2004/11/25 大日本製薬/住友製薬 両社概要 日経記事
大日本製薬株式会社と住友製薬株式会社
2005年10月1日付けの合併に向けて基本合意
http://203.138.228.209/pr/2004/11/0173/20041125.pdf
大日本製薬株式会社(代表者:代表取締役社長宮武健次郎、以下「大日本製薬」)、住友製薬株式会社(代表者:代表取締役社長岡本康男、以下「住友製薬」)及び住友化学株式会社(代表者:代表取締役社長米倉弘昌、以下「住友化学」)はこのたび、2005年10月1日付けで大日本製薬と住友製薬が合併することについて基本的に合意し、本日の3社の取締役会にてそれぞれ決議のうえ、「基本合意書」を締結致しましたので、お知らせ致します。
Chemnet Tokyo 2004/11/25 合併新会社は住友製薬となる予定。当社連結業績見通しへの影響については、合併新会社の業績見通しが明らかになり次第、発表する。 |
合併により発足する新会社は、国内医療用医薬品売上高でトップ10入りを果たすとともに、MR 1,500人を擁し国内大手と肩を並べる規模となることから、国内医薬事業の収益基盤を一層堅固なものとすることができます。また、安定的なキャッシュフローをベースに研究開発の質と量を強化し、開発スピードを加速させ、中長期的には海外展開を図ることができる会社を目指していきます。研究開発指向領域には両社に共通する部分が多く、研究開発面においてのシナジー効果が大いに期待されます。
新会社は、世界の人々の健康と豊かな生活を願い、日本国内での存在感を高めるとともにグローバルな事業展開が可能となる先進的な研究開発型の製薬企業を目指す、という統合の理念のもと、選択と集中を基調とした以下の基本戦略を推進してまいります。
(1) | 主力4製品(アムロジン、ガスモチン、プロレナ−ル、メロペン)への集中による売上シナジーの最大化を図る。 *アムロジン、メロペン=住友 ガスモチン、プロレナ−ル=大日本 |
(2) | 研究開発については、開発品目の優先順位付けによる選択と集中を実行することにより、開発スピードを加速させる。 |
(3) | あらゆる面において、短中期的コストシナジーを積極的に追求していく。 |
(4) | 公正な人事処遇を行うとともに、両社の企業文化を早期に融合し、新会社独自の挑戦的企業文化を醸成する。 |
なお、大日本製薬、住友製薬、住友化学の3社は、合併後も新会社が上場を維持すること、新会社が住友化学の連結子会社となり、住友化学は新会社の総株主の議決権の50.1%の株式を保有すること、またその実現に向けて3社が協力する旨、合意しております。
また、住友化学は、合併以後の新会社に対する住友化学の議決権の比率を基本的に10年間は50.1%以内に留め、新会社の上場の継続に協力するとともに、公開企業としての長期的な成長を支援することに合意しております。
合併の背景等は以下の通りです。
1. 合併の背景と目的
わが国の製薬業界を取り巻く経営環境は、定期的薬価引下げなど薬剤費抑制策の浸透、新薬創出のための研究開発投資負担の増大、欧米大手製薬企業による攻勢、業界再編の進行などにより、厳しさを増しつつあります。このような国内事業環境のもと、日本の準大手製薬企業が社会に貢献しつつ、安定的な成長を遂げていくためには、革新的な新薬創出に向けて研究開発投資を積極的に行うとともに、巨額化・長期化する投資に耐えうる国内事業基盤を確保することが最重要課題となります。さらに、製薬企業として成長していくためにはグローバル展開が不可欠ですが、海外事業基盤の確立には周到な戦略と相当規模の投資が必要となります。
大日本製薬及び住友製薬は、このような共通の認識にもとづき、両社の最重要基盤である国内において事業基盤を更に強化し、グローバル展開への足場を築くために、両社の合併について検討してまいりましたが、今般、その基本的事項について合意致しました。
本合併により、両社の経営資源を統合し、選択と集中を基調とした基本戦略を追求することで、収益性及び競争力の一層の向上を目指してまいります。
2. 合併の要旨
(1) 合併の日程
基本合意書承認取締役会 2004年11月25日
基本合意書締結 2004年11月25日
合併契約書承認取締役会 2005年4月(予定)
合併契約書締結 2005年4月(予定)
合併契約書承認株主総会 2005年6月下旬(予定)
合併期日 2005年10月1日(予定)
なお、今後、手続きを進める中で、やむを得ない状況が生じた場合は、両社協議の上、日程を変更することがあります。
(2) 合併方法
大日本製薬と住友製薬の合併に当たり、大日本製薬を存続会社とします。
(3) 合併比率
会社名 大日本製薬 住友製薬
合併比率 1 1,290
: | 1. | 株式の割当比率 住友製薬の普通株式1株に対して、大日本製薬の普通株式1,290株を割り当て交付します。(株式価値ベースでの大日本製薬と住友製薬の比率は41.5 対58.5となります) |
2. | 合併比率の算定根拠 合併比率については、各々独自に大日本製薬がJ.P.モルガン証券会社を、また住友製薬は日興シティグループ証券株式会社をファイナンシャル・アドバイザーとして依頼し、各ファイナンシャル・アドバイザーによる合併比率についての意見を参考に、両社が交渉・協議を行い決定致しました。なお、本合併比率について、本日付で、大日本製薬はJ.P.モルガン証券会社より、また住友製薬は日興シティグループ証券株式会社よりそれぞれ財務的見地から公正である旨の意見を受領しております。 但し、この合併比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合は、両社協議の上、変更することがあります。 |
|
3. | 合併により発行する新株式数(予定) 普通株式 2億3,271万6千株 |
(4) 合併交付金
本件合併に際し、住友製薬の2005年度の中間配当金に代えて合併交付金を支払う場合を除き、合併交付金の支払いは行わないものとします。
(5) 合併により期待される効果
1.国内事業基盤の強化 | ||
; | ・ | 新会社は国内医療用医薬品売上高でトップ10入りを果たし、MR 1,500人体制となり、国内大手と肩を並べる規模となります。両社合算で年間500万ディテール数を達成し、主力4製品(アムロジン、ガスモチン、プロレナール、メロペン)に注力することにより、収益基盤を一層堅固なものとすることができます。 |
・ | MR数の拡大に伴い、CNS(中枢神経系)領域等の専門領域において専門MR制度を導入することなどにより、効果的で質の高いプロモーション活動を展開することが可能となります。 | |
2. 研究開発力の強化 | ||
・ | 新会社の研究開発投資額は450億円規模となり、開発プロジェクトの取捨選択を併せて行うことにより、重点領域における開発スピードを加速化することが可能になります。 | |
・ | 「糖尿病領域」「CNS領域」「免疫・アレルギー領域」など、両社の研究開発指向領域には共通の部分が多く、これらの領域においては研究開発基盤の更なる強化を図ることが出来ます。 | |
・ | 特に「糖尿病領域」「CNS領域」については、現在両社のパイプラインは豊富であり、且つ大型化が見込める製品を有しておりますので、中長期的にはこれらの領域を中心とした事業展開を目指していきます。 | |
・ | 国内プレゼンスの拡大により大型導入品を獲得することも可能となります。 | |
3. コストシナジーの実現 | ||
・ | 新会社は、事業費用や事業拠点、組織及び人員等の最適化を追求し、開発パイプラインや設備投資計画の見直しによってコスト面のシナジーを生み出すことが可能となります。(両社単独シナリオの単純合算と比較して2007年度年間100億円超のコストシナジーを創出予定。) | |
