杏林製薬株式会社と帝人株式会社医薬医療事業グループとの事業統合について
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:長島
徹
、以下「帝人」)と杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:荻原
郁夫、以下「杏林」)は、2003年10月1日を期して、帝人の医薬医療事業グループを会社分割によって杏林に事業統合し、今後、帝人グループの中核をなす連結子会社として発展させていくことについて基本合意に達しました。統合新会社は、上場会社として独立した経営を維持します。
当件につきましては、本日、両社において開催された取締役会で承認され、両社間で覚書を締結し、今後本格的な検討に着手致します。
現在、医療費圧縮の進行など医薬品業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、海外企業も含めた合従連衡と国内医薬品業界の再編が進んでいます。こうした中、医薬品専業の独立系企業である杏林と、多くの事業グループを有する帝人の医薬医療事業グループとは、組織形態に違いはあるものの、戦略的な領域分野におけるシナジーと経営戦略等の面で一致する点が多いとの判断から、今後本格的に統合に向けた検討を進めることとしたものです。
この事業統合により、2002年3月時点での両社合算で売上高約1,600億円、研究開発費約200億円、営業利益約290億円の規模となります。さらに統合新会社は、特定領域に強みを持つ医療用医薬品メーカーとして、また在宅医療を融合させた新しいビジネスモデルの健康貢献企業として、研究開発費300億円の投資額を生み出すため、売上高2,000億円の早期達成を目指していきます。
詳細は下記のとおりです。
杏 林 製 薬 株 式 会 社 概 要 | ||
1 .設 立 | : | 1940年12月 |
2 .本社所在地 | : | 東京都千代田区神田駿河台2 −5 |
3 .資 本 金 | : | 43 億17 百万円(2002年3月31日現在) |
4 .代 表 者 | : | 代表取締役社長 荻原郁夫 |
5 .従業員数 | : | 1,671 名(2002年3月31日現在) |
6 .売 上 高 | : | 611 億円(2002年3月期) |
7 .事業内容 | : | 医薬品・医薬部外品・試薬・工業製品等の製造販売 |
帝 人 株 式 会 社 概 要 | ||
1 .設 立 | : | 1918年6月 |
2 .本社所在地 | : | 大阪市中央区南本町1−6−7 |
3 .資 本 金 | : | 707億87百万円(2002 年3 月31 日現在) |
4 .代 表 者 | : | 代表取締役社長 CEO 長 島 徹 |
5 .従業員数 | : | [連 結] 24,026名(2002年3月31日現在) [単 体] 4,252名( 同 上 ) |
6 .売 上 高 | : | [連 結] 9,234億円(2002年3月期) [単 体] 2,323億円( 同 上 ) |
7 .事業内容 | : | 合成繊維・化成品・医薬医療を中心に事業活動を行い、活動拠点は、日本国内のみならず世界10数カ国を超えている。グループ企業と共に、グローバルに事業を展開している。 |
【帝人の医薬医療事業グループ】 | ||
◇ グループ長 | : | 帝人グループ上席専務執行役員 内 藤 敏 雄 |
◇ 従業員数 | : | 2,202名(2002年3月31日現在) |
◇ 売 上 高 | : | 945億円(2002年3月期) |
◇事業内容 | : | 帝人グループのコア事業。医療用医薬品は骨代謝・呼吸器・循環器の3分野を重点領域とし、また在宅医療では高いシェアを占める在宅酸素療法事業を中心に、それぞれ全国展開を行っている。 |
◇ 子会 社 | : | 帝人在宅医療東日本株式会社、帝人在宅医療東京株式会社、帝人在宅医療中部株式会社、帝人在宅医療関西株式会社、帝人在宅医療西日本株式会社、帝人在宅医療九州株式会社、帝三製薬株式会社 |
杏林製薬株式会社と帝人株式会社医薬医療事業グループとの事業統合の見送りについて
帝人株式会社(社長:長島徹、以下「帝人」)と杏林製薬株式会社(社長:荻原郁夫、以下「杏林」)は、2003年10月1日に予定していた分社型吸収分割による帝人の医薬医療事業グループと杏林との事業統合に関して協議を重ねてきましたが、このほど事業統合を見送ることで合意しました。
