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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
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中国の反壟断法(独占禁止法)は本年8月1日施行された。
2008/8/4 中国、独占禁止法施行
独禁法では国内の競争を制限する独占は、国外での合併でも規制の対象となる。
買収や統合にかかわる企業の売上額が「経営者統合の申請基準に関する国務院規定」で示された一定の基準を超えていた場合、法第21条により、申告をする必要がある。
BHP Billiton はRio Tinto 合併に関して、7月初めに商務部に申請を行なっている。
これに対して日本の公取委は8月以来、領事送達や郵送による書類の送付で報告命令を出しているが、BHP Billton は受領を拒否していた。
このため公取委は9月に公示送達の手続を採ることとしたが、11月14日になって、ようやくBHP から資料を受け取った。(提出がない場合は罰金などの処分を科す可能性もあった。)
BHP Billiton は11月25日、買収断念を発表、独禁法問題も終息する。
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本年6月にベルギーのビール会社 InBev が Budweiser で知られる世界3位のAnheuser Busch に買収を提案した。
InBev は2004年にベルギーのInterbrew とブラジルのAmBev が合併してできた。
2007年売上高は144億ユーロ。Anheuser Busch は米市場で48.5%のシェアを持ち、中国の青島ビールにも出資している。
2007年売上高は167億ドル。
InBev は11月18日、買収完了を発表した。買収総額は520億ドルであった。
InBev
は同日付で社名をAnheuser-Busch
InBev と改称した。
年間売上高は約360億ドルに達する。
10月27日、中国商務部はInBevによるAnheuser Busch 買収の反壟断法による申告を受理した。
商務部は11月18日、これを以下の条件付きで許可する通告を出した。
(1)青島ビールに対するAnheuserの株式保有率27%を増加してはならない。
(2)InBev
の主要株主もしくは主要株主の株主に変化が発生した場合には、ただちに商務部に通告すること。
(3)珠江ビールに対するInBevの株式保有率28.56%を増加してはならない。
(4)華潤雪花ビールと北京燕京ビールの株式保有を求めてはならない。
華潤雪花は華潤創業と米Miller の合弁会社で中国販売量ナンバーワンビール(シェア15%)
(5)上述の条件に反する業務を求める場合、商務部が認可するまで実施してはならない。
付記
Anheuser-Busch InBev は2009年1月、所有する青島ビールの株式27%のうち、19.99%を6億6700億ドルでアサヒビールに売却することで合意、4月30日に実施された。
Anheuser-Busch InBevの持株は7.01%に下がる。アサヒビールの中国のビール会社の持株は以下の通り。
北京ビール 47%
煙台青島ビール 51%
杭州ビール 55%
深セン青島ビール 29%
青島ビール 19.99%
* このほか、清涼飲料のカンシーフ飲品に40%出資付記
青島ビールは2009年8月27日、アサヒビールグループと「戦略的協力合意」を締結したことを発表した。
アサヒビールは青島ビールによる書面での同意がない限り、青島ビール株の保有率をいかなる状況でも19.99%を超えるものとしないことを約束し た。
アサヒビールはさらに、協力合意の有効期間中、青島ビールをアサヒビールの中国ビール業での唯一の戦略協力パートナーとすることにも合意した。付記
サントリーは2012年6月5日、 青島ビールとの間で、上海および江蘇省におけるビールの事業会社と販売会社を合弁で上海に設立することに合意、契約調印した。両JVとの50/50。
中国には多くの海外ビールメーカーが進出していることもあるが、かなり厳しい制限である。
今後のケースのモデルになると思われる。
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付記
InBev は韓国第二のビール会社 OBビール(Oriental Brewery) を所有していたが、Anheuser Busch 買収に伴う負債返済のため、この売却を計画した。
アサヒビールが韓国ロッテグループと組み、買収に乗り出したほか、韓国の国内外の酒類メーカーやプライベートファンド約10陣営が名乗りを上げた。
InBev は5月7日、プライベートファンドのKohlberg Kravis Roberts (KKR)に18億ドルで売却することで合意したと発表した。
現在の韓国のビールのトップはThe Hite Brewery。
旧大日本麦酒の子会社・朝鮮麦酒が前身で、「Crown」ブランドで知られ、韓国のビール業界で万年2位といわれた企業だが、1993年に「HITE」ビールを発売し、トップシェアになった。倒産した焼酎の真露を買収し、真露ハイトグループとなっている。
INEOS は2006年10月、欧州でバイオディーゼル事業を積極的に展開する戦略を発表した。
第一段階として、2012年までに200万トン、うち2010年までに120万トンを生産する。
これは欧州各国のグリーン燃料を増やすという方針に合致したもの。
INEOSは欧州で予想されるバイオディーゼルの需要の急増に対応する最初の全欧州のサプライヤーになるとし、最新の技術で高品質で競争力のあるワールドスケールの工場を建設するとした。
スコットランドではGrangemouth に90百万ドルを投じて最低50万トン/年の工場を2008年までに稼動させる。
このほか、ベルギーのAntwerp 、フランスのLavera、ドイツのWilhelmshaven 又はCologne での投資を考えている。
これは消費地の近くで生産を行なうという方針に基づくもの。
同社は既にフランスのBaleycourt (菜種油の産地)で10年以上、バイオディーゼルを生産しており、2008年にこれを増設する。
Grangemouth と Lavera にはINEOSの製油所があり、Grangemouth では超低硫黄のディーゼルとガソリンをスコットランドとイングランド北部に供給しており、Lavera の石油製品はフランス、スイス、ドイツ南部に供給している。
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2006年12月には同社はAntwerp での建設計画を発表した。