4. 挑戦的企業文化の醸成 | ||
・ | 新会社は出身会社や慣習にとらわれず、公正な人事処遇を行い、両社の企業文化を早期に融合することで、共通した危機意識の下、挑戦的企業文化を醸成することを目指します。 |
(6) 2007年度財務目標
・ 新会社は、以下を2007年度の中期目標としております。
売上高 2,800億円
(内、医療用医薬品 2,300億円)
営業利益 450億円
研究開発費 450億円
(7) 合併の推進体制
合併業務を円滑・迅速に推進するために、大日本製薬及び住友製薬の
両社長を長とする合併準備委員会を設置致します。
3. 合併当事会社の概要
(1) 商号 | 大日本製薬 | 住友製薬 | ||||||
(2) 事業概要 : | 医薬品、動物用医薬品、食品添加物、工業 薬品、その他化学薬品の製造、売買及び輸 出入 |
医薬品、診断試薬及び医療機器の製造・ 販売 |
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(3) 設立年月日 | 1897 年5 月 | 1984 年2 月 | ||||||
(4) 本店所在地 | 大阪市中央区道修町二丁目6 番8 号 | 大阪市中央区道修町二丁目2 番8 号 | ||||||
(5) 代表者 | 代表取締役社長 宮武健次郎 | 代表取締役社長 岡本康男 | ||||||
(6) 資本金 | 13,444 百万円(2004 年9 月末) | 9,020 百万円(2004 年9 月末) | ||||||
(7) 発行済株式総数 | 168,184,154 株(2004 年9 月末) | 180,400 株(2004 年9 月末) | ||||||
(8) 株主資本 | 129,620 百万円(2004年9月末連結) | 123,345 百万円(2004年9月末単体) | ||||||
(9) 総資産 | 185,352 百万円(2004年9月末連結) | 170,489 百万円(2004年9月末単体) | ||||||
(10) 決算期 | 3 月31 日 | 3 月31 日 | ||||||
(11) 従業員数 | 2,493 名(2004 年9 月末連結) | 2,799 名(2004 年9 月末単体) | ||||||
(12) 主要取引先 | 株式会社メディセオホールディングス アルフレッサ株式会社 東邦薬品株式会社 |
株式会社スズケン 株式会社メディセオホールディングス アルフレッサ株式会社 |
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(13)
大株主及び持株 比率(%) |
日本トラスティ・サービス信託銀行 株式会社(信託口) 9.95 日本マスタートラスト信託銀行株式 会社(信託口) 9.60 日本生命保険相互会社 6.90 日本トラスティ・サービス信託銀行 株式会社(株式会社三井住友銀行退 職給付信託口) 4.16 住友生命保険相互会社 3.43 2004 年9 月末現在 |
住友化学株式会社 77.83 稲畑産業株式会社 22.17 2004 年9 月末現在 |
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(14) 主要取引銀行 | 株式会社三井住友銀行 株式会社UFJ銀行 |
株式会社三井住友銀行 農林中央金庫 住友信託銀行株式会社 |
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(15) 当事会社の関係 | 資本関係、人的関係、取引関係とも該当 事項はありません |
資本関係、人的関係、取引関係とも該当 事項はありません |
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(16) 最近3 年間の業績と当期の業績見込み(単位:百万円) | ||||||||
大日本製薬(連結) | 住友製薬(単体) | |||||||
決算期 | H14/3 実績 |
H15/3 実績 |
H16/3 実績 |
H17/3 予想 |
H14/3 実績 |
H15/3 実績 |
H16/3 実績 |
H17/3 予想 |
売上高 |
164,117 |
172,161 |
170,842 |
171,000 |
143,446 |
138,282 |
136,915 |
138,000 |
営業利益 |
17,181 |
12,876 |
9,283 |
8,800 |
33,574 |
24,177 |
21,239 |
22,000 |
経常利益 |
17,910 |
12,869 |
10,155 |
10,300 |
32,161 |
21,106 |
20,387 |
20,000 |
当期純利益 |
9,595 |
6,364 |
7,967 |
7,700 |
17,434 |
11,168 |
12,048 |
12,000 |
1 株当たり当期純利益(円) | 57.06 |
38.02 |
48.05 |
46.45 |
96,641 |
61,676 |
66,555 |
66,519 |
1 株当たり配当金(円) |
10.00 |
10.00 |
10.00 |
10.00 |
38,000 |
24,000 |
26,000 |
26,000 |
1 株当たり株主資本(円) |
689.79 |
702.09 |
784.24 |
+ |
570,365 |
600,806 |
652,189 |
+ |
注)業績見込みは中間決算発表時の予想数値
4. 合併後の状況
(1) 商号:検討中
(2) 事業内容:
医薬品、診断試薬、医療機器、動物用医薬品、食品添加物、工業薬品、
その他化学薬品の製造、売買及び輸出入
(3) 本店所在地:大阪市中央区道修町二丁目6番8号
(4) 代表者(予定):
代表取締役会長 岡本 康男(現住友製薬株式会社代表取締役社長)
代表取締役社長 宮武 健次郎(現大日本製薬株式会社代表取締役社長)
(5) 役員構成:
合併期日における新会社の役員は取締役10名、監査役4名とし、
取締役については大日本製薬が5名、住友製薬及び住友化学が5名を、
監査役については大日本製薬が2名、住友製薬及び住友化学が2名を、
それぞれ推薦することを予定しております。
(6) 資本金:未定
(7) 総資産:未定
(8) 決算期:3月31日
(9) 業績に与える影響
合併後の事業見通し、組織体制等につきましては、今後、合併準備委員会において
検討し、決定次第お知らせ致します。
◆ 会社名 | : | 大日本製薬株式会社(だいにっぽんせいやく) Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd. |
◆ 代表者 | 取締役社長 宮武健次郎 | |
◆ 本社 | 〒541-8524 大阪市中央区道修町二丁目6 番8 号 | |
◆ 設立 : | 1897 年(明治30
年)5 月14 日 1897 年に大阪・道修町の有力薬業家21名により、大阪製薬株式会社 が設立され、翌年、東京にあった半官半民の大日本製薬会社を吸収 合併し、社名を大日本製薬株式会社に改称し、今日に至る。 |
|
◆ 資本金 | 134 億円 | |
◆ 売上高 | 1,708 億円(2004 年3 月期連結) | |
◆ 従業員数 | 2,493 人(2004 年9 月末連結) | |
◆ MR数 | 730 人(マネージャー除く、2004 年10 月1日現在) | |
◆ 事業内容 | 医薬品、動物用医薬品、食品添加物、工業薬品、その他化学薬品の 製造、売買および輸出入 |
|
