化学工業日報 2005/10/17
トクヤマ、白色LED照明用パッケージ事業化
トクヤマは、次世代照明器具の本命とされる白色発光ダイオード(LED)ランプ用のパッケージの事業化に乗り出す。窒化アルミニウムを主材料とした薄膜メタライズ基板で、一般照明に必要となる高出力対応の寸法安定性の確立に成功。チップメーカーへのサンプル提供を開始した。
高出力の白色LEDランプは現在開発が佳境を迎えており、チップや製品メーカーが製品化に向けてしのぎを削っている。開発のキー技術であるパッケージの寸法安定性の向上が図られたことで、次世代照明の実用化が一気に進む可能性が高い。同社では、需要家の評価を踏まえ来年前半にも意思決定。1−2年内にも大型投資を実施し、次期主力事業として商業化を図りたい戦略だ。
トクヤマが事業化を目指すのは、放熱性に優れたセラミックである窒化アルミに配線を施したパッケージ基板。この上に需要家がLEDを搭載し、モジュールを経て最終的には照明器具となる。LEDを光源としたランプはすでに実用化されているが、白熱灯や蛍光灯などの一般的な照明の代替用途の開発が進みつつあり、近年中に実用化されることが確実。2010年には白熱灯の半分が白色のLED照明にかわるともいわれている。
日本経済新聞 2005/11/12
大日本インキ TFT型液晶に参入 来年初め生産開始 独メルク独占に風穴
大日本インキ化学工業は来年初め、薄膜トランジスタ(TFT)型の液晶材料の生産を始める。まずパソコンのモニター向けの供給を始め、4月をめどに液晶テレビ向けの生産も始める計画。2008年度に世界市場の1割程度の売上高150億円を目指す。テレビ向けのTFT型液晶は独メルク社がほぼ全量を供給している状況で、大日本インキの参入で独占に風穴が開く。
大日本インキが供給するのは液晶表示装置(LCD)のガラス基板などの間に挟み込む基幹材料の液晶。画素数が多く高精細のTFT型が主流になっている。同社は埼玉工場(埼玉県伊奈町)に5億円を投じて製造設備を整える。
TFT型はメルクとチッソが基本特許を押さえているため、2社しか生産していなかった。テレビ向けは性能面で優れたメルクに供給者がほぼ限られていた。
大日本インキは2000年に、メルクとチッソの特許を使わないTFT型の基本的な開発に成功した。その後、画面を見ることのできる視野角の拡大や反応速度の向上など製品の改良を続けてきた。パソコンモニター向けの供給が決まり、液晶テレビメーカーとも今年度中に供給契約を結ぶ見通しだ。
LCDの生産台数拡大に加え、液晶テレビの大型化で液晶材料そのものの需要もさらに拡大する見通し。大日本インキは来年とみられる第八世代(ガラス基板2.16メートル×2.4メートル)の到来など画面大型化の機会をとらえて、シェアを伸ばしたい考えだ。
大日本インキは、TFT型の普及以前に主流だった低価格の表示装置向けの超ねじれネマティック(STN)型液晶では世界シェアの7割を持つトップメーカー。
新規TFT用液晶材料の開発について
http://www.dic.co.jp/release/001002-1.html当社はこのほど、独自技術により新規骨格を持つ画期的なTFT(薄膜トランジスタ)用液晶材料の開発に成功しました。
この新規液晶材料は、約20種類の縮合環(ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、デカヒドロナフタレン環)系液晶化合物(原体)の組み合わせで構成されており、その種類は300にのぼっています。
現在、年間2兆円といわれる液晶ディスプレー(LCD)需要の急速な伸びの中で、液晶材料は好調に市場規模を拡大しており、2000年には380億円、さらに2004年には750億円と現在のほぼ2倍に成長すると予想されています。液晶ディスプレーモードには大別してTN(ねじれネマティック)とSTN (超ねじれネマティック)およびTFTがあり、液晶材料のメーカーとしてはメルク、チッソ、および当社が世界の3強となっています。当社は特に、現在大幅に伸長している携帯電話のディスプレーなどに用いられるSTNについて圧倒的な強さを誇り、その市場シェアは約70%となっています。しかし、ノートパソコンや、今後、市場の拡大が期待される液晶テレビなどについては、高速応答性や画質などの面からTFTが主力となっており、現在はメルク、チッソの2社が、2000年220億円を見込まれる市場を独占しています。当社はかねてより今後年率25%程度の成長が見込まれるこの分野への参入を目指して、新たな TFT用液晶材料の研究開発を進めていました。
このたび開発した新規液晶材料は、広い温度域でネマチック液晶相を示し、液晶材料における重要なパラメーターの1つである複屈折率(Δn)が小さなものから大きなものまで幅広く、さらに低電圧駆動に適した大きな誘電率異方性(Δε)を有することが特長となっています。このため、従来のTFT用液晶材料と比較して、すぐれた広視野角、高速応答、低電圧駆動などが実現できます。
さらに、組成の最適化により、さまざまな性能の向上が可能となることから、現在の用途に加え
1. 高信頼性で明るく高精細なモバイル機器用反射型ディスプレー
2. 超高速応答により動画の尾引を解決し、高画質を実現した液晶テレビ
3. 広い温度域で高速応答を実現した車載ディスプレー
4. 高速応答と高視野角を両立する次世代OCBモード
などへの用途展開を期待しています。
当社は現在、モニター用、ノートパソコン用、カーナビゲーションシステム用などへのサンプルワークを進めており、今後2001年をメドにTFT用液晶材料市場に本格参入する予定で、2004年には市場シェア30%の獲得を目指しています。
(注)OCB:Optically-Compensated-Birefringence
中小企業金融公庫調査部
http://www.jasme.go.jp/jpn/result/c2_0002.pdf液晶
パッシブ型液晶(封入された液晶を単一の電圧で制御):
TN(Twisted Nematic:ねじれネマティック)、
STN (Super Twisted Nematic:超ねじれネマティック)
アクティブ型液晶(液晶の画素を1ドットごとに電圧でオン・オフ制御する高度な技術を要する):
TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)液晶材料の世界シェアについては、メルク(独)とチッソが各30%強で計70%強を占め、その他、大日本インキ化学(旧名ロディック)、旭電化工業、チンホワ等中国系3社がシェアを分け合う形となっている。TFT 向けに限るとチッソ60%、メルク30〜40%、大日本インキ化学数%となる。また、STN 向けでは、大日本インキ化学70%、チッソ20%、メルク10 となる。TN ではメルク、チンホワ、旭電化工業が市場を3等分している。
液晶材料メーカーは、原料液晶を特許で守りながら、混合技術や新原料開発を進めている。混合手法がノウハウとなるため、特許は液晶材料単体と混合両方で申請される。
1998-11-09 大日本インキ化学工業
合併に関するお知らせ
1.合併の趣旨
100%子会社のロディック株式会社の液晶事業については、大日本インキ化学工業が研究開発を、ロディック株式会社がその他の技術、製造、販売を担い、運営をしていたが、製造、販売、技術(研究開発を含む)一体となった効率的な事業運営体制とすべく、ロディック株式会社を吸収合併し、大日本インキ化学工業において、液晶材料本部として発足させるもの。
2.合併期日 平成11年1月1日(予定)
3.合併方式
大日本インキ化学工業株式会社を存続会社とする吸収合併方式で、ロディック株式会社は解散。
4.合併比率
大日本インキ化学工業株式会社は、ロディック株式会社の全株式を所有しているので、合併による新株は発行しない。*1988年 DICとロシュ社との合弁会社ロディック(株)設立
2005/11/29 昭和電工
ハードディスク第4工場をシンガポールに新設
−最新技術による生産拡大により、世界No.1サプライヤーへ−
昭和電工株式会社(高橋恭平社長)は、急増するお客様の需要にお応えするため、シンガポールにハードディスク第4工場を新設いたします。本年12月に着工し、2006年後半に完工、稼動開始の予定です。
ハードディスクは、既存用途であるパソコン向けに加え、近年、HDD(DVD)プレーヤー、携帯音楽プレーヤーなどのコンシューマーエレクトロニクス(CE)向け等に需要が急増し、供給逼迫の状況が続いています。また、来年以降、ハードディスクを搭載した携帯電話の発売によりさらに市場は拡大し、今後も年率15%以上の成長が続くものと見込まれております。
映像記録等に必要な高容量化を実現するため、ハードディスク表面はナノレベルでの製造技術が必要です。また、急速に拡大するCE用途に使用されるHDDは高い信頼性が必要であり、高品質のハードディスクに対する需要は一層強くなっています。本年6月に当社は世界で初めて次世代技術の垂直磁気記録方式のハードディスクを、また、7月に世界最小の0.85インチサイズのハードディスクを相次いで量産化するなど、業界をリードする高い技術開発力を持ち、ハードディスク外販メーカーとして、現在世界トップの生産能力を保有しております。こうしたことから、当社の高品質ハードディスクに対するお客様からの供給ご要請は極めて強く、当社の現状の生産能力を超過するレベルに達しております。こうしたご要請にお応えするため、当社は今般、ハードディスクの生産拠点としては4つめとなる工場をシンガポールに建設することといたしました。