両社は、経営環境の急激な変化や国内外企業との競争が激化するなか、特定領域に強みを持つ医療用医薬品メーカーとして、また在宅医療を融合させた新しいビジネスモデルを含む健康貢献企業として、企業価値の極大化に資するところが大きいと判断し、2003年1月23日付で事業統合に関する基本合意に至りました。その後、4月末の分割契約締結に向けて、統合委員会のもと機能毎の分科会を設置し、実務レベルの協議を行うと共に、社外の専門家の知見も踏まえて、誠意を尽くして協議を重ねてきました。
しかしながら、基本合意の時点で見通すことができなかった事業環境の変化が生じた結果、両社にとって重要な統合条件である統合比率におきまして、双方の株主の皆様に等しくご納得いただける統合条件を見出すことができず、最終合意に至りませんでした。
本事業統合の価値を評価いただき、支援していただきました皆様のご期待に沿うことができない結果となり誠に残念ですが、両社とも最大限の努力を傾けた結果であることをご賢察いただきたく存じます。
尚、本事業統合の検討過程において、両社は理解の促進を図ることができましたので、今後機会を見て、共同研究など連携・協力の可能性・方向性を探ってまいります。
帝人の医薬医療事業は、今後ともM&Aを含む抜本的な改革を視野に入れていきますが、骨代謝系・呼吸器系・循環代謝系の3分野を重点領域とした医療用医薬品事業と、高いシェアを占める在宅医療事業の強化を図りながら、売上高2,000億円の早期達成を当面の目標として、引き続き全力を尽くす所存です。
杏林は、感染症、免疫・アレルギー、代謝性疾患の創薬研究領域への重点的投資とアライアンス戦略を組み合わせた効率的経営を推進することにより、株主価値向上に努めてまいります。更に、M&Aにつきましても引き続き積極的に検討し、得意領域の強化や成長の加速化を図ってまいります。
両社の今後の事業運営に関しまして、引き続きご理解とご支援をいただきますようお願いいたします。
【 杏林製薬株式会社 概要 】 | ||
1.設 立 | : | 1940年12月 |
2.本社所在地 | : | 東京都千代田区神田駿河台2−5 |
3.資本金 | : | 43億17百万円(2002年3月31日現在) |
4.代表者 | : | 代表取締役社長荻原郁夫 |
5.従業員数 | : | 1,671名(2002年3月31日現在) |
6.売上高 | : | 611億円(2002年3月期) |
7.事業内容 | : | 医薬品・医薬部外品・試薬・工業製品等の製造販売 |
【 帝人株式会社概要 】 | ||
1.設 立 | : | 1918年6月 |
2.本社所在地 | : | 大阪市中央区南本町1−6−7 |
3.資本金 | : | 707億87百万円(2002年3月31日現在) |
4.代表者 | : | 代表取締役社長CEO 長島徹 |
5.従業員数 | : | [連結] 24,026名(2002年3月31日現在) |
[単体] 4,252名(同上) | ||
6.売上高 | : | [連結]9,234億円(2002年3月期) |
[単体]2,323億円(同上) | ||
7.事業内容 : | : | 合成繊維・化成品・医薬医療を中心に事業活動を行い、活動拠点は、日本国内のみならず世界10数カ国を超えている。グループ企業と共に、グローバルに事業を展開している。 |
【帝人の医薬医療事業グループ】 | ||
◇グループ長 | : | 帝人グループ専務執行役員大八木成男 |
◇従業員数 | : | 2,202名(2002年3月31日現在) |
◇売上高 | : | 945億円(2002年3月期) |
◇事業内容 | : | 帝人グループのコア事業。医療用医薬品は骨代謝系・呼吸器系・循環代謝系の3分野を重点領域とし、また在宅医療では6割以上の高いシェアを占める在宅酸素療法事業を中心に、それぞれ全国展開を行っている。 |
会社分割による医薬医療事業の帝人ファーマ株式会社への承継について
当社は、平成15 年1 月23 日付で杏林製薬株式会社と当社医薬医療事業の事業統合に関する基本合意を締結したことに伴い、会社分割による医薬医療事業の帝人ファーマ株式会社への分割期日を延期いたしましたが、平成15 年4 月23 日開催の当社取締役会において、杏林製薬株式会社との事統合の見送りを決定したため、平成15 年5 月13 日開催の当社取締役会において、改めて契約条等を見直した上で、当社医薬医療事業を会社分割によって帝人ファーマ株式会社へ承継することを、平成15 年6 月21 日開催予定の当社第137 回定時株主総会に付議することを決定いたしましたで、以下の通りお知らせいたします。
