シンガポール2期計画                                          



TPCのPP増設
1986年10月に経営会議に経営企画室がTPCのPP増強計画を提案し、その後の議論の後、承認された。
既存のバルク法120千tに加え、ガス法で36千tを建設して需要増大に対処するとともに、PCSの余剰プロピレン対策も考えたものである。(詳細について
別項参照


1989/4 シンガポール政府持株のシェルへの譲渡契約締結

各社出資構成は以下の通りとなった。(その後の変更も含む)


           

シンガポール2期計画の検討
  (住友化学工業最近20年史から)

PCSおよび誘導品各社は60年以後フル操業を続けた。増大する需要に対処するためでボトルネッキングによる手直しのみでなく、根本的な能力増強を図り国際的に競争力のある石油化学コンビナートとするため、平成2年、シェルグループと共同でシンガポール石油化学増設計画の可能性について技術面を中心とした事前調査を実施した。
その結果、メルバウ島にもう1系列増強可能との結論を得て、翌年にPCSおよび誘導品各社(エチレン・グリコールズ・シンガポール社は除く)はそれぞれ本格的な第一次企業化調査を実施した。
その内容は原料調査、市場調査、製造技術調査、設備投資額の試算、経済性の試算などを含む広範なもので、この調査の良好な結果を受け、実行計画および予算策定、資金調達計画の策定などを内容とする第二次企業化調査を4年から実施した。

91/1/16 TPCとの2期計画打ち合せ(末永社長ほか)

1)24日の役員会でF/S費用180百万円の承認を受ける予定。
  事前説明でシェルから住化技術が前提かとの不満の表明があった由。
  当然シェルに対し他社技術との比較、住化技術採用のメリットなどを十分説明すると伝え、本件承認を得ることとする。

2)TPCで販売面での調査実施中。
  やはりLLについてはかなり難しいという感度。需要の伸び、競合品の予想などでシビアに見すぎている点もあり、更に感度調整の上、販売戦略なども含め最終提案をまとめる。
  TPCによる商社ヒアリングでは伊藤忠は全部引き受けたいとしており、丸紅もアリステック品は将来切られると見て非常に熱心と。

3)建設費見直し
  PP,LL各10万トン、LD(ベッセル)7万トン合計で当初510億円となっていたが、見直しの結果463億円となった。(試運転費、金利、運転資金込)   
  1期(能力は今回とほぼ同じ)の建設費が当時の金で480億円であり、その後のインフレ、円高などを勘案すると妥当な数字か?

91/1/30-31 TPC2期計画打ち合せ
         (末永社長ほか:広岡常務、堤事業部長、各部、工場、研究)

基本スタンス:
  成長市場であるため大き目の能力とする(当初日本に引き取り)
  他の LOCAL PRODUCTION とは差をつける(高級グレ−ド)
  日本との一体化(技術援助、引き取り、TRANSPLANTへの対応)

計画:(当初案を一部修正)
  LDPE:ベッセル  70千t 高圧2段分離(テトラ向けグレ−ド)
                    日本に1−2万t引き取り
  LLDPE:ガス法 120千t LDブレンドで他社品と差をつける。
                    日本に2万t引き取り(四日市計画見直し)
  PP:ガス法    120千t ブロック専用 
                    既存ガス法でタ−ポリマ−も生産できるよう改造

91/2/1 TPC決算、予算

            1990実績  ( 予算)    1991予算
   売上高   522百万S$ (474)   538百万S$
   経常利益   69       ( 39)    30
   純利益    84       ( 39)    30
   配当     30%              10%

これまで2年間40%配当をしてきたが、2期計画に備え今回は30%、次回からは10%にする。ただしシェルは利益はできるだけ配当し、増設は借入、増資でやるべきだとの主張で、今回の30%は了承したが次回以降の減配は了承していない。

91/2/20 PCSシンガポ−ル2期計画(C及び分解ガソリン関係)