90百万ユーロを投じ、少なくとも50万トン/年のプラントを建設する。
工場ではバイオディーゼルの副産品のグリセリンを使用する。また、第三者による新しい食用油抽出工場を近くに建設する計画で、同地をバイオの中心地(Bio-hub)とする。
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しかし、同社は本年11月28日、現下の経済情勢のため、上記の欧州でのバイオディーゼル4工場の建設を棚上げすると発表した。
今後も景気後退が続くと考え、全事業にわたり、コストと投資の管理を厳しくする。
Ineos ではバイオディーゼル計画をやめるのではなく、経済情勢をみて延期するだけだとし、既存のフランス Baleycourt の増設は予定通り進めており、年末には22万トンになるとしている。
借入金で買収を行い拡大を続けてきたIneos は金融危機で格付けが引き下げられ、需要の激減の結果、金利の支払いにも苦しんでおり、銀行団に半年間の金利支払停止を要請した。
2008/11/19 Ineos の状況悪化
ここにきて、従来の既存事業を担保にした借入金での買収・新増設による拡大という事業モデルは破綻した。
拡大をやめるだけではなく、多くの事業の売却が必要とする見方が多い。
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EurObserv'ER の「Biofuel Barometer 2007」によると、2006年の欧州のバイオ燃料の消費量(石油換算)は以下の通りで、バイオディーゼルは前年比で80%増となっている。
うち、ドイツが63%を占めている。
ドイツではバイオ燃料への完全な免税措置が実施されているのが大きな理由。(フランスでは一部免税)
単位:千トン(石油換算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/barobilan/barobilan7.pdf * 欧州委員会の換算率: |
全燃料のうち、バイオ燃料の比率は2005年が1%、2006年が1.9%となっている。
但し、EUのうち2006年のバイオ燃料の消費量が10万トンを超えるのはドイツ、フランスのほかは、オーストリア(285千トン)、スウェーデン(229)、イタリー(177)、英国(177)、スペイン(169)の合計7カ国に過ぎず、1万トン未満が10カ国もある。
EUは2010年の輸送用燃料のバイオ燃料の占める割合の目標を5.75%としているが、目標達成には多くの難関がある。
現在のEU 最大のバイオディーゼル生産企業は、フランスのDiester Industrie で、2006年の生産能力は約71 万トンだったが、2008 年末には総計200 万トンあまりの生産能力を持つことになる。
EU のバイオディーゼルの原料として主に菜種油で、80%を超えている。
2008/12/3 ダウとクウェートのPIC、石油化学合弁契約締結
ダウとクウェート石油子会社PICは12月1日、合弁会社設立契約と付随契約に調印したと発表した。
両社は昨年12月に計画を発表している。
2007/12/19 ダウとPIC のグローバル石化JV 詳報
設立する合弁会社はK-Dow Petrochemicals
で、出資比率は50:50。2009年1月1日に営業を開始する。
ダウの既存事業を移し、ポリエチレン、エチレンアミン、エタノールアミン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを製造販売し、ポリプロピレンの技術ライセンス、関連触媒の販売を行なう。
新会社は今後の中国、ベトナム、インドなどでの新計画でクウェートの安い石油を、また、クウェート、エジプト、リビヤ、ロシアなどで天然ガスベースのエタンを利用する。
事業価値は当初190億ドルと評価していたが、情勢の悪化を受け、174億ドル(運転資金等を含む)に引き下げた。
新会社は設立後に、両社に15億ドルずつの特別配当を支払う。
PICは新会社参加で75億ドルを支払い、配当15億ドルを受け取るため、ネットで60億ドルの支払いとなる。
ダウは事業売却額マイナス出資で75億ドル、配当15億ドルで、合計90億ドルを受け取る。
税引後では70億ドルとなる。
新会社は借入金33億ドルでスタートする。
ダウとPICは2004年に2つの50/50JV、MEGlobal(エチレングリコールの製造販売)、Equipolymers(PETレジン製造販売)を設立しているが、これらは新会社に移される。
新会社の予想売上高は110億ドルで、MEGlobal とEquipolymers
の売上高を加えると、150億ドルとなる。
新会社設立については、既に米国とEUの独禁法当局、米国の対米海外投資委員会の承認を得ている。
Kuwait 政府のSupreme Petroleum Council もこれを承認している。
ダウのAndrew N. Liveris
は、これはダウを収益力ある成長企業に変身させる大きな一歩とした。基礎化学品事業をJVを通じて成長させる戦略(Asset light strategy)の大きな一歩であり、投資額を減額し、税引前90億ドルの収入を得て機能化学事業に投資を回すことが出来ると述べた。
2009年初めにはRohm and Haas 買収を完了し、次の一歩に踏み出す。
実際にはダウは今回の収入を、Rohm and Haas 買収(153億ドル)に伴う130億ドルの借入金の返済に充てる。
なお、ダウは最近の需要減退を受け、年末までにリストラ計画を発表するとしている。
12月2日のニューヨーク原油先物市場のWTI原油価格終値は46.96ドル/バレルと、今年の最安値となった。
12月1日夜の時間外取引で今年最安値の47.48ドル/バレルをつけたが、2日の取引では一時46.82ドルまで下がり、期近物では2005年5月以来約3年半ぶりの安値となった。
7月11日に一時つけた最高値147.27ドルからは100ドル以上の値下がりとなる。
2日の東京市場のドバイ原油はWTI原油の時間外取引の安値を受けて、前日の48.35ドル/バレルから6ドルも下がる42.35ドルとなり、3年10ヶ月ぶりの安値となった。
2008/12/4 三菱商事と三井物産の移転価格税制問題、解決
三菱商事と三井物産は本年6月30日、西豪州LNG事業に関し移転価格税制に基づく更正通知(2002年3月期分)を東京国税局より受領したと発表した。
両社は2005年に、2000年3月期から2005年3月期の6事業年度について東京国税局から移転価格税制に係る調査を受け、除斥期限(時効)が到来する期の更正通知を順次受けている。
問題になっているのは、両社が共同出資したオーストラリアの合弁会社に対する情報提供や経営指導などに関する取引。