投資額は、建屋とクリーンルームをあわせて約100億円の予定であり、クリーンルームの完成後、生産設備の導入を順次進めてまいります。
当社は、既に発表のとおり、ハードディスクの生産能力を来年の3月までに3拠点を併せて現行の月産1,070万枚から305万枚増やし月産1,375万枚としますが、当シンガポール新工場の稼動によってさらに増強をはかり、2008年までに月産2,400万枚に引き上げる計画です。
尚、12月2日、シンガポール パイオニア・クレッセント地区において、新工場の起工式を行います。
<シンガポール新工場の概要>
1、工場建設地
シンガポール共和国 パイオニア・クレッセント地区
2、操業開始 2006年11月
3、敷地面積 68,000m2
4、生産品目 アルミ・ガラス製ハードディスク(0.85〜3.5インチ)
5、投資予定金額
約100億円(建屋とクリーンルームのみ)
【ご参考1】ハードディスク需要予測
2005年11月29日 出光興産/ソニー
出光とソニー、有機ELディスプレイ用材料を共同開発
〜両社の有機EL関連特許技術の相互利用でも基本合意〜
http://www.idemitsu.co.jp/company/news/news_2005/051129.html
出光興産株式会社(以下、出光)とソニー株式会社(同、ソニー)は、次世代ディスプレイデバイスとして注目される有機EL(Electro
Luminescence)ディスプレイ用材料を共同開発することで基本合意しました。また、両社は、共同開発を促進するため、それぞれが保有する優れた有機EL関連材料特許、デバイス特許を相互に利用しあうことでも合意、それぞれの有機EL関連ビジネスに活用する予定です。なお、本契約は2006年1月頃を予定しています。
有機ELディスプレイは、有機材料に電流を加えることで材料自らが発光する自発光型のディスプレイデバイスです。バックライトが不要な上に、有機発光層をガラス基板で挟んだシンプルな構造なため、パネル厚を大幅に薄型化することができます。また、優れた動画応答性や鮮やかな色彩表現が可能なため、次世代の薄型ディスプレイとして注目されています。
出光は、自社で保有する分子設計・有機合成技術を応用し、1997年に当時世界最高輝度の青色発光材料を開発し、以来、最先端の発光材料を継続的に開発しております。現在は中大型ディスプレイにも適用可能な材料開発を進めています。また、材料開発のみにとどまらず、有機EL材料の性能を最大限に発揮するための材料組み合わせ技術や有機ELデバイス化技術の開発にも積極的に取り組んでいます。
ソニーは、独自の低温ポリシリコンTFT技術をベースに、有機ELに関する様々な材料およびデバイス技術の開発を行なっており、2001年2月には13型フルカラー有機ELディスプレイパネル、2003年には24型の試作機を開発しています。また、2004年9月からは3.8型を携帯情報端末に量産搭載しており、現在、中大型ディスプレイの実現に向けた技術開発を進めています。
今回の共同開発では、出光とソニーが保有する有機EL関連技術を融合させることで、発光効率の向上による低消費電力化や高精細HD映像時代に対応できる輝度や発色性、高速応答性、長寿命化などを実現する新たな有機ELディスプレイ用高性能材料の開発を行ないます。
また、今回の合意により、両社が保有する有機EL関連特許技術の相互利用も可能になる予定です。出光が保有するデバイス技術をソニーが、ソニーが保有する材料技術を出光が利用できるようにすることで、共同開発が促進され、両社の材料ビジネスやデバイスビジネスをスムーズに進めることが可能になります。
天坊昭彦のコメント(出光興産株式会社 代表取締役社長)
「世界最高レベルのディスプレイ開発力を有し、有機ELを次世代ディスプレイの最有力候補として位置づけているソニー株式会社との協力関係構築は、材料メーカーにとっても大変光栄に思います。同社の優れたディスプレイ技術と、当社の材料技術の融合は、有機ELディスプレイの開発を大きく前進させるものと確信しております。」
中鉢良治のコメント(ソニー株式会社 取締役 代表執行役 社長)
「有機ELの材料開発などで世界トップクラスの技術力を有する出光興産株式会社と共に技術開発を進められることを、大変光栄に思います。当社は、有機ELディスプレイを、次世代薄型ディスプレイの最有力候補として位置付けており、同社との共同開発は、優れた有機ELディスプレイの開発を加速し、応用製品の商品化を大きく前進させるものです。」
2005/12/12 信越化学
公開買付けの開始に関するお知らせ
http://www.shinetsu.co.jp/j/news/pdf/s20051212.pdf
当社は、平成17 年12 月12
日開催の取締役会において、三益半導体工業株式会社、以下「対象会社」といいます。)の株式を公開買付け(以下、「本公開買付け」といいます。)により取得することを決議致しましたので、下記の通りお知らせ致します。
1. 公開買付けの目的
当社は、半導体シリコン事業における関係強化を図るため平成17
年8 月4 日に対象会社が実施した第三者割当増資を全額引き受け、これにより、対象会社を関連会社としております。
パソコン、携帯電話、デジタル家電、自動車など幅広い分野で半導体デバイス需要が伸びる中、半導体シリコンの需要も中長期的に拡大していくことが見込まれております。当社における半導体シリコン事業では、ウェハーの生産技術および品質の向上に取組むとともに、需要拡大に合わせた生産能力の増強を進めております。このような環境のもと、半導体シリコン事業におけるウェハーの加工拠点も、一層重要性が増しております。
ウェハー加工の委託先である対象会社は、高い加工技術を有しており、この度、対象会社とのより強固な提携関係を構築することを目的として、対象会社株式の追加取得を目指すことといたしました。
対象会社は、平成17 年12 月12
日開催の同社取締役会において、本公開買付けに賛同することを決議しております。
当社は、本公開買付けの実施により、発行済転換社債等の転換等に伴う発行済株式数の増加を考慮後の対象会社株式の議決権の40%以上50%未満の保有を見込んでおります(上記のとおり、発行済転換社債等の転換等に伴い対象会社の発行済株式数が増加した場合には、買付予定株式数を引き上げることにより同様に議決権の40%以上50%未満の保有を目指します。)が、対象会社の経営陣は、引き続き対象会社の経営に従事することが予定されており、当社の連結子会社とはなりません。
対象会社は、東京証券取引所市場第一部に上場しておりますが、当社は、本公開買付けにおいて買付予定株式数に上限を設定しており、本公開買付けが成立した後も、引続き東京証券取引所市場第一部への上場は維持される見込みです。
2. 公開買付けの概要
(1) 対象会社の概要
@ 商 号 : 三益半導体工業株式会社
A 主な事業の内容 :
半導体材料の加工、精密機器の販売、自動化装置の設計・製作・販売およびこれらに付帯する事業
B 設 立 年 月 日 : 昭和44 年6 月4 日
C 本 店 所 在 地 : 群馬県群馬郡群馬町足門762
番地
D 代 表 者 : 取締役社長 中澤 正幸
E 資 本 の 額 : 6,322,986 千円 (平成17 年5 月31
日現在)
F 大株主構成および所有割合(平成17 年5 月31
日現在)
中澤正幸 10.03%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
8.71%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
5.87%
有限会社なかざわ 5.35%
株式会社群馬銀行 4.35%
(注) 当社は対象会社による平成17 年8
月4
日を払込日とする第三者割当増資を引き受け、
対象会社の普通株式7,000,000
株を取得し、平成17 年12 月12 日現在7,733,824
株を保有しており、
対象会社の筆頭株主となっております。
G 当社との関係
資本関係:
当社は、対象会社の株式を7,733,824
株保有しており、筆頭株主となっております。
人的関係: 特にありません。
取引関係:
当社は、対象会社に対して、半導体シリコンウェハー加工を発注しております。
(2) 買付けを行う株券等の種類 普通株式
(3) 公開買付期間
平成17 年12 月13 日(火) から 平成18
年2 月1 日(水) までの 51 日間
(4) 買付価格 1 株につき2,440 円
(5) 買付価格の算定の基礎
対象会社の東京証券取引所市場第一部における平成17
年12 月9 日までの3 ヶ月間における株価終値
平均1,807 円に35.0%のプレミアムを加えた金額
(円未満四捨五入) といたしました。
(6) 買付予定株式数 4,400,000 株
(7) 買付けに要する資金 10,894,000,000
円(買付予定株式数を買付けた場合の見積額です)
(8) 公開買付けによる所有株式数の異動
買付前所有株式数 7,733,824 株
(所有比率 28.64%)
買付後所有株式数 12,133,824 株
(所有比率 44.94%)
(注1)
買付後所有株式数は、買付予定株式数(4,400,000