経営企画室と協議し、下記の方向で検討することとした。

ソ−ス:
 1) PCS2期エチレン分単独
 2) マレ−シアのCGPCのエチレン(230 千T)分を含めたケ−ス 

ブタジェン分:いづれのケ−スも抽出せず水添してブテンとする
イソブチレン:MMAモノマ− 40,000T(Case 1) or 60,000T(Case 2)
         ポリマ−も合わせ検討する。
ブテン−1:TPC(Case 2 ではCGPCにも)のLL用
ブテン−2:(シェルで)MEK、(又は共同で)フェノ−ル/MEK
分解ガソリン:BTXとはせず、水添しガソリン基材として外販又はBz抽出委託
   
運営案:住化単独で実施(C4をナフサ等価でPCSから買い、イソブチレン、ブテン−1を利用、残り留分を同価格でMEK用に渡す)

91/3/18 シェルとのサミット会談

シェルの扱い量が特にPPで30%を大幅に下回っていることに対しシェルから不満の意の表明が行われているが、これに対し当方より原因はシェルが特殊品は自社品を中心にしていてTPC品については汎用品しか扱おうとしないことであり、決して差別をしている訳ではないことを説明、先方も理解を示した。 

91/4 TPCラボ増設を決定

TPCではガス法稼働、高級グレ−ド増加を受け、ラボを増設する。
予算 約930百万円(うち建屋 580、機器 350)

91/6 シェルとの販売シェア問題での会議(MILESTONE MEETING)

1−5月シェル販売実績
  PE 2050 t/m (30%達成のための目標 3170 t/m) 比較的順調
  PP 1430 t/m (    同       4170 t/m)

シェルが自社品を優先にしていること、TPCのスペシャルティ化が進み、シェルの扱う汎用品の比率が減ったことがPP不振の原因。

TPCより、これ以上需要家の譲渡はしない旨再度言明した。
シェルからはマ−ケティング面でもっと自由度が欲しい、PPの枠をPEに振り替えて欲しいとの要望が出たが拒否。

91/7/11 TPC阪本社長、PCS紙谷社長との懇談(谷口常務以下)

阪本社長からTPCの2期販売計画案の説明
TPCの販売については長期的には問題なし(短期的には各国関税政策が影響)。  
むしろシェルのPO/SMがやれない可能性強く(コスト、PO販売その他)、その場合全体計画をどうするか対策を考えておくことの必要性の指摘があった。
なおASEAN市況は5月前半に底をうち、若干値上がり。但し今後についてはあまり期待しえないと。 

91/8/2 TPC2期計画打ち合せ(TPC小西氏。後藤取締役、園田取締役以下)

年初の需要予測以後の調査の結果2つの点で需要を上方修正。
・保護関税
  マレ−シア、インドネシアで保護関税の引下の動き
  ASEAN優遇制度で減免
   (マレ−シアでPE100%, PP 50%、ネシアで各 25% など) 
・LL/LDブレンド
  各地で高品質志向、住化ブレンド品(テスト)が高評価
  30-50$アップでも買うと。

この結果95年でベッセル70千t,LL 100千t,PP120千tは売れるとの予想で日本向けなしでやれる(LLも2−3年で120千tは大丈夫)。 
これには一部欧州向け(住化コンパウンド用ほか)を含む。

91/9/4 TPC2期計画での研究分担金請求についての検討(研究、ライセンス、経企)

PTC(Plastic Technical Center)起業ガラミで森社長から指示があったもの。
(日本を研究センターとすることでシンガポール、米国などが成功すれば連結でよくなるが、単独決算も大事。研究費を負担させろ、というもの)

TPCから研究分担金(年間 200-250百万円)をとる案を検討した。

本件その後シェルと交渉し、1992/4に以下で了解を取った。
   期間:1992/7より3年間
   対価:120百万円/年
   期間終了後は2期分も入れ延長する。

根拠としてはLDPE,BPP−PPについては 0.3 %、ガス法PPについては0.7 % としたが、シェルからはガス法について高いとのコメントがあり、2期完成後(数量増加後)に別途交渉することとしている。