1 . 会社分割の目的 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
: | 当社は、平成15 年4 月1
日より、主要な個別事業を分社化し持株会社制へ移行しております。そ して医薬医療事業についても、分社化によって、その特有の事業環境に即した効率的運営、迅速な意思決定を推し進め、競争力を一層強化してまいります。 |
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2 .
会社分割の要旨 (1)分割の日程 |
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(帝人ファーマ株式会社における分割契約書承認株主総会は、平成15 年6 月20 日開催予定です。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2)分割方式 @分割方式 |
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当社を分割会社とし、帝人ファーマ株式会社を承継会社とする分社型吸収分割です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A当分割方式を採用した理由 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医薬医療事業に関する許認可および契約関係を円滑に移転するために、会社分割制度を活用い たします。特に許認可の承継にあたっては、これを承継する会社が予め必要であることから平成 14 年4 月15 日に当社の100 %子会社である帝人ファーマ株式会社を設立しており、分社型 吸収分割方式により、同社へ当社の医薬医療事業を承継させることといたします。 |
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(3)株式の割当 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
帝人ファーマ株式会社が本分割により発行する株式9
,990 株は、すべて当社に割当てられ ます。この結果、帝人ファーマ株式会社の資本金は100 億円となる予定です。 |
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(4)分割交付金 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分割交付金の支払いはありません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(5)承継される権利義務 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本件会社分割において、当社から帝人ファーマ株式会社に承継される権利義務は、分割契約書 に別段の合意がなされたものを除き、平成15 年3 月31 日現在の貸借対照表その他同日現在の 計算を基礎とし、これに分割期日に至るまでの増減を加除した当社医薬医療事業に属する資産、 負債およびこれらに付随する権利義務、並びに契約上の地位といたします。 |
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(6)債務履行の見込み | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
当社および帝人ファーマ株式会社の負担すべき債務の履行の確実性には問題がないものと判 断いたします。 |
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3 . 分割当事会社の概要 (平成15 年3 月31 日現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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4.分割する事業の内容
(1)医薬医療事業の内容
医薬品および医療機器の製造・販売
(2)医薬医療事業の平成15 年3
月期における経営成績 (億円)
医薬医療事業 (a) |
当社15 年3 月期実績 (b) |
比 率(a /b ) | |
売上高 |
750 |
1,274 |
58.9 % |
営業利益 |
141 |
88 |
160.2 % |
(3)譲渡資産、負債の項目および金額(平成15