株)を買付けた場合の株式数です。
(注2)
所有比率は、対象会社の発行済株式数27,000,099
株(平成17 年11 月2 日現在)を基準に算出しております。
(9) 公開買付開始公告日
平成17 年12 月13 日(火)
(10) 公開買付代理人
大和証券エスエムビーシー株式会社
大和証券株式会社(復代理人)
3. 対象会社との公開買付けに関する合意
本公開買付けについて、対象会社の取締役会は賛同の意を表明しております。
4. 今後の見通し
当社の平成18 年3
月期の業績に与える影響は軽微です。
シャープ 液晶2000億円追加投資
2008年メド 能力4倍 需要拡大に先手
電機メーカーがデジタル家電分野の生き残りをかけ巨額投資競争に動き出した。シャープは11日、2008年までに薄型テレビ用の液晶パネルに2千億円を追加投資すると発表。建設中の新工場の累計投資額は3500億円に膨らみ、生産能力も現在の4倍と世界市場の3割を握る体制をめざす。松下電器産業もブラズマテレビで1800億円の投資を打ち出しており、関連部品・素材メーカーの投資や雇用拡大効果も広がりそうだ。
シャーブの追加投資は町田勝彦社長が都内での経営説明会で表明した。投資対象は10月に稼働する亀山第2工場(三重県亀山市)。稼働中の第1工場を含めると08年にパネル生産能力が32インチ型テレビ換算で現在の4倍の2200万台に増える。
当初計画では1500億円を投じ、来年までにガラス基板を月3万枚使い液晶パネルを生産する予定だった。今回の追加投資で生産能力は当初計画の3倍の月産9万枚に拡大。町田社長は「液晶パネルは世界的に供給不足で、今後の需要拡大に対応する」と語った。
薄型テレビ分野で液晶と覇権を競うプラズマでは、松下が10日、兵庫県尼崎市にパネル新工場を建設すると発表した。08年度にフル稼働させ、既存工場を合わせた生産能力を現在の2倍強の年間1110万台に引き上げる。37インチ以上の大型テレビはすべてプラズマで賄い「シェアを固める」(大坪文雄専務)戦略。液晶、プラズマでトップを走る両社の主導権争いの様相を帯びている。
家電大手の大幅増産で、部材メーカーも生産増強に動いている。主要部材であるカラーフィルターを供給する凸版印刷は亀山第2工場の稼働に合わせ三重県久居市に約500億円をかけフィルター工場を新設中。大日本印刷も黒崎工場(北九州市)にラインを増設中だ。
関連するデジタル素材でも住友化学が愛媛工場(新居浜市)に約100億円を投じ10月までに年産600万平方メートルの偏光フィルム製造ラインを増設、シャープに供給する予定。液晶用ガラス基板は世界シェア首位の米コーニングと2位の旭硝子が国内基幹工場で増産する。
第一生命経済研究所の試算では、デジタル家電の生産が2千億円増えた場合、電子部品・半導体で195億円、プラスチックなど化学製品73億円、鋼材で35億円の需要を生むという。
薄型パネル工場への国内投資は台頭する韓国メーカーに対抗する形で、ここ数年間に電機大手だけで累計1兆円を超す。サッカーワールドカップ(W杯)や11年のアナログ放送廃止などでブラウン管テレビからの買い替えが本格化する。電機各杜の「前倒し投資を急ぐ」(シャープ)動きが関連の大型投資を呼ぶ展開は当面続く見通しだ。
社名(品目) | 立地場所 | 投資額(稼動時期) |
シャープ(液晶パネル) | 三重県亀山市 | 3500億円(10月) |
松下電器産業(プラズマテレビ) | 尼崎市 | 1800億円(2007/7) |
キヤノン・東芝(SED:表面電界ディスプレー) | 兵庫県太子町 | 1800億円(2007/1) |
lPSアルファテクノロジ(液晶パネル) | 千葉県茂原市 | 1100億円(7-9月) |
富士写真ラィルム(偏光板保護フィルム) | 熊本県菊陽町 | 1000億円(12月) |
凸版印刷(液晶用カラーフイルター) | 三重県久居市・同亀山市 | 750億円(6月〜) |
大日本印刷(液晶用カラーフイルター) | 北九州市 | 550億円(7-9月〜) |
旭硝子(液晶ガラス基板) | 兵庫県高砂市 | 250億円(10月) |
米コーニング(液晶ガラス基板) | 静岡県掛川市 | 200億〜250億円(10月) |
住友化学(大型TV向け偏光板) | 愛媛県新居浜市 | 100億円(今秋まで) |
日本経済新聞 2006/2/1 発表
日東電工 液晶素材、1000億円投資 光学フィルム生産能力3倍に
日東電工は液晶テレビ向け基幹素材の光学フィルムの生産能力を2006年度中に3倍に引き上げる。投資額は約1千億円。シャープが今年に入り液晶に2千億円の追加投資を決めるなど国内外顧客の増産に対応し、同フィルム世界最大手として先端製品の供給体制を整える。薄型テレビの市場拡大と覇権争いに伴い、デジタル素材メーカーにも主導権確保を狙う大型投資が広がってきた。
光学フィルムは鮮明な画像を見られるようにするなどテレビの性能を左右する。日東電工は主要な光学フィルムで世界シェアの約6割を握る。増強後のフィルム生産能力は、テレビ1億5千万台分(37インチ換算)の年1億6千万平方メートル。この台数は昨年の液晶テレビ世界出荷の7.5倍に当たる。
広島県尾道市と三重県亀山市の主力2工場に最新ラインを導入。大画面用フィルムを中心に増産、研究開発機能も強化する。海外顧客からの受注増に即応するため、韓国、台湾などの加工工場も増強。投資額は05年度に比べ倍増する。
光学フィルム 日東電工投資
技術高め大画面化対応 各社、成長市場に重点
薄型テレビの開発・製造を支える日本のデジタル素材メーカーが相次いで大型投資に踏み切っている。日東電工の光学フィルムヘの積極投資も増産対応だけでなく、新鋭設備の導入で大画面時代に必須となる製造技術やコスト競争力を確立するのが狙いだ。
光学フィルムはテレビ画面が大きくなるほど製造技術が難しい。日東電工は従来、デスクトップパソコン用の液晶モニター向けが主流だったが、1枚のフィルムに特殊樹脂を塗布して大画面テレビに対応できる量産技術を開発。シャープがプラズマに対抗する大画面液晶を実用化できたのは、日東電工の技術が貢献したといわれる。
光学フィルムの一つ、偏光フィルム世界大手の住友化学も日本と韓国で増産に約300億円を投じる。従来のフィルムは37インチ以上の大型品では加工後にそりが生じやすかったが、新設備はこれを少なくし、画面の輝度や視野角を向上する。生産性も従来の1.5倍に高める。
薄型テレビに使う素材は日本勢が世界的に強い。富士写真フイルムは液晶の保護フィルム、旭硝子はプラズマ用ガラス基板で世界市場をほぼ独占する。富士写は同フィルムを成長事業と位置づけ、約千億円を投じて新工場を建設中だ。
光学フィルム 液晶テレビ用パネルを構成する基幹部品で、ガラス製の基板(セル)の前後に張り合わせる。視野角を広げる「位相差フィルム」、一定の光だけを通す「偏光フィルム」、バックライトの前に置く「輝度向上フィルム」が代表的。日東電工はこれらを合わせた世界市場のシェア約6割を持つ。 |
2006年度光学フィルム関係で1000億円の設備投資を計画
http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr2/home/oracle/00/2006/1201067/12010670.pdf
日東電工株式会社(本社:大阪市
竹本正道社長)は、液晶ディスプレー(LCD)用光学フィルムの生産能力を現在の年産5,300万uからほぼ1年後の2007年3月までに約3倍の年産1億6,000万uに増強するため、2006年度に約1,000億円の設備投資を行なう計画です。
当初液晶用光学フィルム関連の投資として、2005年度から2007年度の3年間で約1,000億円の投資を
計画していましたが、2005年度と2006年度の2年間で約1,500億円に上方修正する予定です。
<背景>
日東電工では、これまで液晶テレビ用光学フィルムの需要増に対応するため、尾道事業所に新プロセス棟の建設に着手するとともに、亀山事業所の工場増築や韓国、台湾、中国での後工程能力の増強を行ってきました。
しかしながら、ここに来て大型液晶テレビ需要が当初見込みより好調に推移していることに加え、液晶モニターやノートPCについても需要が上方修正されてきております。特に液晶テレビ用パネルメーカーは、好調な需要と画面サイズの大型化を背景に、設備投資計画を上方修正してきております。
このような動きに対応するために、設備の完成時期を前倒しするとともに、追加投資を行なうことで生産能力を確保することが不可欠と判断し、今回の大型投資を計画することに致しました。
今回、国内での偏光板及びその関連材料を中心とした生産能力の増強や研究開発投資に加え、海外拠点である台湾、韓国、中国においても引き続き偏光板の加工能力の増強投資を行ないます。
また、尾道事業所は、最新鋭の環境配慮型事業所を目指し、ソーラー電池発電システムの導入や雨水リサイクルシステムの導入を進めておりますが、水資源の一層の有効利用を図るため、排水リサイクルプラントの導入を行ないます。
<2006年度:設備投資計画の概要>
1. 国内能力増強投資
1)投資内容
:新規延伸機、新型精密塗工機、加工設備 など
2)投資額 :約600億円
3)生産品目 :液晶用光学フィルム
4)生産能力 :
1億1,000万m2/年(設備導入時の増加生産能力)
5)完成時期 :07年3月
2. 研究開発投資
1)研究開発用設備及び試作ライン
