iPS細胞 がん遺伝子使わず    

            万能細胞で貧血治療 米研究チーム マウスで成功

新万能細胞iPSの真価 ヤマナカ 世界動かす

ヒトiPS細胞 バイエル薬品が先に作成

「iPS細胞が作る新しい医学」 山中教授講演

iPS細胞研究成果の社会還元を図るための事業

京大、製法特許を取得

京都大学は2008年9月11日、新型万能細胞(iPS細胞)の製法特許が日本国内で成立したと発表した。

成立した特許は、4種類の遺伝子を体細胞に導入して iPS細胞を作る基本製法と、作成した細胞を保護する内容で権利期間は20年。

2011/8/15  京大のiPS細胞特許、米で成立 

 

米 ES細胞への助成解禁へ    ES vs iPS

神経細胞 iPS細胞使わず作製

iPS臨床応用へ前進 山中教授らの作製から5年

 


日本経済新聞 2007/11/21    解説      

ヒトの皮膚から万能細胞 本格的な再生医療に道 京大など成功

 京都大学の山中伸弥教授らは、神経や筋肉など体の様々な細胞や組織に育つ新型の「
万能細胞」を、人の皮膚の細胞から作ることに世界で初めて成功した。

 作製したのは「iPS細胞」。山中教授らは昨年、マウスの細胞でiPS細胞を作製。人の細胞でも作れるか世界の研究者が注目していた。成人の皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込み、約1カ月培養するとiPS細胞ができた。その後、神経や筋肉、肝臓など約10種類の細胞に成長。パーキンソン病や糖尿病など様々な病気の治療に役立つ移植用組織を作り出せる可能性がある。
 一方、米ウィスコンシン大学も人の皮膚細胞に特殊な遺伝子を組み込み、同様の万能細胞を開発することに成功。21日付の別の科学誌に発表する予定だ。

ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らは、胎児や新生児の皮膚細胞から、京大チームとは異なる組み合わせの4遺伝子を使い、iPS細胞を作ることに成功した。

▼万能細胞
 体のあらゆる細胞や組織へと成長する能力を持つ細胞。代表格は胚性幹細胞(ES細胞)で、受精卵から成長前の細胞を採り出して作る。人では1998年に米大学が初めて作製。同じ遺伝子を持つ生物を作り出すクローン技術を使いES細胞を作る方法もあるが、入手の難しい卵子が必要。

▼再生医療
 様々な細胞に成長する特殊な細胞を培養して移植用の組織を作り、病気やけがを治す先端医療。培養する細胞としては、骨髄などに含まれる細胞を利用する場合と、万能細胞を使う場合がある。骨髄などに含まれる細胞を利用するタイプは心臓病患者などへの臨床応用が大学病院を中心に始まっている。

新型万能細胞 拒絶反応ない移植へ前進 研究ルール・安全面に課題

 京都大学の山中伸弥教授らがこれまでにない画期的な新型万能細胞を開発した。患者から細胞を採取してこの万能細胞を作り、さらに移植用の組織を作製すれば移植しても拒絶反応が発生しないことになる。新薬開発にも応用可能。だが、作製方法などを改良し安全性の向上やコスト低減に努める必要があるほか、乱用を防ぐ研究ルールの整備など、実用化までには克服すべき課題が多い。

iPS細胞の作製から利用までの流れ

@患者の皮膚細胞を採取
A4遺伝子を導入
B1ヶ月培養し、iPS細胞ができる
C様々な移植用組織(神経、肝臓、骨など)に
D患者へ移植

 

米政府、「皮膚から万能細胞」研究支援を表明

 米ホワイトハウスのペリーノ大統領報道官は20日、ヒトの皮膚の細胞を使って、体の様々な組織に育つ「万能細胞」を作る研究が成功したことを受け「ブッシュ大統領は倫理に沿った研究の前進を非常に喜んでいる」との声明を発表した。米政府として支援も約束した。バイオ研究の先頭を走る米国が本腰を入れれば、臓器などの再生医療が進みそうだ。

 大統領はヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った研究に反対しており、研究を連邦予算で補助する法案に拒否権を2度も発動し、廃案に追い込んでいる。皮膚を使った万能細胞は京都大学やウィスコンシン大学が成功。大統領はES細胞と異なり、受精卵を壊さなくても済む点を評価、即座に支持を打ち出した。


平成18年8月11日 科学技術振興機構(JST)

