2004/02/10 資生堂

|資生堂、4月1日付けで国内化粧品事業と中国事業強化で組織改革を実施
「国内化粧品事業および中国事業の営業力強化」に向けた組織改革について
 
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=64815

 資生堂は、2004年4月1日付けにて組織改革を実施します。今回の改革は、資生堂グループの中核である化粧品事業、なかでも国内化粧品事業の営業力強化と、成長著しい中国市場における事業強化を主眼とします。資生堂では2004年度を「店頭基点の経営改革」の総仕上げの年と位置付け、店頭基点を牽引する営業力の強化を通じて、確実な成果に結びつけます。

 組織改革のポイントは以下のとおりです。

(1) 販売第一線(国内・中国)に権限と責任を委譲
 お客さまに最も近い販売第一線に専務を筆頭とする執行役員を配置し、市場環境にあわせて経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を迅速かつ効果的に配分できる組織体制を確立する。
   
(2) 「小さな本社」に再編
 本社組織の重層的な「総本部」「本部」制を廃止するとともに、重複・分散した業務を集約して部門を削減することにより、意思決定のスピードを高める。
   
   
1.国内化粧品事業の営業力強化
 ● 店頭基点の経営改革をさらに加速するために、全国を7エリア(※)に分割し、エリアごとに「総代表」を配置。迅速な意思決定(経営資源の最適配分・投下など)ができる執行役員を「総代表」としてお客さまに最も近い現場に配置し、市場対応力を強化。
(※7エリア:「北日本」「東関東・信越」「東京・西関東」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州」)
 ● これにより、販売第一線の意思が本社の政策や施策にスピーディーに反映され、すべての意思決定の基点を店頭に置く組織体制を確立。
 ● チャネル別に分かれていた営業推進体制は、チャネルとエリアの両面から捉える体制に再編することにより、市場における競争力を向上。
 ● 顧客満足をより高いレベルで実現するために、お客さまとダイレクトに接するBC(ビューティーコンサルタント)の活動向上に特化した部門を新設。
 ● 本社をはじめ資生堂グループから若手社員を選抜し、販売第一線に振り向けることにより、営業の機動力を高める。
   
2.中国市場における事業強化
  中国における既存の化粧品事業に加え、「化粧品専門店」展開の加速、トイレタリー事業およびプロフェッショナル事業の強化など、資生堂グループの中国事業を一元的に統括し、迅速な意思決定ができる執行役員専務を「中国総代表」として現地に配置。
  あわせて、本社内に中国・香港両地域の化粧品事業機能に特化した部門を新設。
   
3.社長直轄部門の新設
(1) 「マーケティング開発部」
  国内外を問わず、中長期的な視点から資生堂グループ事業間のシナジーを高める新たなマーケティング戦略を構築する、社長直轄の「マーケティング開発部」を新設。
(2) 「CSR部」
  男女共同参画活動、企業倫理活動、社会貢献活動、環境活動など、社会との共生を体現する活動レベルをさらに高め、企業に求められる活動や望ましい社会の実現に向けた組織として、社長直轄の「CSR部」を新設。

2004/02/10  花王

花王、3月から中国で「ソフィーナ」ブランドの化粧品事業を開始
花王が中国で化粧品(ソフィーナ)事業を開始
  
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=64746

 花王株式会社(社長・後藤卓也)は、中国において、2004年3月よりプレステージ化粧品事業を開始します。初年度はまず、周辺都市を含む上海エリアの約10店舗で、事業基盤の確立を図り、2007年度までに、大都市の高級デパート50店舗で売上高10億円(約7,000万元※)を目指します。なお、花王の中国での化粧品事業は、花王全額出資の、花王(中国)投資有限公司(総経理・樋口信厚)を通して推進してまいります。

 花王のプレステージ化粧品事業は、「ソフィーナ」ブランドで、日本市場で1982年に開始されました。昨年度の売上高は758億円(約50億元※)にのぼります。現在は日本以外に、香港、台湾において販売されておりますが、グローバル市場でのさらなる事業拡大を目指して、この度、プレステージ化粧品市場が本格的成長期に入った中国本土でも展開することとなりました。

 中国で発売される商品は、「ソフィーナ」ブランドのスキンケアを主体に、当面は約40品目を日本から輸入販売します。小売価格は250元※(約3,500円)ラインを中心に、日本と同程度のプレミアム価格帯に設定し、都市部に住んでおしゃれに関心の高い25〜35才女性を主なターゲットとして、「ソフィーナ」ならではの、皮膚科学に基づいたきめ細かいカウンセリングによる対面販売で、顧客を拡大してまいります。
(※2003年3月31日時点のレート:1元=14.5円で計算)


●【花王(中国)投資有限公司の概要】

 設 立 2002年6月17日
 代表者 樋口 信厚(董事長兼総経理)
 事業概要 中国における花王関連会社の統括業務、及び投資、財務支援、通関などの
サービスの提供。

 


2004/2/19 出光テクノファイン

〜世界初 納豆の糸から生まれたサラサラジェル〜
天然系新素材「ジェルプロテイン」の販売開始について

 
弊社(社長:四位 敏章, 出光石油化学株式会社100%出資)は、従来から天然シルクを主原料としたプロテインパウダーを各種プラスチックスに配合し、自動車座席シート用レザー(プロテインレザー)・衣料用テキスタイル(プロテインTEX)・プラスチック用塗料・インキ(インキジェット受理性インキ)・繊維処理剤を開発・販売し、市場で好評を得てまいりました。
 この度、弊社独自の架橋技術および微粉化技術(特許出願済)を用い、
味の素株式会社のポリグルタミン酸を出発原料とした世界初のサラサラ感と浸透性を併せ持つユニークなジェル状化粧品素材:架橋ポリグルタミン酸『ジェルプロテイン』を開発、販売を開始しましたのでお知らせします。今春大手化粧品メーカー等数社よりジェルプロテインを配合した化粧品販売がスタートします。
尚、弊社では今後、高吸水ポリマーの特性を活かし、特に環境分野への用途展開を進めてまいります。