2)投資金額:約100億円
3. 海外拠点への能力増強投資
1)投資場所:
韓国日東オプティカル株式会社
韓国オプティカルハイテック株式会社
台湾日東オプティカル株式会社
上海日東オプティカル株式会社
日東電工(蘇州)株式会社 他
2)投資金額:約280億円
3)完成時期:07年3月
4. 環境関連投資
1)投資内容:排水リサイクルプラント
2)投資額 :約20億円
3)完成時期:06年11月
200/2/7 出光興産
静岡県御前崎市に「有機EL材料生産工場」を建設
〜15億円を投資し、2007年1月に年間3トンの生産体制へ〜
http://www.idemitsu.co.jp/company/news/news_2006/060207.html
当社(本社:東京都千代田区、社長:天坊昭彦)は、このほど、静岡県御前崎市に、世界最新鋭となる有機EL材料生産工場の建設を決定しました。
新工場は、投資額15億円、生産能力は世界最大級となる年間3トンで、原材料から最終製品まで一貫して生産できる本格的な有機EL材料工場です。2006年2月より着工し、2007年1月に操業を開始する予定です。
当社は、世界最高レベルの寿命性能と輝度効率の青色・緑色発光材料を開発するなど、国内外有数の有機EL材料メーカーですが、その生産は国内化学会社等に外部委託しております。
近年、携帯電話サブ画面や携帯デジタルオーディオのディスプレイなど有機ELディスプレイの市場拡大が本格化する中で、その材料需要も伸張しつつあります。将来的には、中大型の薄型ディスプレイへの展開により、需要は大きく伸びるものと期待されます。当社はこれらの増大する需要に対し、納入先への安定した供給を果たすためにも、自社工場の建設が急務と判断いたしました。
建設地は、いくつかの候補地の中から、精密化学工業が盛んな地域であり、近隣に生産委託先がある静岡県御前崎市に決定しました。
新工場の建設決定について石原茂雄御前崎市長から、「出光興産の世界最大級の最先端技術有機EL工場が、我が御前崎市に誕生するにあたり、心より歓迎いたします。また、新時代にふさわしい企業の進出であり、街の発展に大きく寄与することを期待いたします。」とのコメントをいただきました。
当社は、有機EL材料のさらなる高寿命化、高効率化を進めるとともに、新工場と従来の生産委託先をあわせて供給面での充実化を図り、次世代有機ELディスプレイの普及に貢献していきます。
【新工場の概要】
・新工場名称
出光興産株式会社 御前崎製造所(仮称)
・建設地 静岡県御前崎市合戸
・建設開始 2006年2月
・生産開始予定 2007年1月
・製造内容 有機EL材料の合成、精製
・生産能力 3トン/年
・総工費 15億円
・延床面積 1,800
・生産人員 20名
<参考> | |
・ | 有機ELディスプレイとは、 |
有機材料に電流を加えることで材料自らが発光する自発光型のディスプレイデバイスです。バックライトが不要な上に、有機発光層をガラス基板で挟んだシンプルな構造なため、パネル厚を大幅に薄型化することができます。また、優れた動画応答性や鮮やかな色彩表現が可能なため、次世代の薄型ディスプレイとして注目されています。 | |
・ | 有機ELへの取り組みについて |
当社は、自社で保有する分子設計・有機合成技術を応用し、1997年に当時世界最高輝度の青色発光材料を開発して以来、最先端の発光材料を継続的に開発しております。現在は中大型ディスプレイにも適用可能な材料開発を進めています。また、材料開発のみにとどまらず、有機EL材料の性能を最大限に発揮するための材料組み合わせ技術や有機ELデバイス化技術の開発にも積極的に取り組んでいます。 |
LCD(液晶ディスプレイ)の需要急拡大に対応する偏光フィルム向け光学用ポバールフィルム生産能力の増強について
http://www.kuraray.co.jp/release/2006/060314.html
当社はこのたび、LCD(液晶ディスプレイ)に必須の部材である偏光フィルムのベースとなる光学用ポバールフィルムの生産設備を増設することを決定しました。(年産+3,000万m2 完成予定2007年6月:増強後の合計生産能力 年産9,100万m2)
大型液晶テレビや液晶モニターなどの急拡大により、LCD市場は飛躍的に伸長しています。当社は、2005年に光学用ポバールフィルムの生産能力を従来の約2倍に増強しましたが、当初の予想を超える需要急増に対応するため、追加投資による生産能力増強が不可欠と判断しました。
これにより、液晶用偏光フィルム向け光学用ポバールフィルムの生産能力は、2007年6月までに、現在の約1.5倍に増強され、旺盛な需要に的確に対応できる体制を築きます。
生産能力(万m2/年) | ||||||||||||||||||||
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今回増設する新系列は、2005年にクラレ玉島に設置した設備(3,000万u)と同様、LCDの大型化に対応する広幅品の生産が可能です。さらに、昨年開発した光学性能を大幅に改善した新規光学用ポバールフィルム<VF−PE>など、高度な品質要求にも対応できる設備です。
分子軸方向の光を吸収し直角方向だけの光を透過する偏光フィルムは、光のシャッター機能を有しており、LCDに不可欠な重要部材です。その偏光フィルムは光学用ポバールフィルムが主素材であり、光学用ポバールフィルムをヨウ素や染料で染色し、延伸配向することにより製造されています。
当社は、今後も液晶用偏光フィルム向け光学用ポバールフィルムのトップ企業として、新技術の開発や品質向上を積極的に進め、LCDの市場拡大に貢献したいと考えております。
設備増設の概要
●場所 クラレ玉島株式会社
岡山県倉敷市玉島乙島7471番地
(社長:西口 克彦、資本金1,000万円 クラレ100%)
●設備能力 年産3,000万m2
●完工時期 2007年6月予定
●設備投資額 約60億円
2006年7月25日 日本ゼオン
富山県氷見市での光学用途向けゼオノアフィルム新工場建設を決定
日本ゼオン(株)(社長 古河直純)は、2004年10月に上市した新ゼオノアフィルム(R)
(延伸フィルム)が液晶テレビの需要増加、特に画面の大型化に伴い急速に採用が拡大していることに対応し、富山県氷見市に当社100%子会社(株)オプテス(社長
梅沢 佳男)のゼオノアフィルム新工場建設を決定した。
大型液晶テレビの需要は、今後もデジタル放送転換に伴うテレビ買い替えなどにより順調に拡大する見込みであり、現在、オプテスの高岡工場(富山県
高岡市)では2006年10月までに生産能力を光学フィルム原反4,000万m2/年、新ゼオノアフィルム
(延伸フィルム)3,000万m2/年への能力増強工事を行っている。しかし、高岡工場はこれ以上の増設余地がないことから新工場の建設を立地を含めかねてより検討していた。
新工場は富山県氷見市に新規に用地約17万m2を購入し建設する。投資額は第一期として約100億円を計画しており2007年9月完成を目指す。
工場建設場所としては、県内外の複数の候補地を検討してきたが、富山県の熱心な誘致活動と手厚い企業立地助成制度、高速道路インターチェンジに近いというアクセスの良さ及び高岡工場との一体運営を可能とする距離という観点から氷見市に決定した。
新工場は今後の需要の伸びにあわせて、第二期、第三期と段階的に設備投資を行う予定で、将来的には大型液晶テレビ用を中心とした各種光学フィルムの生産で高岡工場とあわせて約1億m2/年の生産能力を持つ計画である。
「新工場の概要」
(1) 所在地 : 富山県氷見市上田子
(2) 敷地面積 : 約170,000m2
(3) 建物 : @構造 鉄骨造3階建て
A延床面積 約22,000m2
(4) 第一期生産能力 : 年産約1,500万m2
(5) 第一期投資額 : 約100億円
( 補足説明 )
当社は、2002年10月に世界で初めて溶融押出し法による光学フィルムの製造に成功し、位相差フィルム用の原反フィルムであるゼオノアフィルムの販売を開始し2005年2月には
第二次増強を終了している。ゼオノアフィルム
は高透明性、低複屈折、低波長分散、低光弾性などの優れた光学特性を有するとともに、低吸湿性、高耐熱性などの特徴を有しており、液晶用光学フィルムとして優れた耐久性の提供が可能である。
新ゼオノアフィルムはゼオノアフィルムを延伸し位相差機能を付与したものであり、優れた光学特性と耐久性を有した位相差フィルムであり、加えて(1)位相差機能と偏光板保護機能を兼ねる。(2)ロールツウロールでの偏光板製造が可能。(3)画面の安定性向上に寄与するなどの特徴を持つ。
この結果、部材点数の削減および製造プロセスの簡略化が期待できる。また、品質面では偏光板の耐久性能が向上、画面の周囲の光漏れによるコントラスト低下の問題を克服できることから大型液晶テレビへの採用が拡大しているものである。
2007年9月4日 ゼオン
日本ゼオン オプテス富山工場 氷見製造部竣工、同時に光学用途向け新ゼオノアフィルムの能力増強を決定日本ゼオン(株)(社長 古河直純)は、2004年10月に上市した新ゼオノアフィルム(延伸フィルム)が液晶テレビの需要拡大と大型化に伴い、急速に採用が拡大していることに対応して、100%子会社(株)オプテス(社長 若松憲明)の富山工場において、昨年7月から建設中の新工場(氷見製造部)を竣工させた。