皮膚細胞から万能幹細胞の誘導に成功
http://www.jst.go.jp/pr/info/info320/index.html

 JST(理事長 沖村憲樹)は、卵子や受精卵を用いることなく、マウス皮膚細胞から胚性幹(ES)細胞に類似した万能幹細胞(多能性幹細胞)を誘導することに成功しました。
 本研究チームは、ES細胞に含まれる4つの因子を組み合わせてマウスの成体や胎児に由来する線維芽細胞に導入することにより、ES細胞と同様に高い増殖能と様々な細胞へと分化できる万能性(分化多能性)をもつ万能幹細胞を樹立することに成功しました。同チームはこの細胞を誘導多能性幹細胞(
induced pluripotent stem cell, iPS 細胞)と命名しました。
 ヒトES細胞は再生医学における資源として期待されていますが、倫理的観点から慎重な運用が求められています。今回の成果により、ヒト皮膚細胞からもiPS細胞が樹立できるようになれば、倫理的問題を克服することができ、脊髄損傷、若年型糖尿病など多くの疾患に対する細胞移植療法につながることが期待されます。また患者自身の体細胞からiPS細胞を誘導すると、移植後の免疫拒絶反応も克服できると期待されます。
 本成果は、JST戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域(研究総括:山西弘一(独立行政法人医薬基盤研究所 理事長))の研究テーマ「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」の研究代表者・山中伸弥(京都大学再生医科学研究所 教授)と高橋和利(同 特任助手)らによって得られたもので、米国科学雑誌「Cell」オンライン版に2006年8月10日(米国東部時間)に公開されます。

<研究の背景>
 受精後まもないヒト胚
注1から樹立される胚性幹(ES)細胞注2は、万能性(分化多能性)注3を維持したまま長期培養が可能であり、細胞移植療法の資源として期待されています。さらに核移植注4技術と組み合わせることにより拒絶反応の無い患者専用のES細胞を樹立できる可能性があります(図1)。しかし、ヒト胚利用に対する倫理的観点からの反対意見も根強く、慎重な運用が求められています。ヒト胚を用いることなく、分化細胞注5からES細胞に類似した万能幹細胞(多能性幹細胞)を直接に樹立することができたなら、倫理的問題や移植後の拒絶反応を回避することができます。 そのためには、分化細胞を初期化注6する因子の同定が重要です。ES細胞と体細胞を融合させると分化細胞ゲノムが初期化されることから、ES細胞に初期化因子が存在していることは明らかです。しかしその同定には誰も成功していませんでした。

注1)ヒト胚:
ひとつの細胞(生殖細胞を除く)又は細胞群であって、そのまま人の胎内において発生の過程を経ることにより1人の個体に成長する可能性のあるもののうち、胎盤の形成を開始する前のものをいいます。

注2)胚性幹(ES)細胞:
受精後1週間前後の胚から樹立される幹細胞で、成体に存在するすべての細胞へと分化できる多能性を維持したまま、ほぼ無限に増殖が可能な細胞です。ES細胞は1981年にマウスにおいて樹立され、1998年にはヒトでも樹立されました。

注3)万能性(分化多能性):
ES細胞がもつ、成体を構成する様々な細胞へと分化できる能力は専門用語では分化多能性と呼ばれ、一般的に万能性とも呼ばれています。

注4)核移植:
卵子の核を除去し、替わりに体細胞の核を移植する技術で、顕微鏡下に行われます。1997年に英国のWilmut(ウィルマット)らは羊の体細胞核を卵子に核移植することにより、哺乳類では初の体細胞クローンの作成に成功しました。

注5)分化細胞:
万能性を失い、特定の機能だけを果たすようになった細胞をいいます。

注6)初期化:
体細胞核を胚の状態に若返りさせ、分化多能性を回復させる現象は初期化や再プログラム化と呼ばれます。

<本研究の成果>

 本研究チームは、ES細胞に含まれる初期化因子は、ES細胞の万能性や高い増殖能を維持する因子と同一であるという仮説のもと、初期化因子の候補として24因子を選定しました。それぞれの因子が体細胞を初期化できるかを検討しましたが、単独因子では不可能でした。しかし24因子の中の特定の4因子を組み合わせると、マウスの成体皮膚や胎児に由来する線維芽細胞注7から、万能幹細胞が誘導されました。同チームは、この細胞を誘導多能性幹(iPS)細胞と命名しました。iPS細胞はES細胞に類似した形態、増殖能、および遺伝子発現を示します。またマウス皮下に移植すると様々な分化細胞や組織から形成される奇形腫が形成されること(図2)、および、マウス初期胚に移植するとその後の胎児発生に寄与することから、iPS細胞は万能性を有していることがわかりました。

注7)線維芽細胞:
動物の体には内部構造を保つための支持組織である結合組織が広く分布しています。線維芽細胞はこの結合組織を構成する細胞で、繊維状に配列しているのでこの名が付けられています。

