2017/12/20 JSR
Crown Bioscience International の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
当社は、
製薬企業向けに医薬品開発プロセスの臨床試験前段階において創薬支援サービスを提供しているCRO(Contract Research
Organization)であるCrown Bioscience International (Taipei
Exchange上場)の全株式を取得し、当社の完全子会社とすることについてCrown社と合意しましたので、お知らせいたします。
本買収の実行は、Crown 社の株主総会における承認及び規制当局の承認の取得などを前提としており、2018年6月末までに完了することを予定しております。
1.株式の取得の理由
当社グループはライフサイエンス事業を石化事業、ファイン事業に次ぐ第三の柱と位置付け、医薬品開発プロセスの革新に貢献することで価値を提供し、同事業を拡大していくことを目指しています。
Crown
社は、世界でがん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域に対して、医薬品の基礎研究成果を臨床研究や実用化にまで高める創薬探索開発受託サービスを提供する会社です。高付加価値サービスを提供する
CRO として業界に深く浸透し、グローバルに事業展開しています。
Crown 社業務内容: がん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域向けの薬効試験サービスの提供 及び
抗体医薬開発
当社による Crown
社の業績見通しは、2018年12月期売上高及びEBITDAで2,700百万台湾ドル、600百万台湾ドルをそれぞれ見込んでおります。
他方、当社グループは医薬品開発プロセスの上流にあたる戦略的基礎研究・診断薬 開発 に従事し 、同下流にあたる
バイオ医薬品の製造プロセスにおいては細胞株樹立から製造プロセス開発・GMP 製造受託
まで 一貫した形で価値を提供する枠組みを構築してきました。
本買収の完了によって、JSR のライフサイエンス事業は、戦略的基礎研究、診断薬開発、 創薬探索開発受託、細胞株樹立から製造プロセス開発、GMP
製造受託まで拡大し、製薬業界に創薬プロ セスへの製品・サービス提供から GMP製造までシームレスに価値を提供してきます。
2.本買収の方法
本買収は、本買収のために設立された当社のケイマン諸島における買収目的子会社(「Merger
Sub」)とCrown社を合併させる方法により行い(*1)、合併後の存続会社はCrown社となります。
Crown社の株主は既存のCrown社株式が消却される代わりに当社から対価として現金 (75台湾ドル/株( 278円/株)・総額(見込)
約120億台湾ドル(約440億円))を受領する権利を取得します。 Merger Subの株式は合併の効果により、 Crown社の株式に転化され、結果
Crown社は当社の完全子会社となり、合併後のCrown社はTaipei Exchangeの上場を廃止します 。
(*1)逆三角合併と呼ばれる手続きで、友好的買収の際に一般的に用いられている手法です。
JSR は、ライフサイエンス事業のグループ会社において、ヒトの臓器の機能を模した腫瘍由来のミニ臓器=uがんオルガノイド( tumor
Organoid) 」を用いた前臨床試験業務の受託を日本で始める。
米子会社 Crown
Bioscience
が保有するがんオルガノイド関連サービスを、臨床検査薬などを手がける子会社医学生物学研究所(MBL)が持つ国内製薬市場のネットワークに乗せ事業化する。
500 以上の腫瘍サンプルを有する優位性を発揮してがん薬効試験などの需要を取り込む。
今年春に設立した新会社でマウスの生体内試験も含めて展開して幅広いニーズに対応し、CRO事業の拡大につなげる。
JSRは2021年3月、医学生物学研究所(MBL 社)
の全発行済株式の取得を完了した事を発表した。
https://www.knak.jp/ta-sangyou/pharma/pharma-19.htm#MBL
------------
2022 年 5 月 12 日
医学生物学研究所と Crown Bioscience が 日本国内で先進的な前臨床向けサービスを提供する ジョイントベンチャーを設立
JSR
の ライフサイエンス事業のグループ企業である 医学生物学研究所 と
Crown Bioscience は、日本国内で前臨床向けサービスを更に拡 大するため、ジョイントベンチャーを設立したことをお知らせします。
新会社である Crown Bioscience & MBL の設立により、両社の長期的な戦略的提携が形成され、更 なる成長が促進されると期待されます。新会社は設立後の初期段階において、製薬企業に対し前臨床およびトランスレ ーショナル研究関連サービスを提供します。