また、同氷見製造部での、第二期、第三期の能力増強投資を決定し、2008年度中の稼動を目指す。
大型液晶テレビの需要は、今後も順調に拡大する見込みであり、需要の伸びに合わせて段階的な設備投資を検討していた。
既設の高岡製造部では光学フィルム原反年産4,000万m2、新ゼオノアフィルム年産3,000万m2の能力増強投資を完了しており、氷見製造部を加えて新ゼオノアフィルムの生産能力を、年産7,500万uとする計画である。
今後も第4期、第5期と段階的な設備投資を行う予定で、将来的には大型液晶テレビ用の各種光学フィルムの生産で、年産約1億m2の生産能力を持つ計画である。
なお、富山工場 氷見製造部建設に伴い、(株)オプテス高岡工場を富山工場 高岡製造部へ改称した。
1.富山工場 氷見製造部の概要
(1) 所在地 富山県氷見市上田子
(2) 敷地面積 約170,000u
(3) 建物 @構造 鉄骨造3階建て
A延床面積 約22,000 m2
(4) 第一期生産能力 年産 約1,500万m2
(5) 第一期投資額 約100億円
2.能力増強の概要
(1)第二期生産能力 年産 約1,500万m2
(2)第三期生産能力 年産 約1,500万m2
日本経済新聞 2006/9/8
液晶画面 拡散板不要で5%軽く 東レ、光学フィルム開発
東レは、液晶ディスプレーを薄く軽くできる新しい光学フィルムを開発した。バックライトの光を制御するために使われる複数のフィルムを1枚で実現する。45インチクラスのバックライトに応用すれば、重さは約14%減、液晶ディスプレーでは約5%軽量化することが可能。同社は世界最軽量ディスプレーの実現に貢献できそうだとしており、早ければ今年度中にも実用化したい考えだ。
バックライトは光源を基本に、光源の光をむらなく広げるためのアクリル製拡散板、画面の中心に光を集めるための複数のフィルムからなる。新しい光学フィルムは拡散板と複数のフィルムの機能を一体化した。
厚さは0,1-0.25ミリメートルで、45インチのディスプレーに使う場合の重さは約140グラム。従来のバックライトに比べ、厚さ2ミリメートル、重さ1.3キログラムの拡散板が不要になる。45インチ級バックライトは従来より1.3キログラム軽くなり、液晶ディス一プレーでも約5%軽量化できそうだ。
また、バックライトに使う部品の点数が減ることでバックライトの製造コストを5−10%減らすことができると試算している。
新フィルムはポリエステル樹脂に、独自開発した光を拡散させる高分子がむらなく分散している。東レはポリエステル樹脂を改良して光拡散機能を持つ高分子となじみやすくしたほか、膜の製法なども工夫した。従来はすき間が発生して光が乱反射してしまい、光を透過しないという問題があった。
東レはさらに、フィルムにアクリル系樹脂を塗ってから金型を使って表面に微細な凹凸を付けた。光を画面の中心に集める機能を加えることができた。
▼拡散板 液晶ディスプレーのバックライトの主要部品。光源の蛍光管やLED(発光ダイオード)などから放射される不均一な光を均一に広げる機能を持つ樹脂。アクリル製のものが多く、半透明なシート状になっている。 |
LCDバックライト用機能統合フィルムの開発に成功
―独自のフィルム設計技術と表面加工技術の融合で光学機能を1枚のフィルムに―東レ(株)は、このたび、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト(光源)に用いられる複数の光学フィルムの機能を統合した革新的な光学用ポリエステル(PET)フィルムの開発に世界で初めて成功しました。本フィルムにより、バックライトの光線を画面全体に広げる拡散板(乳白板)をはじめ、集光機能を持つビーズシートやプリズムシートなどを1枚のフィルムにまとめることが可能となります。当社は本フィルムを、LCDの軽量化や部品点数の削減による製品設計の効率化に寄与できる先端フィルム材料として、本年度末から大型液晶テレビのバックライト用途を中心に本格展開して参ります。また、薄膜、軽量、高い光透過性に加え、優れた光拡散性と集光性などの特長を活かし、リアプロジェクション用スクリーンなどの各種機能フィルム、スクリーン材料としても幅広く展開していく計画です。
今回開発した新規機能統合フィルムは、当社独自のフィルム設計技術と表面加工技術の融合により実現しました。技術ポイントは下記のとおりです。1. 「高性能内部拡散フィルム基材」の実現
バックライトの光を画面全体に広げる役割を担う拡散素子として、独自設計の屈折率制御ポリマー粒子を適用しました。これを新開発の特殊混練技術と高精度延伸製膜技術によりフィルム中に最適配置することで、これまで二律背反の関係にあった光透過性と光拡散性を高レベルで両立することに成功しました。本技術は当社独自の光学設計理論に基づくもので、光拡散性についても容易に制御することが可能です。
2. 「特殊形状インプリント」による光線制御
フィルムの表面に微細な凹凸を転写する「表面インプリント技術」を新たに開発し、高い光透過性と優れた光拡散性を両立した内部拡散フィルム基材表面に、光拡散機能と集光機能を併せ持つ特殊ストライプレンズ層を形成することに成功しました。レンズ層の厚みは僅か10〜50ミクロンで、当社独自の光学設計技術を応用することで、バックライトの性能や特徴に応じて光線を制御することが可能です。
PETフィルムは、透明性、表面平滑性、強度、耐熱性、コスト面において優れた特性を有することから、LCD用の基材フィルムとして幅広く使用されています。LCD分野では現在、部品の高機能化と小型・軽量化、およびコストダウンが追求されており、フィルムに関しても、蛍光管やLEDなどから放射される不均一な光を、より明るく効率的に拡散して画面を均一にする薄膜・軽量な新素材の開発が求められています。しかし既存材料のさらなる改良だけでは、今後ますます高度化するLCD分野の技術要求に応えることが難しくなっています。一方、これまでPETフィルムに光拡散機能や集光機能を付与することは不可能とされてきました。これは、フィルム中に無機粒子や有機粒子等、異素材からなる拡散素子を添加すると、フィルム製膜時の延伸工程で拡散素子とベースフィルムの境界に隙間が発生し、フィルムの光透過性が損なわれて輝度が著しく低下する他、光拡散性の制御も困難であったためです。今回開発した機能統合フィルムは、これらの技術課題を一挙に解決したものです。
日本経済新聞 2006/11/26
希少金属使わぬ液晶パネル材 東ソー、代替品を開発 生産コスト低減
東ソーは液晶パネルの製造に欠かせないITO(酸化インジウムすず)ターゲット材の代替材料を開発した。原料をレアメタル(希少金属)のインジウムから安価で豊富な亜鉛に切り替え、従来と同等の性能や製法を実現した。インジウムなどレアメタルは電子材料に不可欠で、ここ数年価格が高騰している。東ソーは液晶パネルの生産コスト引き下げにつながる代替材で先行し、電子材料事業の柱の一つに育てる。
ITOターゲット材は薄膜形成材料と呼ぶデジタル素材の一種。液晶パネルの内部で、透明な電極膜を作る際に不可欠な材料だ。液晶テレビの市場急拡大で原料のインジウムが高騰。産出国で環境汚染が問題となるなど、代替材のニーズが高まっていた。
東ソーは今回、インジウムの代わりに亜鉛を主原料とし、すずの代わりに酸化アルミニウムを添加する手法を開発。さらに独自開発の添加剤を加えて導電性や透明度、耐熱性などの点でITOに近い性能を出した。
このほど子会社でターゲット材専業の東ソー・スペシャリティマテリアル(山形市)に開発用の小規模量産ラインを完成。液晶パネル大手が採用の最終検討を始めた。
製法はITOターゲット材と同様に粉末を成形し焼き固めて加工する。粉末の配合やゴム型技術の工夫などで、大型でも均質な材質を効率的に生産できる手法を確立した。既存の設備をかなり転用できるため、量産が軌道に乗ればITOに比べて大幅に割安になる可能性がある。
液晶パネルメーカーも現在の生産設備でそのまま新材料を使える見通し。採用の動きが広がり次第、本格的な量産工場を建設する。東ソーは基礎原料や石油化学品とともに、電子材料など機能商品に力を入れている。
レアメタルは電子材料生産に不可欠だが、生産国も限られ、資源の枯渇や原料の急騰リスクがある。インジウムの国際価格は2月半ばに1キロ1000ドル超に達した。その後やや下落したが、2003年初めに比べると約7倍の高値水準だ。長期的には太陽電池向けの需要も拡大する見通し。
各種のレアメタルは官民で代替材料やリサイクルの研究が始まったほか、政府も備蓄に向けた検討を進めている。
レアメタル(希少金属)
世界的に生産量の少ない金属のことで、インジウムのほかコバルト、ガリウム、タンタル、プラチナなどがある。特殊な性質を持つことから電子材料などに多く使われる。日本は世界のレアメタルの需要の約2割を占めるともいわれる一大消費国で、大半を輸入に頼っている。デジタル市場の急拡大で、ここ数年価格が急騰している。
液晶パネルの透明電極材料として使うインジウムは透明で光をよく通すうえ、導電性が高い。世界生産の5割を中国が占めるが、資源保護を理由に輸出を抑えている。日本は世界のインジウム生産量の約6割を消費するといわれている。
電子部品などに使う主な希少金属 | ||||||||||||
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日本経済新聞 2006/12/17
液晶フィルム下落 どう対応?