両社の50/50出資の豪州法人 Japan Australia LNG (MIMI) は日本の買主へLNGを、豪州国内向けに天然ガスを、また国際市場にコンデンセート、原油、LPGを販売している。
この法人の販売損益そのものは豪州に帰属し、日本には(配当送金があるまでは)課税権がないため、情報提供や経営指導料を査定して課税するものと思われる。
2008/7/3 三菱商事と三井物産、移転価格税制で更正通知
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両社はこの処分を不服とし、東京国税局に異議申立を行うと共に、二重課税の排除を求めて日豪租税条約に基づく相互協議の申立を行った。
12月3日、両社は、相互協議が合意に達した旨の通知を国税庁より受領したと発表した。
この結果、両社は東京国税局から過年度の更正について一部減額更正を受ける一方で、豪州の関係会社は、豪州税務当局から一定の税還付を受けることになるとしている。
詳細の発表がないので不明だが、おそらく、両国の税当局が情報提供・経営指導料で合意したものと思われる。
日本では一定の収益を計上、それに基づく税額と更正額との差額が減額更正される。
豪州ではその分の費用計上を新たに認め、減益分相当の税還付を受ける。
これにより、残りの年度のものについても、事前価格確認制度に基づく相互協議を通じて、二重課税の回避を図る。
2008/12/5 トクヤマ、マレーシアに多結晶シリコン第二製造拠点
トクヤマは多結晶シリコンの事業拡大のため、第二製造拠点として、マレーシアに絞り、基本設計を開始することを決定した。
同社は多結晶シリコンを戦略的成長素材と位置づけ、積極的に事業の強化を図っている。
徳山製造所に年産5,200 トンの能力を持つが、現在、半導体用2,500トン、太陽電池用500トンの計3,000トンの増設中で、完成後は8,200トンになる。
多結晶シリコンの需要は、太陽電池向けなどで急拡大しており、トクヤマの製造拠点は徳山のみであることから、リスク分散の面からも第二製造拠点の建設が急がれていた。
新立地はマレーシア、サラワク州ビンツル市北東のサマラジュ工業団地で、2012年に半導体・太陽電池向け多結晶シリコン 3,000トンのスタートを目指している。今後、需要動向を注視し、増設も検討する。
マレーシアの工場の完成後の同社の能力は11,200トンとなる。→14,200トン
付記
同社は2009年8月11日、以下の発表を行った。
・2009年8月に多結晶シリコンの製造販売会社設立
社名 TOKUYAMA MALAYSIA SDN. BHD.
本社所在地 クチン(サラワク州の州都)・新プラントはサラワク州のサマラジュ工業団地に建設
総工費約650億円
年産 6,000トン
運転開始 2013年春(予定)
製造技術 ジーメンス法
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シリコンは酸素に次いで地殻中に豊富にある元素で、地殻を構成する元素中の約28%を占める。
多結晶シリコンは、金属シリコンに水素および四塩化珪素を反応させ三塩化シラン(トリクロロシラン)とし、これを蒸留精製後、反応炉で水素と反応させて還元し、太い棒状に析出させて製造する。
還元工程で副生される四塩化珪素や水素は、回収し、再利用する。
多結晶シリコンは半導体用と太陽電池用に使用されるが、太陽光発電は世界的に普及が進んでおり、世界的に需給が逼迫している。
このため、多くの会社が新増設を計画している。
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三菱マテリアル
四日市工場の能力を増強する。
同社は四日市に1,800トン、米国の100%子会社 Mitsubishi Polycrystalline Silicon America に1,500トン、合計3,300トンの能力を有する。
四日市工場に335億円を投じ、2010年1月に1,000トン増強する。
将来的には同地で3,000〜4,000トンの増設を考えている。
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大阪チタニウムテクノロジーズ
2008年8月、大阪府岸和田市に半導体材料である多結晶シリコンの新工場を建設すると発表した。
投資額は450億円。
半導体ウエハー大手のSUMCO(同社と関係は下記参照)との間で,2011年4月から年間2000トンの長期引取契約が成立したのを受け,年産能力を約2.6倍に拡大する。
生産能力増強推移(出荷開始時期別)
増強時期 | 2007/7 | 2008/10 | 2011/4 |
本社尼崎工場 | 900→1,300t | →1,400t | 1,400t |
岸和田製造所 | 2,200t | ||
合計 | 1,300t | 1,400t | 3,600t |
同社は1937年、大阪特殊製鉄所として設立された。
1952年に住友金属工業が資本参加、大阪チタニウム製造株式会社が発足、1960年に多結晶シリコンの製造を開始した。1993年に住友シチックス社名変更。
1997年に多結晶シリコン部門が住友シチックス尼崎となり、本体の住友シチックスは翌年、住友金属工業に合併された。
住友シチックス尼崎は2002年に住友チタニウムに社名変更、2005年に東証1部上場、住友金属工業と神戸製鋼所が筆頭株主となった。2007年に大阪チタニウムテクノロジーズに社名変更した。
なお、住友金属工業のシチックス事業本部となった本体は、三菱住友シリコンマテリアルに営業譲渡し、同社はSUMCOとなっている。
三菱金属の日本電子金属と、チッソの日本シリコンが三菱マテリアルシリコンとなり、
シリコン ユナイテッド マニュファクチュアリング(住友金属工業・三菱マテリアル・三菱マテリアルシリコンのシリコンウェーハの開発・製造JV)と合併、三菱住友シリコンマテリアルになった。
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コマツの子会社で半導体用シリコンウェーハのメーカーのコマツ電子金属は、2006年にTOBでSUMCOの子会社となり、2007年にSUMCO TECHXIVと改称、2008年にSUMCOの完全子会社となった。
同社は1960年に多結晶シリコンの外販を開始し、1963年には多結晶シリコンからシリコンウェーハまでの一貫体制を確立した。(1993年に平塚工場での多結晶シリコンの製造を停止。)
1990年にアメリカのUCC&P社の多結晶シリコン事業部門を買収、Advanced Silicon Materials を設立した。
しかし、コマツは2005年にAdvanced Silicon Materialsの75%をノルウェーのRenewable Energy に売却した。
(25%はコマツが所有するが、議決権、配当受領権はなく、Renewable Energyが予め決めた価格で買収するオプションを持っている。)
