2006/12/21 HOYA/ペンタックス

HOYA とペンタックスの経営統合に向けた基本合意について
http://www.pentax.co.jp/japan/news/announce/20061221-02.pdf

 本日、HOYA 株式会社(以下「HOYA」)とペンタックス株式会社(以下「ペンタックス」)は、平成19年10月1日をもって合併し、両社の経営を統合することで基本合意いたしましたのでお知らせします。統合後の新会社は社名を
HOYA ペンタックス HD 株式会社(英文名 HOYA PENTAX HD Corporation)とし、戦略本社機能を担うコーポレート部門のもとに、HOYA、ペンタックスの各事業を分野ごとに再編してまいります。HOYA とペンタックスは最良のパートナーとして、互いの強みを組み合わせ、強固な事業構造を構築するとともに、戦略分野に経営資源を重点的に配分しうる体制を早急に整え、事業の成長を加速してまいります。

1. 経営統合の目的
 HOYA とペンタックスは、対等の精神の下に、両社の保有する経営資源を相互補完的に活用することにより、強固な経営基盤を確立するとともに、シナジー効果の創出と成長の加速を通じて、顧客価値、株主価値の創出を目指してまいります。
 統合後の新会社は、光学、映像、材料を共通の技術基盤として、ライフケア、オプティクス、情報エレクトロニクス、アイケア、イメージングシステムの事業分野を中心に事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。そして、情報エレクトロニクス分野とアイケア分野の安定した収益力を投入することにより、ライフケア分野の戦略的成長を目指すとともに、オプティクス分野の垂直統合によって事業構造を質的に転換し、競争力のさらなる強化を実現いたします。

 それぞれの分野に関する基本的な方針は以下のとおりです。

ライフケア分野(内視鏡、メディカルアクセサリー、ニューセラミックス、眼内レンズ):
 戦略的成長分野と位置づけ、今後需要の高まる
低侵襲医療領域を追求してまいります。内視鏡による低侵襲診断、腹腔鏡手術器具や内視鏡用処置具による低侵襲治療といった、診断から処置までの一貫した展開を図るとともに、ニューセラミックス、眼内レンズなどの生体機能置換製品の市場をグローバルに開拓することを主軸とします。研究開発投資、M&Aを通じた製品開発力の向上と、国内外の営業・マーケティング体制の拡充により成長を加速させ、事業規模の倍増を目指します。
 *低侵襲医療 minimally invasive
   従来の大規模な切開を伴う外科手術による診断治療に対して、内視鏡やカテーテルといわれる身体に対する侵襲度が
   非常に低い医療機器を用いた診断治療
   
オプティクス分野(光学ガラス・レンズ、デジタルカメラモジュール、微小レンズなど):
 設計から材料、レンズ、加工、モジュールまでの垂直統合により、コスト競争力を高めると同時に技術開発力を質的に転換し、強化いたします。また、HOYA とペンタックスの製造拠点、顧客基盤を相互利用することにより、成長著しいアジア新興勢力を含めた今後の業界の構造変化に対応しうる競争力を確保し、持続的成長を果たす所存です。
   
情報エレクトロニクス分野(マスクブランクス、ガラス磁気ディスクなど):
 世界トップシェアの事業であり、統合後の新会社の収益力の中心事業として競争力の強化と事業成長を図ります。
   
アイケア分野(メガネレンズ、コンタクトレンズ):
 安定的成長が期待できる事業であり、統合後の新会社のもう一つの中心事業として、競争力の強化と事業成長を図ります。
   
イメージングシステム分野(デジタルカメラ、双眼鏡など):
 高付加価値かつユニークな技術による製品で差別化を図ることで、競争力を発揮できる分野に特化して、事業価値を高めてまいります。また、新しい光学機器システム技術を生み出す母体と位置づけ、ライフケア分野、セキュリティ分野などにも水平展開を図る所存です。
   
新規分野、その他の分野(ビジネスシステム・測量機器など)においても、将来的に収益力の強化および成長が見込まれる事業には積極的に投資を行う一方、選択と集中による事業の効率化と経営資源の有効活用を目指します。

HOYAは、「情報・通信」、「アイケア」、「生活・文化」の3分野で事業を行っています。
「情報・通信分野」  半導体の製造に欠くことができないマスクブランクス・フォトマスク、液晶ディスプレイ、
 デジタルカメラ等の光学機器向け光学ガラス製品、
 およびパソコンに使用されるHDD用ガラスディスク等ITに関連する製品
   
「アイケア分野」  メガネレンズを中心とするビジョンケア部門、
 眼科医療用の眼内レンズ、補聴器を扱う
ヘルスケア部門の2部門
   
「生活・文化分野」  伝統あるクリスタル部門
   
   
ペンタックス  
■イメージングシステム事業  デジタルカメラ、フィルムカメラ、中判カメラ、交換レンズ、アクセサリー、
 天体望遠鏡、双眼鏡の製造、販売
   
ライフケア事業  内視鏡、メディカルアクセサリー、骨補填材、充填剤の製造、販売
   
■オプティカルコンポーネント事業  デジタルカメラモジュール、携帯電話用デジタルカメラモジュール、微小レンズ、
 レーザースキャニングユニット、監視カメラ用レンズの製造、販売
   
■その他  ビジネスシステム機器、測量機器等の製造、販売

毎日新聞 2006/12/22

ペンタックス、HOYAと合併 医療分野に相乗効果 主力デジカメ苦戦で

 ペンタックスとHOYAの合併は、HOYAが存続会社になり、新会社の経営はHOYAが主導する。ペンタックスは、国内で初めて一眼レフカメラを発売した老舗カメラメーカーだが、主力のデジタルカメラでジリ貧に追い込まれており、単独での事業強化は難しかった。一方、財務体質強化に区切りをつけたHOYAにとって、成長性の高い医療機器分野で相乗効果を期待できるペンタックスは格好の合併相手だった。