◆ 主な事業所 | 東京支社、支店(札幌、仙台、東京第1、東京第2、横浜、甲信越、 名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡) |
|
◆ 工場 | 三重県鈴鹿市 | |
◆ 研究所 | 大阪府吹田市 | |
◆ 海外事業所 | (現地法人)米国、台湾(事務所)ロンドン、北京 | |
◆ 連結子会社 | 五協産業梶Aマルピー薬品梶Aニチエイ産業梶A 潟}ルピー物流サービス |
|
◆ HPアドレス | http://www.dainippon-pharm.co.jp/ |
主力製品のプロフィール
ガスモチン(GASMOTIN) 消化管運動促進剤 | ||
; | ・ | 自社開発品。慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)を効能・効果として1998 年10 月に発売。売上高は157 億円(2004 年3月期実績)。 |
・ | ガスモチンは、セロトニン受容体アゴニスト(作動薬)で、世界で初めてのセロトニン 5―HT4受容体に選択的に作用する消化管運動促進剤である。従来の同系統薬剤で問題 となっている錐体外路症状や乳汁分泌などの副作用のおそれが少ないなどの特長を有し ている。 |
|
プロレナール(PRORENAL) 末梢循環改善剤 | ||
・ | 小野薬品工業鰍ニの共同開発品。経口プロスタグランジンE
1誘導体の製剤であり、1988 年に 「閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善」を効能・ 効果として承認され、小野薬品工業鰍ニ別銘柄で発売。2001 年4 月に高齢者に多く発症 する「腰部脊柱管狭窄症」の効能を国内外で初めて取得した。売上高は83 億円(2004 年3月期実績)。 |
|
主要開発品のプロフィール | ||
AS−3201 糖尿病合併症治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | アルドース還元酵素を強力に阻害することにより細胞内のソルビトール蓄積を抑制し、 糖尿病合併症の一つである糖尿病性神経障害を改善する。国内外で開発中の同種薬剤に 比べ、酵素阻害作用が強く、作用持続が長い。 現在、糖尿病性神経障害に対して北米において自社でフェーズV試験を実施している。 |
|
・ | 開発段階:フェーズV実施中(米国・カナダ)、フェーズU準備中(国内) | |
AC−3933 痴呆治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | ベンゾジアゼピン受容体にパーシャルインバースアゴニストとして作用する新しい作用 メカニズムの痴呆治療剤。既存のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤とは異なり、アセ チルコリン神経系を賦活するとともに、グルタミン酸神経系を賦活する作用も有し、痴 呆症の中核症状である記憶障害の改善が期待される。 |
|
・ | 現在欧州で自社による前期フェーズUが終了し、導出先のアベンティス社(仏)が引き 続き開発予定。 |
|
・ | 開発段階:前期フェーズU終了(欧州)、フェーズT実施中(国内) | |
AC−5216 不安・うつ病治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | ミトコンドリア型ベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして作用することによりニュ ーロステロイドの生成を促し、それがGABAA受容体等に作用するという新しいメカニ ズムに基づく抗不安、抗うつ剤。 |
|
・ | 開発段階:フェーズT実施中(国内)、導出先のノバルティス社(スイス)がPOC
試験 (Proof of Concept Study)(欧州) |
|
ロナセン(LONASEN) 統合失調症治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | ドーパミンD2受容体およびセロトニンS2受容体の遮断作用を有し、統合失調症の陽性 症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(感情の平板化、意欲低下など)に対す る改善効果も期待される。また、類薬に比べ錐体外路症状や血圧低下等の副作用が少な いことも期待される。 |
|
・ | 開発段階:フェーズV実施中(国内)、アルミラル社(スペイン)がフェーズU(欧州・ 米国) |
|
エクセグラン(EXCEGRAN) 抗てんかん剤(適応症追加:パーキンソン病) | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | 1989 年6
月、抗てんかん剤として発売。従来の抗パーキンソン病薬と異なるメカニズム でパーキンソン病の症状を改善すると考えられ、適応症追加試験を実施中。 |
|
・ | 開発段階:後期フェーズU/フェーズV実施中(国内) | |
キュバール(QVAR) 吸入ステロイド喘息治療剤(用量追加:小児) | ||
・ | 3M社からの導入品 | |
・ | 2002 年8
月発売。噴射剤としてオゾン層を破壊しない代替フロンHFA-134a
を使用した 吸入喘息治療剤。小児用量追加の申請中。 |
|
・ | 開発段階:申請中(国内) | |
エバステル(EBASTEL) 持続性抗アレルギー剤(剤型追加:口腔内崩壊錠) | ||
・ | アルミラル社からの導入品 | |
・ | 1996 年6
月発売。強力で選択的な末梢ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示す1
日1 回投 与の抗アレルギー剤。口腔内で溶けて水なしで飲める錠剤の剤型追加を申請中。 |
|
・ | 開発段階:申請中(国内) |
◆ 会社名 | : | 住友製薬株式会社(すみともせいやく)
Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. |
◆ 代表者 | 取締役社長 岡本 康男 | |
◆ 本社 | 〒541-8510 大阪市中央区道修町二丁目2 番8号 | |
◆ 設立 ; | 1984 年(昭和59
年)2月6 日 住友化学の医薬事業の研究、開発、製造部門と、住友化学の医薬品の 販売総代理店であった稲畑産業の医薬販売部門を継承して、1984 年 2 月に住友製薬株式会社が設立された。同年10月1 日に営業を開始し、 今日に至る。 |
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◆ 資本金 | 90億2 千万円 | |
◆ 売上高 | 1,369 億円(2004年3 月期単体) | |
◆ 従業員数 | 2,799名(2004年9 月末単体) | |
◆ MR数 | 812 名(2004 年9月末現在) | |
◆ 事業内容 | 医薬品、診断試薬及び医療用機器の製造・販売 | |
◆ 主な事業所 | 20支店 (札幌、盛岡、仙台、北関東、埼玉、千葉、東京、横浜、甲信越、静岡 名古屋、金沢、京都、大阪、神戸、高松、岡山、広島、九州北、九州南) |
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◆ 工場 | 大阪府茨木市、愛媛県新居浜市、大分県大分市 | |
◆ 研究所 | 大阪府大阪市、茨木市、兵庫県宝塚市、愛媛県新居浜市 | |
◆ 海外事業所 | (現地法人)米国、英国 (事務所)北京、上海 | |
◆ 連結子会社 | 住友製薬ヘルスケア梶A住友製薬バイオメディカル