<今後の展開>
 今回の成果により、比較的少数の因子により、マウス体細胞をiPS細胞に誘導することが可能であることがわかりました。今回の成果を発展させることで、将来、ヒト体細胞からのiPS細胞誘導につながることが期待できます。そうなれば、脊髄損傷や心不全などの患者体細胞から、iPS 細胞を誘導し、さらに神経細胞や心筋細胞を分化させることにより、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されます。またこれらの細胞は、疾患の原因の解明や、新治療薬の開発に大きく寄与するものです。

図1 体細胞から万能幹細胞(多能性幹細胞)を誘導する方法

 体細胞を初期化し、万能性(分化多能性)を誘導する方法としては、これまで体細胞の核を未受精卵に移植する核移植法と、ES細胞と融合する方法が知られています。しかしいずれの場合も、ヒト胚や、胚に由来するES細胞を利用することになり、倫理的な課題があります。今回私達は、体細胞に少数の因子を導入することにより、卵子や胚を用いず、直接的に万能幹細胞を誘導することに成功しました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

図2 iPS細胞の万能性(分化多能性)

 iPS細胞をマウスの皮下に移植すると腫瘍が形成され、組織的に解析すると神経組織(外胚葉)、消化管様の菅腔構造(内胚葉)、軟骨組織(中胚葉)など三胚葉に由来する各種分化組織、細胞が認められます。

 


2007/12/1 毎日新聞

iPS細胞 がん遺伝子使わず 京大作成 安全面で前進

 成人の皮膚細胞からさまざまな細胞に分化する能力を持つ万能幹細胞「人工多能性幹細砲(iPS細胞)」を作成した京都大の山中伸弥教授(45)らのチームが、当初必要とされたがん遺伝子を使わずに、高品質のiPS細胞を作ることに成功。応用に向けた安全面でのハードルを一つ越えた。1日付の英科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」電子版に発表した。
 山中教授らは、4つの遺伝子をレトロウイルスに運ばせて体細胞に導入する手法で、昨年8月にマウス、今年11月に成人の皮膚細胞から、さまざまな臓器・組織の細胞に分化するiPS細胞を作成したと発表した。今回は、がん遺伝子(c-Myc)を除いた3つの遺伝子を導入してiPS細胞を作成することに、マウスとヒトそれぞれの皮膚細胞で成功。iPS細胞ができるまでの期間は従来の2〜3週間より約1週間長いが、分化能力に遜色はなかった。チームは「細胞がもともと持っているc-Mycが3つの遺伝子の導入により活性化し、細胞の初期化に働いたのではないか」とみている。
 iPS細胞をマウスの受精卵に入れて子宮に戻し、iPS細胞由来の細胞と受精卵由来の細胞が混じり合ったキメラマウスを誕生させ、約100日間育てた。その結果、c-Mycを導入したiPS細胞によるマウスは37匹中6匹が腫瘍により死んだが、今回のマウスは26匹すべてで腫瘍ができなかった。
 遺伝子の導入にレトロウイルスを使うこと自体にも、がんを引き起こす危険性がある。山中教授は「臨床に一歩近付いたと言えるが、まだ課題は残っている。最終的にはレトロウイルスを使わない方法を確立したい」と話している。


2008/05/16  京大、3社

京都大学、大和証券など3社とiPS細胞研究成果の社会還元事業などで合意
 iPS細胞研究成果の社会還元を図るための事業について

 京都大学iPS細胞研究センター長山中伸弥教授をはじめとするiPS細胞研究の成果を社会に還元するためには、産業界への技術移転が不可欠であります。また、産業界への技術移転を促進するためには、大学における関連する知的財産の管理・活用体制の強化が極めて重要であるとともに、強固な知的財産リスクへの対応も大きな課題となっていました。

 このため、京都大学は、これらの諸課題に柔軟に対応するための方策を、株式会社大和証券グループ本社、株式会社三井住友銀行及び、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社の3社と鋭意検討を重ねてきましたが、このたび、iPS細胞研究に係る発明の円滑かつ適切な管理・活用と、その事業化を通じた研究成果の社会還元・社会貢献を図ることについて合意に至りました。

 本合意の主な内容は、
・4者が合意した事業を管理する会社(事業準備会社)として有限責任中間法人を設立し、京都大学の理事及び教員の数名を社員として派遣する。
・次に、事業準備会社である有限責任中間法人は、実際に知的財産権を管理・活用する知的財産権管理・活用会社を設立し、iPS細胞に係る事業化を進める企業等に対して通常実施権をサブライセンスする業務を行わせ、iPS細胞に係る研究成果の社会還元・社会貢献の推進を図る。
こととしています。