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新日鐵製鉄
2006年6月、多結晶シリコン製造技術の研究開発の目処がついたことから、事業会社を設立し、実機プラントの建設に着手すると発表した。
社名はNSソーラーマテリアルで、新日鐵・八幡製鐵所内に
約40トン/月の工場を建設、2007年度下期からせ遺贈開始する。
同社には新日鉄マテリアルズ51%、シャープが44%出資する。
生産コストを最大5割低減できる製法を開発したとしており、年産2000トン規模の新工場を2010年にも建設する方向。
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JFEスチール
2006年7月に、太陽電池向けシリコン原料製造技術の確立および実機プラント建設を発表した。
太陽電池向けインゴット(ウエハー)製造に用いるシリコン原料(SOGシリコン)の製造技術を確立し、実機プラント(年産100トン)の建設に着手する。また、量産プラントの設計も開始した。
- SOGシリコン(Solar gradeシリコン)は、シーメンス法により化学プラントで CVDプロセス(化学的気相成長法)を用いて製造され半導体用ウエハーとして使用されるポリシリコンに対し、冶金法により太陽電池用にのみ対応可能な品質レベルのシリコン原料。
同社は2004年にシーメンス法での太陽電池用多結晶シリコンインゴットの生産能力を800トン/年に倍増している。
2001年4月に200トンで製造開始、太陽電池市場の拡大により2002年に400tに拡大した。
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2008年5月、チッソ、新日鉱ホールディングス、東邦チタニウムの3社は、新日本ソーラーシリコンを設立し、総額約240億円を投じて茨城県鹿島コンビナート内に太陽光発電用ポリシリコンの量産工場を建設すると発表した。
2007年1月から共同で独自の亜鉛還元法(JSS法)による太陽光発電用途ポリシリコン製造技術の実証化に取り組んできたもの。
チッソ 50%、新日鉱ホールディングス 30%、東邦チタニウム 20%の出資で、第一期 400トンを2010年に稼動させ、第二期として2010年以降 3,000トンまで増設する。
亜鉛還元法(JSS法)はシーメンス法と同じ塩化法によるもので、太陽光発電用途に十分な性能である8N〜9Nの高純度ポリシリコンを生産することができる。
付記 世界の多結晶シリコンの能力(2006年) 出展 工業レアメタル
2006能力(単位:トン) 半導体 太陽電池 計 トクヤマ 3,800 1,600 5,400 三菱マテリアルポリシリコン 1,400 200 1,600 住友チタニウム 700 0 700 日本合計 5,900 1,800 7,700 三菱ポリシリコン(米) 1,100 100 1,200 ヘムロックセミコンダクター(米) 6,000 4,000 10,000 ASiMI(米) 2,800 500 3,300 SGS(米) 0 2,200 2,200 ワッカーポリシリコン(独) 3,200 2,300 5,500 MEMCパサディナ(米) 1,500 0 1,500 MEMC(伊) 1,000 0 1,000 合計 21,500 10,900 32,400 METI 非鉄金属課 シリコン産業の現状と課題
http://www.meti.go.jp/policy/nonferrous_metal/strategy/semiconductor02.pdf
「両高一資」とは、高エネルギー消費・高汚染・資源消費型産業のことで、中国政府は少し前から、これを抑える方向で政策を進めてきた。
2007年7月1日から一部商品の輸出増値税還付政策を調整したが、調整の狙いの一つとして
「エネルギー消費量、汚染度が高い商品、資源性商品(材料となるもの)の輸出を抑制する」ということを上げた。
そして、エネルギー消費量、汚染度が高い商品、資源性商品(材料となるもの)553品目の輸出増値税還付を取り消した。
2007/6/28 中国、輸出抑制のため輸出増値税還付率を引き下げ
本年3月、中国政府は中国環境保護局を中国環境保護部への昇格を決定した。
過去30年間で、中国の経済発展モデルは、もともと破壊されやすい自然環境をさらに破壊しただけでなく、中国経済自身を侵食してきた。「局」が「部」に昇格することで、以前より影響力の強い発言権と、予算の増加によって従来よりも環境活動への取り組みは拡大される。
環境保護部はエネルギー消費量や汚染物質排出量が多く、資源消費型の「両高一資」建設プロジェクトを厳格に取り締まり、経済発展のバラ ンスを高める方針を決めている。
環境保護部は各地域と企業から提出された環境評価報告を集中的に整理・審査を行なっており、この過程でエネルギー消費量と汚染物質排出量の大きいプロジェクトが厳格に排除され、産業構造の調整と遅れた生産設備の淘汰が推進された。
同部は最近、化学工業と火力発電所の計6件総額394億元のプロジェクトの審査を一時停止した。
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中国大手銀行の一つ、招商銀行の社長は本年1月、「人民日報」に寄せた文章の中で、中国の銀行が注意を払うべき4大リスクを指摘した。
グローバル化における金融リスク、マクロ調整によるリスク、突発事件や操作上のリスク、「両高一資」業界のリスクで、「両高一資」業界については、国内の環境保護基準および産業参入基準がいっそう厳しくなるにつれて、これらの業界の売り上げは落ち込むとし、これらの業界に対する貸付にも、かなり大きな不確定要素が出てくると指摘、銀行は「両高一資」業界に対する融資をさらに抑え、「グリーン
融資」を前向きに押し進め、エコ社会の建設に貢献すべきだとしている。
2008/12/8 新日本石油と新日鉱ホールディングス、経営統合
国内石油元売り最大手の新日本石油と同6位の新日鉱ホールディングスは12月4日、経営統合すると発表した。
経営統合は次の3点を基本コンセプトとして行う。
(1) | 石油精製販売、石油開発および金属の各事業を併せ持つ世界有数の「総合 エネルギー・資源・素材企業グループ」へと発展することを目指す。 |
(2) | 「ベストプラクティス」をキーワードとして、収益性の高い部門に経営資源を優先配分することにより企業価値の最大化を図る。 |
(3) | 石油精製販売事業については、経営統合により初めて可能となる劇的な事業変革を早期に実現する。 |
統合手続は以下の通り。なお、経営統合比率(株式移転比率)は、今後、両社で協議の上、決定する。
(1)2009年10月に共同持ち株会社を設立して両社を傘下に入れる。