トランスレーショナル・リサーチ(橋渡し研究)とは、アカデミアで研究者らが基礎研究を重ねて見つけ出した新しい医療の種(シーズ)を、実際の医療機関等で 使える新しい医療技術・医薬品として実用化することを目的に行う、非臨床から臨床開発までの幅広い研究を指す。
このジョイントベンチャーの設立は 2 社間の長期的な関係において重要なマイ ルストーンとなります。MBL
は現在、Crown Bioscience の代理店としてサービスの販売を行っています。
Crown Bioscience & MBL は 東京に所在地を置き、代表には JSR 診断・研究試薬部長兼 MBL 執行役員で ある伊藤浩毅が就任し、新会社は日本国内の顧客ニーズに合わせてサービスを提供していきます。
新会社は MBL の国内製薬市場における深い知識と経験と、Crown Bioscience が提供する世界的規模の前 臨床とトランスレーショナル研究サービスを掛け合わせることにより、シナジー効果を生み出します。この新会社は
2022 年 4
月に設立され、2022 年 9 月にサービス開始を目指します。
Crown Bioscience は
JSR ライフサイエンスの一員であり、オンコロジー、がん免疫、免疫媒介炎症性疾患 (IMID)
分野における、前臨床とトランスレーショナル研究の世界的な CRO 企業です。
Crown Bioscience は HUB
の技術により樹立された腫瘍オルガノイド( tumor Organoid
下記) を用いたサービスや、世界最大の商業向け
PDX コレクション( 患者腫瘍移植モデル: Patient-derived
xenografts) を有してい ます。Crown
Bioscience は、より良い薬剤候補を患者に届け、患者が適切なタイミングで適切な治療を受けられる ことを支援します。
Crown Bioscience は 2006 年に創業され、米国、欧州、アジアにおいて 10 カ所の事業所を有 します。
April 02, 2020 Crown
Bioscience Inc.
主要な学術医療センターからユニークなモデルを取得しPDXコレクションを拡大
ワシントン大学のCoMotionとダナ・ファーバー癌研究所との合意により、世界最大のPDXコレクションに新しい前立腺癌及びリンパ腫モデルを追加
Crown
Bioscienceは本日、ワシントン大学のCoMotionとダナ・ファーバー癌研究所との合意により、PDXコレクションの戦略的拡大を発表した。これらの合意により腫瘍学領域の医薬品開発において必要性が非常に高い前立腺癌モデルとリンパ腫モデルの提供が可能となる。
PDXモデルは、現在利用可能な最も臨床外挿性が高いin
vivo モデルであり、腫瘍薬の前臨床段階における創薬研究開発に最適なモデルである。しかしながら、前立腺癌等のいくつかのPDXは適応症から作製するのが難しく、現在のPDXコレクションでは他の臨床に適切な変異が不足している。
ワシントン大学のCoMotionとCrownBioのライセンス契約により、入手可能な前立腺癌PDXモデル数が大幅に拡大し、CrownBioの確立された前立腺癌PDXコレクションを補強する。LuCaP
PDXの新しいパネルは、去勢抵抗性前立腺癌、アビラテロンやエンザルタミドなどの標的薬に対する抵抗性を備えたPDX、Arv7を含む臨床に近似したアンドロゲン受容体発現プロファイルを保持しているモデル等の幅広いモデルを提供する。
ダナ・ファーバー癌研究所との協業により、T/NK、マントル細胞、濾胞性リンパ腫、難治性または再発患者のDLBCL等の様々なリンパ腫がCrownBioのポートフォリオに加わる。IDH1変異を伴う脳腫瘍PDXや標的薬の有効性評価に不可欠な受容体型チロシンキナーゼの変異を特徴とするNSCLC
SCC PDX等、一般的な薬物ターゲットを特徴とするモデルも含んでいる。
CrownBio Scientific
Research & InnovationのVice PresidentであるDavy Ouyangは以下のように述べている。「これらのエキサイティングな合意により、我々はより多くのモデルが必要とされる研究分野に、データが豊富なPDXを提供することが可能となる。CrownBioはPDXテクノロジーのグローバルリーダーであり、新しいモデルの追加により欧米モデルのコレクションは大幅に強化され、グローバル規模で研究者に最先端モデルを提供することが可能となる。」
CrownBioにてこれらの新しいモデルのバイオバンク化とデータ集積をまず確立した後、薬効評価、マウス臨床試験、CAR-T細胞療法評価、ヒト化、及びオルガノイド開発を含む腫瘍学及び免疫腫瘍学研究に利用可能となる。
ーーーーー
福島大学
がん組織由来培養細胞 Patient - Derived
tumor Organoid
がん組織由来培養細胞 ( F - PDO )を用いた 抗がん剤の評価