日東電工社長 竹本正道氏
1インチ3000円時代へ新製法
液晶用光学フィルム世界最大手の日東電工の業績が振るわない。液晶テレビの急激な価格下落や新規参入による競争激化などを受け、2007年3月期は5年ぶりに減益に転じる見通しだ。液晶テレビ市場の先行きをどう読み、価格下落への対応をどう進めるのか。竹本正道社長に聞いた。
ー 液晶テレビの価格下落が急だ。
「予想よりもぺースが1年早いというのが実感だ。現在1インチ=5千円を切ったが、向こう1年くらいで3千円くらいまで下がるだろう。30インチクラスの液晶テレビは急速に汎用品化しており、利益が出るのは40インチクラス以上になっている」
ー 価格下落の最大の要因は。
「従来ならバックライトが足りないとか、液晶テレビを構成する部品のいずれかが足りなくなって価格下落に歯止めがかかった。だが最近は液晶テレビは問違いなく売れるとみて完成品メーカーだけでなく、部品・素材メーカーも一斉に増産に走った。この結果ブレーキ役が不在となり、価格下落に拍車がかかった」
「今年6月のサッカーワールドカップを当て込み、普段なら需要の端境期である1−3月に世界中のメーカーが進めた増産の動きは異常だった。今は在庫もほぼ解消した状態。在庫を消化する過程で、乱立していた液晶パネルメーカーの淘汰も始まった。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)業界の動きとよく似ている。プレーヤーの淘汰で寡占化が進み価格下落も次第に収束するだろう」
ー 価格下落にどう対応する。
「1インチ=3千円でも収益を確保できる体制を築くことだ。最近建設した新プロセス棟では、新素材や新製造法の開発を進めている。歩留まりが悪いなど改善点は多いが、改善すべき課題が多いということは、解決すれば利益として取り込める余地が多いということで前向きにとらえている」
ー 光学フィルムはパネルメーカーが内製化したり、素材メーカーの新規参入も活発だ。
「液晶フィルムは面積が大きくなればなるぼど作るのが難しい。フィルムは半導体と違って製造装置を持っていればどうにかなるという代物ではない。ノウハウが他社との競争に勝つ上での決め手となる。その点では問違いなく当社は比較優位にある。今期1千億円の投資を決めたが、これから新たに1干億円単位の投資に踏み切れるメーカーは少ないだろう」
ー 今期は当初の増益予想から一転、減益になる見込みを発表した。
「業績は今期が底だと思っている。とにかく液晶テレビ市場は急成長を遂げており、販売量は約束されている。あと5年でブラウン管テレビは駆逐され、液晶テレビ市場は成熟期を迎える。その後のターゲットは買い替え需要に移る。その時は投資額も減り、手元に残るキャッシュは増える。今は新たな高みに登るための試練の時期だ。先行きは悲観していない」
聞き手から一言 生産現場の改革
スピード不可欠
日東電工の株価は先週末終値で6360円。2月初頭の年初来高値に比べ4割程度下がった。しかし竹本社長は「競争は第四コーナーを回ったところ。ここで負けられない」と攻めの姿勢を崩さない。今後のカギを握るのは今秋稼働させた「新プロセス棟」。新たな量産技術などの開発拠点だが、本格的な立ち上がりは遅れている。バネル価格が下がり続けるなか、独自ブロセスでいかに生産コストを抑え利益を確保するか。生産現場のスピード感が今まで以上に問われている。
LCD(液晶ディスプレイ)の需要急拡大に対応する偏光フィルム向け光学用ポバールフィルム生産設備の増設について
当社はこのたび、LCD(液晶ディスプレイ)の必須部材である偏光フィルムのベースとなる光学用ポバールフィルムの生産設備を増設することを決定しました。(年産
+1,500万m2 完成予定2008年央:増強後の合計生産能力 年産
1億3,600万m2)
世界のLCD市場は、飛躍的な伸長を続けています。特に大画面化が進む液晶テレビの本格的な普及に伴い、ポバールフィルムの需要拡大はより加速しつつあります。
当社は現在、クラレ西条(株)(愛媛県西条市)・クラレ玉島(株)(岡山県倉敷市)の二拠点で計
6,100万m2の生産体制を持ち、さらに2007年中の完成予定でほぼ倍増にあたる
6,000万m2の増設工事を進めています。しかし今後の需要増に着実に対応するためには、次期の設備増強に早期に着手することが必要と判断しました。立地はクラレ西条とし、クラレ玉島との二拠点体制の充実により、世界のLCD市場へ向けた安定的な供給体制を構築します。
■生産能力(万m2/年)
クラレ西条 | クラレ玉島 | 合計 | |
現状 | 3,100 | 3,000 | 6,100 |
07年央 | 3,100 | 6,000 (+3,000) | 9,100 |
07年末 | 3,100 | 9,000 (+3,000) | 12,100 |
08年央 | 4,600 (+1,500) | 9,000 | 13,600 |
今回増設する新系列は、現在クラレ玉島で増設中の設備と同様の技術によるもので、2005年に開発した光学性能を大幅に改善した新規光学用ポバールフィルム<VF−PE>など、高度な品質要求にも対応できる設備です。なお当社は、クラレ西条の既存生産設備についても、高度化する品質要求に対応するための工程改良を予定しており、今回の増設により供給力を確保した上でこれを計画的に推進していく所存です。
当社は、今後も偏光フィルム向け光学用ポバールフィルムのリーディングカンパニーとして新技術の開発や品質向上を積極的に進め、LCDの市場拡大に貢献したいと考えております。
設備増設の概要 | ||||||||
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日本経済新聞 2007/1/19
日東電工、中国の深センに液晶フィルム新工場
液晶用光学フィルム世界最大手の日東電工は中国・深セン市に新工場を建設し、2007年10月に稼働させる。総投資額は約200億円。深センなど華南地域には現地テレビメーカーのほか、韓国・台湾の液晶パネルメーカーが相次ぎ進出を計画しており、供給体制を強化する。08年の北京五輪開催などで中国の液晶テレビ市場は3年後に現在の五倍強に膨らむ見通し。成長市場で拠点を拡充し事業拡大を目指す。
新工場は、まず第一期分として約60億円を投じて深センにある光明ハイテクパーク内に建設する。その後2―3年で140億円程度の追加投資を実施。画面サイズが65インチ以上の大型液晶パネル向けフィルムを生産できる最新鋭の加工・検査設備を導入する。2―3年後に約250億円の売り上げを目指す。
毎日新聞 2007/2/6
電機各社 設備投資ブレーキ デジタル家電価格下落し
薄型テレビなどのデジタル家電の市場拡大を見込んで、高い水準で推移してきた霞機大手各社の設備投資にブレーキがかかり始めた。販売競争の激化を背景に、年末商戦での価格下落が各社の予想以上に進んだためで、パイオニアと日立製作所はプラズマテレビのパネル工場の建設延期を表明した。半導体でも東芝と富士通が、新工場建設や設備増強を見送った。電機業界は民間設備投資のけん引役だっただけに、国内景気の先行きに影響を与える可能性がある。
パイオニアは1月末、山梨県内に30億円かけて用地を確保していたにもかかわらず、年内着工の予定だった新パネル工場の建設を当面延期する方針を表明した。日立も、昨年中にも発表すると説明していた国内でのパネル工場新設について、5日の四半期決算の発表会見で「テレビは質で勝負する。工場は慎重に検討する」(三好崇司副社長)と、建設延期の意向を明らかにした。
半導体でも、東芝が先月末に、携帯音楽プレーヤーなどの記憶装置に使う「NAND型フラッシュメモリー」の国内新工場着工を半年延期すると表明。富士通も、三重県で4月に稼働するLSI(大規模集積回路)新工場で、生産能力拡大のぺースを遅らせる方針だ。
年末商戦でのデジタル家電の大幅な価格下落は、内外メーカーの競合で販売競争が激化した一方で、需要が業界の期待ほどに伸びなかったことが要因とみられる。しかも、06年のサッカー・ワールドカップ(W杯)と08年の北京五輪にはさまれる今年は、デジタル家電の大きな需要増が見込まれるイベントがない。価格下落が続けば、設備投資の減速の動きは家電大手から、部品・素材メーカーにも波及する可能性もある。
生産設備増強で生産コストを引き下げ、価格下落に対応するメーカーもある。プラズマテレビで国内独り勝ちした松下電器産業は、2800億円を投じて09年に新工場を稼働させ、生産能力を4倍に増やす計画だ。ただ、シェアの低いメーカーが、追随することは難しい。パイオニアや日立が、事業の生き残りをかけて、追加投資の是非を検討しなければならない局面もありそうだ。
日本経済新聞 2007/2/9
液晶パネル 韓台4社投資大幅減 今年 友達光電は実質3割 シャープ、前年水準維持
韓国サムスン電子、台湾・友達光電(AUO)など韓台の液晶パネル大手4社が2007年の設備投資をそろって削減する。薄型テレビ普及に合わせた各社の増産投資で供給過剰となり、価格が急落。世界シェアの75%を占める韓台4社は増産投資を手控えることで需給を引き締め、採算を改善する。テレビまで組み立てる日本最大手のシャープは投資の水準を維持しており、違いが鮮明になっている。
世界3位のAUOは8日、07年の設備投資額を900億ー950億台湾ドル(約3300億ー約3490億円)にすると発表した。06年から持ち越した150億台湾ドルを含んでおり、実質的には前年比で約3割の減額となる。
同日発表した06年10−12月期の純利益は16億5900万台湾ドルと前年同期比で85.5%減少するなど、パネル価格下落で収益が悪化していることに対応。台湾勢では世界4位の奇美電子も3割以上減らす。
韓国勢では世界首位のサムスンが同44%減の1兆4100億ウォン(約1830億円)を計画。ソニーとの合弁会社S-LCD(忠清南道牙山市)の設備投資(
4千億ウォン)を含めても前年実績の7割の水準にとどまる。主にパソコン用パネル向けの投資を抑える。世界2位のLGフィリップスLCDは1兆150億ウォンと約3分の1に減らす。同社のテレビ用パネルの顧客は中堅メーカーが中心で、増産投資はリスクが大きいと判断した。
一方、シャープの07年度の設備投資は2千億円と前年度見込み比で横ばいとなる見通しだ。パネル外販を主力とするメーカーと違い、シャープは液晶パネルの生産からテレビ組み立てまで一貫生産する垂直統合方式をとる。生産能力を柔軟に調整できるため、業績を安定させやすい。
工場1棟で2千億円規模の建設費がかかる液晶パネルは半導体と同様、設備投資額がシェアに直結するため、日韓台メーカーが00年ごろから投資競争を繰り広げてきた。薄型テレビの販売は世界的になお伸びているものの、パネルは供給過剰で需給バランスが崩れ、価格が急落している。