(2)2010年4月に双方の事業を分野別に完全統合する。
1)石油精製販売:新日石とジャパンエナジーの石油精製販売事業を統合
2)石油開発事業:新日本石油開発とジャパンエナジーの石油開発事業を統合
3)金属事業:日鉱金属を中核事業会社と位置付ける。
付記
2009/2/27 日程変更を発表
米国証券取引委員会への届出の必要によるもの。
スケジュール 変 更 前 変 更 後 「経営統合に関する本契約」(株式移転計画含む。)締結 2009年 3月(予定) 2009年10月(予定) 株主総会(株式移転計画の承認決議) 2009年 6月(予定) 2010年 1月(予定) 統合持株会社の設立 2009年10月(予定) 2010年 4月(予定) 中核事業会社の設立 2010年 4月(予定) 2010年 7月(予定)
両社の合併で、年間売上高13兆円強、国内ガソリン販売シェア36.5%を握る世界8位の石油会社が誕生する。
国内のガソリン販売量シェア 新日石+ジャパンエナジー 36.5% @新日石 25.7% Aエクソンモービル 17.7% B昭和シェル石油 16.7% C出光興産 14.7% Dコスモ石油 11.6% Eジャパンエナジー(新日鉱HD) 10.8% * 新日石は今年10月に合併した九州石油を含む
石油精製販売事業を中心として、全ての事業部門において公平かつ客観的な観点からあらゆるコストを点検し、聖域なき合理化・効率化を推進するとともに、経営統合によるシナジーを発揮して、少なくとも年600億円以上の統合効果を実現、継続的にその上積みを図って年1,000億円以上を目指すとしている。
統合後に計10カ所になる製油所や、約1万3千カ所のガソリンスタンド網を統廃合し、余剰設備を解消して収益力拡大を目指す。
西尾・新日石社長は「2年内に石油の精製能力を40万バレル(両社の能力の2割に相当)削減する」と述べた。
国内の石油事業の経営基盤を強化すると同時に、新エネルギー事業や海外での資源開発を加速し、総合エネルギー企業を目指す。
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新日鉱ホールディングス
1929年 日本鉱業設立
1965年 日本鉱業、アジア石油、東亜石油の民族系3社の販売部門を集約、共同石油設立 1992年 日本鉱業と共同石油が合併、日鉱共石が発足 日本鉱業から金属部門を分離、日鉱金属設立 1993年 日鉱業共石をジャパンエナジーと改称、JOMOブランド展開 1999年 日鉱マテリアルズ設立
(ジャパンエナジーの電子材料事業再編)2002年 新日鉱ホールディングス設立
2003年 日鉱金属加工設立
(日鉱金属から金属加工・精密加工事業を継承)2006年 新「日鉱金属」設立
(日鉱金属、日鉱マテリアルズ、日鉱金属加工を統合)ジャパンエナジーは鹿島石油の70.675%を所有(コスモ石油から17.15%を譲受)
ジャパンエナジーは富士石油の25%を所有していたが、AOCホールディングス(アラビア石油+富士石油)設立で売却新日鉱ホールディングスは昭和シェル石油と「JSイニシャティブ」を結び、統合を検討していた。
新日本石油
1888年 日本石油設立 1999年 三菱石油と合併、日石三菱スタート コスモ石油と業務提携 2001年 「ENEOS」ブランド 2002年 新日本石油に改称 日石三菱精製、興亜石油、東北石油の3社が合併、
新日本石油精製がスタート2006年 ジャパンエナジーと業務提携 2008年 新日本石油精製が新日本石油化学を統合
九州石油を統合
(新日鐵、丸紅、昭電その他から持株を買収)
新日本石油精製の100%を所有
日本海石油の66%を所有
和歌山石油精製の50%を所有していたが、2001年に停止
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新日本石油および新日鉱ホールディングス社の概要は以下の通り。
商 号 | 新日本石油 | 新日鉱ホールディングス | |
上流 | 生産量 | 4.5万BD (2007年平均) | 1.6万BD (2007年平均) |
埋蔵量 | 708百万Bbl (2007年12月末現在) | 110百万Bbl (2007年12月末現在) | |
原油輸送 | タンカー隻数 | VLCC 22隻(2008年12月1日現在) | VLCC 9隻(2008年12月1日現在) |
精製供給 | グループ製油所 原油処理能力 (2008年12月1日現在) |
(千BD) 室蘭製油所 180 仙台製油所 145 根岸製油所 340 大阪製油所 115 水島製油所 250 麻里布製油所 127 大分製油所 160 富山製油所(日本海石油) 60 合計 1,377 |
(千BD) 水島製油所 205 鹿島製油所(鹿島石油梶j 270 合計 475 |
製品輸出数量 (外貨ジェット、ボンド重油を除く) |
425万KL(2008年3月期)※ | 51万KL(2008年3月期) | |
物流 | 油槽所数 | 49ヶ所 (2008年12月1日現在) | 15ヶ所 (2008年12月1日現在) |
販売 | 燃料油国内販売量 販売シェア |
5,613万KL(2008年3月期)※ 25.7%※ |
2,276万KL(2008年3月期) 10.8% |
特約店数 SS数 |
635社 (2008年9月末現在)※ 10,242ヶ所 (2008年9月末現在)※ |
320社 (2008年9月末現在) 3,441ヶ所 (2008年9月末現在) |
|
石油化学 | パラキシレン生産能力 ベンゼン生産能力 プロピレン生産能力 |
160万d/年(2008年12月1日現在) 80万d/年(2008年12月1日現在) 90万d/年(2008年12月1日現在) |
102万d/年(2008年12月1日現在) 52万d/年(2008年12月1日現在) 9万d/年(2008年12月1日現在) |
※2008年10月に統合した九州石油分との単純合算ベース
付記 新日本石油の富山製油所(日本海石油)は2009年1月末に停止。
停止後はオイルターミナル会社として再出発する。
(金属)
新日鉱ホールディングス | |
上流 | (万d/年) エスコンディーダ銅鉱山(チリ) 2.0% 2.1 コジャワシ銅鉱山(チリ) 3.6% 1.8 ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)15.0% 5.1 ーーー グループ権益生産量(銅量) 9.0 ※%は日鉱金属出資比率 |
中流(銅製錬) | (万d/年) パンパシフィック・カッパー 佐賀関製錬所および日立精銅工場 45 玉野製錬所 ※ 16 LS−ニッコー・カッパー(韓国) 温山工場 51 ーーー グループ製錬諸能力 112 ※パンパシフィック・カッパー出資分 |