91/10/3 「住化シンガポ−ル」構想(経企との意見交換)

社長の指示で、役員クラスを社長とする「住化シンガポ−ル」設立を検討しており年内にも経営会議にかけたいと。
問題はTPCの扱いで、「住化シンガポ−ル」でTPC製品も含めて販売をしてはどうかとの考え方もある。
住化の東南アの基地として今後のために情報を集めるには販売活動が必須ではあるが、そのためにTPCを製造会社にかえるのは反対と伝えた。

・現在の契約ではシェルはあくまで商社として扱うだけ。製造会社に変えると、2期をいれると20万tもの製品をシェルに売らすことになる。
・2期計画はかなりの部分がスペシャルティであり、共同生産的運営には向かない。

91/10/9 経営企画室からF/S結果を聴取。

計算上は feasible な結果。
11月にシェルとの間で次の段階に進むことを決定する予定。 
他の株主との交渉が必要。

91/12/16 シンガポ−ル2期計画発表(PCS)

F/Sの完了、詳細設計開始を発表。
能力以下のとおり(単位:千t)。
  エチレン 400、プロピレン 200
  LDPE/LL 190、PP 120 、HDPE 185
  PO 140/SM 320

92/2/7 シンガポ−ル計画状況聴取(経企より)

シェル、フィリップスは需給状況から予定を1年遅らせ1996年完成を主張しているが、現地の地盤改良工事のスケデュ−ルからもPCSのメカコンは 1996/3/E となり,TPCも原料、用役供給面からこれに合わさざるを得ないと。 

        
92/3/2 TPCとの定期会議

TPCはASEANの域内関税撤廃の方向などから2期計画への自信を深めた。
これとは別に日本持ち帰り用に(日本での次期増設を止め)TPCと住化のJVの形で3期をやることを検討してはどうかと。(当方よりポスト千葉戦略の検討の中で一つのオプションとして考えると伝えた。)
2期の完成時期についてはシェル、フィリップスの延期論に強く反対。特にカタ−ルが95年央完成でエチレンのデボトルネッキングでLDPE30万トン(うちベッセル20万トン)を決断したことから出来るだけ早く完成させることが必要と。

92/3/13 タイTPIへのベッセルLDPE技術ライセンスの件 協議

ライセンス部がタイTPIへのベッセルLDPE技術ライセンス交渉を行っていることが判明(事業部、管理室に相談なし)。 
  
90/7にSCECを通じ要請あり。TPIから@タイ中心で輸出は考えていない、Aタイの高率関税でTPCはどうせタイには輸出できない、B今後TPCと協調したい、との説明があり、TPCも高級ラミ用の高圧2段分離はつけない、EVA は20% 以下にすることを条件にこれを了承した由。その後技術資料を提出し、今般条件提示の要請を受けた。予定では94年末完成。
   
TPC意見(現在)
状況一変し今後ASEANは一体。タイも差別撤廃に動いている。
タイのLD需要は95年で20千t。TPIが60千tプラントを持てば大半は輸出でTPCと競合する。汎用ラミはしかたないが、特にEVAで(他の技術なら別だが)同一品で2年近く先行されれば取り戻しは難しく、2期計画はやれない。EVAは絶対困る。

本件、各部と協議の結果、EVA,ラミについては販売テリトリ−をタイ、ベトナム、中国に限るということで条件を提示、予想どおりこの制限を外して欲しいとの要請があったが、ライセンスの絶対条件として拒否。
その後ライセンスについてのルール作りを行った。


92/7 シェルより連絡があり、2期計画F/S実施のための本年下期予算を承認すると。

PO/SMについてはシェルはあくまで原価基準、縦割り負担を主張しており、住化案(製販一体会社への単なる出資)は拒否。

92/12 広岡/Malcolm 会談

1)2期計画スケデュ−ル

住化案では来年4月末に実質決定(5/11の役員会で承認)、直ちに発注としていたが、シェルはSM/POのビッドが 6/1であることから6月末の経営会議の決  定までは無理、全体パッケ−ジのためPCS/TPCだけの先行承認も無理とし  ている。シェルも 1996/央スタ−トには同意している。