韓国と台湾の液晶パネル 4社の2007年の設備投資計画 | |||||||||||||||
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1ウォン=0.13円、1台湾ドル=3.67円で換算 |
大型液晶パネルの世界シェア (出荷金額ぺ一ス、2006年7-9月期) |
(注)米ディスプレイサーチ調ぺ、lOインチ以上のパネルが対象、 友達光電のシェアには2006年10月に吸収合併した同業メー力一の分を加算した。 |
日本経済新聞 2007/2/14
ソニー、ゲーム戦略転換 PS3用半導体
委託生産検討を発表
事業伸び悩み映す 投資、収益部門に効率配分
ソニーは13日、2007年度から3カ年の半導体設備投資を06年度までの3年間より3割減らし、3千億円前後にする計画を正式発表した。ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」用半導体「セル」の次世代型は自社での量産投資を見送り、他社への生産委託などを検討する。今後は投資効率を重視して経営資源を配分する戦略を徹底する。中核部品を内製する「自前主義」の転換は、ほかの家電分野にも波及しそうだ。
「すべての事業を子細に検討し、聖域を設けずに見直す」。ハワード・ストリンガー会長は08年3月期末に目指す連結営業利益率5%の達成に向け、投下資本利益率(ROI)などの指標を参考に事業構造の思い切った見直しを進める方針だ。今期末の連結営業利益率は0.7%の見通しで、目標との乖離が大きく、収益力回復は緊急の課題。
■割が合わぬ巨額投資
巨額投資の割にすぐに収益性が伴わない事業の筆頭が半導体だ。ソニーの半導体は約7割を自社製品に使う内製で、外販は3割。今期の通期売上高見通しは、デジタルカメラ向けの撮像素子などが好調で前年度比57%増の7700億円だが、事業全体では昨年10−12月期にようやく黒字に浮上した段階だ。
半導体事業の責任者である中川裕副社長は13日の記者会見で、投資効率を上げるための具体策として、これまで稼ぎ頭だったゲーム機向けの半導体への新規投資を圧縮する考えを示した。08年末から09年にかけて量産を目指す線幅45ナノメートルのセルの次世代品について、外部への生産委託などを検討する。
ゲーム用では過去3年でセルを中心に約2千億円の量産投資をした。セルでは90、65ナノメートル品の自社生産は続けるものの、ソフト不足などでPS3の販売は伸び悩んでおり、従来のような投資を続けるのは困難と判断した。
■自前生産にこだわらず
セルの大規模な量産投資を主導したのはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の久多良木健会長。ソニー副社長を兼務していた05年ごろまでにセルの将来投資などで青写真を描いたが、昨年12月にSCE社長から会長に就任し、ゲーム事業の直接的な運営は後任社長らに委ねている。今回、ソニー本体は投資効率を優先し、セルの次世代品からは自前生産にこだわらない姿勢を明確にした。
ソニーは伝統的に、自社の家電製品の心臓部となる部品の開発から量産までを一気通貫で内製する方式にこだわってきた。しかし、薄型テレビ用の液晶パネルの量産では05年に韓国サムスン電子と合弁工場を稼働させるなど、自前の投資だけでは十分な採算がとれない部品については他社との連携を徐々に増やしている。
家電市場では市販の部品をソフトウェアで巧みに組み合わせて高収益をあげる米アップルのような競争相手も台頭。ソニーはゲーム用半導体の戦略転換を機に、投資効率や収益性に応じて、自前生産と提携を使い分ける動きを加速させそうだ。
ソニーの主な中核部品を巡る戦略
(◎=利益率が非常に高い、○=一定の収益が見込める、▲=採算が厳しい)
搭載製品の収益性など | 設備投資スタンス |
◎撮像素子(CMOS、CCD) | |
ビデオカメラは世界シェア首位、デジカメは同2位。 営業利益率2ケタと高収益 |
〔自前主義〕昨年夏、熊本県にCMOSセンサーの一貫工場完成 |
○液晶パネル | |
液晶テレビの販売台数の伸びは期待できるが、年率3割前後の単価下落。2006年度下期のテレビ事業は黒字浮上の見込み | 〔他社と提携〕韓国サム スン電子と折半出資で韓国に合弁会社を設立。今秋に両社で各約1000億円投じて第2工場を稼働 |
▲ゲーム用半導体 | |
ゲーム部門は今年度2千数百億円の営業赤字見通し。ソフトの充実などで早期の黒字化目指す | 〔他社と連携〕 PS3用半導体「セル」は65ナノメートル品までは自前で生産。45ナノ以下は外部への生産委託など検討 |
日本経済新聞 2007/4/4
液晶素材コスト減 新製造方式 導入広がる
カラーフィルター 凸版、5割減めざす
偏光板 住化、歩留まり改善
液晶テレビ向けなどのデジタル素材の生産で、低コストの製造方法を導入する動きが広がってきた。凸版印刷はカラーフィルターのコストを5割削減する製造方式を導入。住友化学は偏光板の全工場で、7月をメドに歩留まりを2割以上高める。デジタル素材は世界シェアが5割を超す企業もあり、IT(情報技術)産業でも国際競争力が高い。素材価格の下落で経営環境は厳しさを増しているが、生産改革で競争力を維持、向上する狙いだ。
液晶パネルは様々なデジタル素材を調達し、韓国のサムスン電子やシャープなどが最終的に組み立てて生産している。液晶パネルに占める素材コストは7割前後とみられ、素材価格をいかに抑制するかが液晶パネル収益を左右するため、素材メーカーへの価格引き下げ圧力が高まっている。
液晶画面上で色を表現するために必要なカラーフィルターでは、凸版印刷が新たな製造方法を開発した。ガラス基板に色を着色する工程で使う部材装置を従来の約3分の2に小型化することで、設備投資が抑制でき工場のスペースも有効活用できる。
4月から試作ラインを三重第二工場(三重県津市)に導入する。基板の大きさが約3メートル角の第十世代ガラス基板に採用されると、同社の現在主力製品より50%コストを減らせるという。
大日本印刷は2008年をメドに、300億円を投じて黒崎工場(北九州市)で液晶バネル用カラーフィルターの製造設備を新設し、月産4万枚のカラーフィルターを生産する。従来方式より色を着色する前工程が少なく、生産コストを1−2割削減できる方式を導入する方針だ。
偏光板大手の住友化学は、愛媛県新居浜市、韓国、台湾、中国にある生産4拠点で、偏光板の原材料のうち製品になる割合を示す歩留まりの改善に取り組む。現在60%程度の歩留まりを製品の切り出し方を見直すなどして、7月までに20ポイント以上改善する方針。
住友化学は需要拡大に対応するため、偏光板の生産能力を09年度までに06年度の2.1倍の7600万平方メートルに引き上げる計画。価格下落により悪化した採算を改善するため、能力増強と並行して効率化を進める狙いだ。
部材の仕様を変更することでコスト削減につなげる動きも活発だ。
富士フイルムとコニカミノルタオプトは偏光膜保護フィルムに、位相差機能を付与した高機能タイプを開発している。位相差フィルムは斜めから見ても画質を損なわないために必要な素材。これまで2枚使用するのが一般的だったが、複数の部材を一つにまとめた複合部材として開発することで、コスト引き下げにつなげている。
クラレはバックライトの光をパネル全体に広げる高機能拡散板をこのほどパネルメーカー各社に対して試作品として供給し始めた。07年度中の採用を目指す。従来タイプに比べ明るさを向上させることができ、バックライトの本数を約2割削減できるという。
日本経済新聞 2007/9/14
旭硝子、液晶パネル撤退へ
製造子会社売却へ入札 ガラス基板に集中
旭硝子が液晶パネル事業から撤退を検討していることが13日、明らかになった。携帯電話やカーナビなどで使われる中小型の液晶パネル業界の価格競争が激化し。製造子会社のオプトレックスの採算が悪化しているため。旭硝子は不採算事業から撤退することで、本業の板ガラスや液晶、プラズマテレビ用のガラス基板事業などに経営資源を集中きせる。
オブトレックスは旭硝子が6割、三菱電機が4割を出資し、1976年設立した。売上高は700億円程度で、ここ数年は採算が悪化していた。米調査会社によると、中小型液晶パネル業界でのシェアは1%程度にどどまっている。
関係者によると、旭硝子はオプトレックスの売却先を決める一次入札をこのほど実施した。ただ「オプトレックスの中身(業績)が思ったほど良くない」見方が出ており、売却には時間がかかる可能性もある。三菱電機も持ち株を手放す見通し。
旭硝子は12日、100%子会社のガラス繊維メーカー国内大手、旭ファイバーグラスを日本政策投資銀行などに売却することを決定。本業とシナジー効果が薄い子会社を売却するなどして事業の選択と集中を急いでいる。
画面サイズが10型以下の中小型のパネル業界を巡つては、大量生産によるコスト削減を得意とする韓国や台湾メーカーが台頭。携帯電話の需要が国内外で増加しているものの、年30%程度の急速な価格下落が続いている。
投資負担も重荷になっており、業界最大手のシャープや東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)を含め多くの企業が採算を悪化させ、日本勢のシェアが奪われる展開が続いている。
三洋電機は2006年12月、中小型液晶パネルの合弁相手のセイコーエプソンに全株式を売却した。旭硝子の撤退で、液晶中小型パネルの業界再編の動きが進みそうだ。
平成19年12月25日 旭硝子 三菱電機も同じ相手に売却
オプトレックス株式会社の株式譲渡に関するお知らせ
当社は、平成19年12月25日開催の取締役会において、中小型液晶表示装置、その他電子・光学表示装置を製造・販売している、当社子会社のオプトレックス株式会社の全株式を譲渡することを決議しましたので、下記の通りお知らせします。
1.株式譲渡の理由
当社は、グループビジョン“Look Beyond”
を掲げ、主要事業領域に経営資源を集中することとしており、2005年から3年間の中期経営計画
“JIKKO-2007”
の中でも、事業ポートフォリオの見直しと経営資源の再配分について継続的に検討しています。
オプトレックス株式会社は、車載機器や携帯電話、民生用・産業用機器向けの中小型液晶表示装置などを製造・販売していますが、車載用途は堅調であるものの、携帯電話市場での競争激化に伴う価格下落の影響などにより、同社の業績は平成18年12月期に営業損失を計上するに至っています。