下流 | 電材加工事業 磯原工場(半導体用・FPD用ターゲットなど) 白銀工場(圧延銅箔、電解銅箔など) 倉見工場(コルソン合金など) 環境リサイクル事業 日立工場 |
石油開発:
新日本石油開発
ジャパンエナジー石油開発
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日本の石油産業の再編の歴史
第1波 1985 昭和シェル石油発足(昭和石油とシェル石油が合併)
1986 コスモ石油発足(大協石油、丸善石油、旧コスモ石油が合併)
1992
日本鉱業と共同石油が合併、日鉱共石(のちジャパンエナジー)
第2波 1999 日本石油と三菱石油が合併、日石三菱に
2000 東燃とゼネラル石油が合併、東燃ゼネラル石油に
2002 エッソ石油とモービル石油が合併、エクソンモービルに
第3波 2007 アブダビ首長国の投資機関がコスモ石油筆頭株主に
2008 ペトロブラス(ブラジル)が東燃シェル傘下の南西石油を買収
2008 新日石が九州石油を吸収合併
2008 新日石と新日鉱が統合発表
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日本経済新聞によると、今回の合併の経緯は以下の通り。
新日石は統合による規模拡大を検討していた。
当初、同社はコスモ石油を統合相手として検討した。
2位のエクソンモービルは大きすぎ、公取委の承認を得られない。
3位の昭和シェルはシェルが離さないだろう。
4位の出光は独立志向しかし、コスモ石油はアブダビの出資を受け入れた。
このため、相手は新日鉱のみとなった。
新日鉱も国内市場の急速な縮小を前に、単独での生き残りが難しいとの認識は強めていた。「エクソンモービルが日本事業を手放したがっている」との情報が業界を駆け巡った。
公取委は2007年春に合併審査の新指針を施行。審査で重視する指標を「寡占度指数」に変えた。
他社が先に再編を仕掛けて市場の寡占度が上がると、残る企業はM&Aのハードルが高くなる。
このため、新日石は合意に向けた作業を加速 した。
2008/12/9 化学業界で生産調整 (Dow, DuPont)
ダウは自動車や他の消費財の需要の激減を受け、主力のテキサス州Freeport
工場で減産を行い、契約工をレイオフする。地元紙が伝えた。
工場では12月15日から1月5日までコンプレックスの生産を35%に落とし、メンテナンス及び操業の契約工約4000人のかなりをレイオフする。
一部のプラントはフル稼働するが、完全停止するプラントもある。
フルタイムの4500人の従業員はレイオフされないが、非重要部門の従業員には減産期間中、自宅勤務や休暇を取るなどを求める。
需要に対応した人員で操業を行なう考え。
1月5日以降どうするかは今後考えるとしている。
Texas City工場についても同様の措置を取る模様。
Freeport工場は、エチレン 155万トン、プロピレン
58万トン、LLDPE/HDPE 25万トン、LDPE 30万トン、MEG 42万トン、SM
64万トンの能力を持つ。
Texas City工場は、VAM 33万トン、プロピレン 7万トンの能力を持っている。
付記
ダウは12月8日、現下の経済情勢に鑑み、「変身戦略」を加速するための合理化策を発表した。
来年1月付けで、約5000人のフルタイムの社員を削減、高コスト地区の20のプラントを閉鎖、いくつかの非戦略事業から撤退する。
人員削減は全世界の従業員の約11%に達する。
これらの施策がフルに実施されると、2010年までに年間営業コストを8億ドル削減することとなり、ロームアンドハース合併での8億ドルのコスト面でのシナジーに加算される。
更に、現在の製品市場の状況を勘案し、一時的に180のプラントを休止し、世界で約 6000の契約社員を減らす。
変身戦略では、現在の中央集権的な組織から、小さな本社の下での次の3つの異なるビジネスモデルでの運営に変える。
1)JV・アセットライト=石化事業
石化事業をJV化し、資本負担を減らす。
2)機能製品事業
3)健康・農業、先端材料、その他市場志向事業
これらの詳細は来年早々に発表される。
ーーー
DuPont は12月5日、競争力強化のためのアクションを発表した。
建設業界と自動車業界の不振、消費者の消費の減少の結果、サプライチェーンでの在庫の縮小で、需要の減少が予想されるとし、コスト削減、投資の縮小によるキャッシュフロー強化のための積極的な行動を取るとしている。
リストラ計画として、主として欧米の自動車、建築業界の事業でおよそ2500人を削減する。将来の競争力強化のため、資産の合理化も行なう。リストラのため第4四半期に税引前で5億ドルの費用を計上する。
これらの処理で2009年に税引前で130百万ドル(年率では250百万ドル)の利益を生むと期待している。
また、年初に始めた生産性計画(2009年に6億ドルの固定費減、10億ドルの運転資金減)を早める。
計画では年末までに4000人の下請けを減らし、2009年には更に減らす。
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化学業界では全世界で減産が行なわれており、BASFも11月19日に、世界の80 程度のプラントを停止し、更に100 程度のプラントで減産すると発表している。
2008/11/24 BASF、全世界で減産
SABICもSABIC Europe
が減産に入ったことを明らかにした。(詳細は不明)
但し、サウジでは自前の安い原料のため、フル稼働を続けている。
サウジアラムコが石油開発計画を次々に延期している。
同社は10月末には非常に強気であった。
Refining, Marketing
and International 部門のトップは10月28日の業界の会合で、自己資金での事業のため、金融危機には無縁であり、経済情勢の悪化でアラムコのメガ計画が影響を受けることはないとし、逆に建設資材の需給が緩和しメリットがあると述べた。
但し、原油の需給には注意する必要があるとはしている。
Aramco は11月初めに、同社の短期的な計画は予定通り進めており、2009年末までにサウジの能力を日量1,250万バレルに増やす計画には変わりはないとした。
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11月6日、Saudi Aramco とConocoPhillips は
Yanbuの日量40万バレルの輸出用製油所建設の入札を停止することで合意したと発表した。
当初は12月の入札を予定していたが、来年の第2四半期に延期する。
Saudi Aramco も ConocoPhillips も、この計画をやることには変わりはないとしており、準備作業は進める。
付記
ConocoPhillipsは2010年4月21日、本計画からの撤退を発表した。