エスピー・マルチサービス |
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◆ HPアドレス | http://www.sumitomopharm.com/ |
主力製品のプロフィール
アムロジン( AMLODIN ) 高血圧症・狭心症治療薬 | ||
; | ・ | Pfizer 社から導入。高血圧症と狭心症を効能・効果として1993年に発売。売上高は427 億円(2004年3月期実績)。 |
・ | アムロジンは、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬で、生体膜親和性が高いことにより作用発現が穏やかで長時間効果が持続するために、1日1回投与で24時間安定した降圧効果および抗狭心症効果を示す。 | |
・ | ALLHAT、VALUEなどの大規模臨床試験で、心血管イベントの抑制作用が報告されている。 | |
メロペン(MEROPEN ) カルバペネム系抗生物質製剤 | ||
・ | 自社開発品。グラム陰性菌・グラム陽性菌による中等症以上の各種感染症を効能・効果として1995年に発売、2001 年6 月にはキット製剤を追加発売した。また、2004 年4 月に髄膜炎菌、化膿性髄膜炎の効能効果と小児における用法・用量が追加承認された。売上高は176 億円(2004 年3月期実績、国内101億円、輸出75億円)。 | |
・ | メロペンは、腎毒性低減などを目的とした化合物の配合を必要とせず、世界で初めて単剤で使用可能となったカルバペネム系抗生物質製剤である。グラム陽性菌から陰性菌まで幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌作用を持ち、種々の細菌が産生する分解酵素やヒトの腎臓にある分解酵素に対して安定性が高いことを特徴とする。 | |
・ | 海外については、一部東アジアで自社販売を行なうとともに、欧米などではアストラゼネカ社が販 売し、現在世界100ヶ国以上で使用されている。 |
|
主要開発品のプロフィール | ||
SM−13496 統合失調症治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | 強力なドーパミンD2受容体拮抗作用、セロトニン5−HT2受容体拮抗作用を有しており、統合失調症に対して強力で持続的な効果を示し、副作用面では、錐体外路系副作用や心臓系に対する作用や体重増加の副作用が無く、優れた安全性を有すると考えられる。 | |
・ | 開発段階:後期フェーズU(米国)、前期フェーズU(国内) | |
SM−114 リウマチ治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | 経口投与で有効な新規DMARD(Disease
Modifying Anti-Rheumatic Drug)であり、関節リウ マチにおける関節破壊、関節変形の進行を抑制することが期待される。 |
|
・ | 開発段階:後期フェーズU(欧州)、前期フェーズU(国内) | |
SMP−797 高コレステロール血症治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | 本剤は、ACAT(Acyl-CoA:Cholesterol O-acyltransferase)阻害作用と肝臓でのLDL受容体発現増強作用により、直接的な動脈硬化改善作用をあわせ持つ高コレステロール血症治療剤となることを期待している。 | |
・ | 開発段階:フェーズT(欧州)、前臨床(国内) | |
SM−11355 肝細胞癌治療剤 | ||
・ | 自社開発品 | |
・ | 本剤は、脂溶性白金錯体のリピオドール製剤である。リピオドールを担体として用いることで、腫瘍部位に選択的に、かつ長時間徐放性に活性体を放出することで、少ない毒性で強い抗腫瘍効果を発揮することが考えられる。 | |
・ | 開発段階:後期フェーズU(国内) | |
SMP−536(リプラガル) ファブリー病治療剤 | ||
・ | Transkaryotic Therapies 社から導入 | |
・ | 本剤は、ヒト線維肉腫細胞株により産生された水解酵素α−ガラクトシダーゼAの製剤であり、ファブリー病に対する酵素補充療法剤として、ファブリー病の症状を改善する。 | |
・ | 開発段階:申請中(国内) | |
SM−26000(アンビゾーム) 深在性真菌症治療剤 | ||
・ | Gilead Sciences 社から導入 | |
・ | 本剤は、アンホテリシンBのリポソーム製剤である。本剤はリポソーム製剤とすることで、既存のアンホテリシンB製剤の副作用発生頻度を軽減することができる。 | |
・ | 開発段階:申請中(国内) | |
SMP−948(ナラトリプタン) 片頭痛治療剤 | ||
・ | Glaxo Smith Kline社から導入 | |
・ | 本剤は、セロトニン5−HT1B/1D受容体作動薬であり、血中半減期が長く、穏やかな鎮痛効果を示し、効果の持続性に優れた、安全性の高い片頭痛治療薬である。 | |
・ | 開発段階:フェーズU(国内) | |
SMP−508(レパグリニド) 糖尿病治療剤 | ||
・ | Novo Nordisk社から導入 | |
・ | 本剤は膵β細胞に作用してインスリンを分泌させる速効型インスリン分泌促進剤である。食後血 糖だけでなく、空腹時血糖やHbA1cの低下作用が期待される。 |
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・ | 開発段階:前期フェーズU(国内) | |
SMP−862(グルコファージ) 糖尿病治療剤 | ||
・ | Merck Sante 社から導入 | |
・ | 本剤は、インスリン分泌促進を伴わずに血糖降下作用を示す特長を持つメトホルミン製剤である。 当社は、1961年に塩酸メトホルミンを含有する「メルビン錠」を日本で最初に自社開発・販売しており、更に日本人でのEBMに資する治療情報を提供することが重要であると考え、本剤にて現在の新薬承認基準に適合したデータを再整備し、適切な効能効果、用法用量を新たに検討することとした。 |
|
・ | 開発段階:フェーズT(国内) |
大日本製薬と住友製薬合併 住友化学傘下に
中堅製薬 統合に活路
国内製薬12位の大日本製薬と同15位の住友製薬は25日、来年10月1日付で合併すると発表した。合併後の新会社は住友化学が50.1%の株式を保有し連結子会社とする。両社の売上高の今期見通しの合算は3千億円を超え、第一製薬に続く国内6位に浮上する。相互に研究開発力と営業力を補完し、日本市場に攻勢をかける欧米大手に対抗するとともに海外展開を急ぐ。
国内6位に浮上 海外展開急ぐ
新会社の社長に富武健次郎・大日本製薬社長(66)、代表権のある会長に岡本康男・住友製薬社長(66)がそれぞれ就任する。住友製薬の普通株式1株に対し、大日本の普通株式1290株を割り当てる。大日本を存続会社として上場は維持する。新会社の社名や資本金は未定。本杜は大阪市に置く。
大日本製薬は創業107年の老舗メーカーで神経系や消化器系に強みを持ち、動物薬も手掛ける。住友製薬は住友化学が77.83%出資する非上場子会社で、循環器系の薬剤に強みがある。来年4月に3位の山之内製薬と5位の藤沢薬品工業が合併するため、大日本と住友製薬の合併会社は売り上げ規模で国内6位に浮上。「将来はトップ5入りを目指す」(宮武社長)。MR(医薬情報担当者)は計1500人となり国内大手と肩を並べる。