1. 経 緯
 平成7年九州大学農学部の原 敏夫助教授により開発された"納豆樹脂"(架橋ポリグルタミン酸)が出光興産株式会社に紹介され、これをきっかけに平成10年 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトが発足し実用化検討を行ってまいりました。
 さらに出光興産より事業を継承した出光テクノファインにおいて量産化技術の開発と化粧品素材に特化した研究開発を行い、複数の化粧品メーカーでの実用評価を実施した結果、ユーザーが驚くほどの優れた使用感(サラサラ感と浸透性)を特徴とするニュータイプの保湿ジェル(商品名:ジェルプロテイン)が完成しました。

2. 商品の特徴
1 ジェルプロテインの原料は、現在世の中で注目されている納豆菌によって生産されるポリグルタミン酸(PGA)です。中でも弊社で使用している原料は食品添加物として認可されている極めて安全性の高い素材です。
2 ジェルプロテインは、PGAを三次元架橋し天然の高吸水性ポリマーに変化させることで、原料であるPGAが持つ保湿力を格段にアップさせることに成功しました。パウダー換算で100倍から2000倍程度の吸水性を有する天然系ポリマーであり、高級保湿材として用いられるヒアルロン酸の3倍以上,PGAの10倍以上の保湿効果を有します。一方、架橋PGAは、吸水性の高さから土中、30℃にて80%以上が完全分解されるといった生分解性プラスチックとしての優れた特徴を有しています。
  3 さらに架橋度をコントロールすることにより「しっとり伸びるタイプ」から「サラサラタイプ」まで調整が可能です。且つ高含量のアルコールや油分をジェルの中に取り込んだり、エマルジョン化するという他の吸水性ポリマーでは実現困難な特徴を有している為、広範囲の化粧品に展開可能なベース素材といえます。

3. 展開分野
  化粧品全般(ヘアケア、スキンケア、メイクアップ)
  創傷被覆フィルム、衛生雑貨
  環境保全分野(農林水産業用資材,土木建築資材,野外レジャー製品等)

4. グレード
  ジェルタイプ(A-8001:2%PGA含有ジェル)
  パウダータイプ(A-8002)

5. 販売計画(ジェル換算ベース)
  初年度(平成16年度) 20T, 1億円、平成18年度 60T, 3億円  
  販売価格 5,000円/kg


FujiSankei Business i. 2004/4/16

ホソカワミクロン開発子会社がビタミンCをナノ粒子に封入
http://www.business-i.jp/news/chemical/art-20040415205311-AEFJFXWVBA.nwc

 ホソカワミクロンの研究開発子会社、ホソカワミクロン紛体技術研究所(大阪府枚方市)は15日、ナノテクノロジー(超微細技術)を活用し、ナノ(1ナノは10億分の1)メートルサイズの粒子にビタミンCなどを封入する生産技術を開発したと発表した。この技術と紫外線(UV)吸収材料などを組み合わせ、7月をめどに化粧品事業に参入する。

 開発したのは、生体との適合性が高い乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の粒子にビタミンCなどの成分を封じ込める技術。粒子のサイズは直径約200ナノメートルと微小だ。

 また、川島嘉明・岐阜薬科大教授と共同開発した薬物送達システム(DDS)製剤技術を活用。粒子に入ったビタミンCなどの美肌成分を、皮膚の表皮だけでなく奥まで長時間にわたって浸透させることができるようにした。

 紫外線(UV)の照射によって皮膚で生成される活性酸素は、シワやシミ、皮膚がんの原因となる。一方、ビタミンCの誘導体などが持つ抗酸化活性作用には皮膚を防護したり、美肌効果があることが知られている。しかし、単に皮膚の上から塗布しても皮膚深部まで到達できず、ビタミンの有効な効果が発揮できなかった。

 すでに、技術提携先で化粧品メーカーのパウダーグリーン(東京都練馬区)が、今回のナノ粒子を使って皮膚への浸透性に優れた美肌機能性の美容液「ナノレヴィック」を発売している。

 ホソカワミクロン紛体技術研究所でも、ビタミンEを封入したナノ粒子の量産に成功している。この粒子にアミノ酸などを複合化させ、ビタミンCを合わせ、“三大美白成分”を複合した化粧品として販売する予定だ。


日本経済新聞 2005/10/17

資生堂、ヒアルロン酸増産 化粧・医薬品用保温素材

 資生堂は化粧品や医薬品、サプリメント(栄養補助食品)などに使われる保湿素材「ヒアルロン酸ナトリウム」の生産能力を倍増させる。約20億円を投じ、掛川工場(静岡県掛川市)内に専用工場を新設、来年1月から生産を始める。ヒアルロン酸はキューピーや紀文フードケミファも増産に着手。医薬品と食品、化粧品に共通する素材として、各社の能力増強投資が目立ってきた。
 ヒアルロン酸は人の体内にある高分子。保水性が高くスキンケア化粧品や関節炎の治療薬などに加えサプリメントにも利用される。市場は2ケタ成長が続いていると推計される。資生堂は能力増強分をすべて、点眼剤やリウマチ治療薬などの医薬品向けに振り向ける。