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インドネシア国アサハン・アルミニウム会社                   Back

(1) 名  称 : インドネシア国アサハン・アルミニウム会社
  (INALUM社;P. T. Indonesia Asahan Aluminium)
(2) 設  立 : インドネシア国北スマトラ州に所在するアサハン川の水力資源を利用して
  アルミニウムを製錬及び鋳造するために、1976年に設立。
(3) 資 本 金 : 920,476千米ドル(1999年6月現在)
  出資比率 日本アサハンアルミニウム(株) 
  インドネシア共和国政府   
58.9%                 
41.1%
(4) 業務概要
 
:アルミニウム製錬部門…
  アルミニウムの製錬及び鋳造ならびにアルミニウム製品 (鋳造品)
  および副産物の販売等
 電力部門…製錬用電力の供給および公共用電力の販売等
(5) 事業概要 : (1)アルミニウム・インゴット生産…
  (2)アルミニウム・インゴット販売…
  (3)売上高…
106,300トン(1998年)
114,500トン(1998年)
324,500百万米ドル

 

アサハンアルミニウム計画 (住友化学社史より)

インドネシア北スマトラのトバ湖ならびにアサハン川の水力電源は、古くから識者の注目するところであったが、インドネシア政府は、同島の産業開発のため、アサハン川に大水力発電所を建設し、その豊富、低廉な電力をもって、アルミニウム製錬を行なうことを計画し、これに対する外国企業の参加を期待していた。

当社・日本軽金属・昭和電工からなる日本3社連合は、当社を幹事会社に選定し、交渉の一切を一任した。

 

 

75年7月、日本政府は、本計画を日本・インドネシア両国間の最重要経済プロジェクトとして実現を図ることとし、日本輸出入銀行、海外経済協力基金と国際協力事業団を通じ、所要の資金援助を行なうことを閣議決定した。

76年1月、この計画の建設と運営に当たる現地会社「ピー・ティー・インドネシア・アサハン・アルミニウム」(P.T.Indonesia Asahan Aluminium、略称:INALUM、以下、イナルム社)が、日本アサハンアルミニウム90%、インドネシア政府10%の出資により設立された。

 同年12月、これに基づく増資払込みにより、同社における持株比率は日本アサハンアルミニウム75%、インドネシア政府25%になった。

 

アサハンアルミニウム計画の第一期工事(アルミニウム年産能力7万5000t)の完成を機に、82年1月20日、スハルト大統領夫妻の臨席の下、製錬工場で日・イ両国の関係者約1200人が出席して盛大な開所式が行われた。

 

@第一次支援

1985年から86年にかけて、LME相場はt当たり1000〜1100ドルに低迷、1000ドルを割る月もあった。しかも85年9月のプラザ合意後、短期間に大幅な円高が進行した。

87年6月、日本政府関係機関から所要の援助を行うことが閣議了解され、同月、イナルム社の559億9000万円の増資(日本アサハンアルミニウム240億円、インドネシア政府319億9000万円)が行われた。同国政府は同社に対する融資金の相当額をこの出資に振り替え充当した。これにより同社への出資比率は、日本側58.9%、インドネシア側41.1%となるとともに、総所要費用に対する資本金の比率は、22.2%から35.8%に上昇した。

A第二次支援

92年6月、引き続き2年間、支援金利を適用することが決定された。そして93年後半から再建策の検討に入り、94年8月、政府関係機関から所要の援助を行うことが閣議了解された。

これに伴い、日本アサハンアルミニウム76億6000万円(59%)、インドネシア政府53億4000万円(41%)、合計130億円の追加出資(95年度以降3年にわたり分割実施)、日本輸出入銀行および協調融資をしている市中銀行からの借入金の金利引き下げ、返済期限の延長などの支援が行われた。

 


出資比率 (%) 

  日本アマゾン
アルミニウム
日本アサハン
アルミニウム

際協力銀行

44.92

50.00

三井アルミ

8.30

7.50

日本軽金属 

7.94

7.50

住友化学

4.59

7.50

昭和電工

3.21 →0

7.50

三菱マテリアル

1.84

;

三菱化学

;

7.50

伊藤忠

2.75

0.83

三井物産

2.75→5.96

2.50

三菱商事

1.84

2.50

丸紅

1.84

2.50

住友商事

1.94

2.50

日商岩井

0.92

0.835

ニチメン

0.92

0.835

トーメン

0.92

;

兼松

0.92

;

川鉄商事

0.92

;

YKK

2.01

;

神戸製鋼 

1.84

;

三菱アルミ

1.84

;

古川電工

0.92

;

三協アルミ

0.92

;

スカイアルミ

0.46

;

新日鉄

1.37

;

日産自動車

1.01

;

住友金属

0.92

;

東芝

0.46

;

石播 

0.46

;

日本鋼管

0.18

;

川崎製鉄

0.18

;

みずほコーポレート銀行  

0.92

;

三井住友海上

0.09

;


日刊工業新聞 2004/12/15           完了

昭和電工、日本アマゾンアルミ株を三井物産へ譲渡

 昭和電工の大橋光夫社長は14日、ブラジルでアルミを製錬する官民の合弁会社、日本アマゾンアルミニウム(東京都中央区、高嶋伸享社長)の株式を年内にも三井物産に譲渡することを明らかにした。海外からのアルミ地金調達が安定したのを機に投資効率の下がった海外地金事業を縮小する。
ベネズエラとインドネシアの海外地金事業も撤退する方向で検討する。

 日本アマゾンアルミはアルミ原料の安定調達のため設けた国策会社で、国際協力銀行のほか三井アルミニウムや日本軽金属などが出資。昭和電工の出資比率は3.21%で、三井物産への株式譲渡を「ほぼ決めた」(大橋社長)という。

昭和電工は現地合弁会社のアルブラスから年1万3千トンのアルミ素材を輸入する権利も三井物産に譲渡する。(日本経済新聞 2004/12/15)



2012/08/07

インドネシア政府、アルミ大手アサハンアルミニウムに最大1000億円投資へ

 インドネシアのハッタ・ラジャサ経済担当調整相は、国内アルミ大手インドネシア・アサハンアルミニウム(イナルム)の増産体制確立とIPO(新規株式公開)を支援するため、同社に最大12兆ルピア(約1000億円)の政府資金を投資する計画であることを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が6日に伝えた。

 イナルムは1975年に日本の同業大手、日本アサハンアルミニウムが株式の58.88%を取得し、残りの41.12%をインドネシア政府が保有する契約を結んだが、来年10月31日に同契約の期限が到来するのを機に、政府が7兆ルピア(約580億円)で日本側の株式を全株買い取る計画。政府では国内のアルミ需要が急増していることから日本側の株式の買い取りを決めたとしている。

 2012年5月17日

日本アサハンアルミニウム(NAA)とアルミ製錬事業で再交渉

 インドネシア政府は日本アサハンアルミニウム(NAA)と、6―8月をめどにイナルムのアルミニウム製錬事業で再交渉をする。同事業は1975年に協定を締結した。13年10月に満期を迎えるため、この1年前の10月までに再交渉をしなければならない。
 工業省のアグス・チャハヤナ国際工業協力総局長は「再交渉に向けてインドネシア交渉団と協議し、適正評価などの必要な資料を手配している段階」と発表した。イナルムへの出資比率はインドネシア政府が41.13%、NAAが58.87%。