新会社は2008年3月期に売上高2800億円、営業利益450億円を目指す。研究開発費は年間450億円を投じる。拠点の統廃合や人員削減により年間100億円のコスト削減効果を見込む。
親会社となる住友化学は医薬品事業をグループの戦略事業と位置づけ、研究開発や製造麺で支援する。
欧米大手が国内市場に本格攻勢をかけており、海外展開で出遅れる下位メーカーの生き残りは厳しくなっていて、お互いに危機意識を共有していた」(岡本社長)
製薬業界では山之内と藤沢の合併で、最大手の武田薬品工業に次ぐ「アステラス製薬」が誕生する。今回は中堅2社が合併で国内上位入りを目指す動きで、生き残りに向けた業界再編がさらに加速しそうだ。
国内製薬会社の売上高 (2003年度、単位:億円)
(注)外資系除く。 |
国内大手と依然格差
研究開発費は半分に届かず 再編なお必要に
住友化学系の住友製薬と大日本製薬の合併で、住友化学グループの医薬部門は同じ旧財閥系でライバルと目される、三菱化学系の三菱ウェルファーマを売り上げ規模で抜く。しかし、製薬国内首位の武田薬品工業や、山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して来春誕生するアステラス製薬などトップ集団には「質量とも遠く及ばない」(アナリスト)のが実情。国際的な製薬会社に飛躍するにはなお再編が必要だ。
両社の合併で国内の営業を担うMR(医薬情報担当者)は1500人体制と武田や三共など大手と並ぶ。しかし、国内市場は薬価(薬の公定価格)が定期的に引き下げられ、伸び悩み気味。国内営業の強化は収益向上につながらない。
生き残りのカギは新薬の研究開発費。グローバル企業に脱皮するには年間10億ドルを確保する必要があると言われている。だが、同水準にある日本メーカーは武田と三共、アステラスの3社だけ。住友製薬と大日本製薬の場合は合併しても半分も確保できない。
大日本製薬の宮武健次郎社長は「今後の再編については未定」と口ごもる。だが、製薬会社の国際間競争が激化する中で、今回の合併で「勝ち組」の切符を手に入れたとは言い難い。
日本経済新聞 2004/12/1 東証発表
大日薬・住友薬の合併「実質存続会社は住友薬」 東証・大証改めて上場審査
東京、大阪の両証券取引所は30日、大日本製薬と住友製薬が予定通り2005年10月に合併した場合、上場廃止への猶予期間に入ると発表した。両社は上場している大日薬を存続会社として合併後も上場を続ける計画だが、取引所側は実質的な存続会社は非上場の住友薬と判断。このままでは上場審査を受けていない住友薬が上場してしまうため、改めて上場審査を受けさせる。
2004年3月期の住友薬の単独経常利益は大日薬の連結経常利益の2倍。また、合併会社の株式は住友薬の親会社である住友化学が50.1%保有する。こうした点から東証、大証は実質的な存続会社を住友薬と判断したようだ。
2005年10月までに住友薬が単独で上場審査を受け認められれば猶予期問入りは免れる。仮に猶予期間入りしても2009年3月末までに新会社が上場審査に合格すれば上場廃止を回避できる。
2005/1/27 大日本製薬
営業譲渡・譲受に関する基本合意契約締結のお知らせ
http://www.dainippon-pharm.co.jp/newsrelease/2005/information/no_003.pdf
興和株式会社(「興和」)と大日本製薬株式会社(以下「大日本製薬」)は、大日本製薬の一般用医薬品等を扱うヘルスケア事業および子会社であるマルピー薬品株式会社(以下「マルピー薬品」)の営業を興和が譲り受けること(以下「本件」)について、両取締役会で決議し、基本合意契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
1.本件の目的
興和は、一般用医薬品・ヘルスケア品及び医療用医薬品事業をコア事業として位置づけ、経営資源を重点的に投入して参りました。特に、競争が激化している一般用医薬品事業については、商品ラインアップの拡充等の強化策を検討して参りました。
一方、大日本製薬は、医療用医薬品事業の収益基盤の強化を最重点方針に掲げるとともに、ヘルスケア事業をはじめとした関連事業につきましても、それぞれが完全なる自立の実現を目指してまいりました。しかしながら、ヘルスケア事業を取り巻く環境はますます厳しくなってきており、ヘルスケア事業の維持・発展のためには、同じ事業を営む第三者への譲渡も選択肢の一つと考えておりました。
このような中、当該事業の拡充に関心を持つ興和と当該事業の長期的な発展を期待する大日本製薬の思惑が一致し、この度両社の基本合意に至りました。
2. 営業譲受資産について
興和は、大日本製薬及びマルピー薬品が営むヘルスケア事業のうち、承継する製品にかかる商標、特許、第三者との契約上の地位、許認可、情報、ノウハウ等を譲り受けます。
詳細につきましては、今後検討・確定致しますが、取引先を含めたお客様にご迷惑をかけないことを第一に考えて、当事会社で協議して参ります。
3. 日程
・2005 年3月(予定) 営業譲渡契約の締結
・2005 年6月(予定) 営業譲渡実行
日本経済新聞 2005/2/26
合併後の新社名 大日本住友製薬 住友薬と大日本製薬
大日本製薬と住友製薬は10月の合併で発足する新会社の社名を「大日本住友製薬」とする。新会社は住友製薬の親会社である住友化学の子会社となるが、存続会社である大日本の名称を先に冠する。
大日薬は1897年の設立で、製薬業界で最も早く株式会社となった老舗メーカー。そのため大日本側に名前を残したいとの意向が強かった。一方、将来の海外展開をにらんだ時、知名度の高い「住友」の名前は外せないと判断。新会社は住友化学が50.1%出資する連結子会社となることもあり、名前を組み合わせることで決着した。
また、合併後も次の再編を視野に入れていることから「暫定的な社名」(業界首脳)との見方もある。
大日本製薬株式会社と住友製薬株式会社
合併後の新社名、企業理念、ブランドマーク等の決定について
http://203.138.228.209/pr/2005/03/0180/20050304.pdf
大日本製薬株式会社(代表者:代表取締役社長 宮武 健次郎、以下「大日本製薬」)及び住友製薬株式会社(代表者:代表取締役社長 岡本 康男、以下「住友製薬」)は、2005年10月1日付けで「存在感のある先進的な製薬企業」を目指して両社が合併することについて基本合意しておりますが、このたび合併後の新社名(商号)、企業理念、ブランドマーク等を決定しましたので、お知らせ致します。
1.新社名(商号)
「大日本住友製薬株式会社」(英文:Dainippon
Sumitomo Pharma Co., Ltd.)
2.企業理念
人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、
広く社会に貢献する。
3.ブランドマーク、コーポレートスローガン
【ブランドマーク】
大日本住友製薬株式会社(以下「大日本住友製薬」)のシンボル"グリーン・プリズム"は、明日に向かって前進していく躍動感を表す「太陽」、未来の可能性と希望を表す「光」、健康でいる喜びとその開放感を表す「花」、がデザインのモチーフになっています。
すべての人に明日に向かって前進していくチカラを提供していくための、高い研究開発力、的確なサポート体制、チャレンジング・スピリットなど、大日本住友製薬の企業姿勢を体現したデザインです。
シンボル・カラーのDSPグリーンは、健康で活き活きした気分の状態、未来の可能性の象徴である若葉の色などを表現しています。
またシンボルには、世界へ拡がっていくネットワークの様子も込めています。
【コーポレートスローガン】
「からだ・くらし・すこやかに」
大日本製薬及び住友製薬では現在、両社長を議長とする合併準備委員会を中心に、合併の作業を順調に進めております。
