米財務省は4月7日、バイデン大統領が提案したAmerican Jobs Planの財源となる法人増税計画(The Made in America Tax Plan)の詳細を発表した。

イエレン財務長官は新たな法人税制案について「全ての米国在住者にとってより公平なものになる」と指摘、企業が投資や利益を国外に移すインセンティブを排除し、国内での極めて重要なニーズに充てる資金を増やすための計画だと述べた。

考え方

 1.  必要な投資を賄うため十分な税収を集める。

トランプ大統領と共和党は2017年12月の税制改正(Tax Cuts and Jobs Act)で35%の連邦法人税率を2018年から21%に引き下げた。

2017/12/18 米共和党、税制改革で統一案、減税規模10年で1.5兆ドル 法人税21%で決着

この結果、それまで法人税収入はGDPの2%を占めていたが、1%に下がった。各国と比較すると非常に低い。

 2.  労働に対してフェアな税制  

最近は労働からの国民所得のシェアが資本からの所得に比較し低減している。これを是正する。

 3.  海外投資による利益移転を減らす。

 4.  国際的な税率引き下げ競争の停止

 5.  全ての企業がフェアに納税 利益に対して納税の少ない企業に最低税率を適用

 

The Made in America tax planの内容 

 今後15年間で2兆5000億ドルの追加税収を目指す。

 1.  法人税率(現在21%)を28%に引き上げ

 2.  米の多国籍企業にグローバルな最低税率

米国の多国籍企業は、タックスヘイブンの活用で実効法人税率が8%にとどまっている。
多国籍企業の海外子会社の収益への課税を現行の2倍の21%に引き上げるなど、利益の海外移転に対する税制上のメリットを縮小する。

 3.  各国の税率引き下げ競争の停止

 4.  多額の利益を計上しながら課税所得が低い大企業に対し、計上利益に15%のミニマムタックス

決算報告で年間20億ドル以上の利益を計上した大企業に対して、税制優遇などで法人税の課税額がゼロになる場合でも、決算上の利益に対して最低15%を課税する。
この制度が導入されれば、米企業45社の納税額が平均で年間3億ドル増えるという。