Aramcoとの関係や、最近の再入札で建設費が大幅に下がったことから難しい判断だが、川下分野を削減するとの現在の戦略から決断したとしている。
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SaudiAramco は11月に、 Manifa
油田の開発計画(2011年までに日量90万バレル追加)に関してイタリアのSaipem
と7月に結んだ契約をキャンセルする意向を明らかにした。
Manifa
油田はサウジアラビア北部、アラビア湾沖の油田で、埋蔵量は200億バレルと推定されており、1980年に生産停止となる前は、15万バレルの生産の実績がある。三菱重工が今回の開発計画で15万kW級ガスタービン2式を受注している。
原油価格下落と金融危機で資源を巡る競争が緩和しており、いろいろの契約を再交渉して、コストダウンを図りたいとしており、他社も入れて再入札を行なうと見られている。
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Total と Aramco は11月末に、金融市場の不安定を理由に、100億ドルの Jubail の製油所計画の入札を延期すると発表した。
Aramco 62.5%、Total 37.5% のJVで、日量40万バレルの製油所を建設する計画で、来年第1四半期に入札の予定であったが、最低3ヶ月は延期する。
上記のManifa 油田の原油の70ー80%がここで処理される予定となっている。
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Aramco はこのたび、古い Dammam 油田を再スタートさせる12億ドルの計画を延期した。
同油田は人口の多いDhahran市の地下にあり、開発コストは非常に高くなることも影響している。
同油田は1938年に発見され、これまで日量1万バレル以上の生産はなかったが、最近の地質調査で日量10万バレルの原油と日量100 百万立法フィート の天然ガスの生産を見込んでいた。
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しかしながら、Aramco の石油開発部門副社長は、最近の業界会合で、「石油価格は1年以内に回復すると見ており、石油価格下落で計画を止める考えはない」と述べた。むしろ、鉄鋼価格の下落等でコストダウンが可能になるとしている。
業界アナリストも、上流や下流で投資を止めると、世界経済が回復しエネルギー需要が戻った際に、石油価格暴騰を引き起こすと警告している。
2008/12/11 三菱ケミカルホールディングス、中期経営計画を見直し
三菱ケミカルホールディングスは9日、事業説明会を開き、2008-10年度の中期経営計画の見直しの説明を行なった。
3年間の設備投資額(投融資含む)を、当初の5900億円から1600 億円減額し、4300億円にする。世界景気の減速が顕著になり、計画の見直しを迫られた。
研究開発費は当初計画比200億円減の4050億円とする。市場の成長が見込める白色発光ダイオード(LED)とリチウムイオン電池材料に研究開発費を優先的に配分するとしている。
詳細 http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/20081209-2.pdf
なお、合わせて炭素事業と電池材料事業の説明が行なわれた。
同社の中期経営計画については 2008/9/10 三菱化学の石油化学事業の将来
今回の見直し内容は以下の通り。
石化事業全般として、C3/C4誘導品は戦えるが、C2誘導品は厳しいとの見方を示した。
このため、C2系については中期経営計画期間で以下の施策を加速する。
・C2系の弱い事業の撤退(収益悪化リスクを約100億円軽減)
・PE事業基盤強化(設備集約と高付加価値化)
・ユーティリティ設備削減と最適化
・アセットライト(資産・資本の軽減)
2010年に2000億円削減(在庫削減、持株譲渡、事業撤退ほか)アルファオレフィンとエトキシレートは2009年に停止
ABSはテクノポリマー持分をJSRに譲渡
2008/11/28 三菱化学、ABS事業から撤退
その他のC2誘導品についても、今後対応を検討する。
今後は強みのある誘導品を中心とした事業展開を図る。
鹿島コンビナート 競争力あるオレフィン・アロマティックスセンター化
水島コンビナート 競争力ある誘導品に特化
四日市事業所 自動車向け高付加価値製品に特化
海外拠点 競争優位の事業に特化
また、コンビナート各社と連携し、プラント統廃合を検討する。(海外では各エリアで強い企業と提携)
更に、ナフサ依存型脱却に向け、原料転換の技術開発を加速する。
付記
三菱化学の高下常務は9日の事業説明会後、記者団に対し、「旭化成と再編について検討している」と語った。
水島のいずれかのエチレン生産設備を停止してエチレンの相互供給を検討すると見られる。
集中事業として、C4ケミカルとポリカーボネートを挙げた。
C4ケミカル:1,4-ブタンジオール→PTMG→(ポリウレタン繊維)
・浙江省寧波でのPTMG 2.5 万トン計画 予定通り2009年3Q完成
・ブタジエン新製法の確立
C4留分からの抽出に加え、残りのブテン(FCCからのブテンも)からのブタジエン製法
・GS PLA(コハク酸と1,4-BGの共重合ポリエステル)向け原料供給ポリカーボネート及び原料ビスフェノールA
・黒崎 2010年4月スタート
溶融法PC、現行20千トンに加え、2期60千トン
原料ジフェニルカーボネート 100千トン(うち50千トン 中国JVへ供給)
・Sinopec とのJV(北京) 2010年2Qスタート
BPA 150千トン(自消及び外販)
溶融法 PC 60千トン
テレフタル酸は徹底したコスト削減とアライアンスを検討する。
インド、インドネシア、中国では海外企業との提携による販売・生産体制再構築
コスト競争力(合理化によるコスト削減、不採算工場の撤退検討)
海外Global Head Quarters による購買/販売/技術面での機動力あるマネジメント
資源配分計画を見直す。
設備投資・投融資を重点化により1600億円削減(2008-10年度)
機能商品 2100億円 → 1500億円 ヘルスケア 750 750 化学品 1550 1000 うち700億円は石化の保安・安全・合理化投資 その他 1500 1050 合計 5900 4300 戦略的投資 2500億円 → +α R&D費用 4250億円 → 4050億円 重点化(メリハリ)
七大育成事業は白色LEDとリチウムイオン電池材料に優先配分する。
七大育成事業
白色LED
HEV用リチウムイオン電池材料
自動車用ケミカルコンポーネント
サステイナブルリソース
次世代ディスプレイ
有機太陽電池
個別化医療/創薬支援
2008/12/12 マリンホース国際カルテル事件で日本人に有罪判決