なお、合併までのスケジュールは以下の通りです。また、2005年5月には新会社の取締役、組織、中期経営計画等について発表することを予定しております。
合併契約書承認取締役会 2005年4月(予定)
合併契約書締結 2005年4月(予定)
合併契約書承認株主総会 2005年6月下旬(予定)
合併期日 2005年10月1日(予定)
平成17年4月27日 大日本除虫菊/住友製薬
一般用医薬品事業に関する基本合意書締結について
http://www.sumitomopharm.com/press1.htm
大日本除虫菊株式会社(本社:大阪、社長:上山直英、以下金鳥)と住友製薬株式会社(本社:大阪、社長:岡本康男、以下住友製薬)は、一般用医薬品を扱う住友製薬の全額出資子会社である住友製薬ヘルスケア株式会社(本社:大阪、社長:和田 健、以下SPH)の全株式を金鳥が取得し、SPHを金鳥の全額出資子会社とすること(以下本件)について、基本合意に達しましたので、お知らせいたします。
金鳥は、住友製薬が開発した一般用シラミ駆除医薬品である「スミスリンLシャンプータイプ」をSPHとともに販売しておりますが、従来から一般用医薬品事業への本格参入を検討してまいりました。
住友製薬は、子会社のSPHを通じて一般用医薬品事業を展開してまいりましたが、一方、医療用医薬品を取り巻く事業環境の厳しさが増す中、SPHの一般用医薬品事業発展のための選択肢を種々検討してまいりました。
このような中、一般用医薬品事業の拡大を目指す金鳥の傘下にSPHを置き、同事業の強化・育成を図ることで、このたび金鳥と住友製薬の考えが一致した次第です。
金鳥としましては、SPHの一般用医薬品事業をベースに、一般用医薬品の製薬会社として必要な薬事部門・品質保証部門・安全性管理部門等、各部門の体制を一層充実させるとともに商品ラインアップを拡充し、一般用医薬品事業を発展させていきたいと考えております。
詳細については、今後検討し確定いたしますが、取引先を含めたお客さまにご迷惑をおかけしないよう、金鳥、住友製薬、さらにSPHの三社で十分協議して参ります。
日程
2005年6月(予定) 株式譲渡契約の締結
2005年8月(予定) 株式譲渡の実行
会社の概要
大日本除虫菊株式会社
商号 大日本除虫菊株式会社
所在地 大阪市西区土佐堀1丁目4番11号
代表者 代表取締役社長 上山 直英
主な事業内容
家庭用殺虫剤、家庭用洗浄剤、衣料用防虫剤、防疫用殺虫剤、農薬、
トイレタリー製品の製造および販売
会社設立 1919年4月21日
資本金 4億4千万円
URL http://www.kincho.co.jp
住友製薬株式会社
商号 住友製薬株式会社
所在地 大阪市中央区道修町2丁目2番8号
代表者 取締役社長 岡本 康男
主な事業内容
医薬品、診断薬試薬及び医療用機器の製造・販売
会社設立 1984年2月6日
資本金 90億2千万円
URL http://www.sumitomopharm.com/
住友製薬ヘルスケア株式会社
商号 住友製薬ヘルスケア株式会社
所在地 大阪市中央区伏見町2丁目1番1号
代表者 取締役社長 和田 健
主な事業内容
医薬品、医薬部外品、診断薬、衛生用品、健康食品等の販売
会社設立 1991年8月28日
資本金 50百万円
URL http://www.sphc.co.jp
化学工業日報 2005/4/28
住友製薬、大日本除虫菊にOTC事業譲渡
住友製薬は27日、大日本除虫菊(金鳥)に一般用医薬品(OTC)事業を売却すると発表した。住友製薬は一般用医薬品を取り扱う全額出資子会社である住友製薬ヘルスケア(SPH)の全株式を金鳥に売却、金鳥は完全会社化する。住友製薬は10月に大日本製薬と合併、新会社「大日本住友製薬」を設立する。大日本住友は医療用医薬品事業への経営資源の集中を基本戦略としており、OTC事業を切り離すことで新会社の成長加速につなげる考え。
SPHの2005年3月期の売上高は18億円億円の見込み。主要製品はシラミ駆除剤スミスリン、総合かぜ薬ダン、鎮痛消炎剤カルテパなど。株式の譲渡期日は8月の予定で、製品供給や従業員の転籍などは今後詰める。
また、金鳥は家庭用の殺虫剤・洗浄剤のほか、一部農薬なども手掛ける。同社はスミスリンをSPHと共同で販売するなど、以前からOTC事業への参入を検討していた。今回のSPH買収を契機に、医薬品企業として必要な薬事法上の体制を整備し、商品群を拡充させるなどOTC事業を拡充させる方針。
2005年4月28日 大日本製薬/住友製薬
大日本製薬株式会社と住友製薬株式会社
合併契約書締結に関するお知らせ
http://203.138.228.209/pr/2005/04/0185/20050428.pdf
大日本製薬株式会社(代表者:代表取締役社長宮武健次郎、以下「大日本製薬」)と住友製薬株式会社(代表者:代表取締役社長岡本康男、以下「住友製薬」)は、2005年10月1日を合併期日とする両社の合併について、このたび最終的に合意し、両社それぞれの取締役会の決議を経て、本日、「合併契約書」を締結いたしましたのでお知らせいたします。
「世界の人々の健康と豊かな生活を願い、日本国内での存在感を高めるとともにグローバルな事業展開が可能となる先進的な研究開発型の製薬企業を目指す」という統合の理念のもと、両社は2004年11月25日に合併に関する基本合意書を締結いたしました。その後、両社の社長を長とする合併準備委員会を中心に、統合に向けての検討を重ね、現在、統合作業は順調に進んでおります。今回の合併契約書締結を受け、本年6月に開催されます両社それぞれの定時株主総会に本合併契約書の承認を付議いたします。
なお、住友化学株式会社(代表者:代表取締役社長米倉弘昌)が保有する新会社の株式の割合の限度を、同社を含めた3社間での基本合意書締結の時点では「総株主の議決権の個数の50.1%」とすることとしておりましたが、これを「発行済株式総数の50.1%」かつ「総株主の議決権の個数の51%未満」に変更することについて本日3
社で合意いたしました。
合併契約書の主な内容は以下のとおりです。なお、新会社の中期的な成長戦略につきましては、現在検討中であり、詳細が確定次第あらためて公表(本年5月予定)いたします。
1 合併方法
大日本製薬を存続会社とし、住友製薬は解散します。
2 合併期日
2005年10月1日。但し、今後手続を進める中で、やむを得ない状況が生じた場合は、両社協議の上、日程を変更することがあります。
3 新社名(商号)
「大日本住友製薬株式会社」(英文:Dainippon
Sumitomo Pharma Co.,Ltd.)
4 事業内容
医薬品、臨床検査薬、医療機器、動物用医薬品、食品添加物、工業薬品、その他化学薬品の製造、売買及び輸出入等
5 合併比率
会社名 大日本製薬 住友製薬 合併比率 1 1,290 (1)株式の割当比率
住友製薬の普通株式1 株に対して、大日本製薬の普通株式1,290 株を割り当てます。
なお、合併比率は基本合意書締結時と変更ありません。
(株式価値ベースでの大日本製薬と住友製薬の比率は41.5対58.5となります)
(2)株式の割り当て
合併に際して住友製薬の株主に割り当てられる株式のうち、3,000千株については新株の発行に代えて大日本製薬の所有する自己株式を移転するものとし、残り229,716千株については新株を発行します。
(3)合併比率の算定根拠
合併比率については、各々独自に大日本製薬がJ.P.モルガン証券会社を、また住友製薬は日興シティグループ証券株式会社をファイナンシャル・アドバイザーとして依頼し、各ファイナンシャル・アドバイザーによる合併比率についての意見を参考に、両社が交渉・協議を行い決定致しました。なお、合併比率について、大日本製薬はJ.P.モルガン証券会社より、また住友製薬は日興シティグループ証券株式会社よりそれぞれ財務的見地から公正である旨の意見を受領しております。