このような状況の中、当社は、中小型ディスプレイ事業について、事業継続を前提とした収益向上のための構造改善や業務提携、売却による事業撤退など、様々な検討を進めてきましたが、今後当社グループとして積極的に資源投入を図る事業分野とのシナジーが少ないと判断し、コア事業への経営資源の集中という経営方針に則り、当社が所有するオプトレックス社の全株式を譲渡することとした
ものです。
なお、譲渡先は、日本産業パートナーズ株式会社が運営するファンドです。
2.異動する子会社の概要(平成19年(2007年)11月30日現在)
(1)商 号 オプトレックス株式会社
(2)代表者 代表取締役社長 熱田正次
(3)所在地
東京都荒川区東日暮里五丁目7番18号
(4)設立年月 昭和51年(1976年)7月
(5)主な事業の内容
中小型液晶表示装置、その他電子・光学表示装置の製造・販売など
(6)決算期 12月
(7)従業員数 346名
(8)資 本 金 2,500百万円
(9)発行済株式総数 500万株
※平成20年2月に、増資(80億円)により1,000万株の新株を発行することとしており、増資後の発行済株式総数は1,500万株となる予定です。なお、増資後の資本金額は未定です。
(10)株主構成および所有割合
旭硝子梶F60%、三菱電機梶F40%
(11)最近事業年度における業績の動向 略
3.株式の譲渡先
当社は、当社が所有するオプトレックス社の全株式を、日本産業パートナーズ株式会社が運営するファンドである、日本産業第二号投資事業有限責任組合及び日本産業第二号パラレル投資事業有限責任組合に譲渡します。
4.譲渡した株式の割合、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況
オプトレックス社は、平成20年2月に、増資(80億円)により1,000万株の新株を発行することとしており、増資後の発行済株式総数は1,500万株となる予定です。当社は、増資額のうち60%(48億円)を引き受けることとしており、これに伴い、当社の所有株式数は、900万株(所有割合60%)となりますが、当社は、その全株式を譲渡します。
(1)異動前の所有株式数
900万株(所有割合60%)
(2)譲 渡 株 式 数
900万株(譲渡価額6百万円)
(3)異動後の所有株式数 0株
5.日程
平成19年12月25日 取締役会決議
平成20年2月(予定) 株券引渡し期日
6.今後の見通し
本件により、平成19年12月期において、特別損失が連結で約38億円、単独で約63億円それぞれ発生する見込みですが、既に業績予想に織り込んでいます。
日本経済新聞 2007/11/30
日本板硝子 液晶TVガラス撤退 HOYAとの折半出資会社株 全50%売却へ
デジタル素材 事業選別進む
日本板硝子は液晶テレビ用ガラス基板事業から撤退する方針を固めた。HOYAとの折半出資会社の全持ち株を数百億円で売却する。一方、セントラル硝子は韓国でのプラズマテレビ用ガラス基盤事業からの撤退を発表。デジタル家電の主要素材・部品で高シェアを占める日本企業は、需要拡大を背景に積極投資を続けてきた。価格下落と技術の世代交代がはやまり投資が巨額になるなか、中下位メーカーの間で事業選別を進める動きが加速してきた。
日本板硝子は1991年にHOYAと設立したNHテクノグラスの株式50%を売却する方針。30日に一次入札を締め切る予定で、国内外の複数の投資ファンドが応札する見通し。売却金額は数百億円になるもよう。日本板硝子は年明け早々にも売却先を決め、HOYAは50%分の持ち分を引ぎ続き所有する見通し。
NHは三重県四日市市のほか、台湾、ジンガポール、韓国で液晶テレビ用ガラス基板などを生産。連結売上高は500億円程度とみられ、07年3月期の最終利益は20億円強だったもよう。
液晶用ガラス基板を生産するのは最大手の米コーニング、旭硝子、日本電気硝子、NHの4社のみ。NHのシェアは5%にとどまる。巨額投資で先行するコーニングなどに比べて投資余力が少なく、今後の大幅な成長が見込めないと判断した。
シャープが09年度に稼働を予定している液晶パネル工場は第十世代と呼ばれる大型ガラスを使う。米コーニングと旭硝子は製造技術を確立したのに対し、NHは第七世代までの製造技術しか持たず、技術力の格差も広がっていた。
日本板硝子は昨年6月に英ピルキントンを約6100億円で買収。有利子負債が約5900億円に膨らんだ。今年6月には豪州などの板ガラス会社を売却、3月にはプラズマ用ガラス基板からの事業撤退を決めるなど事業の選別を急いでいる。薄型テレビ用ガラスから完全撤退した後は、建築用と自動車用ガラスに経営資源を集中する方針。
一方、HOYAは液晶ガラス基板の製造を引き続き成長事業と位置づけ、ファンドの資金力を活用して第八世代以上の大型ガラス基板の製造設備への投資を急ぐ。
需要が伸び悩むプラズマテレビ関連でも優勝劣敗の動きが広がる。プラズマ用ガラス基板最大手の旭硝子は愛知県の工場での生産を7月に停止し、兵庫と韓国の2工場に集約。パイオニアは山梨県で計画していたプラズマテレビの新工場の建設を凍結すると発表、日立製作所も宮崎県の工場の生産ラインを一部停止している。
プラズマ用ガラス合弁 韓国で生産断念 セントラル硝子 市場縮小響く
ガラス国内3位のセントラル硝子と同世界3位の仏サンゴバンなどは29日、韓国でのプラズマテレビ用ガラス基板事業から撤退すると発表した。2005年に両社が現地企業と設立した合弁会社について、近く解敵手続きに入る。韓国LG電子などプラズマ世界大手への供給を狙ったが、市場の伸びが見込めないと判断、商業生産の開始前に事業化を断念した。
解散する合弁会社は「ディスプレイ・グラス・アライアンス」。セントラルが40%、サンゴバンが30%、韓国ガラス大手のハンクック・グラス・インダストリーズが30%出資する。セントラルの技術をべースに、総額100億円超を投じて工場を建設する計画だった。
韓国のサムスンSDIとLG電子向けのプラズマ用ガラス基板はこれまで、旭硝子が全量供給してきた。セントラルの合弁会社も05年から両社にサンプル出荷を続けていたが、価格や製品の仕様などの条件交渉が難航。ブラズマ市場の伸びが鈍化し、事業化しても思ったような収益拡大が期待できないと判断した。
セントラルはパイオニア製品の一部にプラズマ用ガラス基板を供給しており、韓国撤退後も国内では同事秦を継続する方針。
液晶用ガラス基板の世界シェア(2007年度上期実績) 米コーニング 50% |
子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ
当社は、2008 年1 月31
日開催の取締役会において、2008 年4 月1
日を期して、当社の100%子会社である住化エピソリューション株式会社を下記のとおり吸収合併することを決定いたしましたので、ここにお知らせいたします。
1. 合併の目的
(1)
住化エピソリューション株式会社は、化合物半導体関連材料であるMOエピウエハーの製造・販売を担う会社であり、2003
年3 月に当社100%子会社として営業を開始いたしました。
(2)
住化エピソリューション株式会社を当社に吸収合併することで、化合物半導体関連材料事業の一体運営による競争力強化ならびに携帯電話用部材を市場とする製品群との市場・技術動向の情報共有化を図りたいと考えております。
2. 合併の要旨
(1)
合併の日程(簡易・略式手続きによる合併)
合併決議取締役会 2008年1 月31 日
合併契約締結 2008年1 月31 日
合併契約承認株主総会
住友化学株式会社: 会社法第796 条第3
項の規定に基づく簡易合併であり、合併承認株主総会は開催いたしません。
住化エピソリューション株式会社:
会社法第784 条第1
項の規定に基づく略式合併であり、合併承認株主総会は開催いたしません。
合併予定日(効力発生日) 2008 年4 月1
日(予定)
(2) 合併方式
当社(住友化学株式会社)を存続会社とする吸収合併方式で、住化エピソリューション株式会社は解散いたします。
(3)
消滅会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はありません。
近紫外LED事業技術・設備譲受のお知らせ
三菱化学株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:小林
喜光)は、三菱電線工業株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:五十嵐
壽彦、以下「三菱電線」)、及びその子会社である株式会社ダイヤレッド(本社:東京都千代田区、取締役社長:村田
博昭、以下「ダイヤレッド」)から、GaN系LED技術及びその設備を2008年3月31日付にて譲受することを決定し、3社間で譲渡契約を締結しましたのでお知らせいたします。これに伴い、現在兵庫県尼崎市にある関連設備については当社筑波事業所に移設いたします。
固体照明製品は、その省電力性から温暖化対策やCO2削減の有力な手段としてその重要性が高まっており、昨年から新規白色LED市場が本格的に立ち上り始めました。照明や液晶テレビを中心とした液晶ディスプレイバックライト用途において需要が伸びており、2010年には8000億円規模の市場になると見込んでおります。
当社は、現中期経営計画において、固体照明事業を重点テーマのひとつとして「育成事業」に位置づけ、高輝度白色LED用のキーマテリアルとして蛍光体およびGaN(窒化ガリウム)基板の開発・事業化に取り組んでまいりました。その結果、より自然光に近い白色光を実現する高輝度LED用蛍光体の量産化に成功し、2006年より生産販売を開始しております。また、GaN(窒化ガリウム)基板につきましても現在量産試作中で2008年度より量産販売を開始予定です。
当社は、従来取り進めて参りました高輝度白色LED用蛍光体、GaN基板、高耐久性封止材の開発に加え、近紫外LEDチップの技術を今回譲受し導入することで、白色LED向け部材の開発並びに事業化を大幅に加速させていきます。
今後当社は、高機能白色LED材料の世界No.1サプライヤーとなるべく事業を強化してまいります。
<会社概要>
三菱電線工業株式会社
1) 設立年月日:1917年6月28日
2) 本社所在地:東京都千代田区丸の内三丁目4番1号
新国際ビル
3) 代表者:取締役社長 五十嵐 壽彦
4) 資本金:192億円
2. 株式会社ダイヤレッド
1) 設立年月日:2005年1月1日
2) 本社所在地:東京都千代田区丸の内三丁目4番1号
新国際ビル
(本社工場:
兵庫県尼崎市東向島西之町8番地)
3) 代表者:村田 博昭
4) 資本金:10.25億円
5) 売上高:60百万円(2007年3月期)
6) 従業員数:39名