年3 月31 日現在) (百万円)
資 産 | 負 債 | ||
項 目 | 帳簿価額 | 項 目 | 帳簿価額 |
棚卸資産 |
4,748 |
預り金 |
864 |
その他流動資産 |
1,989 |
その他流動負債 | 0 |
流動資産 計 |
6,737 |
流動負債計 |
865 |
有形固定資産 |
18,556 |
繰延税金負債 |
569 |
無形固定資産ほか |
8,113 |
退職給付引当金 |
2,138 |
固定資産 計 |
26,670 |
固定負債 計 |
2,708 |
合 計 |
33,407 |
合 計 |
3,574 |
(注意)分割期日迄に生じた売上債権および買入債務等につきましては、分割契約書に基づき移管を行わないことといたします。
(注意)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。
5. 分割後の当社の状況
(1)商号 | 帝人株式会社 | |
(2)事業内容 | 繊維、化成品、医薬医療、機械・エンジニアリング、情報関連等の各分野にお ける事業会社の持株会社。 |
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(3)本店所在地 | 大阪市中央区南本町一丁目6 番7 号 | |
(4)代表者 | 代表取締役社長 長島 徹 | |
(5)資本金 | 70,787 百万円 | |
(6)総資産 | 469,096 百万円(
33,407 百万円 ) (注)( )内は分割による減少見込み分である。 |
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(7)決算期 | 3 月 31 日 | |
(8)業績に与える影響 : | 平成16 年3
月期以降の決算において、帝人株式会社単独業績に与える影響としては、概ね上記の売上高、利益(平成16
年3 月期の影響額は約半分)、資産が減少する予定です。また、分割契約書に基づき帝人ファーマ株式会社へ移管を行わない売掛債権等249
億円、及び買入債務等93 億円が、決済期日の到来等に伴い減少する見込みです。 連結業績については、子会社への分割であるため直接的な影響はございませんが、効率的経営と競争力強化により、収益力向上につながるものと予想しております。 |
帝人が医薬医療の研究開発費を増額、2010年度2.7倍に
http://www.jij.co.jp/news/chemical/art-20031027191117-ZKQLHTZBWV.nwc
帝人は、医薬医療分野の研究開発(R&D)費を2010年度までに、02年度実績比で2.7倍に当たる400億円に引き上げる。10月に発足した子会社の帝人ファーマ(東京都千代田区)で医薬医療事業を手掛けているが、自社開発品のほか、新たに仏社からライセンス導入した医薬品の臨床開発の推進、新規在宅医療機器の開発のため、R&D費を増額する。新薬の発売などを通じ、10年度をめどに医薬医療事業の営業利益を02年度比で約倍の300億円にする計画だ。
帝人ファーマは、医薬品事業で骨代謝系、呼吸器系、循環器系の疾患領域に特化している。ぜんそく治療薬「BTR−15」、痛風治療薬「TMX−67」、骨粗しょう症治療薬「ボナロン」の週1回処方製剤は、フェーズIII(第三相臨床試験)の開発段階にあり、年度内に承認申請できる見込み。自社開発品はアレルギー性鼻炎治療薬「TBN−15」、病原性大腸菌O157の治療薬になる抗ベロ毒素抗体「TMA−15」などがフェーズIIの開発段階にあり、今後、これらの新薬候補化合物の開発ステージが上がるに従って、R&D費も増額する。
さらに、仏製薬会社のイプセン(パリ市)と、医薬品候補化合物の相互開発・販売でライセンス契約を締結し、イプセンが持つ化合物4品目を日本国内で開発・販売する権利を得た。イプセンの糖尿病薬「GLP−1」、糖尿病性網膜症薬「SSTR−2」、重症骨粗しょう症薬「PTH」、末端肥大症薬「ソマチュリン」について、国内で順次、臨床開発を進めるため、関連費用についても増額する。
一方、医療分野は在宅酸素療法(HOT)に使用する酸素濃縮器で、新製品を継続的に上市する。今後、海外での販売についても検討する。
帝人ファーマは新薬の発売に向け、医療機関向けに営業活動するMR(医薬情報担当者)を03年度の550人から、04年度をめどに30%増の700人に増員する予定など、医薬医療事業を強化している。同事業の02年度の売上高は950億円で、10年度をめどに2000億円にする計画だ。