6 合併後の資本金
224億円。但し、この額は合併期日における住友製薬の資産及び負債並びに権利義務の状況等により、両社協議の上、変更することがあります。
7 合併交付金
新会社は、合併期日前日の最終の住友製薬の株主に対して、2005
年9 月期の中間配当に代えて、住友製薬の普通株式1
株当たり16,000 円の合併交付金を合併期日後3
か月以内に支払います。但し、この交付金は合併期日前日の住友製薬の資産及び負債並びに権利義務の状況等に応じ、両社協議の上、変更することがあります。
なお、現時点で予定しております新会社の取締役及び監査役は次のとおりです。
取締役 岡本康男(代表取締役会長就任予定、現住友製薬代表取締役社長)
取締役 宮武健次郎(代表取締役社長就任予定、現大日本製薬代表取締役社長)
取締役 藤田尚(現大日本製薬取締役専務執行役員)
取締役 木村健一郎(現住友製薬取締役専務執行役員)
取締役 多田正世(現住友製薬常務執行役員)
取締役 安達輝穂(現住友製薬取締役常務執行役員)
取締役 岡本冨士雄(現大日本製薬取締役執行役員)
取締役 小野圭一(現住友製薬取締役執行役員)
取締役 老田哲也(現大日本製薬取締役執行役員)
取締役 横山雄一(現大日本製薬執行役員)
新会社は、併せて執行役員制度の導入を予定しています。
監査役 橋本史智(現大日本製薬監査役)
監査役 西村忠良(現住友製薬取締役常務執行役員)
監査役 石井通洋(現大日本製薬監査役)
監査役 臼井孝之(現大日本製薬監査役)
参考資料)合併当事会社の概要 略
平成 17年 5月 11日 オリンパスバイオマテリアル/住友大阪セメント/住友製薬
骨補填材事業の譲渡で基本合意
http://www.sumitomopharm.com/press1.htm
オリンパスバイオマテリアル株式会社(代表取締役社長:水野 均、本社:東京都新宿区 以下オリンパスBM)、住友大阪セメント株式会社(取締役社長:小田切康幸、本社:東京都千代田区 以下住友大阪セメント)ならびに住友製薬株式会社(取締役社長:岡本 康男、本社:大阪府大阪市 以下住友製薬)の3社は、住友大阪セメントが製造し、住友製薬が販売する骨補填材の事業部門をオリンパスBMが譲り受けることに関し基本合意に達しました。今後、具体的な条件の検討を行い、2005年6月末日に譲渡を完了する予定です。
1.事業譲渡の目的
オリンパスBMは、2004年9月1日に、オリンパス株式会社(代表取締役社長:菊川
剛)の100%子会社として発足し、オリンパスの生体材料事業を承継するとともに、将来の再生医療事業に向けた研究開発に取り組んでおります。同社の生体材料事業では、整形外科分野に骨補填材オスフェリオン(成分:beta-リン酸三カルシウム)を製造販売しております。今回の事業譲り受けにより、骨補填材ボーンセラム(成分:ハイドロキシアパタイト)を商品ラインアップに加えて、整形外科分野の更なる事業強化と脳神経外科・形成外科分野へと事業拡大が図れるものと考えております。
住友大阪セメントは、新材料事業部にてナノ粒子技術を活用した透明機能性塗料、FPD向け機能性フィルムなどのナノ粒子材料の製造・販売をコア事業と位置付けて事業を進めております。今般、コア事業とのシナジー効果が期待できない骨補填材事業を譲渡することにより、ナノ粒子技術へ経営資源を集中投下し、より効率的な事業体制の構築を行うことができると考えております。
住友製薬は、医療用医薬品事業の基盤強化を進めるとともに、生体材料の事業の育成を図ってまいりましたが、厳しい事業環境下、単品での事業発展には一定の限界があり、同じ事業を営む企業との提携等も考えてまいりました。ボーンセラムは多様な成型体を有する骨補填材で、医療現場から高い評価をいただいており、オリンパスBMの製品とタイアップさせることで、本事業の拡大を図ることができると考えました。
こうした状況に鑑み、住友大阪セメントと住友製薬は、骨補填材事業の更なる発展のために、同事業を整形外科分野の医療機器メーカーへ営業譲渡するのが最良の選択と判断いたしました。
今回、こうした3社の認識が一致し、住友大阪セメントと住友製薬の同事業を、オリンパスBMに譲渡することが最も適切であるとの合意に至りました。
2.基本合意の内容(譲り受け対象)
住友大阪セメントおよび住友製薬の骨補填材事業に関わる開発、製造、販売事業
3.日程(予定)
2005年6月末日 営業譲渡契約の締結
2005年8月1日 営業譲渡実施
4.各社の概要
(1)オリンパスバイオマテリアル株式会社
商号 オリンパスバイオマテリアル株式会社
所在地 東京都新宿区西新宿2-3-1
代表者 代表取締役社長 水野 均
主な事業内容
生体材料事業、再生医療事業および関連製品の研究開発および製造、販売
会社設立 2004年9月1日
資本金 4,800万円
URL http://www.biomaterial.co.jp/jp/
(2)住友大阪セメント株式会社
商号 住友大阪セメント株式会社
所在地 東京都千代田区六番町6-28
代表者 取締役社長 小田切康幸
主な事業内容 各種セメントの製造・販売、石灰石、光通信機器・部品、透明導電材料等の製造・販売他
会社設立 1907年11月29日
資本金 416億円
URL http://www.soc.co.jp/
(3)住友製薬株式会社
商号 住友製薬株式会社
所在地 大阪市中央区道修町二丁目2-8
代表者 取締役社長 岡本 康男
主な事業内容
医薬品、診断薬試薬及び医療用機器の製造・販売
会社設立 1984年2月6日
資本金 90億2千万円
URL http://www.sumitomopharm.com/
日本経済新聞 2007/5/4
医薬品
新触媒で効率生産 東大・大日本住友製薬が開発
東京大学と大日本住友製薬の研究グループは、医薬品の効率的な製造手法として重要な不斉合成の新しい触媒を開発した。従来の触媒では不斉合成できない分子構造の薬に利用できる。効率的な生産が難しいため実用化しにくかった様々な新薬の開発を促進できるとみており、まず糖尿病合併症の治療薬候補物質に使えることを確認した。
まず糖尿病の合併症
一般に医薬品の合成では、分子構造が基本的に同じでも立体的な形が異なる2種類が半分ずつでき、一方は薬として有効だが、もう一方は薬効がなかったり毒性が強かったりする場合がある。そこで特殊な触媒を使って不斉合成を起こし、有効な方が多くできるよう効率的に生産している。
新触媒は東大薬学部の柴崎正勝教授が、ランタンという元素をアミノ酸の一種バリンの仲間と組み合わせて作った。一般的に普及している不斉合成触媒は薬の分子構造の中に水素を含んでいる必要があったが、新触媒は水素を含まないタイプで利用できる。
研究チームは糖尿病合併症の一つで手足のしびれなどが出る神経障害の治療向けに大日本住友製薬などが臨床試験中の化合物ラニレスタット(一般名)の製造で新触媒を試した。従来合成法で50%だった有効な方の比率を95%にできた。
ラニレスタットは米国とカナダで最終段階の第三相臨床試験が終了、日本で第二相を進めている。植物からの抽出物を使って合成する。大日本住友は大量生産時にこの抽出物が不足する可能性を想定し、新触媒で無駄の少ない製造を狙う。今後、コストなどを検討し工業生産に使う時期などを決める。
適用医薬品、幅広がる
現在の医薬品の約8割は立体的な構造が2種類ある光学異性体だと推定されている。光学異性体は物理的な性質などが同じなため、合成してから一方を分離するのが困難だったり、手間やコストがかかったりする。また不要な方は無駄になってしまう。
このため薬効や安全性が高い1種類だけを効率よく製造するうえで、不斉合成は欠かせない技術となっている。
