プレカーサー)を山口県の南陽工場で生産し、これを同工場内でピュアMDIとポリメリックMDIに精製分離し、製品にした上で中国の顧客向けに輸出していたが、この分離設備をマーケットに近い場所に建設することで、顧客の要望やマーケット動向に対し、よりきめ細かい対応を行うことが可能になるとの判断による。

 設立した新会社は、「日本ポリウレタン(瑞安)有限公司」(資本金1,200万米ドル)で、既に中国政府から営業許可を取得しているが、今般、設備建設に必要な環境影響評価など中国当局から正式に認可されたことから、近々工場建設に着手する運びとなった。
 ピュアMDIは、主にスパンデックスや靴底、人工皮革、TPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)などの主原料として用いられており、これらの製品の生産基地が近年中国をはじめとするアジアになってきていることから、今後もこの地域で大きな需要増加が期待される。一方、ポリメリックMDIは、各種断熱材や自動車の内装材、パーティクルボードのバインダーなどに用いられており、今後の省エネニーズの高まりに伴う断熱材用途の拡大や自動車生産の増加などに伴う需要増が見込まれている。ここ数年、中国を中心にアジア地域のMDI需要量は年率10%前後の高成長を示しており、今後更に継続的な高い成長率が予想されている。

 当社は、山口県周南市にある南陽工場にMDI年産20万トンのプラントを有しているが、さらに、アジアにおける需要増に対応すべく、能力倍増として2007年10月完成を目処に、南陽工場に隣接する東ソー鞄陽事業所敷地内に年産20万トンの新MDI製造ライン増設を決定している。今回の新会社設立により、2004年に設立した日本ポリウレタン(上海)有限公司(ポリオールプレミックス等の製造・販売)及び2002年設立の日本ポリウレタン研究開発(上海)有限公司による現地化に引き続き、供給面での現地化も進展することとなる。中国市場での製造・販売・技術サポート体制をより充実することにより、中国顧客への質的にも量的にも安定した製品供給を通じて中国のMDI関連産業の成長に貢献できるものと考えている。


<中国スプリッターの概要>

1.会社名    日本ポリウレタン(瑞安)有限公司              
2.立地     中華人民共和国 浙江省瑞安市 経済開発区内
3.設立     2005年11月
4.資本金    1,200万米ドル              
5.生産能力   50,000トン/年(プレカーサー分離能力)
6.スケジュール 稼動開始:2007年夏頃を予定
7.事業内容   MDI精製分離及びそれら製品の販売
          その他ポリウレタン関連製品の製造・販売