2)シェル/ハイモントのPP合弁

最終決定は2期計画決心の後になる可能性もあるが、シェルとしては以下の提案をしたいと。
・合弁実現の場合
 シェルはTPCのPE、PPの販売権を放棄、人も引上げ、単なる投資者となる。
・合弁決裂の場合
 PPの販売をやめる代わりにPEのシェアを 40%としたい。
 これに対し広岡常務からは仮定の話ではなく事態がはっきりしてから考えるべきだと主張。PEシェア40% 論には反対、場合によってはシェル撤退もと示唆。

93/1/30 シンガポ−ル2期計画(MMA)打ち合わせ

現在の計画案は以下のとおり
  エチレン2期計画ではブタジェンは抽出せず選択水添してブテンに転換
  イソブチレンは m-MMA (31千t分しかないため他のソ−スを加え 50 千t)
  ブテン−1は LLDPE 用(15千t)
  n-ブテンはシェルが MEK を計画

MMAについては問題が多く、早急に考えをまとめる。

・需要見通し(押出板用に成形材料 20 千t設備建設を考えているが高級品の需要があるか、日本・韓国などからの輸出品との競合など)
・運営形態(当社単独でやりたいが、PCS・日触・シェル等との関係は?)
・C4仕切り価格(MTBE市況との関連)[PCSとの利害]
・不足C4のソ−ス(マレ−シア品、MTBE分解、n-C4の異性化)
 なおMMAをやらない場合はMTBEとし、ブテン−1はいづれにせよ生産する。

93/3/16 住化経営会議  資料:経営会議資料
   
93/4/19 シェルとのサミット会談(香西社長ほか)

シンガポ−ル計画

シェルとしては現行の 96/10スタ−ト予定を3−6か月遅らせたい意向。
欧州の需給アンバランスは今世紀一杯続きそうで、アジアの需要も伸びが弱まるのではとの懸念。
PO/SMは 96/10, 97/1, 97/4の3ケ−スでのスタ−トで検討していると。
(注 三菱油化では5月にはこれに参加するかどうかの決心をしたいとしているが、特にPOの扱いで苦慮している模様。{経営企画室が聴取})

シェル/ハイモントのポリオレフィン事業統合計画

現在 due diligence中で、終り次第独禁当局に正式申請する。統合の場合TPCについてはシェルは一般株主となり、製品販売権、会長の席を放棄する。

93/11/24 シンガポ−ル2期計画の状況(経営企画室から聴取)

フィリップス社の経営会議(11/22) でPPSC(シンガポ−ルHDPE会社)の改組・増設案を承認した。(12/13 の同社取締役会で承認する。)

内容
 ・PPSCの増資 現行の165 MM S$(112 億円) に対し 85MM US$(92億円) 増資。
 ・出資比率
  現行のP社 85.71%, 住化 14.29% を、P社 50%, 住化 20%, シンガポ−ル政府 30%に変更

これにより2期計画が前に進むことになる。
(フィリップスは当初は従来組織での増設を検討したが、役員会で否決された。このため住化がシンガポール政府と相談し、両者が参加することで計画を推進した。)

当社のPPSC増資負担額は25億円。
PPSC増資と2期計画について 12/16 の経営会議にかけた上で12/27 の役員会で承認を求める。
シェルは1/18に経営会議を開き2期計画の承認を求める予定。

 

94/2/4 現地紙 Business Times に増設が1か月以内に決まるだろうとして計画概要を報じた。フィリップスのHDPE計画に政府が 30%出資することも書かれている。現地の政府筋からのリ−クとのこと。

94/2/15 日経にシンガポ−ルPO/SM計画(油化参加)の記事
   油化側で押さえきれなくなって記事になったもの。

94/3/1 シンガポ−ル2期計画発表
       97年 2Q 完成、総額 34 億 S$


経営会議資料