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東洋紡 PBO繊維ザイロン(R)

  ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)
を液晶紡糸した繊維



技術資料 ザイロン(R)
http://www.toyobo.co.jp/seihin/kc/pbo/technical.pdf

繊維物性
 ザイロン(PBO 繊維)はパラアラミド繊維の約2 倍の強度と弾性率を有するとともに、パラアラミド繊維より約100℃高い分解温度と有機繊維中最高の68 という限界酸素指数(LOI)を有する次世代スーパー繊維です。
 ザイロンにはAS タイプ(レギュラー糸)とHM タイプ(高弾性率糸)があり、弾性率、平衡水分率などが異なります。

 ザイロン は、有機繊維中では最も高い強度と弾性率を示します。


毎日新聞 2005年7月3日                           

防弾チョッキ:米政府が欠陥証拠隠したと東洋紡など提訴

 AP通信によると、米政府は2日までに、警官が着用する防弾チョッキの欠陥の証拠を隠したとして、米防弾チョッキ製造大手のセカンドチャンス・ボディーアーマー社(ミシガン州)と、素材の特殊繊維を供給する日本の東洋紡を相手取りワシントンの連邦地裁に提訴した。東洋紡は米政府の主張を否定している。

 訴えによると、両社は、防弾チョッキの素材に使われた東洋紡の特殊繊維
ザイロンが、光や熱、湿気にさらされると想定より劣化が早まる恐れを知りながら3年近く公表しなかった。2003年にチョッキを着用していた警官2人が撃たれて死傷した後に初めて、セカンド社は製品の販売を中止、安全上の問題を公表したという。

 東洋紡の米国スポークスマンは「セカンド社には01年、劣化に関する情報を顧客に公表するよう伝えたが同社は怠った。東洋紡に責任はない」と主張。セカンド社側は「責任は最終的には東洋紡にある」としている。(ワシントン共同)

* Second Chance Bodyarmor http://www.secondchance.com/home.asp 


2003年12月12日 東洋紡績

米国におけるザイロン使用防弾チョッキに関わる訴訟について
http://www.toyobo.co.jp/seihin/kc/pbo/pdf/20031212.PDF

 2003年12月11日付けの、「米国におけるザイロン使用防弾チョッキの動きについて」と題したステートメントに関連して、最近米国において訴訟が提起されたことについてご説明申しあげます。

 2003年11月17日、米国マサチューセッツ州の司法長官は、米国の防弾チョッキメーカーであるセカンドチャンス社に対し、訴訟を提起しました。これは、同社が製造・販売した、ザイロンを使用した防弾チョッキの販売中止、交換、損害賠償等を求めるものです。この訴状においては、東洋紡アメリカ株式会社も被告となっております。
 同月末には、米国カリフォルニア州において、セカンドチャンス社の防弾チョッキを着用中に射殺されたと主張する警察官の家族が、同社に対する訴訟を提起したとの新聞報道がなされました。右新聞報道によると、東洋紡アメリカ株式会社も当該訴訟の被告とされていますが、現時点では詳しい内容は不明です。
 また、2003年12月3日、米国イリノイ州において、セカンドチャンス社の防弾チョッキの購入者から、セカンドチャンス社に対し、損害賠償を求める集団代表訴訟が提起されました。この訴状においては、東洋紡アメリカ株式会社と当社も被告となっています。
 当社としては、ザイロン繊維が欠陥ある製品であるとは考えておりません。ザイロンは最終製品たる防弾チョッキの一部分を構成する材料であり、上記いずれのケースも防弾チョッキメーカーの設計、製造、販売の問題であって、ザイロン繊維の瑕疵に起因するものではありません。
 したがって、当社が法的責任を負うものではないと考えております。
 しかしながら、以前にも述べましたように、当社では、ザイロンを素材とする防弾チョッキを使用する警察官その他のユーザーの生命と安全の確保は最優先に考慮されるべきものとの考え方に立ち、合衆国政府の本問題への調査、取組に最大限の協力を行っていく所存であります。
 皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申しあげる次第です。


2003年12月11日 東洋紡績

米国におけるザイロン使用防弾チョッキの動きについて
http://www.toyobo.co.jp/seihin/kc/pbo/pdf/20031211.PDF

 米国において、当社のザイロンを使用する防弾チョッキについて、最近いくつかの動きと報道がなされておりますので、これらについてご説明申し上げます。

 2003年9月9日に、米国のセカンドチャンス社は自社の製造するザイロンを使用した防弾チョッキの性能が予想より早く劣化するとして、これらの防弾チョッキの製造を中止し、販売済の製品を回収、補強、交換等の措置を取ることを発表いたしました。
   