米司法省は2007年5月、原油を海上のタンカーから陸地の貯蔵施設に石油を移すときに使うマリンホースの販売で国際的な価格カルテルに関与した疑いがあるとして日欧企業の幹部8人を逮捕したと発表した。
逮捕されたのは日本のブリヂストンの1名と英国のコンサルタント、英社の2名、仏社の2名、伊2社の各1名の合計8名。その後追加の逮捕があった。
米司法省は、カルテルに入っていたが自主申告した横浜ゴムの担当者になりすまし、そのメールアドレスを使ってコンサルタントらとやりとりを開始し、その結果開かれた会合で逮捕が行なわれた。
2007/12/18 マリーンホース国際カルテル事件のその後
日本の公取委は2008年2月、マリンホースを巡り国際カルテルを結んでいたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)で英仏伊のメーカー4社とブリヂストンに排除措置命令を出した。ブリヂストンには課徴金納付命令も出された。
2008/2/25 公取委、マリンホース国際カルテルで排除命令
ブリヂストンは2008年2月、マリンホース事業で中南米や東南アジアなどの外国公務員に対する不適切な支払いが少なくとも
1億5千万円あったと発表した。
同社はマリンホース事業からの撤退を明らかにした。
同上 付記
ーーー
米司法省は12月10日、ブリヂストン社員が有罪を認め、2年の禁固刑と8万ドルの罰金を課せられたと発表した。
http://www.usdoj.gov/opa/pr/2008/December/08-at-1084.html
カルテルへの参加のほか、ラテンアメリカその他で公務員に不適切な支払いをした連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)違反でも訴えられていた。FCPA違反は彼のみ。
これで、個人としての結審は9人目となる。 あと、2人が残っている。
判決は以下の通りで、いずれも長期の禁固刑となった。
なお、A、B、Cの3人はいずれも英国で同期間の禁固刑を受けており、米国での禁固刑は免除となる。
禁固 罰金 Dunlop Oil & Marine A 24 month $100,000 B 20 months $ 75,000 PW Consulting (Oil & Marine) C 30 months $100,000 Manuli Rubber Industries SpA D 14 months $ 75,000 E 12 months and one day $ 20,000 Trelleborg Industrie S.A.S F 14 months $ 75,000 G 14 months $100,000 Parker ITR S.r.l. H six months 自宅監禁 $ 20,000 Bridgestone I two years $ 80,000
企業としては、Dunlop Oil & Marineが$4.54 million、Manuli Rubber Industries が$2 million の罰金を課せられている。
ーーー
カルテル容疑で日本人が米国で禁固刑に服するのは、これが2人目。
これまで何人もの人が米国で起訴されているが、日本在住の場合には犯罪人引渡し条約が適用されず、時効の中断の状況のままである。(米国や米国との犯罪人引渡し条約が適用される国に入国すれば逮捕されることとなる)
今回は現地で逮捕されたため、逃れられなかった。
1人目はダイセルの若い担当者。
防カビ剤のソルビン酸価格カルテルで、ダイセル、上野製薬、日本合成の3社の役員等が起訴されたが、チッソ(免責)の提出した詳細情報のためにダイセルの若い担当者が起訴された。
彼の場合は今後一切、海外に行けないのでは仕事にならないため、自ら渡米し、3ヶ月の禁固刑に服した。
2006/2/16 独禁法改正
2008/12/13 信越化学、ポルトガルの塩ビJVを完全子会社化
信越化学は12月10日、ポルトガルの塩ビ製造販売の関連会社・CIRES (Companhia Industrial de Resinas Sinteticas) の完全子会社化の手続きに入ったと発表した。
付記 信越化学は、2009年8月14日付けでCIRES社の完全子会社化の手続きを完了した。
CIRES は同社の海外進出の第1号で、1960年に設立された。
当時ポルトガルでは合成樹脂について国内に原料のあるPVC計画のみが検討されおり、その認可を受けた同国最大の電力会社で傘下にカーバイド製造会社を持つウニオン・エレクトリカ・ポルトゲーザ(UEP)が提携先を探していた。
三井物産のアレンジで信越化学の参加が決まった。
三井物産と信越化学がそれぞれ25%出資、現地側はUEP 12.5%、市中銀行2行で35%、機械商社2.5%の出資比率であった。
1963年に年産3,600トンでスタートした。(現在の能力は20万トン)
その後長期間、三井と信越は26%ずつの出資を続けたが、1992年にNorsk Hydroが26%の出資を行った。
2007年にINEOSがNorsk Hydroのポリマー事業を買収した。
2007/5/25 INEOS、Norsk
Hydro からポリマー事業を買収
今回の完全子会社化の目的は、CIRESを信越化学と一体化させることで、同社の事業運営のスピードアップを図り、欧州における塩ビ事業の一翼を担う存在として事業を拡大させて行くこと。
買収は先ず、Shin-Etsu International Europe がINEOS Chlor Vinyls の保有全株式を買収し、過半数(52.31%)とした後、ポルトガルの法律に基づき、株式公開買付を行なう。
全株式取得に必要な資金は、約19百万ユーロ(約22億円)の予定。
手続前 08/12/9契約 09/3開始 Shin-Etsu International Europe 26.07% 52.31% 100% INEOS Chlor Vinyls 26.23% 売却 - - 三井物産グループ 26.07% 26.07% TOB - その他現地資本 21.63% 21.63% -
同社の業績は以下の通り。(単位:千ユーロ)
07年12月期 06年12月期 売上高 176,195 158,175 営業利益 2,363 2,575 当期純利益 1,289 1,229
信越化学の塩ビ事業は、アメリカのシンテック社を中核とし、欧州、日本と併せた3極体制で世界中の顧客に安定供給を行っている。
信越グループの能力(千トン) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2006/5/16 世界一の塩ビ会社 信越化学
2007/6/1 シンテック、テキサス州にVCM工場の建設許可を申請
最新分は http://knak.cocolog-nifty.com/blog/