 なお、株式会社大和証券グループ本社、株式会社三井住友銀行及びエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社から、事業準備会社及び知的財産権管理・活用会社に対する資金支援の合意を得ています。

 本事業に係る現在までの活動及び、今後の予定は次のとおり。
 ・平成20年5月 2日 事業準備会社として「有限責任中間法人iPSホールディングス」を設置
 ・平成20年5月15日 本件に係る最終合意
 ・平成20年6月    知的財産権管理・活用会社を設立、事業開始予定

エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ:
大和証券グループのエヌ・アイ・エフ ベンチャーズと三井住友フィナンシャルグループのSMBCキャピタルが2005年10月に合併

 

 


日本経済新聞 2010/1/28

神経細胞 iPS細胞使わず作製 米の大学 がん化リスクを軽減

 米スタンフォード大学の研究グループはあらゆる臓器や組織になる新型万能細胞(iPS細胞)を使わずに、マウスの胎児の尾にある細胞から神経細胞を作製することに成功した。京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞は実際の治療に応用した場合、がん化する恐れが指摘されている。新手法はそのリスクを軽減できそうだ。iPS細胞のように様々な種類の細胞はできないが、再生医療の新しい手法として注目される。

 論文が28日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。新手法は脳の神経細胞内で活発に働く3つの遺伝子「Asc11」、「Brn2」、「Myt11」をマウスの胎児などの尾にある線維芽細胞に導入する。線維芽細胞は通常は皮膚などの細胞に成長するが、遺伝子導入によって神経細胞ができた。神経細胞に特有なたんぱく質を持ち、神経細胞として機能することも確かめた。
 病気や事故で失った臓器や組織の機能を元通りに回復させる再生医療研究では、おもにiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)といった万能細胞を使うことが多い。
 ただ遺伝子や化合物を導入してつくるiPS細胞は、がん細胞に成長する危険性が臨床応用する際の大きな課題となっている。ES細胞も受精卵を壊して作るため、倫理面で慎重さが求められる。新手法は特定の細胞しか作製できないが、臨床応用への壁は低いとされ、ここ1、2年、米国を中心に研究が盛んになっている。

識者の見方
理想的な手法
 クローン羊「ドリー」の生みの親である英エディンバラ大学のイアン・ウィルムット再生医療センター所長

 尾の細胞を神経細胞に直接変えるというのは、非常に興奮を覚える画期的な研究成果だ。再生医療がより現実に近づいた。失った組織の機能を再生医療によって治すことを考えた時、iPS細胞だとがん化が指摘されているが、これを介さないことで危険性が減る。まさに理想的なアプローチといえる。

iPSと補完
 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹グループディレクター

 体細胞から別の体細胞を作る手法は、米ハーバード大なども膵臓細胞などで成果をあげている。今回の手法を応用できれば、神経疾患の治療が可能になるかもしれない。ただiPS細胞研究は引き続き推進すべきだ。複雑な中枢神経の作製に適しており、無限に増えるのも利点だからだ。iPS細胞とは違った利用の仕方で、相互補完の技術といえる。

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毎日新聞

 マウスの皮膚の細胞に3つの遺伝子を導入し、神経細胞を作り出すことに米スタンフォード大の研究チームが成功し、この細胞を「(人工的に)誘導された神経細胞」を意味する「iN細胞」と名付けた。ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)のようにどんな細胞にも変化できる「万能細胞」を使わず、
体細胞から直接、形質が全く異なる細胞を狙い通りに作成した成果として注目される。


 研究チームは、神経細胞のみが光るように遺伝子改変したマウスの胎児の組織や新生児の尾から、皮膚中でコラーゲンなどを作る「線維芽細胞」を採取。神経細胞への変化に関係する19の遺伝子のうち3つをウイルスに乗せて導入すると、5〜8日で光る細胞ができ、神経細胞として働くことが確認された。
 iPS細胞を作成するには数週間かかり、神経、筋肉、心筋などの目的の細胞に分化させる必要がある。移植の際に分化しきっていない細胞が混じればがん化する可能性もある。一方、今回の方法はiPS細胞を使う場合に比べ、より簡単かつ短期間でできる。さらにiN細胞はそれ以上変化しないため、がん化の可能性も低いと考えられるという。
 チームの一員で同大再生医学研究所のリサ一チアシスタント、国分優子さんは「将来的には、患者本人の細胞からがん化の可能性や移植時の副作用が少ないiN細胞を作成することで、移植治療の臨床応用の可能性を広げることができるのでは」と話す。

iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授の話
 今後、再現性や、人間でも同じことができるかなどの検討が必要だが、応用の目的によっては、iN細胞も使われる可能性があると期待している。