   
 当社は、1998年に製造販売を開始したザイロンというこの新しい繊維について、知りうる限りの品質に関する情報を開示してきました。2001年7月からは、強度保持性の指標として、高温、高湿下における強度保持のデータを定期的に開示してきました。これにより、一定以上の特殊な環境下でザイロン原糸の引っ張り強度が低下することは業界で広く理解されてきたと考えております。同時に、ユーザー各位には、その製品の設計、製造にあたり、本情報を十分に考慮されるようにお願いをしてきました。

 


2005/07/13 東洋紡績

米国における「ザイロン(R)」繊維を用いた防弾ベストに関する集団訴訟の和解について
http://www.toyobo.co.jp/press/press204.pdf

 東洋紡績株式会社(本社:大阪市北区堂島浜二丁目2番8号)は、米国における防弾ベストのユーザー等から米国オクラホマ州メイエス郡地方裁判所に提訴されている集団訴訟(代表原告:Steven W. Lemmings氏)において、本日以下のとおり原告団と和解契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。

1.本件訴訟の内容及び経過
 本訴訟は、当社製品のザイロン(R)繊維が使用された防弾ベストの性能が不十分であるとして、防弾ベストのユーザー等が防弾ベストメーカー(セカンドチャンス社)に対して損害賠償などを訴えていたもので、当社および当社の米国子会社である東洋紡アメリカ株式会社も被告となっていました。
 証拠開示手続が進行する中、2004年10月に
セカンドチャンス社がアメリカ連邦破産法に基づく倒産手続(Chapter 11)を申請した結果、自動的に同社との関係では本件訴訟は停止され、その後は、当社および東洋紡アメリカ株式会社に対してのみ訴訟が進行しました。
 当社は、裁判において当社に非がないことを主張する一方、原告団およびセカンドチャンス社との間で和解の道を探ってまいりましたが、このたび、原告団と当社および東洋紡アメリカ株式会社との間で和解が合意されたものです。

2.和解の内容 

(1) 当社は、和解金として2,900万米ドル(約33億円)を原告団に支払います。当該金員は、ファンドとして管理され、最終的に原告団の一人一人に分配されます。
(2) 原告団は、和解契約上さらに、米国のアーマーホールディングス社の防弾ベストを割引価格で購入する権利があります(この点についてはアーマーホールディングス社と原告団との間で別途契約がなされています)。
(3) 他方、原告団は、本件に関する当社および東洋紡アメリカ株式会社に対するその他の請求を放棄します。
(4) 当社は、上記(1)記載の和解金とは別に、原告団の代理人弁護士の弁護士費用として940万米ドル(約11億円)を支払います。
(5) 請求の基礎が本件訴訟と同一である訴訟(下記各訴訟を含みますが、それに限られません。以下「関連訴訟」といいます。)は、本件和解に伴い、当社と東洋紡アメリカ株式会社との関係において棄却申立がなされます。
  <係属裁判所 / 原告>
 ウェストバージニア州カナワ郡巡回第一審裁判所 / Jack A. Jordan 氏他
 ミズーリ州ブキャナン郡巡回第一審裁判所 / ブキャナン郡
 ルイジアナ州第14地区カルカシュー郡地方裁判所 / Patrick L. Johnson 氏
 ニュージャージー州カンバーランド郡上級第一審裁判所 / ニュージャージー州ブリッジトン市
 カリフォルニア州ロスアンゼルス郡上級第一審裁判所 /Brian Barnes 氏
 ミシガン州第三巡回裁判所 / Mark P. LaBrosse 氏
(6) さらに当社は、本件訴訟及び関連訴訟の原告として名を出している人々(Named Plaintiffs)に対し、報奨的賠償として6万米ドル(約680万円)を支払います。
(7) 裁判所の定める期間内に本件訴訟の原告団から離脱する手続(Opt−out)をした者については、本件和解は適用されません。また、連邦政府の請求、人身傷害に基づく請求等にも、本件和解は適用されません。
(8) なお、当社は原告団の主張する当社の責任を一切認めるものでない旨、和解契約上明記しております。
(9) 本件和解は、米国オクラホマ州メイエス郡地方裁判所の最終承認を得ることが条件となっています。