製薬で最も使われている不斉合成触媒の一つで、野依良治氏が発明したものは薬を合成する工程で水素を炭素にくっつける際に一方ができるようにする。柴崎教授の触媒は炭素同士が結合した構造の思い通りの場所に窒素や硫黄などをつけることで一方をつくる。水素は関係ないので「新たに適用できる医薬品の幅がかなり広がる」と大日本住友製薬は期待する。
これまで水素を含まないため開発をあきらめていた新薬候補もあるという。また既存薬懇も新触媒を使うことで製造コストを低減できる可能性がある。
不斉合成 asymmetric synthesis 右手と左手の関係のように互いに鏡像の2種類の立体的な分子構造を持つ化合物(光学異性体)を作り分ける合成法。通常は右手型と左手型が均等にできてしまうのを、一方に集中させて合成する。 |
日本経済新聞 2009/9/3
大日本住友、米製薬を買収、2500億円 TOB、米市場進出
大日本住友製薬は2日、米製薬会社セプラコアSepracor
(マサチューセッツ州)を買収し米市場に進出する方針を決めた。近くTOB(株式公開買い付け)に入り、完全子会社化を目指す。買収総額は約2500億円の見通しで日本の製薬会社による海外企業の買収では過去4番目の規模。国内市場の成熟が鮮明になるなか、キリンホールディングスがフィリピンのサンミゲルビールを買収するなど、内需型企業がM&A(合併・買収)で海外市場を開拓する動きが強まっている。
3日にも発表する。中枢神経系など医療用医薬品を強化する狙い。セプラコア側も合意しているもよう。大日本住友は国内製薬7位。買収資金は手元資金のほか、金融機関からの借り入れなどで賄う方針。買収後の連結売上高は単純合算で約3800億円で、6位に浮上する見通しだ。
同社は統合失調症薬「ルラシドン(一般名)」の販売許可を2010年に米食品医薬品局(FDA)へ申請し、11年に発売する方針。短期間のうちに売上高を最大化するため、米国で販売網を持つセプラコアを買収し、米市場に進出する。
ルラシドンは米国での年間売上高が1000億円に達するとの見方もある。精神科の薬を販売する経験が豊富な1000人以上の医薬情報担当者(MR)を抱えるセプラコアを傘下に収めれば薬の競争力を十分に発揮できると判断し、買収交渉を進めてきた。
セブラコアが臨床試験(治験)を実施している薬に有力な新薬候補があることも今後の事業展開に有利と判断した。セプラコアは米ナスダックに上場し呼吸器系や中枢神経系などの医療用医藥品に強みがある。大日本住友は大日本製薬と住友製薬が05年に合併した企業で、住友化学の子会社。10年3月期の売上高見通しは2640億円で、国内の製薬会社では準大手の規模。現在は収益の大部分を日本で上げている。
国内の製薬会社では昨年に武田薬品工業が米国の創薬ベンチャー、ミレニアム・ファーマシューティカルズを買収。第一三共はインドの後発薬メーカー、ランバクシー・ラボラトリーズを傘下に収め、塩野義製薬は米中堅製薬会社のザイエル・ファーマを完全子会社化した。国際競争を勝ち抜くための医薬業界のグローバル化が、大日本住友など準大手企業にも広がってきた。
大日本住友製薬とセプラコアの売上高を合算すると3,840億円となり、武田、アステラス、第一三共、エーザイ、田辺三菱に次ぎ、6位となる。
(現在は、中外製薬に次ぎ、7位。8位が塩野義)
国内の製薬会社による最近の主な買収案件
会社名 買収対象企業 |
買収金額 (億円) |
時期 |
武田薬品工業 Millennium Pharmaceuticals |
9,300 | 2008/5 |
第一三共 Ranbaxy Laboratories |
4,900 | 2008/11 |
エーザイ MGI Pharma |
4,100 | 2008/11 |
大日本住友製薬 Sepracor |
2,500 | 2009/9 |
塩野義製薬 Sciele Pharma |
1,500 | 2008/10 |
日本経済新聞 2009/9/4
米進出「収益を最大化」 新薬投入へ販売網整備
大日本住友製薬は3日、米製薬会社のセプラコール(マサチュセッツ州)を最大約26億ドル(約2400億円)で買収すると発表した。同日、東京都内で記者会見した多田正世社長は、買収で、「開発中の新薬の収益を最大化できる」との見通しを示した。販売網が未整備だった米国に本格進出する。
今回の買収の最大の狙いは、2011年の発売を目指して開発中の統合失調症治療薬「ルラシドン(一般名)」の米国での販売体制構築にある。
多田社長は、新薬メーカーとして勝負するには「(世界最大の医薬市場である)米国に行くのが必然」との考えを示した。
新薬は思わぬ副作用などで販売中止になるリスクもあるが「ルラシドンの販売が思ったよりも伸びないケースを想定しても、(セプラコール買収は)妥当と判断した」と強調した。
セプラコールは睡眠導入剤やぜんそく治療薬などを販売しており、2008年12月期の売上高は12億9200万ドル(約1200億円)。買収総額は最大約26億ドル(約2400億円)に達する見通し。大日本住友は現預金の取り崩しなどで約500億円の現金を用意し、約2000億円のブリッジローン(つなぎ融資)を組む。
財務戦略については「ファイナンスについては、いろいろな選択肢がある。じっくり考えて最適なものを選びたい」と述べるにとどまった。「買収額が高すぎるのでは」という質問に対しては「我々の財務体質からみて管理可能だ」と答えた。
大日本住友の09年3月期連結売上高は2640億円。買収金額は年商に匹敵する。あえてリスクを取るのは「国内だけでは先細りになる」との強い危機感からだ。昨年に高血圧症治療に使う大型製品「アムロジン」の特許が切れ、主力の医薬品事業の売上高は09年3月期に前の期比0.9%減の2068億円となった。
日本でも米欧と同様に医療費抑制のため特許が切れた後、新薬と同じ薬効成分を使った安価な後発医薬品の普及を後押ししている。薬価(薬の公定価格)引き下げの影響もあり、中長期的に、「日本市場の伸びは限定的」とみている。
大日本住友株の3日の株価終値は前日比1%高の1025円。買収効果への期待がリスクヘの不安を上回った形だ。当面はルラシドンの開発が順調に進むかどうかが買収の成否を決めるカギになりそうだ。
資金力劣る製薬会社
海外勢の傘下入りも 進むグローバル化
選択厳しく
大日本住友製薬によるセプラコールの買収は、製薬業界のグローバル化が準大手クラスにも及んできたことを印象付けた。国内の医薬市場の成長が鈍化する中、大手や準大手は買収で海外進出を急ぐが、資金力に乏しい中堅以下は海外大手の傘下入りなど、厳しい選択を迫られそうだ。
今回の買収で大日本住友製薬の海外売上高比率(単純合算)は8%から約40%へ一気に高まり、収益のほとんどを日本市場に依存する体制から脱却する。
昨年10月に米サイエル・ファーマを買収して米国市場に本格参入した塩野義製薬は、2009年度の第1四半期決算の海外売上高比率が35%と、前年同期の18%からほぼ倍増。三菱ケミカルホールディングス傘下の田辺三菱製薬も米国進出を目指しており、新薬候補や医薬情報担当者(MR)を確保するため企業買収に動く可能性もある。
創業家系の企業の塩野義は内部留保が厚く、大日本住友は親会社の化学大手の支援を受けることも可能。規模で見れば準大手だが、買収を通じて自力で海外進出できるグループといえる。
しかし、それ以下の規模になると、過去の資金蓄積や親会社の後ろ盾はあてにできず、自力で海外企業を買収するのは難しそうだ。
縮む国内市場と膨らむ新薬開発コスト。厳しい環境を生き抜くため、中外製薬は自社のバイオ医薬品を海外で販売できるなどの利点を考えてスイスの製薬大手ロシュの傘下に入った。中外以外の中堅も今後は、国内外の大手企業の傘下に入り、海外販売網を活用する可能性がある。医薬再編が今後も続くのは必至だ。